__Walk_in_the_moonshine,_and_drink_like_a_jellyfish.__

[01.08.31] 

〜海月の放流〜 001

□前回までのあらすじ:
・・・と気付いた。途端にじっとしてられなくなった。


●『遊行』

来年、そろそろ旅に出ようと思ってる。短期間の旅行ではなくて。いや。期間 や目的地はあまり問題にしてない。『日本を、徒歩で、1年以上』いま決めて るのは、それだけ。問題は、いつ、どこから出発するか。それが決まれば具体 的な装備や方法が決まってくるはず。

そもそもなんで日本なのか?徒歩なのか?1年以上なのか?あちこちの国や地 域に様々な交通手段で動き回ってた。でも。私には丈夫な脚もあったのだ。
これを眠らせてはおけまい。日本には4つも季節が巡り、それぞれに趣があり、 環境も感情も言葉もみんな風土の影響を受ける。あれこれ見てきても自分が生 まれた国のことが全然わかってない。感じたいなぁもっと。

ナニカからの逃避ではなく。ナニカを求めている訳でもなく。目的などなく。 ただ純粋な『旅』。衝動と好奇心とわずかな食料が動力。鼻と勘を羅針盤に。 進め、海賊とともに!(なーんて言ってみたりして)

旅に出るための準備にもいろいろあって。金をためることを中心に進めてきた けれど。日々、金がぁ欲しくてぇ働いてぇ眠るだけぇ、で精一杯になりそう。 でも。旅人のからだとたましいの準備は進めている。腹筋や腕立てなど地味に 続けていたり。本を読みあさり、映画を観、うたを音楽を聴き、人と出逢い語 り、夕焼けに呼ばれればサンダルを突っかけ、月に誘われれば夜の公園へ出向 き、祭りがあれば電車に飛び乗り6時間もゆられ、週末は昼間っからビールだ、 ワインだ、と公園や道ばたで呑みながらぼけぼけと過ごし、・・・。

「旅のために」というわけでもないな。旅とは直接関係なさそうなことばかり。 ただ、この『準備のための準備』期間(これを寄り道と呼んでもいいが)に自 然に入ってくるもの、興味の流れ、気分のゆれ、に身を任せ始めると確実に次 のステップが始まるのだった。

そして。実は寄り道こそが旅の始まり、あるいは「日常の旅」なのだった。

旅立つにあたって部屋もすべて引き払う。連絡先はその都度変わってゆくけど、 なんらかの方法で各地点から通信してゆく。

近くまで行ったら遊びに寄ってもいいですか?その際に、一つだけ頼みがある のですが。風呂を貸して下さいまし。たぶん、野宿と風雨でぼろ雑巾のような 風体をしていると思うので。

それにしても。未だに地図すら広げてはいないのだった。

・・・(つづく)[01.08.31fri] 海月
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