WNUWF

(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)

〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜

ドラマスティックモード(7)


==========AIR女子選手控え室==========
 部屋の中に入ってみると他の部屋とは違う独特の空間が作り上げられています。
 何と言うか平安時代にタイムスリップしたかのような寝殿造りと申しましょうか。
 そこに居るのは神奈様と裏葉。何やら次回特番について話し合いでしょうか。

神奈「裏葉。余は次回特番は裏葉と組んで女子タッグ戦に挑戦したいと思っておるが、
 裏葉は異論はあるか???」

裏葉「神奈様がそうおっしゃるのでしたら、わたくしからは異論はございません。」

神奈「うむ。それを聞いて安心したぞ。次回特番で必ずベルトを頂くぞ。」

裏葉「はい。」

==========メイン会場==========
 WNUWFは次回特番『ラブ フォース』に向けてタイトル挑戦者を募集中です!!!

 冒頭でも、神奈様と裏葉での女子タッグ戦参戦が表明されましたね〜〜〜!!!

キング「あの2人のタッグなら驚くことでもないぞ。寧ろ予想していた奴は大勢いるだろ。」

 確かに私も予想出来ました。ですが、この2人の連携ならば、私の予想では、
 優勝候補に挙げても良いと思います!!!

キング「それについては神奈様次第だな。裏葉は人の動きに気を配ることの出来る
 隠れた実力者だからタッグ戦のが芽が出るかな、とは俺も感じていたが、
 タイトルが取れるかどうかは神奈様の実力次第だ。」

 先週の放送時点で既に女子王座戦には真琴&美汐組、舞&佐祐理組の参戦も発表されています。
 いたる連合軍側のこの3組はどれも連携が素晴らしそうですね!!!

♪みずいろ

 本日最初の入場はケンちゃん。傍には日和と清香、麻美先輩が付き添っています。
 ケンちゃんを始めとするみずいろ勢はどのタイトルに挑戦するのでしょうか???

ケンちゃん「次回特番はラブ フォースということで、初代男女混合タッグ戦が
 開催される。無論俺も出ようと思っている。だが、特番を前に1つ決着をしておきたいことがある。」

 決着しておきたいことですか???

キング「言わずもがな、ドラゴンとの決着だろ。」

 あ〜、そういえば、前回特番「エイム アット ザ トップ」で雪希ちゃんと進藤さんが
 さらわれたっきりでしたね・・・。

キング「いや、彼女達の方からむしろ離れていった感はあるがな。w」

ケンちゃん「ドラゴン!!!・・・いや、貴様には用がない。
 ・・・雪希っ!!!進藤さんっ!!!出てきて一度俺たちと話し合おう!!!」

♪ごめんね

 どうやらケンちゃんの呼びかけに応じたようですよ、雪希ちゃんと進藤さんは!!!
 雪希ちゃんの入場曲とともに2人は並んで入ってまいりました!!!

キング「しかも、ドラゴンが居ないのが逆に不気味だな!!!」

 雪希ちゃんと進藤さんは恐る恐るリングイン!!!
 ケンちゃんは2人に詰め寄りたい心境のようですが、両脇から日和と清香が止めに入っています。

ケンちゃん「雪希・・・進藤さん・・・一体どうしてなんだ???
 どうして、あんな奴の元に・・・。」

雪希「お兄ちゃん・・・、だって、あの時日和ちゃんと2人きりで居たじゃない。
 お兄ちゃんは日和ちゃんと一緒の方が幸せだと思うんだよ。」

日和「雪希ちゃん、あのね・・・違うの。あれは・・・。」

雪希「何が違うというの???現に2人きりだったじゃない!!!」

日和「だから、あれは偶然そうなっちゃっただけで・・・。」

雪希「偶然???偶然ってどういうことよ!!!」

 いつも見せないような雪希ちゃんの剣幕な表情に会場内もシーンと静まり返って
 しまっています・・・。私もあんな雪希ちゃんを見たことがありません・・・。

♪四魔貴族バトル1(ロマンシング・サガ3)

 と、この沈黙を破るかのようにドラゴンのテーマ曲が流れます!!!
 そしてゆっくりとドラゴンが入場口から入ってきます!!!
 慌ててケンちゃんが雪希ちゃんと進藤さんを捕らえにかかりますが、
 2人は素早くリング下に降りてドラゴンの元に戻ります!!!

ドラゴン「そこまでだな、ケンちゃん!!!どうやら交渉決裂のようだ!!!」

ケンちゃん「ドラゴン!!!これは俺たちの問題だ。貴様は関係ない!!!」

ドラゴン「関係ない???それはあんまりな言い分だな。人を散々催眠術師みたいな
 呼び方をしといて!!!」

 確かに雪希ちゃんと進藤さんがドラゴンの元についたのはドラゴンが2人に
 催眠術をかけたからだ、とはずっと信じているみたいでしたけれども・・・。

ドラゴン「まぁ、あれだ。今のを見る限りは交渉は上手くいきそうもないからな。
 優しい俺様が大事に預かっておいてやるよ!!!」

ケンちゃん「黙れ!!!こないだは上手く行かなかったが、今度こそ力づくで
 取り返させてもらうぞ!!!」

ドラゴン「まぁ待て。別に今決着をつける必要も無かろう。お前も次の特番には
 どうせ出るんだろ???男女混合タッグ戦に。」

雪希「え・・・。」

ケンちゃん「そんなことは・・・!!!」

ドラゴン「いや、出てもらうぞ。俺も男女混合タッグ戦に出場の予定だからな。
 ・・・そこで、力づくで奪ってみるがいい。ただし!!!
 俺も賭けるからにはお前にも賭けてもらうぞ。もし俺たちが勝ったらお前の
 パートナーは俺が貰い受ける!!!」

 なんと!!!ドラゴンとケンちゃんの間でタッグパートナーを賭けた
 一戦に発展しそうです!!!

ケンちゃん「む・・・そんなことは・・・!!!」

ドラゴン「出来ないならそれでも良い。俺は別にどっちでも良いがな。」

ケンちゃん「・・・分かった。やろう・・・。俺のパートナーだが・・・。」

日和「健ちゃん。私がやるよ。」

ケンちゃん「日和・・・いいのか???」

日和「だって、雪希ちゃんと進藤さんを取り返すためだもん。私だってやる時はやるよ〜。」

ケンちゃん「だが、お前も危険に晒すことになるぞ。」

日和「いいよ。だって私、健ちゃんを信じてるから。」

 わ〜〜〜〜ぉ、この2人はアツアツですな〜〜〜。
 ですが、その様子を見た雪希ちゃんは複雑そう。

ケンちゃん「俺のパートナーは決まった!!!だから、雪希を出せ!!!」

ドラゴン「チッチッチッ・・・。残念だが、俺の方はもう既に申し込んじまった。
 しかも、パートナーは雪希ちゃんじゃない。進藤さんだ〜〜〜!!!」

 何たる策略!!!ドラゴンはケンちゃんを精神的に揺さぶりにかけたのか???
 しかし、さすがにこれにはケンちゃんからの殺気が物凄いものがあります・・・。

ドラゴン「おっと、待った。分かった分かった。んじゃ、この一戦に雪希ちゃんも
 賭けよう。だが、俺からも2人取ることになるぞ。」

 ドラゴンの申し出にケンちゃんはうんうんと頷きます。この際1人でも2人でも
 同じということでしょうかね。

ドラゴン「よし分かった。もう一度整理しておくと、俺と進藤さん、そしてお前と
 日和で男女混合タッグ戦に出場、お前たちが勝ったら雪希ちゃんと進藤さんは
 お前の元に戻る。ただし、俺たちが勝ったら日和ともう一人どちらか俺が指名した方が
 俺の元に来る。・・・いいな?」

 ドラゴンの申し出にケンちゃんはもう一度うんうんと頷きます。
 それを見て満足したかドラゴンたちはそそくさと退場。

ケンちゃん「清香、先輩・・・。すまない。2人にも迷惑をかける。」

清香「い、いいわよ。日和があんたのことを信じてるなら、あたしたちだって
 負けないぐらい信じてるわよ。ね、先輩。」

麻美「こくこく・・・。」

ケンちゃん「ありがとう・・・。」

清香「ところでさ、あたしたちはどうする???無難に行くなら女子王座戦かな。」

麻美「もう一度、ベルトが欲しいです・・・。」

 言うが早いか清香と麻美先輩は一足早くリングから降りました。
 その様子を見て申し訳無さそうにケンちゃんと日和が後ろからついていきます。

 私はさすがにケンちゃんが可哀想になってきましたよ!!!

キング「おい、実況は選手を贔屓してはいかんぞ!!!もちろん解説の俺もだがな。」

 それは分かっていますけれども・・・。
 それにしても、これで男女混合タッグ戦にはドラゴン&進藤さん、ケンちゃん&日和
 と参戦決定ですね〜。

キング「特にこの2組の間にはタッグパートナーが賭けられた。この2組の試合は
 より見ものだぞ!!!」

 男女混合タッグ戦には既に鍋島&朝奈、タイガー&篠崎 あやめ、祐一&あゆ、
 北川&香里と参戦決定。どのチームも連携は素晴らしそうなので、最も権威のある
 タイトルらしく、一番の大混戦が予想されます!!!
 他にもまだまだ参戦者が増えていきそうな予感!!!

==========会場裏廊下==========
 先程リング上で話をしていたドラゴンたちが廊下を歩いています。
 後ろから進藤さんがなにやら慌てている様子・・・。

進藤「ドラゴンさんっ!!!私・・・、自信ないです・・・あんな大事な試合に
 私を出すなんて・・・!!!」

 確かに、おとな進藤さんにとっては真っ青になりそうな大事な試合。
 ですが、ドラゴンは平静にしてますね。

ドラゴン「進藤さん。大丈夫。進藤さんは弱いわけじゃない。
 戦い方を知らないだけだ。だが、特番までに強い必殺技を教える。
 そうすればそうそう負けることはないよ。」

進藤「でもっ、それで私が負けたりしたら・・・。」

ドラゴン「大丈夫。俺たちは負けることなど無いさ。それに、
 最初から負けるなんて考えていたらそれこそ終わりだぞ。普段どおりの力を
 出せば必ず勝てる。」

 ドラゴンは進藤さんを説得しているようですが、進藤さんは不安な様子。

ドラゴン「あ、と・・・。雪希ちゃんは次の特番は・・・折角だから
 女子王座戦にでも出てみる???」

雪希「え、私???う〜ん・・・あんまり気乗りしないけど・・・。」

ドラゴン「俺たちのことなら心配しなくてもいい。ただ、雪希ちゃんだけ何も出ずってのは
 ちょっと寂しいからね。折角だから3人でベルトを巻くことを考えよう。」

雪希「・・・そうですね。やってみます。」

==========メイン会場==========
 進藤さんの不安も分かるところですよね。
 負けたら自分だけでなくて雪希ちゃんもケンちゃんのところに戻ることになりますからね!!!

キング「だが、条件で言えば日和だって同じだぞ。その意味ではいざという時の
 日和程強敵は居ないかもな。」

 そして雪希ちゃんは女子王座戦に挑戦ですか・・・。

キング「雪希ちゃんだけ何もしないのも、というドラゴンからの配慮だ。
 3人でベルトを、って辺りで後押しもバッチリだろ。」

 雪希ちゃん自身も実力的には充分ですからね・・・。

==========いたる連合軍コミッショナー控え室==========
 秋子さんがどこかに電話をかけているようですが・・・。

秋子「・・・ええ。こっちの準備は整っているわよ。・・・そう。出来れば来週
 来て欲しいのよ。・・・大丈夫ね。それを聞いて安心しました。・・・ええ。約束は
 必ず守るから。丁度今のところ誰も居ないみたいだから。・・・分かりました。それじゃ
 お待ちしていますよ。」

 ・・・一体誰と話していたんでしょうかね・・・。

秋子「・・・よし、これでこっちの準備はO.K.ね。
 見てらっしゃい。私たちの最強の隠し玉を・・・。」

 ・・・隠し玉???

(続)