__Walk_in_the_moonshine,_and_drink_like_a_jellyfish.__

[03.07.31] 

〜海月の放流〜 040

□前回までのあらすじ:
旅立ちの直前に旅人を見送る。葬送。「いってらっしゃい。よい旅を」/
誕生日に自前のHPも誕生!/
映画や人々との出会いと別れ。シンクロ始まってる。/
旅仕度にも増していろんな片付け整理手続き連絡やるこた山盛り。いつ出発?


●『またたび - 北海道・日高路の巻 -』

北海道を目指す旅行者、ライダー、旅人は多い。特に夏は。徒歩で旅する者も 以前は「かに族」と呼ばれよく見かけたらしい。で。僕が歩いてるのを見つけ た地元の人や旅中の人からもそういう目で僕に声をかけてくれたりする。ライ ダーたちはすれ違いざまにガッツポーズを投げかけてくれたりもする。

北海道一周?日本一周?と尋ねられることもしばしばだが。僕はいつも返答に 困ってしまう。今現在は歩いているがずっと歩きにこだわってる訳でもないし。 一周とか踏破を目指してる訳でもないし。がんばってないし。
どっから来たの?と問われれば簡単に、東京から、と応えているが、そっから 話題が先に進むわけでもない。

自分自身、何がしたくてこんなことやってるのかよくわかってないので、いろ いろ訊かれても困ってしまう。

ところが。何故?を尋ねることなく、ただちょっとした一期一会ですれ違う旅 人たちも居る。出会うと妙にうれしくなる。元気が出てくる。暗黙了解のよう にそこにはただ「やってるね」「生きてるね」と互いに言葉に出さない振動、 エネルギーのやりとりが確かにある。

語り合えばもっとよく伝わるものもあるだろう。が。その存在現象自体がヒト を打ち震わせることもあるのだ。

僕はただそのナニカの匂いのする方に流れているだけなのだ。

旅は再開されたばかり。まだまだカラダが順応しきってはいない。


・(B184)07/15/2003/神奈川県・相模原市/
町田に買い出しに。
荷物整理パッキング。


・(B185)07/16/2003/神奈川県・相模原市/
コンピュータ周辺の整理。夜型生活止まず。


・(B186)07/17/2003/神奈川県・相模原市++東京・品川/
ぎりぎりまで荷物悩み22時わたるに置き手紙残してようやく移動。
日付変わる頃赤い鳥事務所に到着。

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・(001)07/18/2003/東京・品川++茨城県・ひたちなか市/
mee事務所に見送りに来てくれる。
直前になってまでまだ荷物の減量を考え悩み、荷物は散乱。
斎藤達がとってくれたピザをみんなで喰って昼間から軽く酒も入り、プチ壮行 会ムード?

酔いが回ったか睡眠不足か荷物が一通り完成すると2時間ほど爆睡。

17時いよいよ出発。勝田まで特急。タケと合流。呑む。
タケは前回の旅の時には大阪方面にいたが結婚もして茨城に移ってきたのだ。 前回の旅を一区切りする時に関東に車で運んでくれたのがタケだったが、その タケんとこからまた旅が再開するってのがなんかうまくできてる感じ。

タケの奥さん・かなえちゃんに迎えに来てもらい、タケんちでまた呑み語り。 二人の結婚式でははしゃぎ過ぎちゃって記憶ぶっ飛んじゃってさぁ、って話で また盛り上がる。

二人が寝てしまってからも一人TVに見入り気が付けば午前3時。


・(002)07/19/2003/茨城県・ひたちなか市→大洗港/
起きたのは11時頃。酒が残ってるわけではないが、ぼけぼけ。
たっぷりしっかりのブランチをいただく。じゃがいもの味噌汁うまし。

タケ達に港まで車で送ってもらって別れる。緊張してきたぁ。
乗船手続きは済んだものの出航まで3時間はある。本読みながら缶チューハイ なんぞ呑んで待つ。

いざ乗り込む。かなりでかい船。しかし連休初日そして夏休み突入ということ もあってか、ぎゅう詰めの船内。まぁ雑魚寝二等船室だからしょうがないんだ けど。

出航まで船内をあちこち歩き回る。広い風呂も食堂もある。ムービーシアター もある。19時から「釣りバカ日誌」見て時と場所を忘れる。

デッキに上がると夜の闇は深くなーんにも見えない。雨降ってるし。
もうとっとと寝るに限る。


・(003)07/20/2003/北海道・苫小牧市/
6時半起床。腰痛い。寝違えたか?重い荷物になれない所為か?キュークツな 体勢で寝ていたためか?寝ぐせもすごい。朝風呂入ろ。缶コーヒーで目が覚め る。そういえば昨晩は結局晩メシ喰いそびれたなぁ。奮発して食堂で朝食。
満腹になったらまた眠くなる。まだ到着まで5時間もある。寝てよ。

NHKのどじまんが始まるとそろそろ到着の気配。船内あわただしくなる。
午後1時苫小牧港接岸。いざ出ようとしたら大事な帽子を忘れた。あわてて取 りに戻る。ふー。舞い上がってるなぁ。(苦笑)

ついに北海道に上陸。さぁここから始まるのだな。早速歩き始める。

港地域を抜けるまで2時間もかかる。既にうんざりする直線道路。コンビニは 道の反対側。片側4車線もあるので渡る気にもなれず。

生協でやっと食料調達。遅めの昼メシを兼ねて近くの公園で一人ビールで乾杯。 天気くもり。歩いてないとやや涼しすぎ。

歩道のない道をだらだらと1時間以上歩く。

勇払駅近くの「ふるさと公園」がなかなかよい雰囲気。もう日も暮れる頃だし。 ここらで今日はおしまいにしよう。
がっしりした東屋で野宿決定。7ヶ月ぶりの野宿はかなりキンチョー。

酒呑んで20時には寝る。あ!キツネ。こんなとこにまで居るのか!?

24時。急に目が覚める。雨だ。屋根のあるところでよかった。
ラジオでギターの弾き語りライブ。雨音とともに聴き込む。

午前2時再び寝る。


・(004)07/21/2003/北海道・苫小牧市勇払・ふるさと公園/
朝5時半起床。雨は上がったようだがまたいつ降り出してもおかしくない天気。 寝起きで体温下がってる所為もあるがむっちゃ寒い。なんかもう一気に夏飛び 越して秋の様相。もそもそとパンかじって体温上げる。

7時。こんな天気の中歩くのはいやだなぁ。日記でも書いて読みかけの本読ん でここでずっと過ごしてたいな。まぁ気が向くまで歩きださなくてもいいや。 ここにいよう。

今日は海の日かぁ。海、近くみたいだな。でも。雨降りだしたし。いいやもう。 しっかし寒いなぁ。本読んでは寝て起きてはパンかじって。
一体何時間寝てたんだろ?何時間起きてたんだろ?一日に3、4時間くらいし か起きてなかったかも。カラダが旅に順応しようとしてる。


・(005)07/22/2003/北海道・苫小牧市勇払--鵡川町・たんぽぽ公園/
6時起床。くもり、寒い。食料も酒もないので今日は動きださねば。

自販機でコーヒー買ってカフェインのチカラで歩きだす。
でも。歩道のない道はダンプの風圧が恐い。

海岸を歩くことにする。スタックしてる大阪ナンバーの車。今日の船で大阪に 帰るというおっちゃん。
ヒマなので脱出を手伝う。一時間ばかり奮闘してついに脱出成功。
時給千円でいいかなとか言いつつおっちゃんがジュースと1000円くれる。そん なつもりで手伝った訳ではない、と断るが「気持ちだからと」言われてありが たくいただくことに。

発電所や工場やらがあってずっと海岸を歩き続けることができない。路肩の草 地をひたすら歩く。

昼頃ホコラのような東屋があったので昼メシ&ヒルネ。

午後2時出発。国道235号に合流。車通り激しい。

浜田浦の無人駅で休憩。立ち止まると風が冷たくてカラダが冷え寒い。

鵡川の町に入ってようやくスーパー発見。酒食料調達。あ、箸もらうの忘れた。 手で喰えばいいや。

少し歩くと「たんぽぽ公園」なるだだっ広い河川敷き公園。雨風しのげるとこ ろもないが、水道とベンチ、BBQコーナーなど充実。うーむこれで屋根さえあ れば。今夜は雨が降らないことを祈りつつここで野宿仮決定。吹きっさらしが 寒いなぁ。もし降ってきたらダッシュで逃げよう。

あんかけ焼きそばを手でかきこんでちょっと落ち着く。19時前ならまだ明るい。 日記を書いたらさあ呑むか。

荷物を大々的に展開しようかというタイミングでぽつりと落ちてきた。やばし。 やっぱここじゃダメか。逃げろ。さっき見つけた東屋に移動。ここも吹きっさ らしで寒いのは変わらないが。

酒でカラダがあったまったら一気に寝る。

夜中寒くて何度も目が覚める。


・(006)07/23/2003/北海道・鵡川町--門別町・清畠駅/
6時半起床。寒い。北海道の夏はもう終わったのか?寒すぎてなかなか動く気 になれない。と言ってもぢっとしてる方が寒いはず。

8時半出発。9時コンビニでホットコーヒー。

あ、馬!こんにちは。ここらは“名馬のふるさと”らしい。牧場が延々と広が る。

しばらくは広い歩道が続き、くもり空ながらちょっと太陽を感じる明るさがあ ると気分は上々。

富川球場の三塁側ベンチで昼メシ&ヒルネ。

やっぱ寒い。

あ。鹿!向こうもキョトンとしてる。

自転車で旅するおっちゃんに後ろから声をかけられる。今日1時に苫小牧港に 着いたばかりだと言う。自転車は速いなぁ。僕は3日もかかってるのに。

午後6時を回り寝所の心配しはじめる。たぶん今晩もちょっと降りそうだし寒 いし屋根のあるところがいいよなぁ。バス停とか駅とかいいな。でも。そう都 合よく近くにない。

苫小牧から50kmの道路標示。地図見るとだいたいこの標示通りと考えて良さそ う。そうかぁ。50km歩いたかぁ。でも3日もかかってるんだけど。

車はライトを点灯し始める。疲れはピーク。どっか寝るとこないかなぁ。
あ、集落、商店が見えてきた。酒調達。近くにバス停。うーむ、ここ一応キー プで、もうちょっと先の清畠駅まで足伸ばしてみようか。

おおっ!電気付いてる。一晩中か?水道トイレあり。ガラス戸閉まるから雨風 心配なし。22:33最終まであと2本やり過ごせばもう誰も来ないだろう。始発は 6:32か。ベンチは個別式。床に直接寝るしかない。床のよごれ具合と人の動線 を考えねば。

疲れもたまってきてる。そろそろ宿に泊まりたい。が。PHSが入らない町だと あまり有効に宿で過ごせないなぁ。ジレンマ。


・(007)07/24/2003/北海道・門別町・清畠駅--静内町/
5:55に目覚ましかけといたが朝日の明るさで4:57に目覚めてしまった。
あと一時間寝ててもいいのだが久しぶりの太陽がうれしくて飛び起きる。

朝メシ喰って5:55に出発。昨日までより2時間以上早い。まぁどうせそんな長 時間は歩けないだろう。ゆっくりたっぷり休憩とりながらゆこう。

隣駅・厚賀で早速休憩まだ7時。
きれいなバス停があるたびに休憩。なんかすごい疲れてる。ちょっと寝る。

新冠の町は妙に新しく小綺麗。しかしそれがどうもパッとしない。割と大きめ の町なのでここらで宿に泊まろうか?情報集めに道の駅に立ち寄る。ちょっと 奮発してそこのレストランで昼メシ。

すぐ近くにライダーハウスを発見したがどうせ風呂はないので、その先の静内 まで足を伸ばす。

太陽が出てきた。北海道上陸初の青空!太平洋の海の色が昨日までと全然違う。 気分上々。

静内駅で情報集め。結構大きい町。(しかしPHSは圏外。苫小牧以来まったく 通信できず)安宿いくつもあるみたい。
ってことで今夜は二食付きの宿に泊まる。晩メシまであと2時間あるのでまず は風呂。すっごいアカ。

ちょっとまた外に出て酒調達。一人ビールで乾杯!

食事はボリューム満点。おばちゃんたちの手作りのあつあつ料理がうれしい。

宿に泊まったらやろうと思ってたことがTVをつけてしまったばっかりにすべて お流れ。すっかりテレビノトリコ。気が付いたら日付変わってるぅ(泣)。は ふぅ。日記だけ走り書きして寝るか。もともと疲れたまってたからちゃんと寝 るために宿とったんだし・・・。


・(008)07/25/2003/北海道・静内町--春立駅/
7時起床。窓に青空!まず朝メシ。
9時過ぎ出発。10分も歩かないうちに静内川の河口右岸緑地が気持ち良さげで 下りる。カモメたちもミャーミャー集まってる。たまーにガタゴト列車がゆく。 電化されていない赤い鉄橋はシンプルでカッコいい。夏休みの子どもらが芝地 に遊びにくるとカモメたちは一斉に飛び立つ。空に白いウロコ。

2時間以上もヒルネ。もうお昼だ。何もしてないので腹は減ってないが、ビー ルでも呑みたい太陽と青空と緑。

何百羽もいるカモメの中で1羽だけハトのようなカモのような白くないヤツが 居る。群れから離れて僕のそばに寄ってくる。同じアウトサイダー同士惹かれ あうものがあるかも。

さて歩きだすと真正面から風を受け続けヒルネしてた時より寒い。
ラジオ入らなくなる。さびしい。

東静内駅で休憩。途中の海岸でも昼メシ休憩をはさんだものの、たった1駅進 むのに3時間以上かかってるスピード。そのすぐ脇をビュンビュン飛んでく車、 バイク。熊に内臓引きずりだされるよりも車に脳髄ぶちまけられる方が確率高 そう。

僕は一体何をしてるんだろう?何がしたいのだ?
根性物語や修行ではないはずだった、この旅は。楽しまないでどうする。先を 急いでどうする。

今度の月末までには通信できそうな街にはたどりつけそうにないなぁ。日記入 稿一回休みかなぁ。鉄道使える所はワープするって手もあるが・・・。

午後6時前。春立駅到着。今夜はこの無人駅で野宿としようかな。近くの商店 でビール調達。食い物はほとんど何も置いてないに等しいじいさんの店。カッ プラーメンのお湯がもらえるか尋ねるとオッケーということでいただく。
北海道初ラーメンはカップラーメンとなった。でも。北海道でしか売ってなさ そうなものをチョイス。

夜7時を過ぎて電気がつく。日記書いて酒呑んで、あと2本電車をやり過ごし たら21:13にはもう寝られるな。明朝は6:26が始発か。オッケー。

終電が行ったあと10分後には自動消灯。22時就寝。3am頃寒くて目覚める。
防寒対策をし直して寝る。


・(009)07/26/2003/北海道・静内町・春立駅--様似町・アポイ樹木園/
6:26の始発が来たのはわかったが眠いので寝つづける。
次の7:13の前には起床。
地元のおばちゃんとあいさつ。泊まるなら駅舎よりもバス停の方が寒くないよ と助言くれる。なるほどありがとう。

今日もいい天気。快調に歩いてると自転車ツーリング中の外国人に“日本語で” 話しかけられる。「あなたの写真、いいですか?」うひひ照れるぅ。しばし立 ち話。彼は東京から苫小牧に昨日着いたらしい。ガッチリ握手して別れる。

気分よく歩いてると一台、車が脇に停まる。「どこまで行くの?乗ってく?」 お言葉に甘えて乗せてもらう。長崎の五島からこっちに嫁いできたというおば ちゃん。35にもなって親も心配してるだろうと軽く説教されながらもソフトク リーム、揚げジャガ、おにぎりと差入れいただく。そして。一気に浦河の街ま でワープ。まともに歩いてたらここまで今日中にたどりつけたかビミョーなと ころだったのに、すごい。感謝。

歩いてるとまた後ろから声が。「なんでぇ?」さっきの外国人だった。わはは はは。車に乗せてもらったんだよぉ。ぢゃまた!

「月寒つきさむ」という地名。冬になると月さえも凍る寒さなんだろうか?

今日は風も追い風。Tシャツで過ごせる絶好の天気。そのおかげもあってかなり 快調に歩いた。途中のワープを差し引いても結構進んだ。鉄道で行ける終点・ 様似を過ぎる。と駅寝はできなくなる。バス停が頼り。

6pm回りさすがにへろへろ。もう一つ先のバス停まで行って寝所決めよう。
と思ったら。なんかすっごく良さげな公園・アポイ樹木園発見!見晴らし台が 屋根もあって夕陽も海も見渡せていい感じ。風を防ぐ壁はないので夜中寒いだ ろうけど今日は風もないのでなんとかなるだろう。

ふぅ。疲れたぁ。
好きなラジオ番組(NHK-FMゴンチチの番組)聴きながらのんびり晩メシ&酒。 酔っぱらったらカエルの声と波の音を聴きながら眠る。


・(010)07/27/2003/北海道・様似町--えりも町・えりも岬/
起きてメシ喰って体温上げて見晴らし台から下りる。朝はくもってるけどかす かに青空の兆し。

キレイなトイレ。水も補給。
9時前に出発。くもり空ではややひんやり。歩いてるうちに青空がどんどん広 がる。

昆布の収穫期なのか。海岸沿いを歩いてるとそこら中で昆布穫ってたり干した り。駐車場のような石敷きスペースには昆布が何列も整然と敷き詰められて天 日に干されてる。そうか日高昆布って有名だよなぁ。ここらはほんとに昆布の 香りのする道。

山が海ぎりぎりまで迫ってる所為で崩落もひんぱんの様。そのためトンネルが 続く。交通量も大したことないし、ちゃんと歩道もあるのだが、トンネル歩く のはおもしろくない。

歩きながらではFMが入らなくなりAMに切り替える。FENのような米軍放送をキャ ッチ。どっから流してるんだろ?一瞬SAPPOROと聞こえた気もするが。

またワープでもしない限り、今日中にえりも岬には着けないだろうな。今日は 日曜で混んでるかもしれないから明日到着がちょうどいいかも。

またくもってきた。途端に疲れがどっと出る。休憩ひんぱんになる。

今夜はバス停で寝ようと思って歩き続ける。日没まであと一時間。あと一つ先 もう一つ先と進んでたら最後のバス停から4kmも先に行かないとバス停がなさ そう。日はもう落ちてしまった。道の両脇には広大な牧草地。その先には海。 民家もなく最果て感満点。まっ暗な寒い夜を一人歩く。このまま行くとえりも 岬にたどり着いてしまうのだなぁ。まさか今日中に着けるとは思わなかった。 灯台の光が見えた。あそこか!

バイクや車の旅行者がうじゃうじゃ集結してたら寝るとこ探すのに大変だから 困るなぁと心配したが20時も回ってほとんど誰もいなかった。ドアの閉まるバ ス停も空いてる。オッケー!キレイなトイレで顔洗ってさっぱりしたらバス停 のベンチに寝床セッティング。はぁ今日も歩いたなぁ。お疲れさん、わし。


・(011)07/28/2003/北海道・えりも岬--広尾町・旧広尾駅/
夜中、雨降ったみたい。音も聞こえたし路面濡れてる。よかった雨風しのげる バス停確保できて。

えりも岬の公園を昨夜は見えなかったので朝メシ喰って日記書いたらブラブラ してみよう。8:30amからテーマ館開館するみたいだからのぞいてみるか。

カルマン渦をモチーフにした「風の館」。えりも岬の強風に暮らす人々の様子 や風自体をテーマにした施設。また、すぐ近くの岩礁にゼニガタアザラシが観 察できるのだ!望遠鏡が設置され300頭以上も岩に上がっているのが見える。
(肉眼だと岩との保護色になっててよくわからん)

3時間くらい充分に堪能させてもらった。大荷物あずかってもらって身軽にな れたのがうれしい。

今日はえりもの宿に泊まろうかとも考えていたが、まだ昼だし太陽も出てきた し歩いてみるか。

岬の町を過ぎたら何もなくなってしまった。あー岬のみやげ屋で昼メシ喰っと くんだった。うに丼とかうまそうだったなぁ。

国道には歩道がなく恐いので海岸を歩き始める。延々と続く荒涼の地。昨日か ら最果て感高まってるなぁ。足は砂にとられ波は打ち寄せ川を裸足で渡り、な んだか無闇に苦闘してる。国道を歩く方が楽だった。2時間以上歩いてやっと 国道に復帰。ふぅ。疲れたぁ。(国道と海岸は防砂植林地帯で隔てられ、しか もその植林地帯には入れないように柵があったのだ)

バス停探しながら歩くあるく。町、バス停間が広くて休憩もままならない。

6pm回って寝場所決めかねていると後ろから走ってきた車が停まる。広尾まで 乗ってくか?おおーそりゃすごい。ここから二日はかかる距離をワープか。
ありがたく乗せてもらう。車内は昆布の香りが充満。後部にはこれから出荷す る昆布が満載。

“黄金道路”は片側工事中の箇所が所々にあったりトンネルもたくさんあり歩 くの大変そうだった。そこをワープ出来るのはラッキー。

地図にあった“フンベの滝”を左手に見たらもう広尾の町だ。一気に30kmも前 進。すごいすごい。

かつてJR広尾線の駅だった広尾駅(現在はバスの停車場。帯広行きが出てる) で降ろしてもらい別れる。ここで寝てもいいな。近くのスーパーで買い出しし て寝床セッティング。ふぅ。帯広が近づいてきた。やっと通信可能になるか?

北海道に渡って今日初めて蚊に刺された。足をパシンとたたいたら靴下が血に 染まってしまった。

酔った勢いで9pmには寝る。


・(012)07/29/2003/北海道・広尾町--大樹町・道の駅/
朝、車の音と朝日の明るさで目覚める。4:47am。うーむ、あと一時間くらい寝 てたいところだが。バス始発5:46だしキップ売り場の人が来る前に撤収しなき ゃならんし、起きよう。ぼやぼやしながらのんびり撤収完了させるとちょうど 駅員っつうかバス職員がやってきた。おはようございます。元気にあいさつ。 ふー、ナイスタイミング。

待合室のベンチに移動して朝メシ。なんとストーブついてる!7月なのに。で もこのあたたかさがうれしい。

今日はどうすっかなぁ。こっからバスで帯広に移動しちゃってもいいなぁ。
まぁちょっとここであったまりながら日記書いて考えよう。

7時半回った頃出発。すぐコンビニ。飴買う。そこに旅人あり。なんとママチ ャリで一年北海道を旅してる人。ちょっと立ち話。なんか元気でるなぁ。うれ しい。ママチャリの方がかえって大変な旅のような気もする。彼はここで朝メ シにカップヤキソバを買って喰うところだったので、先に立つ。

40分程歩くと後ろからさっきのママチャリくんが追い付いてきた。彼はこの先 のルートが一緒になるのでもしかしたらどこかでまたこうして出会えるかもし れん。とは言え、自転車は圧倒的に速いのだが。(まぁ僕の場合、“ワープ” もあるし)

日高山脈の西側はサラブレッドなどの馬の牧場が多かったが、東側のこっちは 牛の牧場が延々と続く。道の先がかすむほどの真っ直ぐな道路にもうんざりだ が。臭いにもうんざり。

今日は暑いくらいの日射し。でも日陰は寒い。休憩できそうなバス停がこっち サイドにはほとんどない。車を避けて道端の木陰に座り込んで度々休憩。

午後3時頃。大樹(たいき)町の道の駅に到着。スーパー併設してるので食料 調達と寝所の物色しよう。と近づいてくと。なんとあのママチャリくんが居る。 おおっ!お互い驚き合いながらも、なんか以前からの友のように話してる。実 は彼は長崎は天草の出らしい。16年前に行ったことあったなぁ。

北海道旅話を聞かせてもらいながら僕は今日はここに泊まることに決定。ここ の談話室にはベンチとなんと3畳の座敷があるのだ。24時間オープンらしいの でこりゃゆっくりできるかも。泊まってもオッケーの了承も得た。よしっ! ママチャリくんはもうちょい先まで進んでみると言うので「いってらっしゃい」 と別れる。いいとこ見つからなかったらまたここに戻ってくると言ってたがど うなるかな。

今夜から明日にかけて雨の予報。うーむ。帯広までここから60km。2日間で歩 くのもキツイなぁ。月末には日記原稿入れないとならんし。明日雨だったらこ っから一気にバスでワープしちゃおうかなぁ。スーパー部は20時閉館なので 間際をねらって晩メシ調達。レジのお姐さんに、旅?と訊かれちょっと立ち話。 なんかそんなちょっとした会話がうれしい。

日記書いてたら、車で旅行中のおっちゃんが談話室にやってくる。この人は日 本全国に現在701あるという道の駅巡りをしてるという。
以前は日本の国道全て(507号線まである)を走破したらしい。なんかすごい なぁ。ある種のコレクター魂みたいなものだろうけど(?)。まぁまったく無 意味なとこがいいよね。僕はそんなの興味ないけど(笑)。

22時頃から晩メシ&缶チューハイ。22時半酔った勢いで寝る。


・(013)07/30/2003/北海道・大樹町--帯広市/
7時半頃起きて顔洗って朝メシ喰ってるとこにママチャリくん登場。やぁおは よう!彼は昨夜近くの寺に泊めてもらったようだ。
今日は一日中雨の予報。彼も僕も途方に暮れながらここで足止め。どうするか ねぇ、と話しながら地図広げぼやぼや過ごす。10時を回ると人の動きが盛んに なる。スーパーも開店。

13時。雨弱まってくる。ママチャリくん出発。いってらっしゃい。またどっか で出会えるような予感はするけど。
僕も13:22発帯広行きのバスに乗ることにする。

バスに乗ってる間、歩かない代わりに車窓から広がる景色をちゃんと見ておこ うかとも思ったが。雨と車内温度の所為で窓はくもり、なーんも見えない。
あっと言う間によだれたらして爆睡。

帯広中心まであと5kmとなってやっとPHSのアンテナ立つ。おお、やっと通信圏 に入った。よーしよし。

15時ちょうどくらいに雨の帯広駅到着。わぁでかい街だなぁ。いままで田舎ば かり歩いてたかたら余計にそんな気分。さて。まずは宿探しだ。駅のインフォ メーションで情報収集。一泊素泊3000円の宿もあるね。早速電話。空室有り。 オッケー、二泊頼む。

駅から徒歩10分以内。途中にネット屋発見!よしっ!宿はお世辞にも素敵とは 言えない感じだが洗濯機もあるし風呂は温泉じゃん!

ザックの中身をぶちまけると即座に着てるものすべて洗濯。そして人間も風呂 で洗う。
すべてがさっぱりしたところでビールで乾杯!

明日から晴れが続くようだし。久々の“街”も楽しみましょ。


・・・(つづく)[03.07.31] 海月
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