WNUWF

(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)

〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜

ドラマスティックモード(27)

放送日:2005/4/3



==========眷属の溜まり場==========
 会場内に他の部屋とは一線を画したかのような部屋が・・・いや、部屋ではなくてどちらかと言うと
 練習場みたいな空間が出来上がっています。
 中ではカダンが一人、竹で出来た的を目の前に居合い抜き。
 彼の持つ剣はどちらかというと西洋剣だと思っていたのですが、彼自身は意外と和の心も持っているのか、
 一太刀一太刀を集中した攻撃を繰り出しております。

 と、そこに現れたは先週ルタの後ろに控えていた黒い鎧、もとい黒衣の剣士。

黒衣の剣士「ふ・・・相変わらず盛んなことだな。」

 黒衣の剣士を見るカダンはいささか不機嫌そう。
 というか、彼はどうやら黒衣の剣士のことを良く思っていないのか。

カダン「当たり前だ。剣は毎日振らないと腕が錆びる。お前が持っているその鈍らな剣では今更だとは思うがな。」

黒衣の剣士「ほぅ、言ってくれるな。だが、相手は間違えるなよ。」

カダン「なんだと・・・?」

黒衣の剣士「お前の次の相手は俺ではない。男子王座の浩平だ。だが、その様子では
 お前の心はそこには無いようだな。まぁ、せいぜい奴を弱らせるだけの戦いぐらいはするのだな。」

 黒衣の剣士は発破をかけに来たのかカダンに警告を与えに来たのかはたまた・・・。
 ともあれ、部屋を後にしました。

カダン「生意気な奴!眷属でもなければ守護者でもない。何故ルタは彼をあそこまで野放しにするのか・・・。」

==========メイン会場==========
 本日もWNUWFをご覧頂きましてありがとうございます〜〜〜。
 そして、2005年3月21日、史上初の紙媒体による自主興行、
「WNUWFプレゼンツ『女子ロイヤルランブル戦』〜世紀の対決 鍵VSねこVSオーガスト〜」
 をご覧頂きました皆様、ありがとうございます〜〜〜。
 お陰さまで史上初の興行も無事に終了することが出来ました〜〜〜。

キング「おう。あの興行は久しぶりに良い興行だったな。3団体の名前を賭けた戦いが繰り広げられた
 名勝負と言っても過言ではないだろう。」

 結局優勝したのは・・・おっと、まだここでは言わない方が良いでしょうか。
 優勝者には好きな王座戦のベルトに挑戦する権利が与えられております。
 一体どのタイトルに挑戦するのでしょうか?

キング「まぁ、性質上男子王座戦はあり得ないが、普通に考えれば女子王座戦だろう。
 だが、パートナーを見つけて女子タッグ王座戦や一番権威のある男女混合タッグ王座戦だって
 あり得るぞ。ま、優勝者の出方次第だろ。」

 史上初の紙媒体による自主興行の優勝者の今後の出方も気になります。が、本編ではこちらも気になります。
「イクリプス オブ ザ ライフ」、次回特番です。
 遂に特番の全カードが決定しましたね。

キング「ああ。どのカードも注目度の高いカードが出揃った。詳細は特番直前放送の来週お伝えする予定だが
 次回の特番も、見ものであることは間違いないぞ。」

 個人的に気になるのは「はにはに勢」がいつ合流するのか。
 3つに別れた彼らですが・・・とりあえずは一刻も早い合流を願います。

キング「ファウのところに居る3人と秋子さんの元に居る3人は割りと距離的には近いから
 合流も早いと思うが、ドラゴンのところの3人は恐らく特番まで合流は難しいだろうな。」

 私もそう思います・・・。

 さて、今夜は後ほどタイガーのインタビューをお伝えする予定です。
 いよいよ次回特番でドラゴンとの竜虎の一騎打ちが実現します。彼のインタビューは実は2回前の放送にて
 予定されていましたが、「はにはに勢」の予想外の侵入により延期となっておりました。
 ですが、いよいよ「伝統の一戦」を直前に控えた当事者の一人からのインタビューをお伝えすることが出来ます。
 色々と気になるところはありますが、是非聞いてみたいものです。

♪朱/NANA

 What?この入場テーマは・・・ルタの登場ですよ。
 ルタとアラミス、次回特番の女子タッグ王座戦に挑むタッグチームの入場です。
 今夜はいつもの神輿での登場ではありませんよ。

キング「さすがにそういつもいつもあれでは登場出来ないだろ。」

 それはそうですが・・・、ところで彼女らは今日は一体何の用が?

ルタ「愚かなる一般人どもよ・・・。『イクリプス オブ ザ ライフ』で文字通り
 お前たちの生命を侵食する瞬間を目の当たりにするだろう。
 ・・・プロレスなどというくだらない方法で「戦い」を望む愚かなる民たちの生命をな・・・。」

 観客からは当然のブーイング。当たり前です。
 今の発言は全てのプロレスを愛する人間に対する冒涜ですよ!!!
 プロレス一筋で実況を勤めてきた私も当然許せるものではありません!!!

キング「確かにプロレスを「くだらない」発言されるのは面白くないがな。」

 キングだって元プロレスラーなら今の発言は許せないでしょ!!!
 あなたが今までやってきたことを否定されたのですよ?

キング「だが、プロレスは「戦い」ではないからな。戦いを望むものが愚かなことだ、
 というのは同意するぞ。」

 あなたにはプロレスに対する誇りは無いのですか!!!全く・・・、

ルタ「戦いを望む愚かな民たちよ。だが安心するが良い。
 次の特番でお前たちも1つ救われる道を進むことになる。
 ・・・この手に全てのベルトを独占した時・・・、戦いは全て終わる。
 私が保証しよう。手始めに女子タッグ王座だ。現王座の舞と佐祐理は確かに
 タッグチームとしては優秀であると聞く。だが、所詮は一般人だ。
 一般人のお前たちではいくらチームを組んだところで眷属である我らにはかなうはずも無い。
 そのことは身をもって知ることが出来るだろう。幸運に思うが良い。」

♪朝影

 おや?対して入場してきたのはチャンピオンの舞でも佐祐理でもありませんよ?
 祐一が入って参りました!!!ですが、彼とは当然直接対戦することは出来ません。

祐一「よーよーよーよーよーーーーっ!!!さっきから聞いてれば眷族だの一般人だの
 くだらないことにこだわってるなお前らも!!!これだけ言われても舞や佐祐理さんが
 登場しない訳を教えてやろうか?あの2人にはそのような心理戦は通用しないってことだよ!!!
 あの2人は2人とも面と向かって発言するタイプじゃないから代わりに俺から言わせてもらうけど。

 ・・・・・・正直、今回ばかりはある意味で往人に感謝しないといけないかもな。
 ・・・俺の・・・いや『俺たち』の舞や佐祐理さんが敗れるはずがない。悪いことは言わない。
 ・・・恥をかきたくなかったら止めとくんだな!!!」

 祐一からの反論に観客が沸きあがります!!!

ルタ「・・・よかろう。そこまで言うのなら我らからは何も言うことは無い。
 あとは己自身の体で我らの恐ろしさを体験するのだな、とでもあの2人に伝えるんだな。」

 ルタはそれだけを言うとアラミスを連れて会場を去っていきます。

祐一「OK、分かったよ。今のを訳すと、こうだな。
 『特番では恥をかきたいのでよろしくお願いします』確かにそう伝えるぞ。」

 どうやら観客は祐一、いや舞&佐祐理組の味方の様子。愚かなもの呼ばわりされたら当然でしょう!!!

==========インタビュールーム==========
 さて、いよいよタイガーのインタビューの準備が整ったようです。

−−−過去に数々の名勝負が数えられたと言われる「伝統の一戦」ですが、今まで何度対戦があったのですか?

タイガー「俺と奴はWNUWFが出来る以前からの長い遺恨関係が続いている。過去のを全て入れたら
 シングルでは実に24回戦った。俺の13勝、奴の11勝。勝ち星の数では俺のが多いが、重要な試合、
 例えば王座戦がかかった試合になると過去に2度あるが、2度とも奴が勝っている。
 新生WNUWFが誕生してからも男女混合タッグ戦ながら『ラブ フォース』でその片鱗が見えたのは
 記憶に新しいところだろう。シングルでは久しぶりの対戦となるが、次の試合は
 奴の引退がかかった試合だ。王座戦並に重要だ。だから俺にとっても
 今までこういう重要な試合で奴に一度も勝っていないからやり残しが無いように
 奴にとどめを刺す最後のチャンスだと思っている。」

−−−ですが、今回の試合タイガーが勝つとドラゴンの引退は無くタイガーの
 部下に付く、ドラゴンが勝つとドラゴン引退という何とも変則的なルールになっています。

タイガー「正直、俺にとってはドラゴンを部下に付けることなどあんまり興味が無い。
 俺にとって重要なのは奴と差しの勝負がしたかっただけだ。
 話の成り行きであんなルールになってしまったがな。」

−−−それは、もしタイガーが勝った場合でもドラゴンの引退はあり得る、と。

タイガー「俺は奴とは長い間遺恨関係にあるのは確かだが、同時にプロレスラーとしては
 お互いに認め合っている。だから、プロレスラーとしてのプライドは充分に理解出来るつもりだ。
 だから、もし俺の下に付くのがプライドが許さんということであれば、奴が引退することに関しては
 止めるつもりは無い。」

−−−ずばり聞きますが、勝算は?

タイガー「無ければ当然こんな試合は受けないが、100%勝てるとは正直言えない。
 互いにベストを尽くし合うだけだろう。観客のお前らは俺たちの戦いの行く末をただ黙って
 見守っていれば良い。」

−−−気になることは試合形式ですが、2人の対決はやはり通常のシングル戦?

タイガー「・・・よくぞ聞いてくれた。当初は通常のシングル戦の予定だったらしいが、
 俺がゆかりさんに秋子さんに猛烈に頼み込んで試合形式を変えてもらった。
 奴との完全決着を付けるための試合形式だ。・・・反則裁定無しシングル戦だ!!!
 ただし、何人たりとも俺たちの試合への介入は無し。もし、俺たちの間に割って入る者が居たら
 その時は・・・・・・そいつの命の保証は無い・・・。」

==========佐々井亭−WNUWF支店−==========
 今日の佐々井亭もいつもの面子。お客はタイガーに鍋島他ほとんど男子。
 その中を給仕さん、ウェイトレスな朝奈にあやめに進藤さんがところ狭しを忙しそうに
 動き回っています。

 カランカラン・・・。

朝奈「いらっしゃ・・・あ・・・清香さんに麻美さん・・・。」

タイガー「なにっ?」

 入ってきたのは清香に麻美。ケンちゃんの仲間でもあるので進藤さんは慌てて後ろに下がり、
 代わりにタイガーと鍋島が前に。

鍋島「何か用ですか?雪希さんに進藤さんを取り返しに来たなら私たちがまず相手しますよ!!!」

清香「ちょっと待ってよ。・・・確かに雪希ちゃんたちには戻ってきて欲しいけど。
 ・・・進藤さん。元気にやってる?」

進藤「え・・・?はい・・・。」

清香「そう・・・。無事に居てくれるだけでも良かったわ。・・・あたし、竹定食ね。」

タイガー「おい・・・。」

清香「なによ。今日のあたしたちはお客さんとして来たのよ。あんたに文句言われる筋合いは無いわ。」

麻美「片瀬さんたちに久しぶりに会いたい、というのはありましたけれど・・・、
 今日の用事は違うんです・・・。私は・・・力うどんで・・・。」

朝奈「ごめんなさい・・・力うどんはちょっと・・・。」

 と、厨房の奥から雪希がひょこっと顔を出して、

雪希「力うどんなら出来ますよ、って清香ちゃんに麻美先輩・・・。」

麻美「お久しぶりです、片瀬さん。」

雪希「お、お久しぶり・・・です。」

 さすがに気まずかったのか雪希はすぐに奥に引っ込んでしまいました。

清香「ふ〜ん、雪希ちゃんも無事そうで何よりだわ。思ったよりも良いとこね、ここも。」

タイガー「そりゃどうも。」

 何とも客が客だけにいつになく緊迫した空気の佐々井亭。
 やがて注文の竹定食と力うどんが出来、朝奈とあやめで届けます。

 2人が黙々と食べている中やはりその様子が気になっているのはタイガーと鍋島。
 横目でちらちらと覗いているのが印象的。

清香「ふぅ・・・。やっぱり雪希ちゃんの料理はおいしいわね。
 ・・・あ、そうだ。これだけは言っておかないとね。と言っても今日の用事は
 雪希ちゃんたちじゃなくて、あんたたちよ。」

 と、指を差したのは朝奈とあやめ。おっと・・・女子タッグ王座戦挑戦者決定戦に
 挑む者同士でもありました。

清香「あんたたちもそういえば挑戦者決定戦に挑むそうね。次の特番、あたしたちも
 やるからには負けるつもりもないし敵同士だけど・・・、今日ここに来てあんたたちを知って
 良かったわ。少なくともいた連のあの2チームよりは良い目をしてる。」

朝奈「あ、ありがとうございます・・・。」

清香「知ってると思うけど、今回であたしたちは3回目の挑戦になるの。
 負け続けていてでも3回もチャンスをくれたコミッショナーには感謝してるわ。
 でも、ただでこんなにチャンスを貰えたわけじゃないの。
 ・・・次の試合もしあたしたちが負けたら・・・タッグチームとしては解散するの。」

 なんということ!!!清香&麻美チームはチームの命運をかけた戦いとなるようです!!!

清香「だからあたしたちとしても当然負けられないし負けるつもりも無い。だから、
 当日は遠慮なくあんたたちとも全力で戦うつもりでいる。でも・・・。もし仮に
 あたしたちが負けたら・・・絶対にあんたたちが挑戦権、取ってよね。
 あたしたちは悔いの無いように最後まで戦い続けるから、あんたたちも、絶対に悔いは残さないでね。」

朝奈「清香・・・さん・・・。」

清香「・・・なに湿っぽくなってるのよ。まだ試合の決着はついてないのよ!!!
 あたしたちが勝つつもりでいるんだから!!!でも・・・、当日は、良い試合しようね。」

 清香と麻美から朝奈、あやめに握手を求めます。
 対する朝奈、あやめは相手の目をじっと見た後で、がっちりと握手に応えます。

 当日は、熱戦になること間違いなしでしょう。

(続)