ハートはピンクで描く朝の一コマ ―――――― 青桐侯也
「ねぇ…あたしの事好き?」
「あぁ…」

嘘つき私の眼を見てくれない

「あたしの事…愛してる?」
「…あぁ」

嘘つき私の口を塞ぎたがる

押し倒されて抱き合う事も無くただ裸体を曝して
愛撫も知らずに犯される

「…いやぁ…いきなり……ぁあん・・・」

簡易にしか慣らしてくれないソコは気持ちも身体もついていけてない事を知らすかのように
悲鳴をあげて真っ赤な液体がつぅっと腿を辿る

「ひゃぁ・・・あぁっ・・・おっき…」

身体が喜び始めても心は惨めなままで
それを忘れようと身体の方に何もかも委ねて増す惨めさを忘れていく

「っ・・・んぁ・・・痛っ…あっ…はぁん…」

感じる痛みが何が痛いのか解からなくて
頭に何が≠ニ浮んだ事がまた痛くて
与えられない愛撫を自ら与えて身体にだけは慰めを与える

「あぁ…いあ…はっ…ぁぁん」

身体は何回イッタだろうか?どこに出されたかなんて最早関係ない
下腹部は精液と血とで気持ち悪い…

(精子と血が混じってもピンクにはならないんだ…)

一定のリズムで揺らされる身体は気持ちを放って有頂天
真っ白い頭で目を瞑っても解かる愛撫する指に纏わりつく赤いモノ

「ぃ…ん…あっ…もぅ…」


こんな乱暴なセックスはあの子にはできないよね
こんな虚しいセックスはあの子にはしないんだよね

愛して
キスして
深く深く

抱きしめて
囁いて
甘く甘く


私に与えられないモノ全てをあの子に与えてるんだね

ねぇ?どんな風にセックスするの?
考えられないよ…貴方が微笑んではにかんで愛すの?

あの子を?
あの子だけを?

あの子だから?



(混じりたい…何もかも全部全部混じって…奇麗なピンクになりたい)



「あっ…あぁあ…はぁっ…あっぁっ…あぁあああぁ」



何の涙か解からない涙が目に溜まって天井が霞む
貴方はただ何も言わずセックスを続ける

それでも私は貴方が好きで
あたしの愛は大きすぎて


不毛な濁ったようなそんな色




fin