__Walk_in_the_moonshine,_and_drink_like_a_jellyfish.__

[06.05.08] 

〜海月の放流〜 102

ハルに浮かれて仕合わせな日々。
一方では。
おもしろくなってきた酒造所での仕事が4/20をもって契約期間満了。
再び無職透明。
しばしぼやぼやと過ごすことにするさ。
そして初夏へ。


●『土佐の高知で花見酒』
3/15。全国で最も早い「開花宣言」がでた高知。
その後3/24にはソメイヨシノ「満開宣言」。これも全国最速だったときく。

今年はそんな南国土佐で花見酒。
日替わりのめまぐるしい天候の変化の中。
奇跡的に休日に晴れ間。
ハルの嵐にも耐えたサクラを二週楽しむことができた。

確保しておいた酒は自分も製造に関わっている酒なのだからうれしさ倍増。

うまい酒もあったしうまそうな肴も調達できたし相棒Rも居る。
あらゆるものの巡り合わせの妙が花の下に揃った。

うれしいじゃないか。愉快じゃないか。
酔って候。鯨も空飛べ。

・・・
100まで生きてもあと数十回。
この先どんな花見ができるかのぅ。
なーに、花見ができなくたって月見があらぁ。
海なら海見。山なら山見。いい空いい雲に出遭えば空見酒。

肴なんざ塩でもありゃ充分。
遠方より友来たれば土産話でまた一献。

李白のおんちゃんは毎日300杯呑みたがってるが
わしはそんなには欲張らんよ。
3cmほど宙に浮ければ充分なんよ。



●『ツバメマウ』
新緑に席を譲りつもまだちらひらと桜吹雪く。
舞う花びらのひとつひとつに声をかける気かツバメ。



●『霞喰らい』
ハルは霞、か。
一日降るでも照るでもないのっぺりとした灰色の空。
どうやらこれは「黄砂」によるものらしいということを後で知る。

関東に住んでる頃にゃ情報にも意識にものぼらなかった黄砂というものを
高知で初めて実体験。

太陽は白くかすかに上空にあることがわかるのだが。
雲とは違う透過具合。
なんともじれったい天候だな。
ハルの浮かれ足を遠出に向かわせることもなく。
かと言ってじっとしても居られず。
自転車でぶらぶら。
オフシーズンの海水浴場ひやかしてはみるものの、
そこでものんびりしてられず
結局、部屋で霞喰らって過ごす。

* ちなみに仙人は霞を喰らって生きてると言われるが、
霞[かすみ]は「酒のこと。酒の異名。」と辞書には載ってるところを見ると
なんだ仙人さんもイケルクチなんじゃねぇの、
とほくそえんでみたりなんかしたりして。うひ。



●『輪郭をはずす』
月曜日、雨、休日。

予報通りに一日雨模様。
こんな休日は。一歩も外に出ないで篭城。
昨日のうちに酒も肴も用意周到。

しかしまだ酒には早すぎる。ビールの気分でもない。
そんな煮詰まり気味の日中は
コーヒーにキャプテン・モルガン少し垂らし
窓の外の風と
風に揺れる松と
松林にそびえる鉄塔と
鉄塔を支援するクレーンと
クレーンのフックに引っかかってるマットグレーの空と
を眺める。

外付けHDDにのべつ放り込んである音たちの中から
cafeモードな曲をリストアップしiTunesでシャッフル。
耳栓した上にイヤホン突っ込んで、
かすかな音、音符と音符の間のエーテルを手繰る。

そうしてすっかりぼやぼやする準備が整ったところで。
この2、3週間のこと、これから2、3週間のことを
むにゃむにゃと反芻し妄想している。

割り切れない割り算の余り。循環さえしない小数。

気分が落ちてるわけでも上がってるわけでもなく。
あいまいにニュートラルなバイオリズム。



●『肉は生』
肉を欲し、肉を求め、肉にて生(せい/なま)を感じる。
肉体、肉眼、肉声、肉筆。
ニンゲンは肉なんだねぇ。

でも。
肉は重いね。
肉なんかなきゃもっと軽やかだったろうにね。
肉があるから近づけないってことだってあるんだよね。

四つ足の肉なんぞ久しく喰っとらんが。
肉を喰らうこともずいぶん重たく感じるようになってきたな。

かと言って。草ばかり食むわけでもなく。
魚の刺身の切れっ端でもあれば小躍りして酒をすする。

これがまたわしの血肉になってゆくのか。
肉を脱するにはまだまだ時間がかかりそうだ。
いや。もうちょっと待ってくれと言うべきか。



●『嵐が去ったら夏が来た』
暑ぅう。
作業着なんか着ちゃいられん。
Tシャツ一枚でも汗ばむ。
いきなりとつぜんナツが来たよ、おい。

一昨日は一歩も外に出られないほどものすごい嵐、
だったのに。
すげえな。すげえよ。と半分はわくわくして過ごした嵐の夜、
だったのに。

昨日もまだその余波は激しく、
雨は上がったものの暴風にバイク押し戻される勢い、
だったのに。

今日は一気にナツ!おそるべし南国土佐。

夜帰宅すると室温26度。
おいおい夏日ですか、夏目ですな。
(夏日と夏目、極似ぃ!・・・わけのわからんテンションになるほどだわ)



●『勢い余る』
5ヶ月に渡る重量物の上げ下ろしを含む肉体労働の成果か、
筋力も格段にパワーアップしているに違いない。(当人比)
冬の寒中作業仕様の防寒重装備から解放され、ハルの陽気のもとで
カラダはスピードアップしていることは間違いない。(当人比)
また、精神的にも、鼻歌出るほど気分がいい。

そういった諸々の条件が重なっている昨今。当然、動きは軽快である。
だがしかし。勢い余ってあちこちぶつけまくって痛いとこだらけ。
ケガ、というほどのものではないが、
ツキユビしてみたり。手首足首ひねってみたり。(Ouch!)
脚、腕、頭、背中、腹、ぶつけてみたり。(Oops!)

決して、断じて、不注意とか注意力散漫などでは、ない!(はず)

なんつうか、暖かくなってカラダがなめらかに動き過ぎるんだわ。
なめらか過ぎちゃうんだね。
つるーっとね。つるるーっとね。

ナンピトたりともオレサマを止められやしないぜ!

・・・って一人ではしゃいでるハルの日。

いや、実際のところ、痛いんですけどね。
生キズ青タン赤タンが絶えないんですけどね。
でも。ハルはなんだか治るのも早い気もしますよ。
気のせいだとしても、いいのいいの。



●『水柱』
集中豪雨!どしゃ降りの真っただなか。
選りによって最も激しい時にバイクで帰宅。
雨風に押し戻され引き倒されそうになりながら
恐る恐る暗闇を駆け抜けてゆく。
やっと家が見えた。と安堵しかけた瞬間。

ザバサーーーーーーーーーー。
水柱ビッグウェイブ!

何が起こったのか?うろたえるまもなく水の中。
あやうく転倒はまぬがれたが
全身、ドラム缶で水ぶっ掛けられたような有り様。
わお。

なんとか駐輪場までたどりつきエンジンがやられてないことを確認後、
歩いて戻ってよくよく見ると、膝まで浸かりそうなほどの巨大な水たまり。
排水溝があふれてる。

いやぁまいったまいった。

部屋に入るとずぶぬれの服を洗濯機に放り込み、なにはともあれ風呂直行。

ふぅ。と一息ついて風呂上りの一杯。プシュッカコッ。
窓の外の様子を見てみる。

ん?水たまりが、もう無い。
っつうか。もう雨止んでるしぃ。

この間、およそ30分。
まったく狙い済ましたピンポイント攻撃だったのね。
ぎゃふん。



●『THANK YOU FOR THE MUSIC』
いつものように鼻歌からどんどんボリューム上げてうたってたら。
朝からいいこと、うれしいことが連発。

職場に行っても、いろんなヒトが先回りして僕をよろこばせようと
待ち伏せしてるんじゃないか?ってくらいに
うれしいこと、ありがたいことが多発。

昼まで降ってた雨も夕方には上がり、気持ちのよい太陽、白雲、青空。

挙句に晩メシまで喰わせてもらっちゃうわ。帰りにはミカン一山。

夜には満月。満ちてきたねぇ。

もうどうしたんだろ?
あらゆるものがいい方向に向かってる予感。
なにはともあれ。ありがとうな気分に満ちているよ。

そして。頭の中ではご機嫌なうたが流れつづけてるよ。



・・・(つづく)[06.05.01]...Qurax2海月(=)彡
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