WNUWF

(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)

〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜

ドラマスティックモード(13)


==========WNUWF側コミッショナー控え室==========
ゆかり「・・・はぁ・・・。健二さんには正直失望しましたよ。
 まさかあんな大事な試合で私情を挟むなんて・・・!!!」

ケンちゃん「な!!!俺はいつまでも雪希と進藤さんをあんなドラゴンの元に
 置いておくのが許せなくて・・・」

ゆかり「あなたの気持ちも分からないでもないですけど、あの件に関して
 上から下った処分を言います。・・・健二さんにはしばらくの間、謹慎を言い渡します。」

ケンちゃん「ちょっと待ってよ!!!謹慎だなんてそんな・・・!!!」

ゆかり「分かって頂戴。私もこの処分は重いと思っているの。でも、私達
 WNUWF側を応援して下さっている偉い株主の方々からの圧力があってのことなのよ。
 だからここはしばらく耐えて、ね。」

ケンちゃん「・・・・・・。(怒)」

ゆかり「大丈夫。あなたが考えているほどドラゴンさんは酷い人じゃないと思いますよ。
 雪希さんと進藤さんはきっと無事のはずですから。」

ケンちゃん「・・・う〜〜〜〜。」

ゆかり「そんなに吼えないで。本当に形だけでも良いから。真面目に処分を受けて頂戴。
 そしたら必ず健二さんに機会をあげますから。」

ケンちゃん「・・・分かりましたよ・・・。」

ゆかり「宜しいっ。じゃあ、今日からだからすぐに帰って頂戴。」

ケンちゃん「・・・・・・。」

 ケンちゃんは何も言わずに部屋を後にします。

==========メイン会場==========
 特番『ラブ フォース』をご覧頂きました皆様、ありがとうございました〜〜〜!!!
 お陰さまで大会も大成功に終わったと言えるでしょう!!!

キング「ああ、4大タイトル戦はどれも凄い攻防が見られたな!!!
 そしてチャンピオンに相応しい奴がベルトを獲って行ったぞ!!!」

 しかしながら、私としてはその中でも最も権威のあるタイトル戦、男女混合タッグ最強決定戦での
 あのケンちゃんの行動は頂けません。
 お陰でドラゴン&進藤組は敗北し、ベルトはいたる連合軍の元に行ってしまったのですから・・・。

キング「おい、それは王座に就いた北川&香里組に失礼だぞ。まるで、ケンちゃんの乱入が
 無かったらベルトが獲れなかったみたいな言い方じゃないか。」

 いや、別に私はそこまでは言ってませんが、ケンちゃんが試合を引っ掻き回したのは
 紛れも無い事実。よってケンちゃんには謹慎処分が下ってましたね。

キング「ああ、あれこそ災難だと思うぞ。まさかWNUWFの株主の逆鱗に触れるとはな・・・。
 俺たちも言動には気をつけないといけないぞ。」

 私は普段から気をつけているので大丈夫ですけど、キングは危ないかもね・・・。

♪スタート

 おっと・・・危ないと言えば団体一危ない黒い奴が入場して来ましたよ・・・。

ブラックネス「おい!!!浩平!!!お前、あんな形でベルト獲って嬉しいか?
 あ?男なら実力でベルトを獲ってみろ!!!あんなズルで獲っても誰も尊敬しないぞ!!!
 だが1つだけお前が皆から尊敬を得られる方法がある。それは、今すぐにここに来て、
 今お前の腰に巻いてあるベルトを賭けて俺と再戦をすることだ!!!」

 普段以上に今日のブラックネスは物凄く剣幕ですっ!!!
 しかし、浩平は姿を現す気配がありません。

キング「その選択は賢いと思うぞ。幾らチャンピオンと言っても今のブラックネスは
 脅威だ。歯向かわない方が良い。」

 ですが、ブラックネスはそれを許しそうにありません。

ブラックネス「・・・いいだろう。お前がその気ならばこっちも待っている時間が惜しい。
 だから、今からベルトを獲りに行ってやるぞ!!!部屋の中でがたがた震えて待っているが良い!!!」

 わわっ!!!ブラックネスはマイクを捨てると控え室の浩平に向かって走っていきましたよ!!!
 浩平は大丈夫でしょうかっ???

 ・・・って、おや?先ほどまで我々実況席の前のリングサイドでカメラを持っていた一人の
 男がリングに上がりましたが・・・。

カメラマン?「・・・ブラックネスは行ったか?ブラックネスは・・・。」

 その謎のカメラマンは衣服を脱ぎ捨てると・・・その正体は浩平じゃないですか〜〜〜!!!

浩平「全く騒がしい奴だ。ズルだろうが何だろうが負けは負けなんだから素直に
 負けを認めろよってところだな!!!まぁ良い。誰も居ない控え室に向かった馬鹿な
 黒い奴など恐れるに足らずだ。おっと・・・。観客のお前らも分かっているとは思うが、
 ズルだろうが何だろうがこの俺が男子王座に就いているんだ。偉大なるチャンピオンなんだ!!!」

 浩平は高らかにチャンピオンの宣言をすると、観客席の方から会場を後にしていきます。

 どうして、正規の入場口から出て行かないんですかっ???

キング「決まっているだろ。さっきブラックネスが出て行った入り口だからな。」

 そんなことで偉大なるチャンピオンなんて言えるんですかっ???
 チャンピオンたるものどんな選手でも恐れずに向かって行ってこそですよっ!!!

キング「お前の言いたいことも分からないでもないがな、無駄な戦いを避けるのも
 チャンピオンとして長期政権を築き上げるコツだぞ。」

 ブラックネスとの戦いが無駄だと言うんですかキングは!!!

キング「いや、そこまでは言わないがな・・・。」

 とにかく、浩平はブラックネスとの再戦をするべきですよっ!!!

==========いたる連合軍女子選手控え室==========
栞「お姉ちゃん。そのベルト・・・。」

香里「ええ。あれよあれよと北川クンと組んで男女混合タッグ獲っちゃったわ。」

栞「獲っちゃったわ、ってそれじゃ次の特番では防衛戦・・・?」

香里「いや、まださすがに決まってないわ。だって前の特番が終わった直後だからね。」

栞「そう、良かった・・・。なら次の特番は私と・・・。」

名雪「香里〜〜〜〜っ、お母さんが呼んでるよ〜〜〜〜。」

 遠くで名雪の声ですか・・・。一体何の用なんでしょうか・・・。

香里「秋子さんが?一体何の用かしら?分かったわ。部屋に行けば良いのね?」

名雪「うん。」

栞「あ・・・。」

香里「ごめん栞。話ならまた後でね。」

==========会場裏廊下==========
 な、なんとっ!!!廊下では大パニックですよっ!!!
 石切が腰を抜かして呆然と座っている一方で真琴はあまりの怖さにパニックになって
 美汐に抱きついているようです!!!原因は・・・ロッカーが倒れています・・・。

ゆかり「一体何があったのですかっ???」

スタッフ「はぁ、私も今駆けつけたばかりで何が起こったのかさっぱり・・・。」

ゆかり「・・・石切さんっ、しっかりしてくださいっ!!!
 一体何があったのですか???」

石切「え・・・あ、ゆかりさんっ。こ、怖かったですよ・・・。
 私たちが廊下を歩いていたらいきなりロッカーが倒れてきて・・・。
 幸い私たちには当たらなかったので良かったのですが・・・。」

真琴「ううっ・・・、美汐・・・絶対に私たち誰かに狙われているよ・・・。」

美汐「え?そんなことは・・・・・・。」

 いや、まさか・・・。

ゆかり「・・・すぐに警察に連絡して。こんなことをした犯人を探し出すのです。」

スタッフ「分かりました。」

==========メイン会場==========
♪雪の少女

 いたる連合軍側コミッショナーの秋子さんの入場です。
 特番『ラブ フォース』について何かを話すのでしょうか???

秋子「特番『ラブ フォース』をご覧頂きました皆様、会場にお越しいただきました皆様、
 ありがとうございました〜〜〜。それでは、WNUWFの中でも最も偉大なるチャンピオン、
 最強のカップルをご紹介しましょう!!!初代男女混合タッグ王座、
 北川君と香里さんです!!!」

♪風を待った日

 初代男女混合タッグ王座の北川&香里組です!!!
 史上初のチャンピオンにこのサブキャラタッグが戴冠することを果たしてどれだけの
 方が想像出来たでしょうか!!!しかしながら、この屈強な2人は
 周囲からの逆風をものの見事に撥ね退けました!!!

キング「ああ、お前の言うとおりだ。だが今のあの2人はただのサブキャラじゃないぞ。
 WNUWFで最も輝いている2人だ!!!」

秋子「まずはおめでとう!!!北川君に香里さん。あなたたちが挙げた功績は
 いたる連合軍にとってはとても大きなことよ。これで団体内での私たちの発言力も大きくなるわ。」

北川「おう!!!これでオレ達の愛の強さはバッチリ証明されたよな!!!」

香里「ちょっと北川クン・・・。確かに私達は最強のタッグパートナーだけど、
 あくまでもパートナーとして、よ。全然愛の強さと関係ないじゃない。」

北川「まぁそう照れるな美坂。(爽)」

香里「照れてなんか・・・。」

♪こころのゆくさき

 この曲は!!!団体No.1の人気を誇る狭霧の曲です!!!
 おっと、入場は初代男子王座の頼人と初代女子王座の狭霧のカップルですよ!!!
 人気実力No.1のカップルが入場で会場も大盛り上がりを見せます!!!

“さ〜〜〜ぎ〜〜〜り〜〜〜!!!さ〜〜〜ぎ〜〜〜り〜〜〜!!!”

キング「ここで入場してきた、ということは当然次の挑戦者に名乗りを挙げる
 つもりなんだろうな!!!」

 ええ、恐らくはそうでしょう!!!

秋子「何か用ですか???祝賀会の邪魔はしないでくださいね。」

頼人「おっと、今は邪魔をするつもりはないですが、あの王座戦だけで
 『最強』って名乗られるのはちょっと、ね・・・。」

北川「おい、どういう意味だ頼人!!!」

頼人「だって、初代男子王座と初代女子王座の俺たちをまだ倒してない。」

 私もその通りだと思いますし、観客も同意のようです!!!
 頼人の発言に物凄い歓声!!!

頼人「それに秋子さんも約束してくれましたよね。
 男女混合タッグ戦に最初に挑戦するのは俺たちだってこと。」

秋子「う・・・・・・。」

 そういえばそうでした!!!『ラブ フォース』で男子王座戦、
 女子王座戦を開催させる代わりに頼人が条件を出したのでしたね!!!

キング「ああ。それに、北川たちからしてもこの2人を倒さなければ確かに
 『最強』って言っても説得力には欠けるよな。」

頼人「もちろん次の特番で・・・良いですよね?」

 秋子さんに詰め寄る頼人。

 ボンッッッッッッ!!!

 ああっっ!!!いきなり入場口の天井に設置されていた照明が爆発しましたよ!!!
 そして、会場内に設置されている大型スクリーンが砂嵐に見舞われて・・・。

 ・・・電波ジャック???
 画面には真っ黒いバックに映し出されたのは・・・。

―――ルタに従え・・・。
―――それがあなたたちの義務です・・・。

 ルタ?義務?一体何のこと???

キング「さあ、俺に聞くな。」

 それに、いきなり照明が爆発したのも不可解ですよぅ。

キング「ああ、確かに物騒だよな。」

 リング上では突然の出来事で皆唖然と入場口を見ています。

秋子「い、一体何が起こったのですかっ???照明係と放送室に原因の特定を
 急がせなさい。」

 秋子さんはリング下のスタッフに慌てて指示を送ります。
 頼人の挑戦表明が一転事故が起こってしまい会場内は大混乱に包まれております。

頼人「で、秋子さん、俺たちの挑戦は・・・。」

秋子「分かりましたっ、分かりましたから今日は引き取って頂戴・・・。」

 秋子さんも色々と大変な立場ですね・・・。
 しかし、秋子さんの「分かった」という発言に頼人たちは満足したのか、
 リングを後にしていきます。

 一方の北川たちは憮然とした表情です。

(続)