WNUWF

(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)

〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜

ドラマスティックモード(14)



==========いたる連合軍女子選手控え室==========
神奈「う、裏葉っ!!!これは何だ、何なのだっ???」

裏葉「わ、私に言われましても・・・。このようなことは初めてでございます。」

 こちらは他の選手とは一戦を画したような神奈様たちの控え室。
 確かにあの裏葉も初めてみると言われても全く不思議ではないでしょう!!!

 なんと、神奈様愛用のお皿や裏葉が普段読んでいる書物が室内を飛び回っているのですからっ!!!
 現代人の我々でも奇妙ですよぅ。

神奈「だが普通、皿や本はこのようにして飛ぶものなのか???」

裏葉「そのようなはずはございません。誰かが投げでもしたなら話は別ですが、
 それでもいつかは地面に落ちるものでございます。」

神奈「では、今余が目撃しているのは幻か???」

裏葉「さ、さあ・・・。」

神奈「さあ、って裏葉!!!しっかりせい!!!」

裏葉「ともかく、物が当たると危険ですのでここから離れましょう。
 そうですね、このことを秋子様にご報告をしに参りましょう。」

神奈「うむ、そうだな。」

==========メイン会場==========
 本日もWNUWFをお伝えして参りたいと思います!!!
 それにしてもキング。最近のWNUWFは奇妙な現象が多発しています。
 廊下のロッカーが倒れたり、会場内の照明が爆発したり・・・。
 先ほども神奈様達の控え室の物が空中を飛んでいましたよっ!!!

キング「ああ・・・。ロッカーや照明はまだ単なる事故だと言えなくも無いが、
 ロッカーの件も選手関係者全員に事情を聞いたが全員いわゆるアリバイが成立していた
 らしいしな。未だに犯人は出ていない。照明も先週の放送の後技術班が原因究明のために
 調査したが機器にはどこにも異常が見られなかったらしいぞ。で、今のは決定的だったな。
 明らかに何かが取り憑いているな。」

 取り憑いているって・・・キング縁起でもないことを言わないでくださいよぅ。

キング「あ?何だ?お前は霊が怖いのか???w」

 そ、そんなわけ無いでしょうっ!!!・・・多分。

♪夏影−summer lights−

 この曲は、今日最初の入場は珍しいですね。観鈴ちんです。
 おっと、美凪も同伴ですよ。

観鈴「最近、私たちの身の回りでは変なことが起こっているみたいだけど、
 最近の私たちはそれどころじゃないんだよね。ね、遠野さん。」

遠野「こっくり。」

観鈴「最近の私たちは1つムカムカッってしていることがあるんだ。
 ・・・あゆさん、名雪さん、出てきてよっ!!!」

 ・・・は?観鈴がムカついているという相手はまさかこの2人???

観鈴「どうしたの???まさかと思うけど私たちが怖いの???」

 普段の観鈴らしくない挑戦的な態度ですが・・・。

♪日溜まりの街

 どうやら、それに応えるようです!!!あゆのテーマ曲に乗って
 2人が入ってまいりました!!!しかし、観鈴が腹立っている理由って分からないですよね・・・。

キング「うむ・・・同じいた連同士だしな・・・。」

あゆ「観鈴さんっ、いきなり騒がしくてビックリしたよ。ボクたちに何か用かな?」

観鈴「うん。最近あなたたち、ううんKanonの皆さん達、調子に乗りすぎてない?
 この機会だから言っておきたいと思うんだけど、いたる連合軍はKanon
 だけじゃないんだよ。」

 何か今日の観鈴ちんは「観鈴ちん」ではないですね・・・。

あゆ「うぐぅ、そんなことは分かっているよぉ。一体何が言いたいの?」

観鈴「だからこの際だからいたる連合軍の真のヒロインはどっちかってのを決めておこうと思って・・・。」

名雪「それって決める必要あるのかな・・・。」

美凪「結束を固めるためには必要だと思いますけど・・・。」

名雪「でも、どっちかがヒロインって1つに絞ったら逆に反対勢力も出ると思うな。」

美凪「・・・それもそうかも。」

観鈴「う〜・・・とにかく!!!私たちはあなたたちばかり目立っているのが
 気に入らないの!!!だから真のヒロインは私たちだってのを思い知らせるんだから。」

名雪「・・・私たちが目立っているのはあなたたちが不甲斐ない試合ばっかりしているからじゃ。(ぼそ)」

あゆ「わわっ、名雪さんっ、いくら事実でも言っちゃだめだよっ!!!」

観鈴「む・・・!!!」

 わわっ、名雪がぼそりと火に油を注ぐようなことを言っちゃいましたよっ!!!(汗)

キング「さらにあゆが追い討ちをかけたな・・・。w」

 ああっと、観鈴ちんが飛び掛ろうとしたところで意外な人物のが早かった!!!
 マダム美凪がいきなりあゆに飛び掛ってマダム裏拳!!!
 そして、そのまま担ぎ上げてマダム・パワーボム!!!
 と同時に観鈴は名雪に体当たりから一旦距離を置いて残った名雪の上に巨大なぬいぐるみ降臨!!!

秋子「ちょっとちょっとちょっと!!!一体何を揉めているのですかっ!!!」

 慌てて秋子さんが止めに入りますが騒ぎは収まりそうにありません。

観鈴「秋子さん、丁度よかったよぉ。名雪さんたちとタッグ戦をさせてください!!!」

名雪「私からもお願いだよ、お母さん。さっき、そっちからいきなり襲ってきたんだよ!!!」

 何だかいきなり雲行きが怪しくなってきたのですが・・・。

秋子「そんなこと、認められるわけ・・・。」

「いいえ、面白いですね。認めますよ。」

 秋子さんが渋っている背後から認めるの発言はゆかりさんですよ!!!

秋子「ちょっと、勝手に決めないで頂戴。」

ゆかり「ううん、だって双方から申し出があるんですもの、少なくとも私が勝手に決めたわけではないわ。」

秋子「ですが、これはいたる連合軍の問題です。あなたは関係ありませんよ。」

ゆかり「いいえ、私もあなたと同様ここの団体のコミッショナーです。
 タイトル戦等がかかっていない通常の試合はどちらかのコミッショナーの了承が
 得られればカードとして成立します。それに、WNUWFは基本的には私たちがカードを
 決めるわけじゃなくて選手の自主性に重んじる団体ですよ。だから、双方から申し出があるのに、
 それを止めることなんて出来ませんよね。」

秋子「く・・・この・・・。」

ゆかり「はいはい、これ以上言っても無駄ですよ。少なくとも私は承認ですからね。」

 ゆかりさんはここまで言うとリングを後にしていきます。

 ついにいた連勢同士での遺恨勃発といったところなのでしょうか・・・?

==========佐々井亭−WNUWF支店−==========
 今日の佐々井亭もいつもの調子。狭霧が厨房朝奈とあやめちゃんが給仕さんとウェイトレスの体勢。
 そして、鍋島、頼人、タイガーが最早ここのお店の常連客か。

鍋島「最近、団体の中では奇妙な現象が起きているそうですよ。何でもロッカーが倒れたり
 照明が爆発したり・・・。僕達も気をつけないといけませんね。」

頼人「そうだな〜・・・。狭霧。くれぐれも包丁の扱いは慎重にな。」

狭霧「はい、ありがとうございます。頼人様。」

タイガー「・・・それは微妙に違うと思うがな。w」

鍋島「ところで、今女子タッグ王座戦の挑戦者を募集しているみたいですよ。
 朝奈ちゃん辺り、どう?」

朝奈「え?ど、どう?って言われても・・・。お姉ちゃんはあの調子だし、
 あたしにはとても・・・。」

鍋島「あ、パートナーのことか。確かに今の夕奈さんはまだ休んでた方が良いからね。
 でも心配は要らないよ。」

朝奈「え?でも、だとするとあたしは誰と・・・。」

鍋島「あ〜、タイガーとちょっと相談してみたんだけどね。」

タイガー「・・・あやめちゃんと組んでは如何かな?」

朝奈「え?あやめさんと?」

あやめ「・・・???」

 どうやら、あやめちゃんも聞いていないよって表情をしています。

タイガー「ああ。朝奈さんとあやめちゃんならきっと良いタッグチームになれると思うんだ。」

朝奈「どうしてですか???」

タイガー「タッグチームに必要な物って何か分かるか?もちろんチームワークも必要だが、
 それ以前に3拍子揃っていないと難しい。強烈な打撃系、一瞬でカットに入れる飛び技、
 そして相手を押さえ込める間接技だ。あやめちゃんたちが組めばそれが揃うんだ。」

鍋島「2人が組めば飛び技は朝奈ちゃんのシルバートレイ・カッター、間接技はあやめさんは
 スペシャリストですよね。そして打撃は朝奈ちゃんのシルバートレイと・・・、」

タイガー「あやめちゃんのホワイトボードの一撃だ。」

朝奈「でも、それって3拍子そろっているって言えるのかな・・・?」

あやめ「(こくこく)」

タイガー「理想は個々に3拍子揃っていることだが、現実はなかなか難しい。
 現にあの最強と言われている舞&佐祐理組でも、関節技は持ち合わせていない。」

鍋島「ですから、お互いの弱点をカバー出来るチーム、ってのも強いチームの秘訣なんですよ。」

タイガー「ここに、タッグ王座戦への挑戦を表明する申込書がある。あとはあやめちゃん達次第だ。」

あやめ「・・・『やってみる。』」

朝奈「あやめさん?」

あやめ「『折角三井君がチャンスをくれたんだもん、挑戦だけでもしてみたい。』」

鍋島「・・・朝奈ちゃんは?」

朝奈「そうですね・・・。志郎さんも苦労して手に入れてくださったのですから、
 あたしもやってみたいと思います。」

タイガー「・・・良かった。はい、んじゃこれに書いて。」

朝奈「えっと・・・。タッグチームのところ・・・。」

鍋島「ああ、『新旧ウェイトレスタッグチーム』のことか。これはさりげなく
 僕達が考えた名前なんだ。ほら、朝奈ちゃんもあやめさんも給仕さんだろ?」

タイガー「いやだから、現代ではウェイトレスって言うんだってば。それに、
 朝奈さんもあやめちゃんも体格的にはそんなに大きいほうじゃないだろ。
 だからその、「Weight−less」の意味も含まれているんだ。」

 しかし、タイガーの発言にじと目で見るのはあやめちゃん・・・。

朝奈「・・・よく分かんないですけど響きは好きですから私はこれで良いと思います。
 ・・・ありがとうございますね。」

 朝奈は気に入ったっぽい???

==========メイン会場==========
 再びメイン会場です。
 リング内には既にケンちゃんと日和が入場して何か今から話を始めるようです。

ケンちゃん「・・・ドラゴンっ!!!そろそろ出てきたらどうだ???
 『ラブ フォース』では直接戦うことが出来なかった・・・。
 だから!!!俺はお前に勝ったとも思ってないし、負けたとも思ってない!!!
 でも、このまま終わるのは誰も納得しないぞ!!!だから、今度こそ俺と決着を果たすぞ!!!」

日和「あのね雪希ちゃん、進藤さん。きっと誤解していると思うの。私とケンちゃんはその・・・、
 たまたまあの時一緒だっただけで、今でも私たちは雪希ちゃんたちに戻ってきて欲しい
 って思っているんだよ。だから・・・。」

 ・・・しかし、ドラゴンは登場する気配がありませんね・・・。

ケンちゃん「臆したのか?ドラゴン。それとも、あのブラックネスみたいに
 俺が押しかけようとしたところで俺の背後で高笑いでもする気なのか?
 だがそうはいかんぞ。俺はお前がここに現れるまでここで待ってやる!!!」

 ・・・さすがに正直言いますと、ケンちゃんたちが可哀想に思えてきますよ・・・。

キング「だが、前にも言ったがこれを2人きりで待たれてもな、説得力が欠けるだろ。」

 そりゃまぁ、そうなんですけどねぇ・・・。(-_-;)

ケンちゃん「おい、いい加減にしろよ。こうなればゆかりさんにでも頼んで・・・。」

 キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!

 うわ〜〜〜〜っ!!!急に耳が痛くなるような高い音が会場内に鳴り出しましたっ!!!
 さすがに会場内の観客も耳を押さえています。リング上のケンちゃんや日和も
 例外ではないようです!!!

キング「おい、スクリーンを見ろ!!!また砂嵐だぞ。」

 あ、本当です。砂嵐から、

―――ルタに従い、義務を果たすものはその命を助けることを約束しよう。
―――だが、逆らう者は今後は一切の命の保証は出来ない。

 またルタですよっ!!!一体彼らは何なのですかっ???

キング「うむ・・・。俺も顔の広いネットワークを駆使して先週から調べているのだがな。
 全然情報が入ってこないんだ。」

 ひょっとして一連の団体を襲っている怪奇現象と思われるこの現象はそのルタってのが
 引き起こしているのでは???

キング「断定は出来ないがな。その可能性はあるな。だが、今の我々では
 そもそもルタの正体が分からんだろ。」

 む〜・・・ともかく、そのルタの正体を突き止めるのが先のような気がします!!!

(続)