WNUWF

(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)

〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜

イクリプス オブ ザ ライフ(6)

放送日:2005/9/2



==========いたる連合軍側コミッショナー控え室==========
 秋子さんの部屋には次の試合で王座防衛を目指す女子タッグ王座の2人が召集。
 話すことは・・・1つしか無いわな。

秋子「舞さん、佐祐理さん。今回の一戦分かってるわね。今までに無い相手との王座防衛戦よ。
 油断しないでね。」

舞「分かってる。相手は大口を叩くだけの実力を備えている。でも・・・。
 絶対に負けないから!!!」

佐祐理「舞・・・。舞がここまで真剣になるなんて。うんっ、秋子さん。
 私たちは大丈夫ですよ。相手がどんな手を使ってきても私たちで乗り越えてみせますから。」

秋子「お願いね、吉報を待ってるわ。」

 気合の入った表情で舞と佐祐理は部屋を後にします。

 コンコン・・・。

秋子「どうぞ〜〜〜。」

 女子タッグ王座と入れ替わりに入ってきたのは、はにはに勢の直樹と保奈美と恭子の3人。
 表情は硬いまんま。確かにこの3人はまだ合流出来てないからね・・・。

秋子「・・・どうしたの?そんなに怖い顔して。」

直樹「情報は!!!情報はまだなんですか???」

秋子「情報?あ〜、探し人の件ね。」

保奈美「ねぇ、なおくん。こんなに待っても戻ってこないんだから私たちから帰ってみない?」

直樹「そんなことをしてまたすれ違いになったらシャレにならないだろ。」

恭子「でも、今まで待って戻って来なかったんだからこれから戻ってすれ違いになる確率は
 ほとんど無いと思うわ。」

直樹「でもなぁ・・・。」

 ・・・どうやらすれ違いになるのを恐れてずっと待ってたのね。
 でも、他のメンバーはご存知の通りで・・・。

秋子「あの、それでしたらリング上で呼びかけるのは如何かしら?」

直樹・保奈美「えっ!?」

恭子「・・・あんたたちやっぱり息ぴったりね。」

直樹「放っといてくださいっ。」

 恭子のしれっとした突っ込みに反応する直樹に対し保奈美はしれっと無視して

保奈美「良いんですか!?そんなに簡単にリング使っても。」

秋子「さすがに次の試合はもうすぐ始まるからすぐには無理だけど、女子タッグ王座戦が
 終わってからは少し時間が空くと思うからその時で良ければ使っても良いわ。
 リング上で呼びかけた方が気付きやすいと思うしね。」

保奈美「秋子さん、ありがとうございます!!!ほら、なおくんもお礼言わないと。」

直樹「あ、ああ。ありがとう。・・・仁科先生、先生だけ何も無しは先生としてどうかと思います。」

恭子「あ〜、うるさいわね。今から言おうとしてたところよっ。
 ・・・秋子さん、どうもありがとうございます。このご恩はどこかで返したいわ。」

==========メイン会場==========
♪少女の檻

長森「ただ今より、第4試合女子タッグ王座戦を開催します!!!
 最初に入場は、舞さん佐祐理さんの最強女子タッグ王座チャンピオンチームだよっ!!!」

 第4試合はいよいよ女子タッグ王座戦です!!!
 最初に入場は舞&佐祐理の初代女子タッグ王座チームです。
 その熱い友情による連携技は見事のもの。剣の舞に魔法の佐祐理。
 今夜も2人の連携が冴え渡るのか???

♪朱

あやめ「対するは・・・ルタさんとアラミスさんの挑戦者チーム。」

 一方の挑戦者は眷属に連なる者ことルタ&アラミスチーム。
 プロレスは今団体では初めての登場となりますが、眷属の強さは以前よりの
『怪奇現象』で周知済み。まさにある意味で脅威のチームと言えるでしょう。
 ・・・態度さえ何とかなればチャンピオンとしては確かに相応しいとは思いますがね。

キング「いきなり失礼なことを言うなよ。ルタ達は自信があるからああいう態度で
 いられるんだろ?プロレスラーはあれぐらいの方が成功しやすいんだぞ!!!」

 確かにキングも現役顔負けの自信の塊ではありますな。

 さて先発は・・・おっといきなり注目と言っても良いでしょう、舞とルタです。
 試合開始のゴングと共に両者キッと睨み合います。しかしその眼光の鋭さはどうやら舞に軍配か。
 ルタはすぐに目を逸らすとゆっくりと歩き出しました。それを見て舞も動き出します。
 と、いきなりの舞の牽制!!!剣の一振りをルタにお見舞い。ここはルタも落ち着いて回避、
 逆にルタも飛び込もうとしますが、舞は既に距離を取っています。
 立ち上がりは両者とも落ち着いています。

キング「舞たちにとっては未知の実力の挑戦者。どれほど出来るのかを今の一振りで探ったのだろう。
 地味に見えるが舞にとっては今ので大体の相手の力量が分かったと思うぞ。」

 本当ですか???で、今のでルタの実力は舞にとってはどうだったんでしょうね?

キング「俺の読みで良ければ言うが、ルタはなかなかの実力だなと舞は悟ったはずだ。
 なんと言っても舞のフェイントとも言える剣の一振りを落ち着いて回避したからな。
 特に初めてのリングともなれば普通は緊張するものだがルタにはそれが見られなかった。」

 その後両者の動きは静か。これにしびれを切らしたか先に仕掛けたのはルタです!!!
 両手から発せられる強烈な電撃網!!!これにかかれば相手の動きを封じることが出来ます!!!
 しかし舞はこれを落ち着いてジャンプで回避、TOPコーナーに上がり逆にそこから
 大きくジャンプし上段からのジャンプ斬り!!!ルタの脳天に直撃ヒット!!!
 一発で舞が決めた、そのままフォール、1、2・・・慌ててアラミスがカットに入ります。
 そのアラミスにキッと睨みつける舞。アラミスはたじたじ。しかし舞はすっと自らの体を低くする。
 おっとその背後から佐祐理さんの火の玉の魔法が飛んできた!!!
 アラミス避けられずに自軍コーナーに飛ばされた〜〜〜!!!どうやらチャンピオンタッグのが圧倒します!!!

 その後も舞と佐祐理タッグが圧倒します。2人の連携も冴え渡ります。舞がルタを肩車し、
 佐祐理は下からルタ目掛けて強風を呼びます!!!
 ルタはたまらずに吹き飛ばされ一気にリング外に落とされました!!!
 これを見てたまらずにアラミスが入りますが多勢に無勢、1VS2の状況での戦いを強いられます。

 舞に動きを止められ佐祐理も入り2人がかりでアラミスを踏みつけていきます。
 まさに完璧ですね・・・。チャンピオンチームが負ける要素が見当たりません。

キング「だが、油断するなよ。眷属に連なる者には底力があるはずだ。」

 おっと!!!いきなりカダンが入ってきましたよ!!!この後男子王座戦が控えているカダンですが
 アラミスのピンチにたまりかねて入ってきました!!!しかし、当然レフェリーがこれを見て
 カダンを止めに入ります。しかし、カダンは逆にレフェリーを押さえてしまいましたよ。

 おっと舞がこれに気付いてカダンの元に詰め寄ります。
 舞とカダンで一揉め、今度はレフェリーがこれを止めに入ります。

キング「おい舞、余計なところに目をやっていると・・・。」

 あっ!!!アラミスが体勢を整えて佐祐理さんを突き飛ばしましたよ!!!
 その佐祐理さんとレフェリーが衝突!!!ああああレフェリーがダウン!!!
 それを見てカダンは素早くリングインすると舞を持ち上げると、C−Crush!!!
 強烈な一撃で舞を轟沈!!!続いて佐祐理さんにはファルコンアロー!!!
 なんということだ、大事なタイトル戦を台無しにしおって!!!
 倒れている舞をリング外に蹴落とし、アラミスには佐祐理さんをフォールするように指示、
 ダウンしているレフェリーを叩いて起こし、自らもリング下に降ります。

 レフェリーは何も知らずにマットを叩きます!!!こんな結末があるか!!!
 1・・・2・・・なんと!!!3直前で佐祐理さんが返した!!!
 試合は終わりません!!!佐祐理さんが首の皮一枚繋げた!!!奇跡が起きるのか!!!

キング「カダンの必殺の一撃を耐えたとは!!!誰が予想出来たよ!!!」

 しかしリング上の佐祐理さんもリング下の舞もダウン。立っているのはリング下のカダンぐらいか。
 そのカダンは舞にストンピングで動きを封じます。大事な試合に介入して欲しくないのに!!!

キング「おい、入場口を見ろよ!!!浩平だぞ!!!」

 !!!この後でカダンの挑戦を受ける浩平が颯爽と入場してきました!!!
 これに気付いたカダンは慌てて観客席から逃げていきます!!!浩平も追いかける!!!
 ともかくこれで再び人数差は無くなりました。リング上のアラミスは佐祐理さんにストンピング、
 しかし一瞬の隙を突いて佐祐理さんがアラミスを丸め込みでフォール、1、2・・・
 間一髪でリング下からルタの電撃網がカットしました。冷や冷やの攻防戦、4者共ぐったりのようです。
 試合の行方はどうなるのか???

 ここで試合権利を整理すると、今ルタがアラミスと交代してどうやらルタと佐祐理さんにあるようです。
 舞はリング下でダウン。珍しいです。さすがにカダンの一撃を食らっては立てないか。

 ルタがアラミスの肩を叩いて「あとは任せろ」と言っているようで・・・!!!
 その直後でルタがアラミスのスカートをめくった!!!
 アラミスのおぱ、おぱ・・・おぱ・・・あわわわわ、

キング「♪♪♪いいものを見せて貰ったぞっ♪純白なんて久しぶり♪」

 な、なんという手を使うんですかっ!!!
 しかし作戦としては効果があった!!!動きの止まった佐祐理さんにルタの必殺
 サテライトレーザー直撃!!!佐祐理さんダウンと共にそのままフォール、
 1、2、3!!!ルタが取った、ベルトが遂に眷属の元に・・・。

♪朱

 なんということ、まさかルタがあんな手でくるなんて!!!
 眷属と言ってもただのズル集団ではないか!!!

キング「ズルでも勝ちは勝ちだろ。それにお前だって良いものを見ただろ!!!」

 い、いいものって・・・そんなの放送出来るんですかっ!?

キング「パンツぐらい大丈夫だろ。それに家の団体は地下の格闘技団体だぞ。
 地上波とは違うのだよ地上波とは。」

 う・・・うううう・・・ベルトは確かにルタ&アラミスの元に渡りましたが、
 当のアラミスはかなりの恥ずかしい思いをしたのか顔を伏せて立てません。
 ああ、可哀想ですよ・・・。私眷属は嫌いですが今日のアラミスは可哀想です。
 いやきっとアラミスはあのルタに操られただけなんでしょう・・・。

キング「根拠にも無いことを言うなよな。眷属に狙われても俺は知らないからな。」

 今特番最初のタイトル戦は波乱の結果になりました!!!

==========Dr.Fou診療所==========
 ファウさんの診療所には依然はにはに勢の文緒さんが療養中。それを心配そうに見守るメンバー達に
 ドラゴンと雪希ちゃん、進藤さん。どうやらドラゴン達も一悶着の後は戻ってきたみたいですね。

ドラゴン「こっちはとりあえず何とかなりそうだな。ここで安静にしてれば多分大丈夫だ。
 それよりも、いよいよ俺の試合の出番が来たようだ。」

結「ドラゴンさん、本当にありがとうございました。試合、頑張ってくださいね。」

ドラゴン「ああ・・・。この試合に全てをぶつけるさ・・・!!!お前らも早く残りの仲間が見つかると良いな。」

茉理「直樹・・・どこに居るの・・・?」

ちひろ「茉理〜・・・。」

ドラゴン「難ならリング上で呼びかけてみるのも手だな。」

 これを捨て台詞にするかのように言うとドラゴンはリングに向かいます。
 その後を雪希ちゃんと進藤さんも後を追います。

美琴「リング上でね・・・行ってみる?」

==========会場裏廊下==========
 いよいよ臨戦態勢に入り試合に集中しだしたドラゴン。その表情はまさに真剣そのもの。
 引退試合となるかもしれないその試合に全てを賭けます。

雪希「あの、ドラゴンさん・・・。」

ドラゴン「・・・なんだ?」

雪希「その、試合頑張ってね。」

ドラゴン「ああ、もちろんだ。今更だな。」

雪希「うん・・・それでね・・・、」

ドラゴン「どうした?」

雪希「私たちも傍でドラゴンさんの最後になるかもしれない試合を見たいの。良い、よね?」

ドラゴン「・・・・・・駄目だ。」

雪希「どうして?」

ドラゴン「試合形式を知らないのか?ただのシングル戦じゃない。反則裁定の無いストリートファイトだ。
 だから雪希さんたちにも危険があるんだ。ケンちゃんから預かっている身としては
 そんな危険な場所に連れて行きたくない。分かるよな。」

進藤「で、でも・・・!!!せめて最後の試合ぐらい私たちも立ち合わせてくださいっ!!!」

ドラゴン「あの時も・・・。」

進藤「えっ?」

ドラゴン「あの時も、俺はお前達を守り切れずに危ない目に遭わせてしまった。
 だが、今度の試合はあの時以上に危険なんだ。今日あの時と同じことが起きた時・・・
 正直俺は・・・。」

雪希「いいんです。私たちが見るって決めたんですから・・・。」

ドラゴン「!!!とにかく、駄目なものは駄目だ!!!絶対について来るな!!!」

 あ〜あ、ドラゴンは雪希ちゃんたちに怒鳴ると小走りに会場に向かっちゃいましたよ・・・。

 それでも雪希ちゃん達は健気に付いていくのが何とも哀しいね・・・。

(続)