WNUWF

(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)

〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜

ドラマスティックモード(24)

放送日:2005/2/13



==========WNUWF側コミッショナー控え室==========
 WNUWF側コミッショナーのゆかりさんは誰かに電話中の模様。
 その様子はどこか焦っているようです。

ゆかり「まさか本当にあんな奴に指揮権をですか!!!・・・・・・う、すみません。ですが・・・。
 ・・・はい・・・分かりました・・・・・・。」

 どうやらオーナーに直接電話で聞いていたようです。先週のあのルタからの発言の信憑性を確かめていたの
 でしょうがどうやらルタの発言は本物の様子。

ゆかり「困ったわ・・・。やりにくくなるわね・・・。」

 コンコンッ・・・。

ゆかり「どうぞ〜。」

 入ってきたのは清香と麻美先輩。ゆかりさんも焦った様子ですがこの2人も焦っていますね。

清香「やっと見つかった。おかあ・・・えっと、コミッショナー。
 女子タッグ王座戦についてだけど、次の挑戦者はあたしたちで決定じゃなかったの?」

ゆかり「え?えっと・・・・・・。」

清香「こないだ聞いた話なんだけどいたる連合軍の真琴さんと美汐さんのタッグチームも
 挑戦者に名乗りを挙げたって聞いたよ?」

ゆかり「あ〜・・・えっと・・・実は先週手紙があって朝奈さんとあやめさんの
 『新旧ウェイトレスタッグチーム』もね。」

清香「むっ!!!あの時私たちが挑戦者で決定って言ったじゃない!!!」

ゆかり「ごめんなさい清香ちゃん・・・。最近私も忙しくなっていて確認が遅れてしまったのよ・・・。」

清香「酷い・・・。」

ゆかり「でも・・・早い者勝ちではありませんし、締め切り前ですからその間に名乗りがあれば
 私としてはそちらも受け入れる必要があるのよ。今回は多分3WAYの試合で挑戦者を
 決めることになるから理解して頂戴ね。」

清香「もぅ・・・。」

麻美「仕方が・・・ないです。負け続けている私たちにも、3度目のチャンスですから・・・。」

清香「・・・そうね。今度こそ何とかしないとね・・・。」

 清香たちしぶしぶながらも納得した表情で部屋を後にしました。

ゆかり「・・・・・・。」

 清香たちが居なくなってからもゆかりさんは神妙な表情です。

==========いたる連合軍側選手控え室前廊下==========
 一方こちらは・・・久しぶりの登場の神奈様と裏葉です。

裏葉「神奈様。久しぶりに戻ってきた気分はいかがですか?」

神奈「うん・・・。何だか懐かしく感じるぞ。今までず〜〜〜っと山で修行をさせられていたからな。」

裏葉「ですが、いよいよ私たちの力を世に知らしめる恰好の機会でございます。」

神奈「分かっている。そのために山に入ったのだからな。」

 神奈たちは話しながら廊下を歩き、コミッショナー秋子さんの部屋の前で
 立ち止まりました。・・・???

裏葉「さあ、着きましたよ。秋子さんにあのこと、頼みましょう。」

神奈「そうだな。」

==========メイン会場==========
 本日も放送しますWNUWF、色々と最近動きが慌しくなってきていますね。
 なんと先週放送終了直後、早速権限を手に入れたルタからタッグ戦における試合方式の
 変更が発表されましたね!!!

キング「ああ。ビックリな発表だぞ。プロレスに詳しい人に説明するならルタは
 メキシカンルールを提案してきおった!!!」

 メキシカンルールで「???」な方のために説明を致しますと、今まで通常のタッグ戦では
 リング上試合の権利があるのはチームの内の一人。そして、その試合権利を移すには自軍のコーナーに
 待機している仲間にタッチして交代する必要がありましたが、メキシカンルールではそのタッチの行為が
 無くなります。味方の選手がリング外に出たら他の選手はリングの中に入って自動的に
 試合権利を移動して戦うことが出来ます。これによって通常よりもかなりスピーディーな試合展開に
 なると言われています。

キング「これは個人的な意見だが、ルタもなかなかセンスのある決定をしたな、と思うぞ。
 少なくともこれで試合が面白くなると思う。」

 そうですね。これに関してはゆかりさん、秋子さんも前向きな考えですし、私も評価してますよ。
 ただ、あのルタが提案したってことは・・・、
 やはり眷属に連なる者有利のルールになることは間違い無さそうですね。

♪夏影−summer lights−

 おっ?観鈴さんの入場曲です。入場してきたのは観鈴と美凪。
 一体何を話すんでしょうね・・・。

観鈴「ディスタバンスをご覧いただきました皆さん、応援ありがとうございました〜♪
 ディスタバンスではご覧頂きました皆さんなら既にお分かりかと思いますが、
 私たちは見事にあの生意気な名雪さんとあゆさんを倒すことができました〜♪
 これで、いた連の真のヒロインは私たちだというのがお分かりいただけたか・・・」

♪雪の少女

 おっと・・・。観鈴の気持ち良さそうな演説をさえぎって登場は当の相手の名雪とあゆ。
 またまた一触即発の予感ですよ・・・。

あゆ「ちょっとっ。1回まぐれで勝ったからって調子に乗らないでよっ!!!
 確かにプロレスでは実力も必要だけど人気の面ではボクたちのが圧倒的だよっ。」

 珍しいあゆの見幕なマイクパフォーマンス。しかし、観鈴は動じずに美凪にバトンタッチ。

美凪「まぐれじゃないわ・・・。だって私がしっかりと仕留めさせていただきましたから。
 フフフ♪」

「ああ、確かにそうだな。」

 お???
 観客席からいきなり現れたのは往人さんですよ!!!

観鈴「往人さんもやっぱりそう思う?」

往人「ああ。あの試合を見る限り客観的に見ても観鈴たちの圧勝だろ。」

 ・・・・・・。

キング「だが、確かにあの試合では観鈴たちが勝ったな。」

名雪「うう・・・。」

あゆ「で、でもでもっ。勝負はまだまだこれから、だよっ。」

観鈴「私たちとの実力差を分からないなんて哀れだよね。」

「いや、勝負はまだこれからだと思うぞ。少なくとも俺とお前の間では勝負してないからな!!!」

 お???今度はあゆ達の背後から入場は祐一ですよ!!!

名雪「祐一っ♪」

祐一「往人。てめぇ、よくも俺の名前を使って罪を被せようとしやがったな!!!」

往人「ん?何のことだ?」

祐一「とぼけるなっ!!!「俺の舞&佐祐理組」とか勝手に書いておいて、舞や佐祐理さんから
 変な目で見られてたんだぞっ!!!」

往人「でも良かったじゃないか。そのお陰で舞さんと佐祐理さんのタッグチームは
 王座が防衛出来たんだから。代わりに俺が痛い目に遭ったけどな。
 感謝こそすれど恨まれる覚えなど。」

祐一「ふん。それが余計なお世話だ、って言うんだよ。難ならついでにまた痛い目に遭ってもらおうか?」

 と!!!祐一が単身リング上の往人に向かってダッシュ!!!往人もリング上で迎え撃つ体制に!!!

 しかし、祐一はリングサイドで急ブレーキをかけるとリングには入りません。
 往人としてはフェイントをかけられた格好に。

祐一「今からでもてめぇをぶっ飛ばしたい衝動に駆られたところだが、あえてやめといてやる。
 それよりも、名雪、あゆ。お前らもそっちと恨みがあるみたいだな。」

 2人ともうんうん、と頷いています。

祐一「よし。なら俺と名雪、あゆ。そしてお前ら3人で6人タッグ戦だ!!!
 だが、ただの6人タッグ戦じゃないぞ。『トライアングル・サバイバー』戦だ。」

 トライアングル・サバイバー!!!最近ではなかなか見られない珍しい試合形式に観客からも
 どよめきが上がっております!!!

キング「トライアングル・サバイバー戦についての詳細なルールはWNUWFの用語集に任せるとして、
 簡単に説明すると、まず6人タッグ戦を行うんだ。そして、試合が決着したらフォールを
 取った選手と取られた選手が退場して残りの4人でタッグ戦をする。更にそこでの結果が出て
 両チームで1勝1敗だった場合、同様にフォールを取った選手と取られた選手が退場して
 最後に残った1選手同士でシングルマッチを行い勝った方のチームの勝利となるんだ。」

 往人、観鈴、美凪の3選手もその提案に乗り気の様子。
 どうやら次回特番辺りで実現されそうです!!!

==========Dr.Fou 診療所==========
ファウ「・・・・・・!!!」

 最近出来たファウさんの診療所。そこには色んな選手やスタッフが訪れていて
 いつも忙しそうですね。と、そこに先週体全体に十字に切り結ばれて大怪我を負ってしまった
 ターサの姿も。思ったよりも深い傷にさすがのファウさんも口数少なめに診ているようです。

 カランカラン・・・。

ファウ「あ・・・ウェズさんお帰りなさい。ってそちらの方は?」

ウェズ「・・・ああ、頼まれていた薬草を買いに行く途中で出会ってな。道に迷っていたみたいだから
 とりあえず連れてきた。俺もまだここの土地は慣れて無くてな。」

ファウ「そうなんですか・・・。」

 と、ウェズの後ろを見てみると白衣を着た大人な感じのお姉さんといかにもカップルそうな
 2人の男女の姿が・・・。

「だから、あたしたちは道に迷っているわけじゃないわよ。ただ人を探しているだけよ。」

「仁科先生、それよりも自己紹介をしないと・・・。」

恭子「ああ、そうね。そっちの女の子とは初対面だからね。初めまして。私、蓮見台学園で
 養護教諭をしている仁科 恭子です。よろしくね。」

保奈美「えっと・・・藤枝 保奈美です。蓮見台学園の・・・って言っても通じるのかなぁ?」

直樹「まぁ、あれこれ考えてても仕方が無いだろ。・・・久住 直樹。
 見ての通り、この世界で主役を張らせてもらっている。よろしく。」

ファウ「は?」

保奈美「なおくん・・・。あちらの方に引かれているよ。」

直樹「そんなことは無いぞ。何たって主役だからな。」

ウェズ「・・・・・・。」

ファウ「まぁまぁ。えっと、こちらで診療所を開業させていただいております、
 ファウと申します。お怪我や病気などありましたらお気軽にお立ち寄りくださいね。」

恭子「へぇ。あなた診療所を開いているの?でも、それにしては何かお薬が
 チープね・・・。それでちゃんと治るのかしら?」

ウェズ「・・・なんだとっ!!!」

 おっと、ウェズが仁科先生の一言にキレて刀を持って近づいてきますが、ここは直樹が割って
 入って動きを止めた〜。

ファウ「む〜っ。ちゃんと効果ありますよ。難なら病気になった時にでも試してください。」

 と言ってファウさんはいくつかの薬草を仁科先生に無理やり渡します。

恭子「そうは言っても、ねぇ・・・。私たちの薬はこれだから・・・。」

 と、白衣のポケットから出したものはこちらは私たちもなじみのあの錠剤とカプセル。

ファウ「え?これがお薬???見たこと無いですよ〜・・・・・・。」

恭子「じゃあ、そちらも試してみることね。絶対にこっちのが効くから。」

 と言って仁科先生も無理やりそのお薬をファウさんに手渡します。

ファウ「あ、ありがとうございます・・・・・・。ってそれよりも、人探しをされている、
 っておっしゃってましたよね?私たちで宜しければ協力しますよ?」

 2人のやり取りをハラハラとしながら見ていた保奈美はようやく本題に入れた、と思って
 ホッとしつつ仁科先生に代わって話しかけます。

保奈美「そうなんです・・・。私たち実は皆で訳あって旅をしていたんですけど、えっと・・・。
 どうやって説明したら良いんだろう・・・。」

直樹「ありのままを伝えるしか無いだろ。何というか異次元空間にでも飛ばされるようなワープに巻き込まれてな。
 それで皆バラバラになっちまったわけだ。で、俺たちが探しているのはこれだけだが顔に見覚えは?」

 と言いつつ取り出したのは6枚の写真。ちらっと横から見えましたけれどいずれも見覚えは無いですね。
 ファウさん達も見覚えは無いらしく首を横にふるばかり。

ファウ「私たちは見たことが無いんですけど、ひょっとしたら患者さんの中に見たことがある方が
 居るかもしれないです。ちょっと聞いてきますね。」

 と、ファウさんが写真を持って部屋の奥に居る患者さんに聞いてまわってみるものの・・・。
 戻ってきたファウさんはやはり首を横に振って「知らない」の合図。

保奈美「そうですか・・・みんな無事だと良いけれど・・・。」

恭子「困ったわね・・・手がかりが皆無だわ・・・。どこから捜したら良いのかしらね。」

ファウ「あの・・・。」

恭子「ん?何?」

ファウ「もしお宿とかお困りでしたら家で泊まっていきませんか?
 ここなら患者さんの出入りもありますし、情報も集まりやすいと思いますよ。」

恭子「え?でも・・・。」

直樹「おっ、やったねっ♪こんな可愛い子に誘われたんじゃ断れないな。」

 直樹が飛び上がって喜ぶもウェズさんからの鋭い視線が・・・。

保奈美「もう・・・なおくんったら・・・。」

直樹「う・・・・・・。で、でもファウさんの言うことも一理あると思うぞ。
 今の俺たちには手がかりも無いんだ。ここなら情報が集まりやすい。」

保奈美「それはそうだけど・・・。」

恭子「ふぅ・・・。仕方が無いわね。ファウさんさえ良ければ厄介になりましょうか。
 ファウさんの使うこの薬にも興味があるしね。」

 仁科先生からの意外な同意に保奈美もちょっと驚いたが、ファウさんも快諾のようなので
 とりあえずは納得の様子。

保奈美「では、すみませんがよろしくお願いします、ということで・・・。」

ファウ「はい。良いですよ。部屋は2階が開いてますので好きな部屋を使ってくださいね。」

 ・・・・・・WNUWFにまた新たな勢力誕生の予感。(謎)

(続)