WNUWF

(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)

〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜

ドラマスティックモード(5)


==========WNUWF側コミッショナー控え室==========
 ゆかりさんはノートPCに向かいながら誰かと電話中のようですね。

ゆかり「・・・ええ。決勝戦なんかはかなりの試合だったわ。
 ・・・ありがとう♪・・・ええ。私たちにとっては万々歳ね。」

 ヒューーーーーーーーン!!!スパッ!!!

 あら?コミッショナーの部屋にいきなり立て看板が突き刺さりましたよ。

ゆかり「あ・・・。オーナーからの指令が来た。
 ・・・うん。ごめんね。また後で電話するから。・・・うん、それじゃ。」

 ゆかりさんはその立て看板をじっと見ていますが、表情を見ると
 戸惑いの表情をしているみたいですね・・・。

 コンコン・・・。

ゆかり「入って良いわよ。」

 おっと・・・入ってきたのはいたる連合軍側コミッショナーの秋子さん。
 手にはやはりオーナーからのものと思われる立て看板ですね。

秋子「あら、ゆかりさんの元にも届いたのね。オーナーから。」

ゆかり「ええ。でも、困りましたね・・・。既に広報には別のカードを発表してしまいましたし・・・。」

秋子「そうね・・・。」

ゆかり「でも、オーナーからの直々の指令ではさすがに無視も出来ませんしね。」

秋子「ええ・・・。かと言っていきなりカードを変更させるのも得策ではありませんよね。」

 2人でしきりにお悩みの様子。やがて秋子さんが何か閃いた様子で、

秋子「いっそのこと、両方開催してしまうのはどうでしょう???
 いや、むしろ全部開催というのは???」

ゆかり「でも、選手が大変になるのでは・・・。」

秋子「ですから、そこは条件付で・・・ごにょごにょ。」

 あっとここからはゆかりさんにひそひそ話ですか〜〜〜・・・。
 ゆかりさんもうんうんと納得の様子です。

==========メイン会場==========
 WNUWF特番「エイム アット ザ トップ」をご覧の皆さん、どうもありがとうございました〜〜〜!!!
 旗揚げ戦の女子王座戦に引き続き初代男子王座決定トーナメント戦の方も大熱戦の内に
 幕を閉じることが出来ました〜〜〜!!!

キング「女子王座戦、ハード・コア戦もめまぐるしい攻防戦だったぞ!!!」

 特番終了直後のこの放送ですが、早くも次回特番についての情報が我々の元に届いております!!!

キング「次回特番の名前は『ラブ フォース』。『愛は力なり』ってところか???」

 そのような意味があるのかは私は分かりませんが、次回特番ではWNUWFのベルトの中でも
 最も権威のあるタイトル、男女混合タッグ王座の決定戦が行われます!!!
 もちろん、新生WNUWF始まって初のタイトル戦ですので
 初代男女混合タッグ王座決定戦ということになります!!!

キング「男女のタッグだからまさに愛の力が試されるって訳だな!!!きっと。」

 しかし、番組冒頭ではオーナーからも何か注文があった模様。
 2人のコミッショナー達も悩んでいた様子ですが、一体何だったんでしょうね・・・?

キング「さあな。オーナーの考えることが俺に分かるわけないだろ。」

 それは確かに・・・。(^^;;

♪こころのゆくさき

 WNUWFの女子王座の狭霧と初代男子王座に就いた頼人の2人が並んでの入場!!!

“さぎり〜〜〜〜〜!!!さぎり〜〜〜〜〜!!!”

 人気No.1カップルのこの2人の入場に場内からは大歓声!!!
 2人もそれに応えるように手を振りながらの入場です!!!

頼人「皆、応援ありがとう!!!正直辛い戦いだったけど、俺が無事に初代
 男子王座に就くことが出来た〜〜〜!!!そして、狭霧もベルトを何とか死守出来たぞ〜〜〜!!!」

狭霧「私、今でも信じられないのですが、ベルトがまた私の元に戻ってきちゃいました!!!
 このベルトは大事に大事にしたいと思いますっ!!!」

“わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!”

 頼人がしゃべるたびに物凄い歓声!!!狭霧がしゃべってなお歓声!!!

頼人「この調子で、次回特番の男女混合タッグのベルトも頂いて俺達がベルトを独占するぞ!!!」

♪雪の少女

 おっと???ここで入場はWNUWF、いたる連合軍両コミッショナーの秋子さんとゆかりさんです!!!
 先程のオーナーからの注文についても何か聞けるんでしょうか???

キング「人気No.1のこのカップルの話を遮れるのは現状ではこの2人ぐらいだろうな。w」

 2人はリングインとともに頼人たちを見ますが、どうやら頼人たちに話をしに来た様子ではないみたいです。

 ゆかりさんは「ちょっとだけ時間を頂戴。」と言っているようです。

秋子「『エイム アット ザ トップ』をご覧頂きました皆さん、ありがとうございました〜〜〜!!!
 結果はいたる連合軍にとっては残念な結果になってしまいましたが、そこに居る頼人さんが
 初代王座ということで、とりあえずは素直におめでとう、と言っておきたいと思うわ。」

 秋子さんの発言には会場内もちょっと静まりかえります。

秋子「ところで、次回特番については皆さんご存知かしら???
 広報で発表されたとおり、初代の男女混合タッグ王座決定戦を行います!!!」

 この発言には会場内からも大歓声!!!

ゆかり「この王座はWNUWFの中でも最も権威のあるベルトであると位置づけられています。
 ルールについてはまた後日発表しますが、是非男女のタッグチームからの挑戦を
 お待ちしています。」

秋子「・・・と、ここまでは既に広報で発表されたことの繰り返しなんですけれど、
 ここからは未発表の情報ですよ。・・・先程、私とゆかりさんの元にオーナーからの
 指令が届いたのですが、女子タッグ王座戦を開催せよ!!!とのことでした・・・。」

ゆかり「そこで、私たちが話し合った結果、両方同時開催で執り行いたいと思います!!!」

 なんと!!!男女混合タッグ王座戦に引き続き、女子タッグ王座戦も同時開催!!!
 これは熾烈な争いになりそうです!!!
 会場からもこのホットな発表に歓声が止みません!!!

頼人「男女混合タッグ戦に引き続き女子タッグ王座戦も???
 それは凄いな!!!だが、男女混合タッグ王座も俺達が必ず取らせてもらうぞ!!!」

秋子「ちょっ、ちょっと待ってね。流行る気持ちも分からないでもないけど、
 発表は以上じゃないの・・・。それに、これからの発表はあなた達にとっては残念な
 発表になるわね・・・。

 次回特番では、さらに男子王座戦と女子王座戦も開催します!!!」

 なんですとっ!!!男子王座戦、女子王座戦も開催???
 次回特番は王座戦だらけになりそうです!!!

キング「いきなり大奮発だな!!!w」

 しかし、これを聞いてゆかりさんの表情が曇っていますよ!!!
 どうやら最後の発表はゆかりさんにはしていなかったようですね。w

ゆかり「ちょっと!!!それはどういうことですか???
 では、頼人さんと狭霧さんは男女混合タッグ戦には出られないということですか???」

秋子「残念ながらそういうことになりますね・・・。」

ゆかり「私はそんなことは聞いていませんよ!!!到底認められませんね!!!」

 ゆかりさんは秋子さんに詰め寄りますが、秋子さんは意に介さない様子。
 観客からもこの発表に大歓声で、今更撤回するのも難しそう・・・。(^^;;

 頼人は憮然とした表情ですが、狭霧は俯きながらも、

狭霧「・・・ゆかりさん。いいですよ。分かりました。
 私が持っている女子王座に挑戦したいという方がいらっしゃるのだとしたら、
 私はそれを拒むことは出来ません・・・。それはきっと頼人様も同じ考えだと思います。
 ですから、男子王座戦も女子王座戦も開催しましょう。」

“さぎり〜〜〜〜〜!!!さぎり〜〜〜〜〜!!!”

 狭霧からの承諾の発言に場内は再び狭霧コール!!!

頼人「狭霧がそう言うなら・・・。でも、じゃあその代わりに俺からも1つだけ
 条件を出させてもらうぞ。男女混合タッグ戦の最初の挑戦者には
 初代男子王座の俺と初代女子王座の狭霧が挑戦させてもらう、ということで。
 それでどうですか???」

 頼人からも負けじと条件提示。ですが、確かにこの2人抜きで男女混合タッグの
 最強を名乗られても困りますよね。

秋子「いいでしょう。分かりました。確かに頼人さんのおっしゃるとおりですね。
 それぞれの王座戦への挑戦についてはまた後日お知らせするわ。」

 秋子さんもこれを受諾!!!次回特番もかなり盛り上がること間違い無さそうです!!!

==========佐々井亭−WNUWF支店−==========
 佐々井亭のWNUWFの支店ということですけれども、
 鍋島が常連なのは分かりますが、いつの間にかタイガーと篠崎 あやめも常連になっているみたいですよ。w

タイガー「よう、鍋島。次回特番についての発表、聞いたか???」

鍋島「ええ。凄い発表でしたね・・・。男女混合タッグ王座は
 事前に聞いていましたけれど、まさか女子タッグ戦や男子、女子王座戦も開催とは・・・。」

タイガー「お前は何の王座に挑むんだ???
 俺は当然あやめちゃんと組んでの混合タッグだけどな。」

鍋島「僕は・・・。」

 厨房で料理を作っているねーちんも混合タッグとなると黙っていないようですね。

ねーちん「志郎さん。当然、志郎さんは私と組んでの混合タッグ戦ですよね???」

鍋島「え?あ、いや、その・・・。(^^;;」

朝奈「志郎さん・・・。あたしとは・・・。」

ねーちん「朝奈には聞いていないわよ。志郎さんが決めることよ。」

タイガー「鍋島も大変だなぁ・・・。(ぼそ)」

 確かに・・・。(^^;;

鍋島「そうですね・・・。夕奈さん。夕奈さんには悪いですけど、僕は朝奈ちゃんと
 組みたいと思っています。」

 おっと・・・。さすがにねーちんの表情も曇ってきましたよ!!!

鍋島「あ、いや、あんまり怒らないで欲しいんですけど、ほら。
 佐々井亭にもベルトが飾られると結構華やかになるじゃないですか。
 それで、どうせベルトを飾るなら1つよりも2つの方が良いかな、
 と思いまして・・・。で、私がどちらかと組んで混合タッグに挑むとして、
 残るもう一人が女子王座戦に挑めるじゃないですか。
 それで、朝奈ちゃんと夕奈さんがどちらが女子王座のベルトを取れそうかな、
 って考えた時に・・・。」

ねーちん「それはまぁ、確かに私ですわね。」

鍋島「え、ええ!!!ですから、ここで両ベルト同時獲りを狙いたいなと、
 思ったんですよ!!!」

 結構苦しい言い訳ですね・・・。(^^;;でも、

ねーちん「・・・何だか騙されている感がありますけれど、良いでしょう。
 志郎さんのおっしゃることも最もですしね。ですから、今回は騙されておきます。」

鍋島「ありがとう♪そうと決まったら佐々井亭にベルトが2つ飾れるように頑張らないとね。」

==========メイン会場==========
 特番の男女混合タッグ戦に早くもタイガー&篠崎 あやめ、鍋島&朝奈の2組が名乗りを挙げました〜!!!
 そして、ねーちんは女子王座に挑む模様!!!

キング「佐々井亭のメンツは本気でベルト獲りを狙ってきているな!!!
 ねーちんはああ言っていたが、俺はねーちんはシングルの方が芽が出るんじゃないかな、
 って思っているぞ!!!」

 まさに狭霧の相手の最有力候補がまず名乗りといったところでしょうか。

♪たたかえブルー

 そして、この男は男子王座戦に名乗りを挙げるのか???
 ブルーが入ってまいりました〜。初代男子王座戦はまさかの不覚。

ブルー「俺は今まである男を追い求め戦ってきた・・・。そう。皆もご存知の通り、
 儀助だ。だが、特番ではそれよりも最大のライバルのあの男が帰ってきていた・・・。
 正直不覚を取った・・・。だが、奴が復活をした限りは俺も全力を持って再び叩きのめさねばならない・・・。
 この俺と最後まで互角に渡り合った男・・・イーグル!!!出て来いっ!!!
 今すぐに決着をつけてやる!!!」

♪イーグル参上

 どうやらブルーの呼びかけに応じてイーグルが入って来ました!!!
 これはこの場ですぐに決着を果たすということでしょうか???
 イーグルはゆっくりと入場して、リング内に居るブルーをじっと睨みます!!!

ブルー「イーグル・・・。特番でしてやったと思っているだろうが、
 あの試合は大勢での試合。男と男の真の決着は他の邪魔は必要ない!!!
 ・・・だろ?だから、今すぐにここで決着を果たすぞ!!!」

イーグル「クックックックッ、ブルー・・・。俺とはしばらく会わなかったから
 どう変わったのか俺は楽しみにしていたが・・・。お前の甘ちゃんぶりは
 相変わらずだな〜〜〜・・・。かつて俺もお前に不覚を取ったが、今の俺はかつてのものではないぞ・・・。
 戦いというのは利用できるものは利用する・・・。それが分からなければ、今の俺を
 倒すことは出来んな・・・。」

ブルー「なんだとっ!!!貴様、いつの間にそんな汚い奴に戻ったんだっ!!!
 こうなれば目を覚まさせてやるっ!!!ブルー爆弾チョッ・・・。」

♪断章

 おおっと!!!この2人の争いに待ったをかける人物が居ましたよ〜〜〜!!!
 儀助です!!!そりゃブルーとも争いましたし、この儀助自身も特番ではイーグルに
 してやられた身、黙っているわけは無いでしょう!!!
 頭への怪我は以前よりも良くなっているようで、包帯も特番の頃に比べて少なめになってます。

ブルー「儀助!!!貴様とも今まで争ってきていたが、貴様よりも長い間争っている
 相手が現れた以上、決着は待ってもらうぞ・・・。」

 あっとしかし、儀助はブルーの言うことには全く介さずに話し出します。

儀助「やっと分かったことがある・・・。俺のこの怪我についてだ・・・。
 俺を襲撃した犯人は・・・この中に居ることがな!!!」

 儀助からの発表なのですが、あんまり驚きの歓声は上がりません。
 そりゃそうでしょう。当初からその犯人はブルーだと考えられているからです。

儀助「ブルー。貴様との決着の話よりも、まずはその真犯人についての弁明をしよう。
 と、その前に俺が襲撃された時の監視カメラの映像を入手できたからそれから見ていただくとしよう・・・。」

 と、会場内に儀助が襲撃された時の映像が映し出されます。
 と、あっと・・・。画面の右隅の方に犯人とおぼしき者が儀助を殴ったと思われる
 鈍器を手に写っています・・・。その肩には・・・虎???

儀助「犯人はブルー・・・貴様ではなかったな・・・。」

 と!!!儀助は振り向きざまにイーグルを捕らえてのチョークスラム!!!
 一撃粉砕!!!儀助の襲撃犯はイーグルだったとは!!!
 ここに儀助の復讐は完遂か!!!
 儀助はイーグルに野次を飛ばすと、早々と会場を後にしていきます!!!

 この3人の遺恨争いも一体どんな結末を見るのか???

(続)