WNUWF

(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)

〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜

ドラマスティックモード(17)



==========WNUWF側コミッショナー控え室==========
 バタンッ!!!

 勢いよくドアを開けて入って来たのはブラックネスドラゴン。

ブラックネス「おい!!!どういうことだ!!!」

 ・・・しかし、部屋の中にはゆかりさんは居ません。代わりにゆかりさんの代理人の方が
 部屋の中に居て何やら書類の整理をしているようです。

ブラックネス「って居ないのかっ???おい、コミッショナーはどこに行った?」

代理人「コミッショナーなら今日は大事な発表があるとかで
 先ほど出て行かれましたが・・・。」

ブラックネス「・・・なんだと???」

代理人「あ、あの・・・。騒がないでください。」

ブラックネス「これが騒がないで居られるか!!!どういうことだ!!!
 俺が男子王座戦に挑めないって!!!」

代理人「知りませんよ、そんなこと・・・。」

ブラックネス「・・・そんなこと???」

代理人「い、いや・・・。」

ブラックネス「くそっ!!!」

 代理人のぼそっと言った一言がブラックネスの癪に障ったようです!!!
 ブラックネスは思いっきり代理人を突き飛ばすと勢い良く部屋を飛び出していきました!!!

==========いたる連合軍女子選手控え室==========
香里「全く、困ったわ北川クンには・・・。あたしたちはそんな関係じゃないのに・・・。
 人に会う度に誤解を招くことばっかり言うんだから。」

栞「お姉ちゃん・・・。」

香里「あら、栞。ごめんね、こないだは。いきなり話が入っちゃって。」

栞「ううん。それは良いの。」

香里「そういえば、あの時何か話たがっていたわね。何だったの?」

栞「え?う、うん・・・。あの、『ディスタバンス』ではお姉ちゃんって男女混合タッグ王座戦だよね?」

香里「そうね・・・。何か強引に決められた感はあるんだけど、受けちゃったからには頑張らないとね。」

栞「そう・・・だね・・・。・・・・・・。」

香里「どうしたの?さっきから何か変よ。」

栞「なんでもない・・・。王座戦頑張ってね・・・。」

香里「あ、ちょっと・・・。」

 香里が止める間もなく栞は部屋を出て行っちゃいました。最後は小走りに走って行ったのがちょっと印象的です。

==========メイン会場==========
 本日もお伝えして参りますWNUWF、特番『ディスタバンス』までだんだんと近づいて参りました。
 謎の存在「ルタ」の出現からWNUWF内部でも様々な動きが出てきております。
 冒頭でも気になる動きが2つ。ブラックネスと栞。どちらもなかなか自分の思う通りに
 行かなくてこれから荒れなければ良いのですが・・・。

キング「栞の方は分からんが、ブラックネスの方は無理だろうな。性格が性格だし。w」

 そういえば、そのゆかりさんは大事な発表があるってことでしたが・・・。

♪砂のモチーフ〜「坂道と交差点から」〜

 おっと、噂をすればというところですか。WNUWF側コミッショナーのゆかりさんが
 入ってまいりました〜。恐らく今話していた「大事な発表」があるものと思われます。

ゆかり「本日もWNUWFにご来場いただきまして真にありがとうございます〜。
 今日は私たちWNUWFに新しく入った仲間を紹介したいと思います!!!
 皆様、拍手でお迎えくださいね♪・・・あやめさんですっ!!!」

♪断章

 ゆかりさんが紹介した相手は先週も登場した車椅子に座った謎の少女、
 名前はあやめちゃんって言うそうです!!!キング。何か情報は?

キング「俺もよく知らないが、団体創設以前には儀助との面会があったらしいぞ。
 ・・・さすがにそれぐらいだ。過去に色々と酷い目に遭ったのか足を怪我しているがな。」

 車椅子のあやめちゃんは儀助に後ろを押されての入場です。
 それにしても、これは実況泣かせですね・・・。
 既に団体には篠崎 あやめちゃんが居ますから名前が被ってしまいます・・・。
 「あやめ」で被るなんて!!!

キング「その辺りは俺は知らん。まぁ、頑張れ。w」

 はいはい・・・。
 そういえばあやめちゃんはプロレスラーとしてではなくて別のポジションで起用する、
 とゆかりさんは先週おっしゃってましたが・・・。

ゆかり「よく来たわ。儀助さんもご苦労様。あ、儀助さんもそこに居てね。」

 儀助とWNUWFのスタッフ達の協力であやめちゃんは何とかリングイン。儀助も後に続きます。
 2人がリングインしたところでゆかりさんが話を続けますね。

ゆかり「はい、改めて紹介するわね。今日からWNUWFに入団することになりました、
 あやめちゃんです!!!といってももちろんプロレスラーとしてじゃないですけどね。
 え?何をするのか知りたい?それはね・・・。」

 ゆかりさんは車椅子のあやめちゃんにマイクを渡します。あやめちゃん本人から話をするようです。

♪朝影

 おっと・・・。折角のあやめちゃんの話を遮る不届き者が・・・。
 って次期男子王座戦挑戦者候補の祐一ですね。

あやめ「ただ今入場は・・・・・・祐一さん。」

 ・・・え?

キング「は?」

ゆかり「あら丁度良いところに入ってきたわね。そう。今度からWNUWF側専属の
 リングアナに就任して頂くことになったのよ。あのいたる連合軍ばっかり贔屓の
 長森さんでは安心して見てられませんからね・・・。」

 いやそんな馬鹿な!!!

キング「だが、確かに公平さには欠けていたかもな。w」

ゆかり「ところで、タイミング良く登場した祐一さんは一体何の用かしら?」

祐一「なに、小耳に挟んだことだけど男子王座戦のWNUWF側からの挑戦者が
 決まったって聞いてね。そしてその相手が・・・。」

 おっと・・・。祐一は儀助を指差しましたよ。まさか儀助がその挑戦者?

儀助「・・・・・・。」

ゆかり「・・・本当に耳が早いわね。まぁいいわ。ついでにここで発表しようと
 思っていたから。そう。祐一さんの言う通り男子王座戦のWNUWF側からの挑戦者は
 儀助さんよ。『ラブ フォース』での3WAYダンスマッチのあの死闘を制した儀助さんなら
 王座戦への説得力は充分でしょ?」

 確かにあの死闘を見れば実力は折り紙つきと言えそうです!!!

祐一「もうそのことは秋子さんには伝えたようだな。で、さっきその秋子さんから
 俺に伝言があった。代わりに俺から発表させてもらうぞ。その男子王座戦挑戦者決定戦。
 俺VS儀助は来週行われることになった。」

 祐一からの突然の発表に会場から大歓声!!!
 しかし一方のゆかりさんは慌ててます。

ゆかり「ちょっとそんな・・・突然過ぎますよ!!!」

祐一「いやこれは決定事項らしいからな。ませいぜい今から準備でもしとくんだな。」

 祐一は発表を終えるとそそくさと会場を後にしていきます。
 その後姿を儀助はじっと睨みつけております。

==========いたる連合軍女子選手控え室==========
 こちらでは観鈴ちんと美凪がトレーニングに勤しんでおります。
 次の特番ではいたる連合軍の真のヒロインの座を賭けてあゆ、名雪組とタッグ戦が
 組まれております。いつにない真剣な表情の2人。

 コンコン・・・。

観鈴「は〜い。」

配達員「神尾さん、遠野さん、お届け物で〜す。」

 配達員はそそくさと荷物を置くとすぐに部屋を後にしていきます。・・・・・・。

観鈴「・・・・・・。」

美凪「差出人は、誰から?」

観鈴「あゆさんに名雪さん・・・。怪しいね。」

 と、小包の傍に手紙が挟まっているのを美凪が見つけたようです。
 開封して見てみると・・・。

美凪「・・・『観鈴さん、美凪さん。この度は大変結構なジュースを頂きましてありがとうございました。
 私たちからもお礼に素敵なジャムを差し上げます。是非パンに塗って食べてください。』ですって。」

観鈴「ますます怪しい・・・。だって、私たちが送ったのって差出人書いてなかったよね?
 どうして分かったんだろう・・・。」

美凪「それで、どうするの?このジャム。」

観鈴「う〜ん・・・。捨てちゃいたいところだけど、食べ物は粗末にするなって言うし・・・。」

美凪「・・・食べる?」

観鈴「そうだね・・・。ちょっとぐらいなら・・・。」

 と、2人はパンを用意し始めてジャムをちょっとだけ付けて食べてみる。
 ・・・・・・。あの・・・2人が固まっちゃったんですけど・・・・・・。

 ・・・・・・・・・。

==========会場裏廊下==========
 ドンガラガッシャーーーーーンッッッッ!!!

「ブラックネス止めろ!!!落ち着けっ!!!」

 うわっ!!!こちらではブラックネスが癇癪を起こして廊下に置いてある物と言う物に
 思いっきり当たっていますよ!!!右手には愛用の鉄パイプ。
 スタッフが止めに入ろうにも鉄パイプを持った彼は危険人物のためうかつに近づけません!!!

 ブラックネスはなおも鉄パイプを振り回してロッカーに叩きつけていきます!!!

 ドンッ!!!

 おっと・・・。そんなブラックネスの背後にぶつかった一人の女の子・・・って
 よく見たら栞じゃないですか・・・。栞も先ほど控え室から飛び出して走っていましたが。

 思いっきりぶつかったためか栞はその場で思いっきり倒れてしまいました・・・。

栞「!!!〜〜〜〜〜・・・。」

 今のブラックネスは殺気に溢れていますよ!!!
 わわっ、ブラックネスはさっと振り返って鉄パイプを構えていますっ!!!
 栞は痛そうにしているのか立ち上がれません・・・。ヤバイですよっ!!!

 あれ?でも、ブラックネスは振り上げていた鉄パイプを下ろすと、空いている手を
 栞に差し出します。栞はその手を取って立ち上がると、ブラックネスはその手で無言で「すまん。」のポーズ。

 すぐさま、その場を立ち去ってまた暴れだします。

 ・・・・・・今のは一体・・・?

(続)