WNUWF

(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)

〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜

ドラマスティックモード(28)

放送日:2005/4/3



==========いたる連合軍コミッショナー控え室==========
 いたる連合軍コミッショナーの秋子さんはいつもいつも忙しそう。
 今日も自分のPCに向かって何やら事務作業でしょうか。

 コンコン・・・。

秋子「どうぞ〜〜〜。」

「申し上げます!!!依頼されていた写真の人たちの所在が一部判明しました!!!」

 部屋に入ってくるなり慌てて報告するセキュリティ。息が切れている様子。

秋子「一体どの子がどこに居たの?」

 秋子さんもいささか驚いた様子でセキュリティの元に駆け寄ります。
 セキュリティは6枚の写真の中から3枚を秋子さんに渡し、

「『Dr.Fou 診療所』から出てくるのを目撃した人が居ました。」

秋子「Dr.Fou 診療所ですか・・・、ありがとう。有益な情報だわ。」

 言葉とは裏腹に浮かない表情の秋子さんはそれでもセキュリティを部屋から下げます。

 コンコン・・・。

 入れ替わりに入ってきたは「はにはに勢」結先生に美琴に弘司。

結「あの・・・あれから情報は入りましたか?」

秋子「あ〜、えっと・・・。」

 言おうか言わまいか迷ってる様子の秋子さん。その慌てぶりから「何か掴んだ」と思ったのか、

結「教えてください!!!皆さん無事で居るのか気になるんですっ!!!」

秋子「あ、あのね・・・目撃情報が入っただけよ。」

結「どこなんですかっ?」

秋子「え〜〜〜っと・・・、お・・・大道具室、よ。」

結「ありがとうございます♪」

 と、結先生は慌てて出て行こうとしますが、

弘司「野乃原先生、秋子さんの様子が変ですよ。何か、取って付けたような・・・。」

結「広瀬君、今は秋子さんの言うことを信じるしかないんです。」

弘司「いや、何というか・・・その秋子さんが何か隠しているような気がして・・・。」

美琴「私もそう思う。どこか今日の秋子さんはよそよそしいよ。」

秋子「え・・・?そ、そんなことは、ありませんよ。」

 しかし、弘司と美琴に言われ結先生は冷静さを取り戻すとじ〜〜〜〜っと秋子さんの顔を見つめます。

 じ〜〜〜〜〜〜〜〜っ。

秋子「ほ、ほら、早く行かないとまた分からなく・・・。」

 じ〜〜〜〜〜〜〜〜っ。

秋子「お、大道具室に・・・。」

 じ〜〜〜〜〜〜〜〜っ。

秋子「・・・・・・。」

 じ〜〜〜〜〜〜〜〜っ。

秋子「・・・ふぅ・・・。負けたわ。・・・Dr.Fou 診療所よ。」

 遂に本当のことを言ってくれたと感じたか結先生がぱぁっ、と明るい表情に。

結「正直に話してくれて、ありがとう♪」

秋子「ううん・・・騙そうとした私がいけなかったわね・・・。弘司さん、美琴さん。
 ・・・良い先生、持ったわね。」

美琴「うんっ。」

秋子「・・・ほら、早く行かないと本当にどこかに行っちゃうかもしれないわ。」

 秋子さんの一言にうん、と頷いて3人は部屋を後にします。

==========Dr.Fou 診療所==========
 一方のファウさんの診療所には・・・あり?「はにはに勢」の3人は居ませんよ?
 一体どこに・・・・・・。

==========いたる連合軍コミッショナー控え室==========
 コンコン・・・。

秋子「どうぞ〜〜〜。」

 って入ってきたのはファウさんのところに居た3人ですがな!!!

秋子「あ・・・!!!・・・どういうこと?」

仁科「あ、ってここに結たちが居るって聞いたからここにやって来たのに。」

直樹「居ないな・・・。おい、どこに隠したんだ?」

 直樹が秋子さんのところに迫りますが、秋子さんは落ち着いてのジェスチャー。

保奈美「ちょっとなおくん。たまたまちょっと出かけているだけかもしれないよ?」

直樹「あ、わりぃ・・・。」

 さしもの直樹も保奈美の一言には勝てないか。w

秋子「それが、たまたま出かけた、じゃないわ。あなたたちが多分だけどファウさんのところで
 情報を仕入れたと思うんだけど、その間に私たちも情報を仕入れたのよ。」

直樹「・・・どういうことだ?」

保奈美「つまり、私たちが野乃原先生たちの居場所を掴んでいる間に野乃原先生たちも
 私たちの居場所を掴んだってことじゃないかしら。」

直樹「ってことは?」

恭子「はぁ・・・つまり、入れ違い?」

 仁科先生の一言に頷く秋子さん。

恭子「・・・戻るわよ久住。」

直樹「ええっ?今走ってきたばかりですよ?」

恭子「入れ違いになったんだから仕方ないでしょ。今からでも戻れば間に合うかもしれないわ。」

直樹「それは向こうも考えることは一緒じゃないですか!!!だったら、ここで待ってた方が
 良くないですか?」

恭子「久住は私の決定に何か不満でもあるの?」

直樹「大有りですよ!!!」

恭子「じゃあ、藤枝はどう思う?」

保奈美「え・・・え〜っと・・・。待った方が良い・・・かなぁ。」

恭子「はぁ・・・、やっぱあんたたちお似合いのカップルだわ・・・。」

 多数決で負けた恭子はどっかりとソファーに腰を下ろしてしまいました。

==========Dr.Fou 診療所==========
 一方、ファウさんの診療所にはやはり走って行ったのか到着した結先生たちが
 中に入るも当然ながら直樹たちは居ず、へとへとになりながらへたり込んでいます。

ファウ「ちょっと入れ違いみたいですね・・・。でもきっとその内戻ってくると思いますから
 待っていては如何ですか?」

 ファウさんの提案に、

美琴「うんっ。仁科先生のことだから、「戻るわよ」って言いながら連れ帰ってきそうだよね。」

 と、受け入れる3人。でも・・・結局メンバーが入れ替わっただけで合流は出来ず・・・。

==========メイン会場==========
 今夜もハイテンションにお伝えしていきますWNUWF。
 いよいよ次週より特番『イクリプス オブ ザ ライフ』が開催されます!!!
 今夜は特番でのカードの展望を行っていく予定です!!!

 しかし・・・何というか・・・。「はにはに勢」の行動にはらはらさせられますね・・・。

キング「ん〜〜〜〜、結局入れ違いか・・・。困ったものだな。」

 どちらかでも帰っていれば合流出来たのに・・・。

キング「まぁ、特番では全員総出になるケースが多いからきっと合流出来るだろ。」

 本当に一刻も早い合流を祈っております。

 さて、特番『イクリプス オブ ザ ライフ』も豪華なカードが出揃いました!!!

 1つずつ見ていきましょう!!!
 まずは、権威ある女子王座戦、チャンピオンの狭霧に挑むは挑戦者栞です。

キング「狭霧は自らの占いでは何やら思わしくない結果のようだが、人気No.1だから
 ファンからの歓声を後押しに何とか頑張るしかないだろ。一方の栞は以前刑務所に
 行ってたりして何やら奇妙な行動を取っていたな。特番では不気味な栞が見られるかもしれないぞ。」

 男子王座戦は浩平VSカダン。カダンは以前圧倒的な強さをリング上で披露していたのが印象的です。

キング「ああ。どんどんと入ってくる男子選手をことごとく粉砕していったな。
 特にターサに見せたファイナルエンド グランドクロスは強力だ。『ずるして頂き』の
 浩平はそれにどう立ち向かえるか、だ。」

 女子タッグ王座戦はチャンピオンの舞&佐祐理組に挑戦者のルタ&アラミス組の一戦。

キング「チャンピオンにしてみたら今までにない強力タッグチームが挑戦してきた、
 と言っても過言ではないだろう。眷属に対する意見は人それぞれだと思うが、
 ルタの実力は認めざるを得ないだろう。」

 その女子タッグ王座戦に次に挑む挑戦者決定戦も組まれております。
 女子タッグ王座次期挑戦者決定 4WAYイリミネーションマッチ、
 清香&麻美 VS 朝奈&篠崎 あやめ VS 真琴&美汐 VS 神奈&裏葉 戦。

キング「WNUWF、いた連両団体から2チームずつ実力者タッグチームがエントリーだ。
 特に清香&麻美組は自らのチームの存続をかけて挑んでくる。軸はここかもしれないぞ。
 だが、久しぶりに登場した神奈&裏葉組にも注目だ。」

 この2組はそれぞれで混合タッグの最強を名乗っての遺恨が勃発。
 共にドラゴンたちを倒した実績のある両チームの一戦には男女混合タッグ王座次期挑戦権もかけられました。
 達也&マナミ VS 北川&香里。

キング「48時間カップルの短期決戦によるデビューは鮮烈だったが、事前の精神戦では
 サブキャラタッグが若干上回った感じがあるな。さすがの香里といったところだが、
 当日の試合は果たしてどうなるか、だ。だが、どっちが勝つにしてもチャンピオンの
 頼人&狭霧にとっては嫌な相手だろうな。」

 遺恨と言えばこちらの6人にもあります。いた連同士の潰しあいですが、どうにも止まらない
 6人の対決はトライアングル・サバイバー戦。祐一&名雪&あゆ VS 往人&観鈴&美凪。

キング「男子の祐一は往人に恨みが、名雪とあゆ、そして観鈴と美凪にはそれぞれで遺恨勃発と
 曰く付きのカードだが、トライアングル・サバイバー戦は戦略も要する試合形式だ。
 特に男子選手の2人の戦い方が勝敗への鍵となる。普段の混合タッグと違って男子選手と
 女子選手が戦うこともあり得るところがポイントだぞ。」

 そして・・・伝統の遺恨対決これで遂に完全決着となるのか?竜虎激突、
 ドラゴンVSタイガー。タイガーが勝てばドラゴンはタイガーの手下に。そして、
 ドラゴンが勝てば、ドラゴンは引退!!!

キング「過去の成績ではタイガーがリードのようだが、今回は過去の成績など関係ないだろう。
 伝統の遺恨対決、伝統の一戦それも最終戦かもしれないこの対決はいやがおうにも互いに
 全力でぶつかり合うだろう。完全決着の反則最低無しの超ハードな一戦だ!!!」

 WNUWF特番『イクリプス オブ ザ ライフ』をお楽しみに!!!

♪こころのゆくさき

 今夜の登場は人気No.1カップル、狭霧と頼人ですよ!!!
 曲がかかった瞬間に場内は大歓声!!!頼人はいつものように手を振って歓声に応えます、が・・・。
 狭霧は俯いたままの入場ですね・・・。

キング「一体何があったんだろうな。」

 狭霧のただならぬ様子に観客からはどよめきも聞こえてきました。

頼人「いつも俺たちを応援してくれてありがとうっ!!!だけど、次の特番での
 女子王座戦に狭霧はかなり不安を抱えているみたいなんだ。
 無理もないよな。女子王座戦に男女混合タッグ王座戦。2つのベルトを同時に持つ
 狭霧にとっては頂点に立っている代わりに同時にプレッシャーにも駆られているんだ。
 特番ごとに必ず王座戦をこなす狭霧の精神力は凄いと思うよ。でも・・・。
 さすがにそろそろ限界みたいだ。そこで俺からコミッショナーに頼みたいことがある。それは・・・。」

狭霧「頼人様・・・!!!いいんです。無理に頼まなくても。私は・・・、大丈夫、ですから・・・。」

頼人「大丈夫なものか!!!端から見ていても分かるよ。狭霧の様子がおかしいことぐらい。
 それに・・・。今までだって頑張ってきたじゃないか。だから、ここで1つぐらいの
 我侭なんて聞いてくれるよ。観客の皆だってちゃんと分かってくれるよ。」

“さ〜〜〜ぎ〜〜〜り〜〜〜!!!さ〜〜〜ぎ〜〜〜り〜〜〜!!!”

 頼人の言葉を後押しするかのように観客からは狭霧コールが起こります。

狭霧「皆さん・・・ありがとう・・・ございます・・・。」

 狭霧は観客からの歓声の暖かさに涙を浮かべています。
 頼人の頼みは以前言っていたセコンドに付くことでしょう。私としても今回は
 そうしてあげられることを祈っています!!!

キング「だが、それにはまずコミッショナーからの了承を得ないとな。」

頼人「改めて俺たちからの頼みを聞いてもらいたい。コミッショナー、出ていただけませんか?」

♪砂のモチーフ〜「坂道と交差点から」〜

 頼人の呼びかけにゆかりさんはしっかりと応えてくれました!!!
 ゆっくりと会場に入りリングイン。

頼人「ゆかりさん、お願いがあります。」

ゆかり「言わなくても分かってるわ。あなたが狭霧さんのセコンドとして王座戦に
 入りたいってことよね?個人的には認めてあげたいけど、王座戦のような大事な試合となると
 私一人では決められないわ。正直相手次第なのよ。だから、私が今から交渉してくるわね。」

♪雪の少女

秋子「その必要は無いわ。どうせそのように提案すると思って裏で聞かせて頂きましたから。」

 おっと・・・。タイミング良く秋子さんも入り口付近に入ってきましたよ!!!
 傍には挑戦者の栞も居ます。

秋子「セコンドについては試合を左右するケースも考えられるため、私からは
 挑戦者の栞さんが認めたら了承、とします。・・・栞さん。」

栞「頼人さんがセコンド、ですか・・・。私からは異存はありません。ただし、
 当然ですが、私の方にも一人セコンドを認めていただけますよね?」

 栞にもセコンド?一体誰が付くんだ?

頼人「あ、ありがとうっ!!!って相手のあんたに言うのも変な話だけど・・・。」

栞「・・・いいえ。」

ゆかり「で、でもセコンドに付く人は今度の特番で試合に出場する人はダメですよ?」

秋子「な、勝手にそのようなルールを決めないでくださいっ!!!セコンドの案については
 あなたたちから私たちに申し入れたことですよ?それなのに・・・」

栞「いいですよ。その条件も満たしてますから。」

秋子「え・・・?栞さん。一体誰を・・・。祐一さんはトライアングル・サバイバー戦に
 出場しますよ?それに北川さんだって・・・。」

栞「大丈夫です。セコンドについてもらう相手は祐一さんでも北川さんでも、
 増して往人さんでもありませんから。今は誰かは明かせませんけど・・・。
 強力な助っ人・・・とだけ言っておきますよ。」

 栞は不気味な笑みを浮かべると一人外に出て行きました。
 ・・・一体誰なんだ?いた連ではもう選手が居ないような気も・・・。

キング「セコンドは男子だけとは限らないが・・・俺も見当もつかないぞ?」

 リング上の3人もハテナマークを浮かべております。
 女子王座戦は一体どうなるのだ???

(続)