【歩く度、歩く旅】
しまなみ海道。
島々を橋で繋ぎ、海を歩いて渡ってゆきます。
岸辺、山越え、橋の上。
熱射、山影、海の上。
太陽、雨雲、屋根の下。
昨日、今日、明日。朝、昼、晩。
吹く風が違います。
地形、気温の高低を一歩ごと半歩ごとに感じ。
カラダは対応、変化を繰り返すのです。
歩くってのはそういうことなのです。
へとへとになってたどりつく今夜の野営地。
先回りした月が出迎え待つ。
やぁやぁ。来たよ来ましたよ。
酒杯掲げて挨拶。
今宵ここで一晩寝かせてもらいます。
空と月と山と海とモノノケたちに挨拶。
野宿ってのはそういうことなのです。
安全と快適には程遠いかもしれないけれど。
感受と応答が確かにそこにはあるのです。
歩いて旅をするってのはそういうことなのです。
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【おのみち】
坂の町。路地の町。猫の町。尾道。
斜面から見下ろす街並みと海、島。
夜景と満月。酒とうたと友/共。
しまなみを月によばれて歩く己の道
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【トランジット】
高知、愛媛、広島、山口、大分、岡山/兵庫、東京、
山梨、群馬、東京、大阪、京都、高知。
西へ東へ。南へ北へ。ジグザグ流れる。ジタバタ揺れる。
予定はその都度直前になって決め、変更し。
天候や行く先々で出会う人の都合に合わせる。
平日に会えるヒト、週末休日にしか会えないヒト。
帰省ラッシュ、台風接近、体調、気分、資金etc...
公共交通機関の速度域は徒歩とはまったく異なっていて。
非常に快適に彼方まで連れて行ってくれる。
が。
気がつくと接続効率を優先するあわただしい移動に成り下がり。
時間には余裕があったはずなのに。
各地各人とはまるでトランジットで立ち寄っただけのような
「接触」になってしまう。
あぁ。もっともっともっと。話したいことはあったのだ。
せめてあと一日居るべきだったのかも知れない。
語り始めるには、充分な下地準備と立ち合いの間合いが必要なのに。
わしは焦りすぎてしまったな。高速度域を下車しきれなかったな。
それでも。
各地でうれしい再会、うれしい出迎えがあった。
またこうして数年に一度、土地で暮らすヒトたちを訪ねてゆこう。
土地に暮らす者が動けないならば。道に暮らすわしが動き回ればいいのだ。
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【祭りの国に降り立つ】
渋滞で3時間半遅れで高知にたどり着いたのは。よさこい祭の最終日で。
へろへろとバスから転げ降りると。街は音と熱気で浮き足立ってて。
このまままっすぐ家には帰れなくて。祭り経由で方違えして。
ようやくウチに着いても。よそよそしい部屋で呆然として。
荷物の整理やら洗濯やら自炊やら生活を始めるまでには
三日三晩のクールダウンとリハビリが必要になったというわけさ。
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・・・(つづく)[07.08.20]Mon...Qurax2海月(=)彡
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