__Walk_in_the_moonshine,_and_drink_like_a_jellyfish.__

[02.05.16] 

〜海月の放流〜 011

□前回までのあらすじ:
ものすごく駆け足で九州を縦断してしまった。旅も3ヶ月が経過。
日々一喜一憂。


●『本州は中国・山陰地方から - 山口・島根の巻 -』

旅が日常になってしまうと。「ただ歩く」単調な日々の連続だけ、って時だっ てある。かえって日常を生きてる土地の人達との出会いが刺激になったりする。

「現実逃避」に旅に出る者もあるが。旅が日常になった者にとっての現実逃避 は、たまに見るTVドラマやラジオ、本の世界だったりする。

高校生満載の公共交通機関に乗ったり通勤通学ラッシュに遭遇するとなんだか 非現実感があったりする。

日常の旅と旅の日常。休日の旅と旅の休日。


・(093)04/15/2002/山口県・下関/
朝から一日中雨。大型電器屋行って店員に怒られない範囲でweb checkしたり デパートぶらぶら。一杯のコーヒーで2時間もネバって1ヶ月前の日記付けた り。雨さえ降ってなければ・・・。いや、こんな日があってもいいのだ。

ふと思いついて観光案内所でアウトドアショップを尋ねる。新下関に一軒だけ あるらしい。迷ったが電車でちょいと行ってみる。

目的のものはなかった。が。店のおっちゃんと話し込む。おっちゃんの店を始 める経緯からこの10年間の話、歩く旅人の話、山の話・・・。
「メシ喰ってないだろ」と大皿に乗ったヤキソバとオニギリをそっくり全部頂 く。食べながら話を聞きうなずくばかり。共感共鳴。何も買えなかったがこの 店に来てほんとに良かった。
「半歩ずつ進めばいい」おっちゃんの言葉が響き続ける。

帰路、駅にJRの「関門」キャンペーンポスター。「おもしろきこともなき世 におもしろく」と大書されている。


・(094)04/16/2002/山口県・下関/
バスで墓参りへ。花は持ってこなかった。店が見当たらず、情けないことに何 を買えばいいのかわからない。線香と缶ビールだけは忘れない。
墓周りは風雨で枯葉が散らばり放題。バケツで水流しながら小一時間テッテー 的に掃除。線香を焚き煙草を一本供える。缶ビールを半分墓にかけ半分は飲む。

旅をしているよ。この先ナニができるかわからないけれどまぁ気長に見ててよ。 この旅が終わったらまた来るよ。ぢゃ。

とても静かな気分で一日、下関の町を当てもなく歩く。狭い路地。生活小径。 坂の多い町。丘の上では海峡を見渡すように晋作さんが立ってる。あなたのよ うにはなれないけれど僕は僕になるよ。

誰かと話しをしたい。人恋しいと言うのか。軽く活気付いたカフェで人々を感 じてる。僕はここに居るのか?みんなから見えているのか?

空想に遊んだらコンビニ弁当買って宿に帰る。


・(095)04/17/2002/山口県・下関--豊浦町/
曇天。どんより。2日担いでなかった荷が肩に食い込む。誰に当たることも出 来ず不機嫌になる。やっと見つけた店でどっさり食料買いこむ。屋台でタコ焼 き、スーパーでは酒。喰ってやっとすさんだ気持ちは落ち着く。
が。今夜はどこで寝る?

人や車がいなくなった瞬間を狙って道路脇の林に飛び込む。しばらく様子をう かがう。よし誰にも気付かれてない。林の中の少しだけ開けた場所に寝床セッ ト。湿った林の中は撤収する時、大変なんだよなぁ。


・(096)04/18/2002/山口県・豊浦町--?/
国道の注意表示はこっそり変化、変更されているのか?「トンネル内点灯せよ」 の“せよ”が地の黄色でマスキングされてる。高飛車な命令形への批判でもあ ったのか?


・(097)04/19/2002/山口県・?--仙崎/
寝所が見つからず夜になる。風が強いので海はダメだ。トンネルの上?竹林。 あそこは穴場かも。昇ってく途中を見つかると通報されそうだ。なかなか車が 途切れない。

まるで映画の脱走シーンの気分でヘッドランプをかいくぐりやっとなんとかた どりつく。折れた竹を敷き詰めて寝床確保。

片耳でラジオ聞きながらメシ喰ってると物音。人ならこの暗闇でトーチを使う はず。薄闇に目を凝らす。犬?もっとデカい。イノシシ!?うわっうわっどう する?竹棒振り回してる図を一瞬想像してみたが勝てそうにないので戦うのは 止めた。

静かにあぐらをかいて目を閉じて耳に集中。手を2、3回パンパン叩きこちら の存在を報らせ再び様子をうかがう。近づいては離れ、を数度繰り返してるよ うだ。距離10m。鼓動が速くなるが割と開き直って落ち着いてる。クマよりマシ。 「運が悪けりゃ死ぬだけさぁ♪」と頭の中で勝手にうたが流れる。

30分ほど緊迫状態は続いたか?もっと短かったかもしれないが。
食料の匂いをもらさぬようにしてから、やっと安心して、飲む。


・(098)04/20/2002/山口県・仙崎--萩/
あっ、さっきの分岐で間違った。海ルートではなく山ルートに来ちゃった。こ れがバイパスのワナだな(笑)。まぁいいや合流地点は今日の目標地点、萩市。

ああ天気がヤバいよ。予報より前倒しだな。今年はやたらに前倒しだな。歩く ペースだけは前倒しに出来ない。

萩到着。疲れたぁ足痛いぃ。雨降ってきたぁ宿泊まろう。駅の案内所で安宿訊 いて電話。2泊確保。

萩は高杉晋作、吉田松陰をはじめとする維新回天の志士達が生まれ集ったすご い所。明日は雨の中ぶらぶらとこの地を感じてみよう。

便利なことにどこまで乗っても¥100の循環バスがある。バスには2種類のコ ースがあり、それぞれ車体に名前が付いてる。東回りが「松陰先生」西回りが 「晋作くん」(笑)。


・(099)04/21/2002/山口県・萩/
雨の朝、城下町を歩く。蛇の目だったらもっと気分も出るのに。

港に隣接する道の駅で山菜おこわと地の魚の刺身を安く手に入れ昼メシ。

「松陰先生」(東回りバス)で松陰神社にゆく。松下村塾のこじんまりとした 屋敷。この座敷で熱い語り合いが繰り広げられていたのか。

松陰先生は歩く旅人でもあった。日本中をとにかく歩いた。その足跡を追う写 真展があった。知れば知るほど松陰先生は面白い。

ジーンズは両膝はおろか左ケツが裂けてしまった。縫いとめてはみたが布地自 体もうボロボロなのでビリビリ裂けてしまう。もうズボン買わねば。店を何軒 かハシゴして物色するがいざ買うとなるとデザインが気に入らない、高い、金 も惜しい。と結局やーめた。

ホームセンターでエアーパッキン「ぷちぷち」を1m×2m買う。寝る時のマット に加工しよう。

夕方から雨も上がり武家屋敷から伸びる夏みかんに夕日が光る。

萩には2種類の地ビールがある。その名を知った時から飲んでみたかったのが 「ちょんまげ」。これにも3種類の味がある。1本買ってユウヒビール。ほろ 酔い気分で宿に帰る。
真っ正面に直射の夕陽。行き交う人々はみな逆光のシルエットとなり光があふ れて焦点も定まらずなんだかふらふわとおぼつかない足取りだがとても気持ち がいい。かつて志士達も同じ夕陽を浴びていただろう。


・(100)04/22/2002/山口県・萩--阿武町・木与/
風が強いのも大変。バックパック背負って表面積が大きいからただただ風に翻 弄されるだけ。思えばこの旅は雨風気候地形など自然に対して一切の抵抗も出 来ず揺さぶられ叩きつけられ振り回され翻弄されるだけだった。

初セミの声を聞く。ツクツクホウシだ。

へとへとになってたどり着いたのはシーズンオフのキャンプ場。水道も電気も 止まってる。目の前には綺麗な海。草刈り帰りのおばちゃんに「ここで野宿し ててもいいですかね?」と尋ねつつしばし立ち話。

炊事棟は雨は避けられるが風は防げなかった。板を立てかけてみたり工夫する がみんな吹き飛ぶ。

小石の浜で一服してると、月。今日で旅に入ってちょうど100日。みんなど うしてるかなぁ。うたをうたって心を飛ばす。


・(101)04/23/2002/山口県・阿武町・木与/
暴風。雨も少し混じる。トイレ脇に避難して。今日の予定は全て棒に振って。 ここにいることにする。残り少ない食料をちょっとずつかじりながら体育座り で震えている。


・(102)04/24/2002/山口県・阿武町・木与--島根県・?/
雨風が少しおさまってきたのをキッカケに早朝から歩き出す。動かなければメ シも喰えない。

昼時スーパーで食料を買い込み外に出ると大雨。軒下で弁当喰いながら雨雲を にらみつける。近くの駅待合所まで移動。煙草一本分の雨宿りをしながら電車 かバスに乗ってしまおうか思案。もっとも強い降りの時に歩き出してしまう。

いったい自分は何をしてるんだろ?何がしたいんだ?雨風への八つ当たりが気 が付くと自分に向いてる。

島根県に入った。サンセットロード。日本海に沈む夕日が美しい海岸沿いの道。 ちょうど雨も上がりまさにその夕陽が一瞬輝く。そんな光景を見渡せる公園で 今夜は休もう。流れる雲に月も泳ぐ。

夜明けまでまだ数時間ある。あまりの暴風による寒さでミイラのように横たわ ったまま身体を小刻みに震わせ硬直している。あったかい風呂や熱い汁物をす する想像をしている。


・(103)04/25/2002/島根県・?--益田--三隅++浜田--国府(畳ヶ浦)/
寒い寒い寒い。なんとか朝を迎えることは出来たが。目の前に広がる海はステ レオタイプな冬の日本海のイメージ通りで笑っちゃうくらいの有様。暴風に荒 れ狂う海。ゴォーザバーンドドーンみたいな(笑)。この辺一帯は海水浴場ら しいが。夏の日差しも穏やかな波打ち際も水着ギャルも想像がつかない。

益田の町に宿をとろうかとコンビニ弁当喰いながら考えるがまだ朝8時。もう 一つ先の浜田まで足を伸ばそうか。

三隅まで進んで疲れ果てる。電車に乗ろう。2時間待ってローカル電車に乗る。 2両編成のディーゼルカー。波しぶきも浴びそうな海岸ギリギリを帰宅の高校 生を満載してうなりながら走る。妙な世界に紛れ込んでしまった気分。

浜田駅の観光案内で宿を訊くと相場がやたら高くて愕然。ここから4km先にある 民宿で安く泊めてくれるかもと交渉してくれる。旅の話をすると案内所のお姐 さんが喰い付いてきてあれこれ島根の情報をパンフレットとともにくれた。

久しぶりに人と話しが出来たこともうれしくかったし話しも面白かったので他 の客そっちのけで長居せてもらっちゃった。一時間弱で宿に着くって電話しち ゃったからがんばって行きな、と背中を押され、ありがとう言って走るように 急ぐ。

ゼーハーゼーハー。こんなに速く歩いたことなかった。ふぅー。なんとか7時 前にたどり着いた。近くにスーパーも酒屋もあることは確認済み。
ちょうど日本海を染める夕焼け。ふっと気配を感じて振り返ると真ん丸いお月 さんも登場。ああ、やぁ!

宿で素泊2泊をお願いしてスーパーに行くと閉店時刻直前で軒並み半額。弁当 と刺身合わせても¥300くらい。うれしい!ビールも買って帰ると風呂も沸いて る。

ふはーっやっと落ち着ける。今日は寒くない。今日はフトンで眠れる。
今日は・・・。明日は・・・。zzz


・(104)04/26/2002/島根県・浜田・国府(畳ヶ浦)/
風が強い。天気はいい。荒れる波もサーファー達にとっては大歓迎のようだ。 すぐ近くの畳ヶ浦はガイドパンフによると畳を幾千枚も並べたような山陰屈指 の景勝地。海に敷き詰められた岩盤の畳。ボーッと海を眺めてるのもいいなぁ、 風さえなければ!

今日はどこにも行かない予定もない旅の休日。

海を見下ろす丘の上の神社。風も吹きつけてこない陽だまり発見!
一旦町に下りて昼メシ調達してきて陽だまりで和む。いくら書いても追いつか ない日記を書いたり書かなかったり。

日が傾くと町に下りる。漁港特有のムード。狭い路地が網目に繋がる。ぽっと 広い道に出ると漁港。あぁここに繋がってるのかぁと迷路を楽しむような気分。

ところで。漁港にはどうしてこうもネコが似合うのだろうか?

日本海の夕焼けと満月に挨拶して晩メシ買って帰る。鯖寿司ウマい!

TVなんか見て笑ってると明日からまた歩くということも忘れてしまう。


・(105)04/27/2002/島根県・浜田・国府(畳ヶ浦)--江津--福光/
道路標示なんてものは車で走ってる限りパッと一瞬で認識されるだけのものな ので細かいところなんて見えないし気にかけない。地名・名所にはアルファベ ットでも併記されてるが日本人ならほとんどちゃんと読むヒマはなかろう。 ところが。歩いてると妙に目に付くのだ。

「〜海水浴場」の案内表示なんてのも海沿いにはたくさんある。これが面白い。 Beach for SwimingやらSwiming Beachやら。しかしSalt Bathってのはなんだ? 塩風呂→海水・浴場。なんですとぉー?(笑)

風が強い。これがどんだけつらいことか。人とも出会わないし風景も単調だし ただ疲れ果てる。今夜はどこで寝ようか?それだけを考えながら山林、廃屋、 海岸を品定め。はぁ見つからない。

一本、道を外れてみよう。もしダメなら肉体的にも精神的にもダメージは倍増 するだろうがイチカバチカ勝負勝負。ケモノ道を海まで下るとひと気のない砂 浜。少しは風がやわらぐポイントもありそうだ。あぁもうここにしようここが いい。

ミャーミャーミャー。波打ち際には数十羽のウミネコの群れ。やっぱり海には ネコか(笑)。

寝てると何をどうしたって砂まみれになる。あぁうっとおしい。
眠れないのはそればかりではなかったようだ。岩山の裏からまぶしい光。満月 だ!ふはぁー。気分がスーッと落ち着いてくる。

友人知人出会ってきた人々の顔や声を思い出す。同じ月を見てる人もいるだろ うか。僕はここに居ますよ。ここで何をしてるのか自分でもわからないのだけ れど。

日付が変わっても長い時間哲学な気分で過ごす夜。


・(106)04/28/2002/島根県・福光海岸--温泉津--石見銀山街道・降路坂峠頂上/
半分ヤケクソになって砂を払い落とすと出発。ここはウミネコの自然繁殖の地 だったらしい。

温泉津温泉(ゆのつおんせん)は古いひなびた温泉街。なぜか曇天の空でもし っくりくる風情。町並みを眺めるだけで素通りするつもりだったが、街並みを 抜けきった所に一人の銅像。新谷道太郎翁。坂本竜馬が高杉晋作と出会った時 に同行していた人物らしい。100歳近くまで長生きされてたらしい。こんなとこ ろで遭遇するとは。これもまたナニカの縁。今来た道を引き返し元湯の公衆浴 場に浸かることにする。

砂まみれぢゃりぢゃりの身体もさっぱりした。この温泉でしばし湯治するなん てのもなんだかよさげ。

スッキリしたところでルート変更。あえて寄り道してみたくなった。江戸時代 に世界の1/3の銀を産出していた日本のほとんどを担っていた石見銀山。そこか ら温泉津の港まで運び出すための道が残ってるらしい。

それは一部を中国自然歩道として昔の面影を残しながら車も入り込めない山道 野道が続いている。ここを人馬が行き来していたのかとびっくりするような急 坂が続く。
途中で道間違えておばあちゃんと孫二人に訊いたりしながら峠を登る上る。

息を吐くことはできても吸うことができないほど苦しい。のに。国道のアスフ ァルトをダンプにあおられながら歩くよりずっと気分がよかった。苦しいのに 顔は笑ってる。ウォーカーズ・ハイ状態。

湧水清水に手を合わせ顔を洗う。そのまま口に持ってく。うまし。生き返る。 ペットボトルにも汲んでおいて今日の水は確保。

四足で這うように上る急坂。かつては銀をめぐってこの急坂を馬が駆け、合戦 もあったという。(ここでかぁ?ってゆうくらいのところなんだってば。)

やっと峠の頂上。往時は茶屋もあったらしいが今は朽ちかけたベンチが3つあ るだけ。まだ明るいが今夜は雨は降らないだろうし峠を下るには時間が足りな い。ここで野宿決定。いつも以上に丁寧に山や草木やモノノケに挨拶して安心 して眠れるように祈る。

こういう峠ではよくナニカ出るって話があるし。(後日パンフ見たらやっぱり 昔は出たらしい。はぁ無事でよかった。)

僕が謙虚で怖がりさえしなければ山は迎え入れてくれる。その代わり夜になる と見物にやってくる気配はするんだけどね。


・(107)04/29/2002/島根県・銀山街道--大森町--大田市・羽根(掛戸の松島)/
山ん中はやっぱり冷え込んだなぁ。体温上げて出発。夜露朝霧に濡れた草木。 綺麗だが気を抜くと転落のキケン大。苔むした古い石畳。慎重に。
清流で水の補給。
ふっと森を抜けるとアスファルト道。町は近いようだ。

龍源寺間歩(まぶ)は銀山の地下坑道遺跡。手彫りのノミ跡が残る。これらの 坑道や周辺の街並みをひっくるめて現在、世界文化遺産に申請準備中とのこと。 大森の街並みも情緒風情があっていい感じ。
でも。地元民の裏話も聞く。世界遺産ともなると観光整備も必要だが家の改修 や車の乗り入れなど住民にも規制が厳しくなる。観光客が増えて荒らされたく ない。そっとしておいてほしい。そんな気持ちもあるようだ。

いろんな所を歩いてきた。大都市ベッドタウン牛ばかりの島手付かずの森林海 岸観光地過疎地繁華街路地裏。人の居るとこ居ないとこ。
時代の流れは人の流れ。街の栄枯盛衰も人の流れ。行き伝える者と留まり守る 者。ジレンマ。

大田の街まで出るともうへとへと。スーパーで食料その他物資を買いだめして 休憩所で一服。これからどうしようか?
雨はなんとか降らない気もするがこの風だ。野宿には厳しいなぁ。
再び重くなった荷を担ぎよろよろ歩く。

国道を外れ海に出る。線路脇の海から突き立つ岩。てっぺんに松が生えてる。 どうしてそこに根が張れる?見とれてるうちに日も沈む。

断崖にかろうじて風が防げるピンポイントがあった。このままでは寝られない。 打ち揚げられた木材や発泡スチロールなどを組み合わせ敷き詰めて寝床完成! おおっ無人島漂着気分で一人盛り上がる(笑)。

メシ喰って酒飲みながらラジオに耳を傾ける。僕の気持ちなんか伝わりようも ないけど君がキャッチしたうたやおしゃべりは僕をどんなに救ってくれている ことか。


・(108)04/30/2002/島根県・羽根(掛戸の松島)--出雲/
朝になったら結局風のために砂まみれだった。それでもそのピンポイントから 半身動かすだけでどれだけ風が防がれていたかは実感。ありがとう。

あー雨が降り出した。Mくんと緊急メールやり取り。出雲にたどり着ければ安 宿があるとの情報。それだけが励みで歩き続ける。市街地図がないので駅の方 向もわからない。人に訊きながらやっと出雲市駅!
観光案内で地図も手に入れた。GWが心配だったけど安宿も確保。月末だから 日記もUpしなければならないけどネット屋も発見!
よーしやっと安心。つーかーれーたー。

二泊することを決め街をぶらつく。コインランドリーに着てるもの全部放り込 む。安心感から防犯カメラにボケーッとした間抜け面を1時間撮られ続ける。

ジーパンはもう完全に崩壊。明日はズボン買お。


・(109)05/01/2002/島根県・出雲/
雨は上がった。出雲といえば出雲大社。だがそれどころではない。パンツ丸出 しジーンズじゃ歩けない。とりあえずジャージはいて何軒か店を回ってやっと 安い店発見。
試着しながら散々迷ったが¥1900のズボンを買う。SALE中らしくキャッシャー でさらに値引き。¥990!やった。
「赤パンツ」ってのが自分に似合うかどうかはこの際どうでもよかった(笑)。

ネット屋でMail&Webチェックしたり日記打ち込み始めたらあっという間に5時 間経ってた。たまたまサービスデーで¥1000だったが。疲れた。
でもまだ終わってない。明日も来るしかない。

出雲大社のお祭りが5/14-16にあることを知る。
明日行こうと思ったがここは一旦離れて祭りの時に戻ってこようか。それなら 松江に進んだ後、隠岐に渡るってのもいいな。なんとなく予定が決まったかな。


・・・(つづく)[02.05.16] 海月
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