WNUWF

(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)

〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜

イクリプス オブ ザ ライフ(10)

放送日:2006/2/15



 WNUWF特番「イクリプス オブ ザ ライフ」もいよいよメイン戦、女子王座戦が行われております。
 チャンピオン狭霧に対するは挑戦者美坂 栞。
 栞のセコンドには驚かされましたが試合そのものは静かな立ち上がりを見せております。

 両者リング中央付近でじっと見合うと一旦離れたのは栞の方。
 ですが狭霧の持ち技はファンネル・アタックと狭霧ファイアというどちらかというと遠距離向きの
 技ばかりのためにこの間合いは得策では無いでしょう。
 しかし栞は気にせずに一旦下がって自らのコーナーに。そのコーナー下にはブラックネスが控えております。

 狭霧は狭霧でしかし何かを感じ取ったのか敢えて栞に攻撃を仕掛けません。
 試合開始から約3分が経過しますが、まだ一度両者の接触は無し。
 それだけに慎重な試合運びをしていると言えるでしょう。

 栞は依然自らのコーナーにもたれております。下からブラックネスが何か声をかけている模様。
 何かのアドバイスでしょうか。その様子を鋭い視線で見るのは狭霧のセコンドの頼人。
 負けじと頼人も狭霧に何かアドバイスでしょうか。

 ようやく両選手動き出しました。今度は時計回りにお互い相手の様子を伺いながら回り込もうとしています。
 やがてリング中央でこの試合初の接触、両者のバックの取り合いから栞が狭霧の袴を持って
 倒します。すぐに上に乗って腕を取りに来た、しかし狭霧はくるりと体勢を入れ替えると上にのしかかって
 栞を押さえ込む形、これが相手の両肩を付けた状態なのでスモールパッケージホールドの状態か、
 フォール、1、2・・・しかし栞はこれを返すと逆に狭霧の足を取って狭霧を倒す。
 今度は狭霧、うつぶせ状態になって栞は足の関節を極めにかかります。
 しかしすかさず狭霧はそのままの状態で何とか前進してロープブレイク。一旦両者離れます。

 レスリングはあまり得意ではない両者にしては意外なレスリングの攻防による立ち上がり。
 まずはお互いに様子見といったところでしょうか。
 特に狭霧の方はセコンドの頼人もどちらかと言うとレスリング向きの選手ではないため
 この攻防は独学で覚えた、ということでしょうか。
 いや努力家であるのは分かっていたことですが、素晴らしいですね。

 しかしレスリングの攻防が終わると再び両者静かに見合います。
 どうやらどちらも攻め手を欠いているような状態なのか・・・、お、ここで狭霧から牽制代わりの
 ファンネル・アタック。ファンネル3発射出で栞の様子を伺うところか。
 対して栞はファンネルの攻撃をするりとかわすとコーナーに素早く上がります。
 なおも追いかけてくるファンネルに対して・・・なんと雪球で撃ち落します!!!
 久しぶりに見る「雪合戦」!!!しかし・・・雪球はどこから持ってきたんだ・・・。
 ・・・細かいツッコミはここまでにしておこう・・・。

 今度は栞の反撃、狭霧に向かって雪球を3発投げた!!!
 最初の1発目は不意を突かれたのか胸辺りにクリーンヒット!!!2発目は回避を試みるも
 袴の裾にかすった模様。3発目はたまらずに狭霧は上空に退避したために回避成功、って・・・。
 3発目の雪球には小石が混入されてましたっ!!!
 栞の小悪魔っぷりは健在ですね。

 しかし狭霧は上空退避成功でほっとした表情、そこから更に反撃です。
 コーナーに上がっている栞に向かって狭霧ファイア!!!
 慌てて栞はリングに降りて狭霧の炎攻撃から逃げ回っています。これは結構きつい。
 狭霧ファイアそのものは長時間射出は無理なため何とか栞は逃げ回ることが出来ましたが、
 スタミナを奪う目的ならば充分か。疲れた表情の栞の背後に向かって狭霧が上空からのドロップキック!!!

 思いっきり食らった栞はたまらずに場外に退避!!!
 どうやら試合のペースは狭霧が掴んだようです!!!

 WNUWF女子王座戦はまだまだ続きます!!!

==========WNUWF側コミッショナー控え室==========
 WNUWF側コミッショナーのゆかりさんはメイン戦である女子王座戦の様子をモニタでじっと見ています。
 このメイン戦が成功するかどうかによって特番自体の成否も決まると言っても過言ではありませんからね。

 ・・・シュッ!!!

 これは珍しくオーナーからの伝言ですね。いつもながらの突如どこからともなく
 立て看板が降って来て地面に突き刺さるのはかなり危険だと思うのですが・・・。

 それはともかく立て看板に気付いたゆかりさんはオーナーからの伝言をじっくりと見つめます。

ゆかり「・・・なんですって!!!そんな・・・!!!」

 ???オーナーからの伝言を見た瞬間、ゆかりさんの顔色が見る見るうちに真っ青になるのが
 素人目で見ても分かります。って、いきなりゆかりさん部屋を飛び出してしまいましたよ!!!

 ・・・一体いずこへ?ていうか、オーナーからの伝言って何だったんでしょう・・・。

==========佐々井亭−WNUWF支店−==========
 頼人達もよく出入りする佐々井亭は、いつも厨房に入っていた狭霧は現在試合中、
 頼人もそのセコンドに会場へ、狭霧が入る前に厨房に入っていたねーちんは相変わらず
 佐々井亭の奥の部屋で療養中。タイガーは先の「竜虎決戦」での激闘から現在は病院で治療中、
 篠崎 あやめもそれに付き添っている模様。

 ・・・奇しくも今は鍋島と朝奈ちゃんだけっすな。

鍋島「え、えと・・・珍しくふ、二人きり・・・だね。」

朝奈「・・・そうですね。」

鍋島「・・・・・・。」

朝奈「・・・・・・。」

 ・・・いざ二人きりになると何もしゃべれないのな。;;
 まぁ、佐々井亭もしばらくは結構な仲間が居て賑わっていたからな。

鍋島「あ・・・えと、狭霧さん王座防衛出来ると良いな。」

朝奈「え、ええ・・・。」

鍋島「それに、朝奈ちゃん達も次は女子タッグ王座戦、頑張らないとね。」

朝奈「うん。」

鍋島「・・・・・・。」

朝奈「・・・・・・。」

 会話が続いてないし・・・。;;

朝奈「・・・あ、あのっ、志郎さん!!!」

鍋島「うん?」

朝奈「折角誰も居ないのであたしが試しにお料理に挑戦してみたいんです。だから、
 味を見ていただけますか?」

鍋島「・・・僕の味見は厳しいよ?」

朝奈「よろしくお願いします。」

==========メイン会場==========
 女子王座戦をお送りしております。セコンドに頼人とブラックネスが見守る中、現在は狭霧が
 試合のペースを掴んでおります。栞は防戦一方。

 狭霧からのファンネル・アタックは直撃こそ免れているもののじわりじわりとスタミナを奪われております。
 病弱の栞に対してじっくりとした攻めでスタミナを奪う作戦はかなり良い作戦かもしれません。

 再び狭霧が上空浮遊、そこから強烈な狭霧ファイア!!!リング上一帯を埋め尽くす炎の嵐!!!
 さすがの栞もこの炎の中に埋もれてしまったーーー!!!たまらずにダウン!!!
 すかさずに狭霧は着地をするとフォール、1、2・・・カウント2.8!!!
 しかし栞もよく返しました!!!

 フォールを返された狭霧ですが攻め手を緩めませんね。そのまま栞の腕を取りに行きましたよ。
 基本的なグラウンドテクニックではありますが、狭霧が使えるのは少し意外。
 巫女装束もなんのそのの動きに会場からの狭霧コールも大きくなっていきます。
 セコンドの頼人も声を大きくして応援してますね。

 腕を取られた栞は何とかロープエスケープ。何とか流れを変えたいところですか・・・。

 おっと、ここで見かねたブラックネスがリングエプロンに上がりましたよ!!!
 当然レフェリーがこれを止めに入ります。っと、その隙を見て栞が目潰し攻撃!!!
 なんて卑怯な!!!そしてそのまま丸め込みで押さえ込んだ!!!ブラックネスはリング下に!!!
 レフェリーは何も気付かずにカウント!!!ダメですよ!!!こんなんで決まるなんて!!!
 1、2・・・何とか狭霧が返した〜・・・。

 お、しかしすぐに栞はキャメルクラッチに極めました。リング中央、逆に狭霧が苦しくなった!!!

 あっとリング下では頼人がブラックネスを追いかけ回します。さすがのあの行為にキレた様子。
 逃げるブラックネスはしかし逆に不気味な表情。そのブラックネスは再びリングに上がろうと
 試みますが再びレフェリーに止められます。っと、逆に追いかけられていた頼人に足を掴まれた・・・。

 って!!!頼人に引きずり下ろされたブラックネスですがレフェリーの胸倉も掴んでいたために
 レフェリーごとリング下に転落!!!打ち所の悪かったレフェリーはダウン!!!
 リング内は一転して無法地帯に!!!リング上は相変わらず栞が狭霧を捉え、リング下では
 ブラックネスと頼人が激しく殴り合いを見せております。

 っとその2人がリングに上がった、再び殴る殴る・・・。
 頼人がブラックネスを突き飛ばして、技を極めている栞に当てる。タッグ戦ならカットの形か。
 栞の技は解けたけど狭霧はダウン。怒った栞とブラックネスは二人がかりで頼人を攻めます。

 まずはブラックネスが頼人を持ち上げるとリングに叩きつける、その間に栞はコーナーに上がると
 フットスタンプ。すぐさまブラックネスが足を取ってボストンクラブに極めると栞が極められた
 頼人の背中に向かってエルボードロップを連発します。流れるような連携。
 所属団体が違うのになんでしょう、このスムーズな連携は・・・。

 頼人がダウンしたところで今度の照準はこちらもダウン中の狭霧に。
 ブラックネスが狭霧をリング中央に引きずるとそのまま足を押さえて身動きを取れなくします。
 と、栞はおもむろにストールを外しました・・・。例の技が出るのでしょう。

 観客にアピール!!!そこからリングの反動を一往復利用して・・・シオリズエルボー!!!
 キング曰くの業界一シビれる技成功!!!そのまま栞は立ち上がると今度は首をかき切るポージングから
 再びコーナーへ。その間もブラックネスは狭霧の足を押さえたまま。

 栞はコーナーからダイビングヘッドバット!!!これも決まった!!!
 しかし普段ならばこのままフォールなのですがレフェリー不在。
 ブラックネスが横で倒れている頼人をリング下に蹴り落として、やはりダウンの狭霧に対して・・・。

 おおぅ、もう充分に弱っているから・・・それに男子が女子に必殺技なんて、やめて!!!
 それだけはっ!!!・・・ドラゴンバスター!!!
 無抵抗の狭霧にとどめの一撃!!!

 ブラックネスは技を決めたらすぐにリング下のレフェリーを無理やりリングインさせて叩き起こします。
 その間に栞は狭霧をフォール。ダウンしていたレフェリーは何も知らずにカウント。
 1・・・2・・・3・・・!!!

 栞が獲った!!!栞の勝ち!!!
 しかしこんな結果はありなのか???

♪笑顔の向こう側に

 だがもっと気になるのはブラックネスと栞、所属団体が違うのにこの2人の関係は一体???
 あの連携の良さは何???謎は深まるばかりです!!!

(続)