WNUWF
(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)
〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜
イクリプス オブ ザ ライフ(9)
放送日:2006/1/29
==========鷺宮神社==========
 自らの出身地と言っても良い鷺宮神社にて一心に祈りを捧げるのは女子王座の狭霧。
 隣にはパートナーの頼人も。願うは王座防衛か・・・。
 やがてお祈りが終わり境内を降りる2人。
狭霧「頼人様、わざわざこのような遠いところまでご一緒していただいてありがとうございます。」
頼人「なに、俺も一度戻ってみたかったからな。」
狭霧「頼人様・・・。」
頼人「それよりも心配なのはお前の体調の方だぞ。大事な試合前なのに良いのか?」
狭霧「私なら大丈夫ですよ。いざとなったら頼人様に守ってもらいますから。」
頼人「かつて『弱々』って呼ばれた俺にか?」
狭霧「頼人様は弱々なんかじゃないですよ。優しくて頼りがいのある・・・」
頼人「待て待て。俺を持ち上げても何にも出ないぞ?」
狭霧「そんな持ち上げるだなんて・・・。」
頼人「ふ・・・冗談だよ。」
狭霧「頼人様ったら・・・。(照)」
 ・・・相変わらず仲良いですねこの二人は・・・。(溜息)
頼人「しかし、懐かしいな。」
狭霧「???」
頼人「ほら、こうして二人でここの神社の前を歩きながら話などして・・・。
 あの頃のお前はいつも竹の箒を持って掃除をしていたか?」
狭霧「・・・そうですね。秋の季節には綺麗な紅葉を、春の季節には桜の花びらを・・・。」
頼人「近所の子供達もよくここに来て遊んでいたな。鬼ごっこにかくれんぼ、手毬もあったか。」
狭霧「頼人様はあんまり一緒に遊んでくれませんでした。」
頼人「・・・そうか?」
狭霧「うん。いっつもご自身のお仕事に忙しそうにされてて・・・でも、それが頼人様らしいですけどね。」
頼人「むぅ・・・。」
 頼人はばつが悪そうですなぅ。そんな表情を見せる頼人に狭霧は穏やかな笑顔を見せています。
頼人「しかし、ここを出てから色々あったな。WNUWFの旗揚げ戦のロイヤルランブル戦。
 まさかお前が優勝するとは思わなかったぞ?」
狭霧「あれはたまたま、ですよ。運が良かっただけ、です。」
頼人「謙遜するな。その後も紆余曲折あったが、女子王座は今もお前の元に。
 更に俺とのタッグで男女混合タッグのベルトもあるからな。」
狭霧「混合タッグの方は・・・頼人様のお陰ですよ。」
頼人「・・・それも謙遜するな。」
狭霧「いいえ。そんなことは無いです。だって、頼人様がパートナーじゃなかったら
 私そんなに頑張れなかったですから・・・。」
頼人「狭霧・・・・・・。」
狭霧「・・・そろそろ時間ですね。行きましょう、頼人様。」
==========メイン会場==========
♪闇夜
あやめ「第6試合、男子王座戦。最初に入場は・・・カダン。」
 いよいよ男子王座戦を迎えます、挑戦者はリング上圧倒的名強さを見せ付けた
 ルタ率いる眷族に連なる者からの刺客、カダンです。
 その鍛え抜かれた体から繰り出されるショルダータックルは圧倒的、
 必殺技の「ファイナルエンド グランドクロス」を食らった選手は
 立ち上がることは難しいでしょう。
♪輝く季節へ
長森「対するは史上最強のチャンピオン、浩平だよっ♪
 今日も必ず王座防衛間違いなしねっ♪」
 長森のリングアナはさすがにどうかと思いますが確かにここまで着実に
 王座防衛を重ねている浩平の登場です。
 その戦い方は「ずるして頂き」。自らの生きる指針としてここまで
 そのスタイルを貫いてきましたが、本家とも言えるWWEのエディ・ゲレロ選手の
 急逝により今夜はいつも以上に気合が入っている模様。
 リングへの入場時でもその厳しい表情から伺い知ることが出来ます。
 ・・・しかし、解説のキングが居ない実況というのも寂しいですねorz
 さて、両者リングに上がりいよいよ試合開始。
 とすぐにカダンは浩平に突っ込んでいきます!!!力比べの体勢ですがパワーでは
 カダンが圧倒。あっさりと浩平をコーナーに追い込みます。
 とすぐに浩平の腹辺りめがけてタックルを敢行。
 この圧力も大したもの!!!浩平の表情が歪みます。
 おっとしかし浩平はレフェリーに「あっちから誰か来る」と指摘をしてレフェリーが向こうを
 向いている隙にカダンの股間に思いっきり蹴りを入れます!!!反則ですが見事なローブロー!!!
 これが浩平のスタイル。早くも「ずる」が一つ出ました!!!
 蹲るカダンに対し今度は目潰しサミング!!!更に無理やりカダンを立ち上がらせると
 反対側のコーナーめがけてカダンを振ります、と!!!
 先ほど指摘されて確認に行っていたレフェリーとカダンが激突!!!
 レフェリーはダウン!!!カダンもダウン!!!
 浩平はその隙に・・・一旦リングを降ります。椅子でも取るのでしょうか?
 いや、椅子ではなくゴングを鳴らすハンマーのようです。
 ハンマーを取ると、自らの靴にそれを隠して再びリングに。いや、コーナーに上がりましたよ。
 そのまま観客にアピール、一体何をするんだ???
 !!!なんとそこから倒れているカダンの喉元に向かって膝を落とした!!!
 ハンマーが入った膝がカダンの喉元にヒット!!!これは厳しい!!!
 そのままフォール、何とか気が付いたレフェリーは浩平のハンマーに気付かずにカウント、
 1、2、3!!!なんということだ!!!浩平王座防衛!!!
♪輝く季節へ
 カダンは起き上がれません!!!気付いていないレフェリーは浩平を勝ち名乗り!!!
 浩平はしてやったりの表情です!!!
 しかしこれは凄い秒殺劇!!!手元の時計を確認しましたが、なんと24.7秒!!!
 本家のWWEでも2005年の特番『サマースラム』にてUS王座戦が25.5秒での決着を見る
 秒殺劇がありましたが、それに負けず劣らずの早い試合。
 前評判ではかなりの強さを見せたカダン有利と見られていましたが、見事に浩平はそれを覆しました!!!
==========会場入り口==========
 今大会が開催されている会場入り口ではメインの女子王座戦に挑戦する栞ですが、
 一体何をしているんでしょうか・・・。
 っと・・・さきほど鷺宮神社でお祈りをしていたチャンピオンの狭霧と頼人が
 会場入りをします。奇しくも(?)栞と遭遇。
 まさか、栞は彼女を待っていたのでは・・・。
狭霧「こんにちは、お互いに良い試合が出来ると良いですね。」
栞「私もそれを願っていますよ。でも、最終的にはそのベルトは私の手元にありますけどね。」
頼人「そんなことはさせない!!!」
 頼人は意気込んで栞に突っかかろうとしますが、栞はさらりとかわします。
栞「さすがにここで試合は早いですよ、頼人さん。」
 栞はしれっとそれだけ言うと中に入って行きます。
 狭霧も後に続きますが、頼人は憮然とした表情で立ち尽くします。
==========メイン会場==========
 さてここでキングの容態が入ってきましたので今の内にお伝えしておきましょう。
 椅子で思いっきり殴られたキングで有りますが集中治療の甲斐がありまして、何とか
 一命は取り留めた模様です。頭部を30針縫う大怪我のようですが脳に異常があるかについては
 この後検査を行う模様です。幸い本人は意識があるみたいなので大丈夫だとは思いますが、
 一刻も早く回復してこの席に戻ってきて欲しいですね。
 いつもは色々と喧嘩もしたりしますけど、いざ居なくなると結構寂しいものですよね・・・。
♪こころのゆくさき
あやめ「第7試合、女子王座戦。最初に入場はチャンピオンの狭霧。」
 さあいよいよメイン戦、女子王座戦です!!!
 先に入場はチャンピオン!!!WNUWF人気No.1の狭霧です!!!
 いつもながらに彼女がリングインする時は物凄い歓声で出迎えられます!!!
 なお、この試合には挑戦者とチャンピオン双方の合意によりセコンドが一人ずつ
 付くことが許されています。狭霧のセコンドは当然頼人。
 先ほど狭霧は「いざとなったら頼人様に守ってもらう」と言っていましたが、
 果たして本当にそんな状況になってしまうんでしょうかね・・・。
♪笑顔の向こう側に
長森「対するは、いたる連合軍一の切れ者の栞ちゃんだよ!!!」
 長森のリングアナはある意味で的を得ていると言えるでしょう!!!
 対する挑戦者はいたる連合軍からの刺客、栞です。
 姉には学年一の頭脳の持ち主、香里。そのお姉ちゃん譲りの頭脳はベクトルは
 違いますがインテリなところを垣間見せます!!!
 その栞のセコンドには・・・・・・。
 あれ?誰も居ない・・・。一体どういうことだろう。
 まさか誰も必要無いってことか???
 っと、栞はリングサイドで一旦止まると試合開始の前にマイクを持ちましたよ。
 何かアピールがあるようです。
栞「・・・皆さん狐につままれたような表情をしていますね。・・・愉快です。」
 ふんっ・・・今のがアピールですか!?
栞「気になるのは私のセコンド、といったところですよね。
 上に居る狭霧さんも気になっているみたいだけど、一番気になっているのは
 そこに居る頼人さんのようですね。」
 ・・・図星を言われた頼人は栞から目を逸らします。
 私だって確かに気になりますよ。祐一さん以外の人を連れてくるって言ったんですからね。
 まさか・・・香里に猛烈にアタックしている北川???
栞「それじゃ、そろそろ呼ぼうかな。私のセコンドは・・・この人ですよ。」
♪Acolytes
 ・・・これまた聞き覚えの無い音楽が・・・。
 一体誰が入ってくるのか・・・って!!!
 ドラゴンっ!?いや、黒いマスクですからまさか・・・、
 ブラックネスドラゴンですか!?!?!?
 いやしかしでも彼はWNUWFの選手では?
 それにドラゴンの友人であるはずなのに!!!
 でもブラックネスは栞とがっちりを握手を交わします!!!
 団体の枠を越えた結託!!!一時的なものなのか恒久的なものなのか!?
(続)
