最終回 27話
ポセイドンに最終攻撃をかけるべく魚たちとポセイドン基地、アトランティスの遺跡へ乗り込むトリトンたち。
待ち受けたポセイドン族のゲルぺス連隊長ゲルペスはトリトンを見て「お前があの両親の子供か」。
トリトンの両親の仇であった。
ゲルペスはオリハルコンの光におののき退却するも、ポセイドンにトリトンの排除をなおも命令される。
再度トリトンと対決するゲルペスだがオリハルコンの光に敗れた。

いよいよポセイドンとの対決となるが、今まで指令を出していたのは「像」であった。
像が立っていた場所には深穴があり、そこでトリトンが見たものは先ほどまで生きていたと思われる人々の死体であった。
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穴の深くに存在した都市。横たわった人々。子供を抱いた女性もいた。
コロッセオのような建築物の中央には死したポセイドン族の長老と思われる老人がいた。
既に死んでいる。彼が残したであろうほら貝がトリトンに伝える。
「トリトン族とポセイドン族は同じアトランティス人の末裔であった。
アトランティス人が作ったポセイドン像、その生贄にされたのがポセイドン族の祖先である。
ポセイドン像もオリハルコンで作られ、そのエネルギーによって地下のポセイドン族は生きながらえていた。
だがポセイドン像に打ち勝つオリハルコンの短剣をトリトン族が作り出してしまった。
ポセイドン族は地底から抜け出し平和に暮らすためには像を破壊するマイナスのエネルギーのオリハルコンの短剣を手に入れなければならなかった」
トリトンは叫ぶ
「違う!みんなポセイドン族が悪いんだ!」
オリハルコンの光に引かれて襲いかかるポセイドン像
像の喉に引き寄せられるようにオリハルコンの短剣が突き刺さる。眩い光と共に像は崩れていった。
像も、ポセイドン族が生息していた街も崩れ落ち、海に平和が戻った。
トリトンはまた旅立つ。その腰には短剣はない。
おわり。
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という最終回でした。
海の悪者ポセイドンをやっつけて海に平和が戻った。やったねトリトン!
じゃなかったですね。
小学生だった自分もなんか大団円じゃないよね、と理解はしました。
なんせビデオもないあの頃、リアル放送は一期一会。
巻き戻して繰り返し鑑賞することができるまで十年待たなくてはならなかった。
今ここにはベータのビデオテープとDVDボックスがあります。
ポセイドン族のほら貝が会話を始めるところから文字起こししました。
全て言葉で説明してくれていますのでおさらいしたい方はお読みください。
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■ポセイドン像と対峙したところから
(トリトンと対峙したポセイドンと思われる巨大な像は「剣を納めよ。納めねば恐ろしいことになる」と、動き出す)
お前ごとき子供にオリハルコンの短剣の本当の使い方はわからぬ!
オリハルコンにはお前たちトリトン族の言い伝えにいう以上の恐ろしい魔力があるのだ。
これはポセイドン、あんたをやっつけるための力だ。正義だ。力だ。
違うそんな力ではない。オリハルコンの力こそ、全てのものを破壊する力なのだ。オリハルコンの短剣をさやに納めよ。トリトン、その短剣を持ってポセイドンに近づいてはならぬ、それ以上は近づくな、近づかないでくれ。近づいたらポセイドンは、トリトンは恐ろしい結果を生むのだ。
トリトン、頼む、オリハルコンの短剣をさやに納めてくれ。
■ここで前半終わり
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■後半
トリトン、それ以上動くと我らポセイドン族は全滅する。
ポセイドンの像はオリハルコンの輝きに引かれて動き出すのだ。
なんだと!
(トリトンの隙をついてポセイドン族のサメが襲いかかり、思わずオリハルコンの短剣を使ってしまうと)
オリハルコンの輝きを見せてくれたな、トリトン!
(暴れ出すポセイドン像)
トリトンめ、我らポセイドン族はお前を、オリハルコンの剣を呪って死んでいくぞ。
(しかしこの声は先ほど前とは違い老人のような声)
違う!こいつじゃない。喋ってるのはこいつじゃないんだ。
一体誰が、誰が喋っているんだ。
(オリハルコンの短剣を一度さやに納めるとポセイドン像の動きが止まった。ルカーが引き止めるが、遺跡の奥に向かうトリトン)
(そこで見たものは
街の遺跡。
遺跡なのにそこかしこに人が倒れている。死んでいる)
(どこからともなく語りかける声)
トリトン、これがトリトン、お前が侵した罪だ。ポセイドンの像はオリハルコンでできた像だった。そのエネルギーを使ってこの街を作り、生活をしていた我らポセイドン族の太陽を奪ったのがお前なのだ。
(街の中心の建物らしき場所に一人の老人の死体があった。手元には法螺貝)
この法螺貝はオリハルコンの剣が近づくと働き、剣の輝きの力でお前の質問に答えるようになっている。
しかし剣を抜くことはポセイドンの像を引き付け呼ぶことになる。
なぜあの像がお前たちの太陽なんだ
答えよう。お前が来た穴から太陽のようにオリハルコンのエネルギーが放射されそれで我々は暮らしていた。だがそれをお前が壊した。
お前たちが俺に壊させたのじゃないのか
答えよう、アトランティス人が伝えたその探検がポセイドンの像を破壊するものなのだ。
我々はそれをどうしても手に入れたかった。
そのために世界中の海を荒らしまくったのか。
そうだ。トリトン族を倒しこの地底世界から抜け出そうとポセイドンの像の力を使ったのだ。
しかしそれも全て終わった。
(オリハルコンの短剣を抜くトリトン。地響き)
なんだ!?
答えよう。像がお前の短剣に惹かれてこの街に降りてきたのだ。
なぜこのようになったか教えよう
。
全てアトランティスじんが作り出したことなのだ。
アトランティス人?
そうだ。アトランティス人がポセイドンの像を作り出した時、我らは人身御供として
人身御供?生贄にされる人たちのことだな。来た!
そうだ。我ら我の祖先は生贄だった。ところが生贄にされた人々の何人かがオリハルコンのエネルギーによって生き長らえた。
そのエネルギーを武器に我々はアトランティス人に復讐した。
だがアトランティス大陸が沈む直前に彼らはポセイドンのエネルギーに打ち勝つマイナスの力を持つオリハルコンの短剣を作り出したのだ。
そうか、その短剣を持って生き延びたアトランティス人の生き残りがトリトン族、俺の祖先だというわけか。
やっと生き延びた10000人足らずの我々を殺すためにお前は戦った。
それは、海の平和を守るためだからだ。それがポセイドンを倒すためだからだ。
我々はこの狭い世界の外に出たかった。
トリトン族を倒して平和に暮らしたかっただけなのだ。
俺は
ポセイドンの像を動かしたのもトリトン、お前だ。我らポセイドン族を全て殺したのもトリトン、お前だ。
像を倒さぬ限り世界が破壊されるようにしたのもトリトン、お前だ。
違う!みんなポセイドンが悪いんだ!
(攻撃してくるポセイドン像をオリハルコンの輝きで止めるが、剣は像に引き寄せられていく)
(勢いのまま像の喉元に剣を突き刺すトリトン)
(像は悲鳴を上げながら砕けていった)
(海底火山の噴火)
(ルカーたちと脱出したトリトン)
(腰にはオリハルコンの剣はない)
(そしてまた少年は旅立つ)
■おわり
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はい、終わりました。
10歳でしたねえ自分。
後、ヤマト、ガンダムと来て富野さんに関する記事などで当時の制作側の事情も知ることになるのでした。
子どもながら作画の良し悪しに一喜一憂していた自分は、最終回なのに作画のバラツキがありすぎることが不満でしたなあ。
羽根さんの作画の美しさをずっと見ていたかったです。
ちなみに、翌年くらいから始まったマジンガーZは最初数話は作画が羽根さんでしたよね。
2023/09/28 記