WNUWF
(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)
〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜
イクリプス オブ ザ ライフ(8)
放送日:2006/1/21
 特番「イクリプス オブ ザ ライフ」は第5試合、ドラゴンVSタイガーの竜虎直接対決を
 お送りしております。この一戦は反則裁定なしのストリートファイト戦。
 試合展開の全く読めない試合。かなりの危険も伴います。
 実況席にはキングの他に特別ゲストとしてドラゴンのパートナーの雪希ちゃんに進藤さんも
 お越し頂いております。試合は場外戦。タイガーのトペ以来場外での攻防が続いております。
 いよいよストリートファイト戦の真骨頂が見られそうです。
キング「この一戦、場外に出てからいよいよ激しさが増してきたな!!!
 お互いがお互いをリングコーナーの鉄柱にぶつけ合い、鉄階段に頭を打ち付け合い、
 さらには場外の床に向かって投げ技を披露しているぞ!!!
 普通の選手だったら既にKO状態の攻防をしている。」
 今までの試合の流れをじっと見つめているお二人ですが、ここまでの戦いぶり、如何ですか?
雪希「普段じゃあんまり見られないドラゴンさんの表情が沢山見れて新鮮だよ。」
進藤「今日のドラゴンさんはちょっと・・・怖いです。」
 まぁ、進藤さんの感想も無理無いですよ。普段から実況を通じて色んな試合を見てきている私ですら
 今日のこの試合は特別なものを感じているのですから。
 さあ試合に戻ると今はドラゴンが主導権を握っているのか、タイガーの首辺りをぐっと掴んで
 場外をくまなく移動、そして会場の柱に向かってタイガーを思いっきり投げつけた!!!
 タイガーはダウン!!!その間にドラゴンは会場裏手に回って・・・おっと、机を持ってきました。
 倒れているタイガーのすぐ側に設置、そしてタイガーを持ち上げると、机に向かって投げつけた!!!
 机は真っ二つ!!!タイガーは気絶か?ドラゴンがそのままフォール、この試合では
 リング以外の場所でもフォールは有効です、1、2・・・しかしタイガー返す。
キング「机を真っ二つにするボム系の技を食らったら普通はもう返せないんだがな。
 タイガーもそれだけこの一戦に賭けてきたってことだ。」
雪希・進藤「・・・・・・。」
 なかもドラゴンはタイガーを無理やり立たせるとタイガーの首を抱えて再び場外を連れまわします。
 今度は会場の南側、実況席からは遠いサイドになりますがそこには会場設置の搬送用トラックが
 止まっています。今度はドラゴン、そのトラックに向かって何をするのか?
 おっと逆に抱えられていたタイガーが移動の際に息を吹き返したか、ドラゴンを思いっきり押して
 逆にトラックにドラゴンをぶつけていきました!!!一瞬の出来事でふらっとしたドラゴンを
 タイガーがすかさず持ち上げてのブレンバスター!!!ドラゴンはリング下で大の字です。
 このままフォールすれば勝てそうな勢い、しかしタイガーはフォールせずに・・・椅子を持ちましたよ。
 一体何を狙うんでしょうか???椅子を持ったままドラゴンが立ち上がるのを待っています。
キング「ここでタイガーは一気に勝負を決めるつもりだぞ!!!この後だが雪希ちゃん、進藤さんには
 見せたくない映像が浮かんできた・・・。」
雪希「でも、私たちはこの試合目を背けてはいけない気がするの。」
キング「そうか、まぁ好きにするがいい。」
 ドラゴンがフラフラながら立ち上がったところで、タイガーからの椅子の一撃!!!
 ドラゴンの脳天に直撃!!!ドラゴンは再びその場に崩れ落ちます!!!
 あっと、今の一撃でドラゴン流血!!!ドラゴンの青いマスクが段々と赤い色に
 染まっていきます!!!これはもうダメか?タイガーがゆっくりとフォール。
 1、2・・・いやしかし試合は終わらない!!!
 ドラゴンの肩がわずかに上がった、なんということだ!!!
 一体ドラゴンのどこにそんな力が!?
 この試合段々と激しさを増してきております、タイガーがドラゴンを連れまわす形、
 ようやくリングサイドまで戻って参りました。タイガーはドラゴンの頭を鉄階段で一発、
 すぐに近くの鉄柱にもぶつけます。ドラゴンは流血しながらふらふらと移動、我々実況席の近くまで
 やってきました。タイガーは一旦リングインすると・・・今度はリング下のドラゴンに
 再び捨て身のトペを狙ってダイブ!!!
 しかしドラゴンは直前で気付いてとっさに屈んで回避、タイガーは誰も居ないリング外を舞い・・・、
 ドーーーーーーーン!!!
 うわっ!?我々実況席に激突!!!物凄い衝撃音が今しましたよ!!!
キング「うわ、タイガーは腰を打ったな!!!かなり苦しそうだ!!!」
 しかし、ドラゴンも今までのダメージからかその場でダウンしています。
 タイガーもダウン。果たして両者はここから動けるのか?
 ドラゴンが若干先に動き出しましたか、まだ立ち上がることは出来ませんが這うようにして
 少しずつ移動してますね。と、今度はドラゴンが椅子を取ったようです。
 その間にタイガーは何とか立ち上がろうと必死です。どうやらここが試合のターニングポイントと
 なりそうな予感がします。
雪希「ドラゴンさんの表情がいつになく怖いよ・・・。次の攻撃で一気に決めるみたい。」
 椅子を持ったドラゴン、何とか立ち上がります。タイガーも実況席にもたれかかりながら
 何とか立った。と、ドラゴンはそのタイガーに向かって椅子を・・・!!!
 ちょっと待った!!!我々も巻き添えを食らいますっ!!!
キング「おいドラゴン、待て!!!こっちには雪希ちゃん達が居るんだぞっ!!!」
 ドラゴンは構わずに椅子を振った!!!タイガーはとっさに回避、椅子は雪希ちゃん達に!!!
雪希「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
 バコンッ!!!
 椅子は雪希ちゃんの前にかばって入ったキングの脳天に・・・ってキングっ!!!
雪希「キングさん!!!」
進藤「キングさんっ、キングさんっ!!!」
 キングの頭からはドラゴン同様にかなりの血が・・・。
 って救急班、早く来てよっ!!!なんということっ!!!
 本当にキングが雪希ちゃん達をかばう形になるなんてっ!!!
 脳天に一撃食らったキングは全く動きません!!!
==========いたる連合軍側控え室==========
『2005年11月13日 WWE エディ・ゲレロ急逝』
 控え室に設置されているインターネット端末でネットサーフィンを楽しんでいたのは
 男子王座の浩平。昨年38歳の若さで急逝されたエディの記事をじっと見つめています。
浩平「俺が憧れていたレスラー、いやスーパースターが・・・。次の一戦、必ず勝って
 エディに捧げるぞ・・・。」
 浩平は誰に言うでも無くインターネットのブラウザを閉じると部屋を後にしました。
==========ルタ控え室==========
ルタ「・・・なに?・・・馬鹿なそんなことが・・・分かった・・・必ずや
 我らの想いを成就する。」
 こちらではルタが誰かと電話をしていた模様。ルタの表情にはやや焦りが見えますね。
 コンコン・・・。
ルタ「入って良いぞ。」
 入ってきたのはカダン。次の試合男子王座に挑戦するカダンはルタの前に跪きます。
カダン「お呼びですか?」
ルタ「うむ。大変なことになった。」
 話をすると共にルタはカダンを手招きします。と、何やらカダンに耳打ち。
 じっと聞いていたカダンも先ほどのルタ動揺に焦りの表情に。
カダン「本当か?もしそれが本当だとすると・・・大変なことだ。」
ルタ「ああ。だから次の王座戦、絶対に落とせぬぞ。本当はお前には試合前に変にプレッシャーを
 与えたくは無かったのだが、こうなってしまった以上はそうも言ってられないからな。」
カダン「いや、今の一言で逆に俄然やる気が出てきた。確かにプレッシャーではあるが、
 私はプレッシャーが大好きなので。」
ルタ「そうか。そう言ってくれると我としても助かる。頑張れよ。
 お前なら全力を出せば勝てる相手だ。」
カダン「はっ!!!」
 カダンは気合を入れると部屋を後にします。
ルタ「だが、この一戦勝ったとて・・・。」
==========メイン会場==========
 第5試合、龍虎決戦は佳境に入っています。試合はリング上での攻防に。
 ドラゴンは頭を、タイガーは腰を痛めた状態で両者満身創痍の攻防戦となっております。
雪希「キングさん、大丈夫かな・・・?」
 キングは先ほど担架で運ばれて近くの病院に搬送されたそうです。
 現在は集中治療を施しているみたいですが、キングの状態については情報が入り次第
 随時お伝えしたいと思います。
 リング上の両者もいつ担架で運ばれてもおかしくない状況。何とか立ってチョップ合戦をしていますが、
 両者の足はふらふらです。この状態ではお互いの必殺技を出すのは難しいか?
進藤「ねぇ・・・もうやめさせようよ・・・このままだと二人とも・・・。」
雪希「だめだよ進藤さん。そんなことしたら二人共に恨まれちゃうよ。
 確かに今の二人は痛々しいけど、この試合の結末は私達がしっかりと見ないといけないと思うの。」
進藤「片瀬さん・・・。」
 きっと・・・ドラゴンは今の進藤さんの一言が聞きたくなくてお二人を会場に入れたくなかったのかも
 しれませんね。あくまでも私の想像でしかありませんが・・・。
雪希「うん。」
 !!!一瞬の隙を突いてドラゴンがタイガーを持ち上げての、ドラゴンバスター!!!
 いやしかしこれは不完全な形で決まりました。やはり足腰に影響が!!!
 それでも何とかタイガーを投げつけてタイガーはダウン、ですがドラゴンフォールに行けない・・・。
 再び両者ダウン。しかしダウンカウントは取られません。ストリートファイトマッチは
 そこが過酷な要因の一つ。まさにデスマッチと言っても過言ではないでしょう。
 やがて再び両者立ち上がります。一旦両者離れて間合いを取ります。次の一撃で決まると悟ったか。
 機を見て両者ロックアップ、力比べから両者投げを打つ体勢、どっちが競り勝って投げる?
 ドラゴンか?タイガーか?ドラゴンかタイガーか?
 タイガーだ!!!ドラゴンを担ぎ上げると自らの必殺技、タイガードライバー!!!
 あっとしかし痛めていた腰がここで影響でしょうか、投げは決まったもののそのままの
 フォールが不完全な形に、それでも何とか押さえ込もうとして無理やりフォールに持って行きます、
 1、2・・・カウント2.9で返した!!!普段通りのタイガードライバーが決まっていたら
 3カウント取れていたのに・・・、タイガーは万策尽きたか片膝を付きます。
 と、すぐにドラゴンが立ち上がったぞ!!!一体どこにそんな力が!?
 片膝のタイガーを一気に持ち上げると逆にドラゴン・・・バスター!!!
 今度は完璧!!!リング中央で綺麗に自らの必殺技を放ちました!!!
 そのままフォール、1、2、3!!!ドラゴンだドラゴンだドラゴンが取った!!!
♪Here Comes The Money
 技を決めたドラゴンもリング上で、同じく倒れているタイガーの横で大の字です。
雪希「ドラゴンさん・・・良かった、良かったよ・・・。」
 しかし、ドラゴンさんが勝ったということは・・・、ドラゴンさん引退・・・では。
雪希「そんな・・・。」
 リング上で大の字になっていた二人ですがしばらくして二人とも自力で立ち上がりました。
 ドラゴンがレフェリーから勝ち名乗りを上げます。しかしドラゴンは喜ぶことなくすぐに
 リング下に降りようとします。自らはこれで引退のつもりでしょうか・・・。
 と、そのドラゴンの手を掴んで止めるのが・・・対戦相手のタイガーです!!!
“ドラゴン、ドラゴン!!!”
 会場内からはドラゴンコール!!!タイガーは会場の観客一人一人に指を指してドラゴンに
 何か話しかけているみたいですよ?これは一体・・・。
雪希「タイガーさんとドラゴンさんで握手したね。」
 と、タイガーは二つのコーナーを指して・・・アピールをしよう、とドラゴンにもちかけていますね。
 ドラゴンは・・・迷っていましたがコーナーに上がりましたよ!!!
 タイガーもそれを見て別のコーナーに!!!二人の竜虎が観客にアピールします!!!
 残りの2つのコーナーにも竜虎の2人が上がり反対側の観客にも応えます!!!
 ドラゴンの今後は分かりませんが、今ここ竜虎は一つになったみたいです!!!
雪希「うん、うん・・・。良かった、良かったよ・・・、ねぇ進藤さん。」
進藤「うん・・・うんっ!!!」
 雪希ちゃん達もお互いに抱き合って泣いています・・・。いや本当に良かった。
(続)
