__Walk_in_the_moonshine,_and_drink_like_a_jellyfish.__

[04.05.17] 

〜海月の放流〜 058


現時点が“辛くて”涙を流して泣くことはもう今はほとんどない。
(泣き言を言うという意味ではしょっちゅう泣きは入るが)

誰かと殴り合いをするようなこともないし
病気や怪我で激烈な痛みを伴ったとしても
実際に涙をこぼすまでには至らない。
我慢強くなったのだろうか?
鈍感になってしまったのだろうか?

けれども。
映画や小説では簡単に泣く。
感動なのか?お涙頂戴のシーンだとわかっていても泣ける。

うたではもっと直截的に涙を誘う。泣かせようとしてなくても、だ。
共感共鳴なのか?

過去の辛かったことがうたと結びつく時。
もうどうしようもなく涙が止まらない。
過去の辛かったことはもう今となってはどうしようも手出しはできぬが。
既に通り過ぎているのだからもう今はそれに関しては辛くはないのだが。
いやしかし。泣ける。
ただ単に涙もろくなっただけかも知れぬ。

どうせなら嬉し泣きの方がいい。
ああ、笑いながら泣ける人間になろう。



●『生活の柄/ゴールデンうぃっく。その1:寺田町の夕』

ゴールデン・ウイークとは。元をたどると。
1951年(昭和26)から、日本の映画興行界で、
連休で特に入場者が多かったために言いはじめた和製英語、らしい。

5月のこのゴールデン・ウイークに次いでのかきいれどきを意味する
シルバー・ウイークというのも
11月第1週、3日の文化の日をはさむ連休のある週
をさして言うらしいが。全然定着してないね。


・05/01/2004
5/1土曜。
前回の「海月の放流vol.057」を徹夜で書き、
さらに何度も目を通し手を入れてやっと入稿。
いやー、長くなり過ぎた。
気が張っていて酒呑んでも寝付けず。


・05/02/2004
5/2日曜。
以前から吉祥寺音楽祭なるフリーコンサートがある、
と出演するテラさん(寺田町)から聞いていたので観に行くことにする。

吉祥寺はかつて職場があったところでもあり
当時住んでいた西荻窪からは散歩がてら休日も
ちょくちょく遊びに行ってた街だから馴染み深い。
テラさんのうたを野外でしかも明るいうちに聴くのは初めてだから
スケベ根性でのぞきに行った、とも言える。(笑)

吉祥寺駅北口バスロータリーには特設ステージが設けられていた。
既に何組もの出演者が演奏を繰り広げているようだ。
ポケットに忍ばせたウィスキーで軽くゆるませる。

寺田町with橋本潤(from横道坊主)の出番の30分前には
ライブ会場で馴染みのいつもの面子とあいさつしあったりなんかして。
ヤマグチさんには缶ビールおごってもらっちゃったりして。
いやー、メートル上がってきちゃうよ。(死語)

・・・
ビルに囲まれた駅前、街の真中で。
電車やバスが発着し人々が行き交い車のクラクションとともに
演奏は、うたは、ビルに反射して
なんだかとてもおもしろかった。
自ら「酔っぱらいの恋歌」と称するうたたちは夜と酒ばかりではなく
街も重要な要素だったことを思い出させる。

ライブの打ち上げが午後6時から始まるってのは実際どうなの?(笑)
なーんてことはおかまいなしに馴染みの客同士で呑みに行く。
後からテラさんも合流。
何を話し何を呑み喰いしたのか、すっかり忘れるほど呑んでたようだ。

終電の頃。僕はもう帰る気もない。
出演者、主催者の集まってるであろうライフハウス・のろで待ってるからと
テラさんに声をかけられたが
移動する間に猛烈な睡魔に襲われ
ふらふらと寝床探しに井の頭公園へと下ってゆく。
暗くてよくわからんが人目のつかぬ林の中で落ち葉と木に寄りかかって寝る。


●『生活の柄/ゴールデンうぃっく。その2:タカダワタル的』

・05/03/2004
5/3月曜。
朝方。雨が降り出す気配で目が覚める。
野宿の明け方は寒さでよく眠れなかった。

今日も吉祥寺音楽祭があるのはわかっている。悩む。
このまま居ればまた駅前でライブが観られる。しかも最後の大トリは高田渡。

しかし。雨が降り出してしまっては居る場所がない。
酔いと眠さと天候に翻弄されて帰ることにする。
充血した赤目で電車をよろよろと乗り継ぎ帰ったらいつもの寝袋で爆睡。

昼過ぎ。
天気は良くなったようで太陽に起こされる。
まだアルコホールに満ちた脳みそのまま、
ぼんやりと今日すべきことしたいことを考えてみる。
そうそう、テラさんも絶賛してた映画「タカダワタル的」のHP見てみよう。

予告編のバックに流れるうたにやられたのです。
もう居ても立っても居られなかったのです。
今夜も井の頭公園で寝るつもりでまたいそいそと出かけたのです。
呼ばれてしまったのです。

高田渡のうたを生でじっくり聴いたのは今まで一度しかなかった。
西荻窪のちっちゃなライブハウスでギターがぶつかるほどの距離で
体育座りのような体勢で観てた。
レコードの類は一枚も持っていないしほとんどうたを知らない。が。
大好きなうたうたいの一人になった。
高田渡はそこにすとんと居るだけでうたうたいなのだった。

カリスマ扱いされて久しい、らしい。
そういう耳情報を一度聞いてしまうと
畏れ多くて近付きにくくなってしまう僕だが。

吉祥寺で呑んでれば渡さんに会うのは簡単なことだ。
っつうかいつもそこら辺に居るし。
顔真っ赤にして呑んでるただの酔っぱらいのオヤヂにしか見えないが。(笑)

思い起こせば初めて生のうたを聴くより前に
僕は吉祥寺の呑み屋で渡さんと何度も遭遇していたんだっけなぁ。
もちろんそれが高田渡であることは知っていたけれど。

・・・そんなことを回想してるうちに
野外ステージでのライブは佐野史郎から高田渡へとチェンジ。
おじーが登場する頃には会場は人がぎっしり。
客層も上から下まで幅広いなぁ。地元民ってこともあるからねぇ。

わざわざ遠くからアーティストを呼び寄せてやる祭りじゃなくて
地元周辺在住の人たちでやるからこその吉祥寺音楽祭なんだねぇ。
いいなぁこういうの。

ちょうど月が、ほぼ満ちた月が、昇り始めている。
太陽が傾きビルの向こうに姿を隠すのを合図に月が煌々と会場を演出する。
ステージばかりではなく人も車も街路樹も月光は街全体を優しく照らす。

うたがはじまり
(大半がつぶやき、ぼやきのようなうたなのでMCとの境があまりない・笑)
会場は和やかな笑いの中にあった。
みんなものすごく優しい目で見守っている。
お祭りとして最高のムード。ポケットのウィスキーも進む。

・・・
泣けた。泣いた。「生活の柄」の一言一言が僕の旅に直結していた。
余韻冷めやらぬまま会場の片付けが始まるのを横目に、月を見上げている。

バックステージにテラさんの姿がちらりと見えたのでメールを打ってみる。
「生活のがら。泣きました。まだ余韻中」
すぐに返信。
「海月くん!いたんだね!」

テラさんがニコニコしながらやってくる。
「この会場の中で、一番、“生活の柄”がわかるのは海月くんだね」
そんなこと言われるとまた泣けてくる。

これから打ち上げあるんだけど、海月くんも一緒にどう?
とお誘いを受ける。
出演者、主催者、関係者一同の打ち上げ。
ただの観客である僕が行っても居場所なさげなので躊躇するが
大人数だから紛れ込んでもわからないよ、とのノリでくっ付いて行くことに。

僕はこういう関係者だけの打ち上げの場に居ることがなぜかよくある。
決して自分から紛れ込んでやろうなんて思っていないのだが、
流れてるうちに漂着してしまう。
あるいは引き際が悪くて帰り損ねて居残ってしまう。
結果的にはおもしろい経験をすることになるのだが。

祭りの主催者サイドに焼き鳥屋・いせやの社長がいるのもあるし
打ち上げ会場はいせや公園店の2階座敷だった。

テラさんと渡さんにくっ付いて行くようにして座敷に上がるが。
うひゃあ。やっぱり居場所ないよぉ。まいったなぁ。
渡さんの目の前に座っちゃったし。
話したいことは山ほどあるけど
関係者ではない僕はただ恐縮してちんまり静かに呑んでることにする。
(テラさんが20年ほど前の上京したての頃、
渡さんとこに世話になってたこともあったそうな)

ひとり妙にキンチョーしていたが
何度も乾杯を重ねてるうちにまぁ充分な酔っぱらいになってましたとさ。

渡さんや佐野史郎さんにお酌し、返杯を受けてる自分が
なんかものすごく違和感があったけれど。

いせや閉店の時刻になったので“のろ”に移動。
渡さんはもうまともに歩けないほどへべれけ。
みんなで抱きかかえるように歩いてく。

店を変えたところでテラさん&ともえさん以外とは話題がないだろう
と思ってたけど
佐野史郎さんの娘・八雲ちゃんが居てくれたおかげで
やっと話し相手ができた。
でも。中学生から見たら
僕もただの酔っぱらいのおぢさんでしかないよなぁ。(苦笑)

真夜中過ぎて客も引くと
テラさんたちとのろのマスターと6人で蕎麦屋・真希(しんき)でまた呑む。
あぁ朝が来る。
(あ、のろと真希の呑み代はらってなかった。おごり?すんません。)

テラさんちに泊まっていきなよと言われたけれど
明日(というより今日)また山梨の石和の蕎麦屋でライブがあるし、
遠慮しとく。

僕も石和にはゆくのだが。
うたうたいとしての準備諸々を当日の客である僕が予め知っている
というのはなんだかサーカスを楽屋から見るようで
あまり好ましく思わなかったのだ。
いや。気を遣わせてしまうことが嫌だったのだ。

というわけで。
僕はまた井の頭公園で、昨夜と同じ辺りの林の中で草に埋もれて寝たのです。


・05/04/2004
5/4火曜。
映画「タカダワタル的」は普段はレイトショーのみなのだが、
ゴールデンウィーク中は、モーニングショーもあるとのことなので、
山梨にゆく前に新宿に寄って観てくることにする。

昨日よりはだいぶゆったり眠れたけれど、
睡眠時間としては2、3時間ってところか?
まだ血中アルコホール濃度は濃厚。

ふらふらと電車に揺られ新宿。
朝早い時間の新宿のまったり感って嫌いじゃないな。
ほとんどの人間が朝まで呑んでた口で
焦点合わない目とよれよれの足元だけど。
夜の間気張ってた人間達が素に戻って呼吸を始めるこの朝は悪くはない。

「タカダワタル的」は連夜大盛況で立ち見が出るとの噂を聞いてたので
ちょっと早めに行ってみたけどやっぱり新宿の朝はそれほど人がいなかった。
おかげでいい位置でゆったり観ることができた。

映画の中では各地でのライブの様子も映されてるのだが、
一曲終わると自然と拍手したくなってしまう、映画なのに。
いや、映画館で拍手してはいけないということもないのだが。
日本ではなかなかそういうのってないし。なんかちょっと照れくさいよね。
(インドでは拍手なんて当たり前で。それどころか
悪役登場には野次ばかりではなくがモノが飛んだりする・笑)

それにしても。またしても。
泣けた。泣いた。生活の柄。もうダメだ。無条件で涙出る。
ブラザー軒も泣ける・・・。


●『生活の柄/ゴールデンうぃっく。その3:フタタビノヤマナシ』

余韻に浸りつつ夢遊病者のように新宿の街を歩き駅へ向かう。
これから山梨へゆくのだ。
晴れたり曇ったりなんだかあやしげな雲行き。
予報では雨らしいので一応傘も持ってはいるけど。
こんな天気の所為でなんだかミョーに寂しい侘びしい気持ちで一杯になる。
旅のストイックモードを呼び起こしてしまう。

・・・
今夜の寺田町のライブは石和温泉の蕎麦屋なのだが。
テラさんへの差し入れ用にまた酒を調達しようと思い甲府までゆく。
また例のイソベで「野ざらし」購入。「生活の柄」との完全なるシンクロ。

まだまだ時間がある。
近くの川原でひとりワインをラッパ飲みしながら
甲府盆地の上空を集積してくる速い雲たちを眺めている。

雨がぱらつく。動くか。傘はまだ出さずにゆるゆると歩いてゆく。

途中、交通規制の区間があったがどうやら地元のお祭り。
ゆらりと立ち寄って露店を冷やかして歩く。
昔ながらの縁日の音と匂い。
こどもらがはしゃぎ回り気張った兄さん姐さん達が集まってくる。

甲府でヒトにオススメできる(僕基準でもはや唯一の大事な)うまい店
「あまんじゃく」にちょっとだけ顔を出す。
ほんとはゆっくりおいしいものつつきながら酒を呑みたいところだが。
ちょっとだけ酔いを覚ましたいのでコーヒーを一杯いただく。

女主人しゅんこさんともずいぶん久しぶりだ。
ここにはいつもふらっと立ち寄る。
学生の頃でもそう足繁く通ったわけでもない。 いつも旅の途中に近くまで来たからって感じで立ち寄る。
しゅんこさんもそういう風に認識してくれてるのか
帰り際にやはり「またふらっと遊びに来てね」と言ってくれる。

さて。いよいよ本降りになってしまった。
傘さしても足元はびしょぬれだ。

今日のライブには連れがある。甲府駅で待ってるとやってきた。
親子3人。
当初は母子2人だけと聞いていたのでちょっとびっくりしたが
ダンナと会うのも久しぶりだし、
と思ってたら見送りだけでライブには行かないとのこと。
えー、一緒に来ればいいのにぃ。まぁいろいろあるのだろう。

石和まで電車。
駅からタクシー、ワンメーター以内で蕎麦屋・さらしなに到着。
雨さえ降ってなけりゃ歩いて行けたけど、まぁ4歳児もいることだしな。
(タクシーに乗るのって何年ぶりだったろ?)

なんだかこの店もいい感じだぞぉ。
蕎麦屋なのに本格焼酎リストがずらーりと取り揃えてある。うひひ。

ヤマグチさんと再会。やぁやぁ。早速温泉入ったんですかい?いいなぁ。
あ、ヒカワさん(甲府在住)!ここ空いてますよぉ。
やぁ久しぶりですぅ。この前はどうも。
なんぞと見知った顔同士の挨拶合戦。

ライブが始まる前にある程度料理や酒が楽しめたので
初めての場に馴染む時間は取れた。
そして。
いいタイミングでうたがはじまる。

第一部。まだちょっと僕の方が緊張していた。
連れが居ることも理由の一つ。

僕は映画もライブも一人で行くことが多い。
それは誰か連れがいると、
その人達がどのように観ているかが気になったり、
僕が誘った場合、
気に入ってもらえるのかが気になったり気を遣ってしまうから、
存分に楽しめなかったりするからなのだ。

話がどんどん反れるが。
ヒトに気を遣うというのはとても苦手だ。
でも。ヒトに気を遣われるのがもっと苦手だ。
なので。僕は相手に気を遣わせないように、気を遣ってることがある。
もっと厳密に言うと。
相手が気を遣わないように、そして、僕も気を遣ってないと見えるように、
気を遣ってるのだ。・・・なんともめんどくさい性格だな。

さて。
ニ部構成の第二部が始まる頃には酔いも回ってきていて
「気を遣う問題」はひとまずどっかに行ってしまっている。

もううたにすっかりはまる。
そして。またもや。
泣けた。泣いた。涙がぽろぽろぽたぽた。
なんかもう、今呑んでる赤霧島がそのまま流れ出てるんじゃないか
って勢いで涙が流れこぼれ落ちる。

なんか今週は泣きモードなのか?情緒不安定なのだろうか?
職住への不安が一気に爆発してる感じ?堤防が決壊した感じ?

・・・
はぅう。
テラさんのライブは毎回場所も内容も違うのでうまく伝えられないんだけど。
聴いたことない観たことないヒトには
ただもうライブの場に足を運んでもらうしかないのだけれど。
今夜の感想をあえて言うなら。
僕が聴いてきた中で(という限定を付けたとしても)
最も進化した寺田町だった。
(こんな評論なんかしたくはないのだけれど。とにかく感動!)

テラさん自身も「良質のちくわになれた」と言っていたけど。
さらに聴き手の僕も今夜、良質のちくわだったのだ。
両者の鼓動がぴたりとあってしまったかのように僕はシンクロしていた。
こんなのは滅多にあるもんじゃない。
うたうたいがどんなに素晴らしくても
聴き手が受け入れる準備ができていなければ空回ったり素通りしてしまう。
あぁ、これは吉祥寺からの一連の流れがあったからかもなぁ。

・・・
新潟から(!)車で来ていたMちゃんが
友達母子を甲府のホテルまで送ってくれると申し出てくれたので
ちゃっかり頼み、まだもうちょっと呑み続ける。
僕はテラさんとともに甲府のヒカワさんちに泊めてもらう交渉も成立したし。

このヒカワさんがまた呑ん兵衛なわけで。
去年も一緒に散々呑んで泊めてもらったなぁ。

(だいたい僕は呑む!という時には。帰るとか泊まるとか何も考えずに
いつも行き当たりばったりなんだよなぁ。
野宿できる体質ってのはいいんだか悪いんだか。)

もうすっかり酔いどれで。午前2時は回ってたらしい。
この店で7時間呑んでたことになる。
いい加減、お店の人にも悪いから撤収。

もう新潟に帰ってしまったと思われたMちゃんが
また舞い戻ってきたのをいいことに、
ヒカワさんちまで護送してもらうことに。


●『生活の柄/ゴールデンうぃっく。その4:ヒカワ邸』

ひやぁ。ヒカワさん。前にも増して部屋が爆裂してますねぇ。
男やもめなんて古臭い言葉が似合いそうな有り様。
まぁでもみんな酔っぱらいだからいいのだ。(Mちゃんだけ素面ですまぬ)
去年からの一年分の新聞が散乱してる上にどっかと座り込みまた呑み再開。

ボブ・ディランのレコードをかけるとさらに呑みが進んでしまった。
いかんいかん。もう寝ないと。・・・午前5時。


・05/05/2004
5/5水曜。
ヒカワさんと僕は新聞紙が散乱した(産卵して増えてんじゃないか?)部屋
で行き倒れのように爆睡。

8時か9時頃隣りのおばあちゃんが車が邪魔だと大声で叫んでる。が。
僕は聞こえないフリで寝続ける。

お昼頃ようやく皆起きてくる。
ヒカワさんが大鍋にラーメンをゆでてくれる。
いわゆる呑んだ後のラーメンってやつですかい?うひ。

そろそろ雨が上がりそうではあるが、どんよりしてる。
起き抜けに日本酒。もう味なんてわかりゃあしないがさすがにキツイなぁ。
ってんで近所の酒屋までサンダル突っかけてビール調達。

この期に及んでビールの冷たさと炭酸がミョーに清清しく感じる、
なんてのはかなりダメ人間炸裂してるとも思われる。
これでは無限ループにはまるる。
全くこの数日アルコホールが抜ける期間がないぞ。

とっかえひっかえレコードやCDをかけながら
ヒカワさんのぶっきらぼうな毒舌的甲州弁を聞きながら
のぼのぼとぐうたらな午後を過ごす。


●『生活の柄/ゴールデンうぃっく。その5:くぼ食』

今夜は韮崎のお〜くぼ食堂にまたゆくのだ。
昨日の親子も合流する。

夕方。
テラさんも誘ったら行くと言うので
またまたMちゃんに車で送ってもらうことに。(す、すまぬ。ありがとう)

お〜くぼ食堂開店時刻ちょい前に到着しちゃって準備中の様子だけど。
そーっと覗いてみたら目が合った。
てぐすね引いて「いらっしゃい!」
「こんちくわぁ」
やぁ、今日はかおりちゃんがバイトしてるのかぁ。「久しぶりぃ!」
えーっと「こちらが“あの”寺田町さん、です」
おぉっ、と店内騒然(言い過ぎ)。

丸テーブルに「ちくわ様 予約席」
僕は毎回名前が変わる、らしい(笑)。以前はくじらだったりした。

おっと。もう一組駅まで迎えに上がらねば。
テラさんを席に置いてちょっくらひとっ走り。

今日は親子3人登場。この雨の中、釣りにも行って来たらしい。
その釣果は岩魚に山女。おお。
くぼ食のんちゃんに頼んだら料理に使ってくれることになった。
ありがとう。

さて。なんかぎこちなく人の紹介なんぞをテラさんと親子にしてると
料理がドカンドカンとやってくる。
コースの予約をすると料理出てくるの早いなぁ。

僕以外みんなくぼ食初めてだから
気に入ってもらえるかどうか心配でなんかまた緊張してる。
テラさんともゆっくり話をしたいし親子とも話したいし、
んあぁやっぱりこういうセッティングはマズったなぁ・・・。
ひとりでうろたえキンチョーして目が泳ぎケツが座らない。
(厨房からも僕のその様子は見えてたようで、
おかしかったよぉ、らしくなかったよと報告受ける。_| ̄|○)

21時前。親子そろそろ車で帰る。
GWの帰省ラッシュはもう大丈夫かな?気をつけて!

テラさんも東京まで帰るにはそろそろ電車がなくなってしまうので。
これ呑んだらお開きにしましょ。

で。僕もテラさんと同じ電車で帰るつもりでいた。けれど!
明日から、のんももは休暇取って出かけるのだが。
車で成田まで行くから一緒に乗ってく?かおりちゃんも東京で降ろすけど?
との勧誘。
なにぃー。それはまたおもしろそうだぞ。
うーむ。こまった。どうすべ。
テラさんには申し訳ないけど、僕はそういうことで残ります。と、なった。
駅までは見送ろうと思ったけれど店先で、いいから、と手を振り別れる。

あぁ、テラさん。結局、4日連続で一緒に呑んだんですねぇ。
なんとも素敵な日々でした。ありがとう。

がらん。とした丸テーブル。
一人居残ってても他のお客さんが使えないからカウンターにどきますか。

常連客の顔見てカウンターの席についたらやっとゆるんできた。
はふぅ。
緊張しちゃってたよぉ、もう。
いろいろあってさ。
ありえない、ってゆうなぁ!ははは(乾笑)


●『生活の柄/ゴールデンうぃっく。その6:逃亡幇助』

それからさらに2、3時間かけてゆっくりゆるんでゆく。
さて!
店片付けていよいよ「逃亡」するよぉ。
(注:くぼ食における逃亡とは。
休暇を取って遠くに旅立っちゃうことであり。店主リフレッシュと
くぼ食の新メニュー開拓や食材調達になくてはならぬ行為、
なのである。)

ばたわらと片付けゴミ出しを終えてやっと明野村の家に。
まだ全然旅の準備してないというからびっくりだが。
二人とも旅慣れてるからねぇ。余裕だねぇ。
ばたんばたがさばさざば・・・。大丈夫?

今回の逃亡にはとんかつ屋・かつ金の“たてち”も参加。
3人でゆくんだって。いいなぁ。今回は台湾かぁ。
あまりにもうらやましいので成田までお見送りしてあげることに決定。

さぁ準備が終わったら寝ないと。
6時起床だからね!

・・・
運転するのんちゃんとたてちは寝たけど。
僕は酒を手放せず
ももちゃんとかおりちゃんと3人でいつの間にかロングトークモード。


・05/06/2004
5/6木曜。
あーあ、朝になっちゃったよ。全然寝てないよ。
もうこのままのテンションで成田へゴー!だな。

・・・
成田への道は快調だった。
かおりちゃんを途中の高速バス停で降ろしてから先、
首都高でもまったく渋滞個所はなくすいすい流れる。

都心を抜けるとなんだかもう自然とわくわくしてきた。
僕もこれから飛行機に乗るような気分になってくる。
大声でうたっているとどんどんテンションが上がってくる。
ひゃっほーい。

空港ターミナルビルに到着。
ゴールデンウィークも終わりここもすっかり落ち着いてる。
予想以上に早く到着してしまったので
搭乗手続きチェックイン時刻にはまだまだたっぷり2時間以上もある。
むやみに浮かれておのぼりさんモード全開で端から端まで歩いてみたり。
もうスキップでもしかねない勢い。うひ。

4人全員一致でビール呑もう案が採決されたので。
滑走路が見えるデカイ窓際に陣取り
売店で買い込んだ缶ビールをプシュッカコッ。
床にべったり座り込んで小宴会始めてしまう。
人が行き交う通路からは目に付きにくい場所だったのが幸いして
傍若無人スイッチ・オン!うひひひ。
ビールを追加投入したりつまみを広げたり
窓の外の飛行機の離着陸見ながらPicNic気分。

たまに人がやってくるが
僕らとは目を合わさないように見なかったことにして立ち去ってゆく。
野卑な酔っぱらいですまぬ。
ハイソでクールな空港、海外旅行というイメージからは対極にあるな。
だが僕はそんな堅っ苦しい優越的なイメージなんかぶち壊したい、
と常々思っているのだった。


●『生活の柄/ゴールデンうぃっく。その7:使い物にならないヒト』

そろそろ頃合か。
ゆるゆると空き缶やらを撤収してチェックインカウンターへ向かう。
途端に寂しくなってくる。
僕一人お見送りの取り残され組であることを思い出して。

シェイクハンド&ハグして手を振り見送る。寂しさ紛れに
「とっとと行っちめぇ」と捨て台詞で強がってみる。

姿が見えなくなるとうつむき加減でとぼとぼ電車乗り場に向かう。
いつも見送ってもらう立場の僕だけど残される立場ってのはツライなぁ。

3時間電車にゆられ運ばれ家に帰り着く。
あとはもうふて寝。


・05/07/2004
5/7金曜。
放心気分と連日の呑み明かしがたたってか
一日中使い物にならないヒトになってる。
気休めにもりっと洗濯したりしてカラダを動かしてみる。
あまり腹も減らず今日呑むのは梅酒だけ。


・05/08/2004
5/8土曜。
くぼ食がらみの掲示板にのんちゃんももちゃんの書き込み発見。
台湾からなんだねぇ。

どこに居てもメールもBBSも月光も届く。

夜。
仕事早上がりした同居人わたるが、
部屋で鬱々とへなちょこになってる僕を見かねて呑みに誘い出してくれる。
わたるの仕事仲間も誘って駅向こうで軽く飲る。

気分が少し軽くなる。


●『生活の柄/ゴールデンうぃっく。その8:還暦祝い』

・05/09/2004
5/9日曜。
母の日。母の誕生日5/14も近い。今年で還暦かぁ。
何かしたい気持ちはあるが。
実際に何かしたことなんて一度たりともなかった。
ネット通販で花を贈るというバナー広告がふと目に付き調査してみる。


・05/11/2004
5/11火曜。
花を買う、贈るなんてことも一度たりとも経験がない。
「お任せ」でアレンジしてくれるというを見つけて頼んでみることにする。
注文はいたって簡単。
しかし。花を贈られるってのは実際のところ嬉しいものなのだろうか?
ガサツな僕にはわかりかねる。
僕ならお酒がいいです。(笑)


●『生活の柄/ゴールデンうぃっく。その9:証明写真』

・05/13/2004
5/13木曜。
どんよりと生ぬるい午後。

気分転換の意味も込めて。
風呂場で綺麗に丁寧にヒゲと頭髪を剃りあげ。
履歴書用の証明写真を撮りに出かける。
(果たしてスキンヘッドなんかで採用されるのだろうか?)

なかなか良く撮れていたのに気を良くして。
帰り道で量り売りの芋焼酎・おやっとさぁを2L買う(75円/100ml)。

で。割水しておこうかと500mlペットボトルに移す。
ちょっと味見のつもりがついついぐびり。ぐびぐび。
いつのまにか半分になってる。
いつのまにか大酔っぱらい。
そして。睡魔。
洗濯物が気にかかりつつもヒルネ。

・・・
4時間爆睡。すっかり夜。
なんかいやーな音で目が覚める。
ポタンポトン。ピチョン。
しまったぁ!

夜の10時から洗濯し直し。(泣)


・05/14/2004
5/14金曜。
一日中ネットで仕事探し
条件を選択し絞り込んで検索できるのでお手軽である。
めぼしい所にウェブ応募、送信!

前回の仕事終了してから、もう一ヶ月になる。
そろそろ本腰入れて仕事見つけなきゃ。
履歴書を引っ張り出し証明写真を切って貼ろう。

いつまでも呑んだくれてばかりもいられない。
・・・浮浪者のままでは眠れない。


・・・(つづく)[04.05.15] 海月
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