WNUWF

(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)

〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜

ドラマスティックモード(10)


==========佐々井亭−WNUWF支店−==========
 男女混合タッグの組み合わせ決定後の佐々井亭。
 店内はどうやらいつもの調子でねーちんが料理を作って朝奈が給仕をしていますね。
 って、篠崎 あやめもいつの間にかエプロンつけてウェイトレスしてますね。w

 一方で客としては常連の鍋島と、もはやこちらも常連のタイガーがカウンター席で並んで
 定食を食べています。なにやらタイガーはご機嫌のようです。

鍋島「よっ。先週からやに機嫌が良いですね。何かありましたか?」

タイガー「なに、大したことじゃねーよ。ただ『ラブ フォース』でドラゴンとは
 準決勝で戦うことが出来るからな。もちろん俺も奴も1回戦を勝ちあがらないといけないがな。
 少なくとも今までは俺と奴はこういうトーナメント方式の場合、決勝戦でしか当たらない
 試合が続いていたからな。ずっと待たされていたって訳だ。だがどうやら次の『ラブ フォース』で
 決着が果たせそうだ。」

鍋島「そうか、そういえばそうでしたね。タイガー、あなたとドラゴンはずっと遺恨関係に
 ありましたね。最近ではドラゴンとケンちゃんにばかり遺恨関係が目立っていましたからね。」

タイガー「ああ・・・!!!勝手にドラゴンと争っているケンちゃんにも腹が立つが、
 それにてこずっているドラゴンにはもっと腹が立つ!!!次の特番で俺の存在感をしめしてやる!!!」

鍋島「・・・協力しますよ。何せ僕もケンちゃんを倒さないと男女混合タッグのベルトは獲れませんからね。」

タイガー「おっと・・・、ベルトに関しては言いっこなしだ。それを言ったら俺ともライバルだぞ。」

鍋島「・・・確かに。」

 チリンチリン・・・。

 お、店の入り口が開いたと思ったらお客さん・・・って入ってきたのは頼人と狭霧ですよ!!!

朝奈「いらっしゃいませ〜。」
篠崎 あやめ『いらっしゃいませ。』(にこにこっ。)

 ウェイトレスと給仕からの威勢の良い挨拶と笑顔に出迎えられ頼人たちは鍋島の隣に座ります。

頼人「あ、俺には梅定食、狭霧には竹を頼む。」

朝奈「かしこまりました〜。」

 何気に銀色勢が勢ぞろいですな。(汗)

鍋島「人気No.1カップルのお二人さん、おっとそれよりも男子王座、女子王座のお二人、
 とでも言えば宜しいんですかね。そんなお二人が来店するとは思ってもみませんでしたよ。」

頼人「いや、たまにはこういう店にもな、と思ってな。」

タイガー「お前はともかく、狭霧さんはこの店にはマズくねーか?」

頼人「どうしてだ?」

タイガー「いや、ねーちんが次の特番では女子王座に挑戦だぜ。」

狭霧「あ・・・・・・。で、でも、今は試合じゃないですよね?気にしていたら負けです♪」

タイガー「・・・その辺りが人気の秘訣なのかもな・・・。(-_-;)」

==========メイン会場==========
 今週も始まりましたWNUWF、今週はいよいよ注目の初代男女混合タッグ最強決定戦
 特番に向けての予選と言っても良い1回戦が始まります!!!

 男女混合タッグ戦のルールをここで説明致しますと、通常のタッグ戦と違いますところは、
 異性同士での対決が認められていません。即ち、男子VS男子、女子VS女子は認められていますが、
 男子VS女子による決着は認められておりません。すなわち、どちらかのチームが交代をしましたら
 自動的に相手のチームも交代しないといけません。なかなかに難しいルールとなっております。

 今日は第1試合のドラゴン&進藤 VS 往人&観鈴の試合が行われます!!!

キング「いよいよ、WNUWFの中でも最も権威のある男女混合タッグ最強決定戦が
 開始だぞ!!!俺の今回の予想はケンちゃん&日和だ。」

 どうしてですか???

キング「一見すると日和を入れて失敗に見えるかもしれないが、男女混合タッグ戦のルールを
 見て分かるとおり、男VS女の構図は無いんだ。男VS女の構図があったら確かに不利だったがな。
 だが、これで日和としては相手の女子との対決を考えれば良い。そこで相手の女子の実力を
 考えてみろ。香里、朝奈こそ実力派だがあとはドジなあゆあゆと観鈴、関節技主体の
 篠崎 あやめ、この辺りは五分で行けるだろ。そして進藤さんだ。進藤さんにはこれと言った必殺技が無い。
 これは致命傷だぞ。日和にはクローゼット爆撃がある。あれが入ったら多分相手の女子なら
 バッタリだろ。」

 確かにキングの読みは一理ありますけどね・・・私は・・・、

♪輝く季節へ

キング「おっと、お前のダメダメ予想は聞く暇が無さそうだぞ。w」

 ふ、ふんっ!!!
 私の予想を邪魔して入場してきましたはいたる連合軍の秘密兵器、浩平です。
 男子王座戦について話でもするんですかね・・・。

浩平「俺は、次の特番でまずブラックネスと指しで勝負し、その後でチャンピオンの弱々頼人に挑む。
 そして、特番が終わった後に俺のこの腰には1本のベルトが巻かれるであろう・・・。」

 ・・・ま、言うだけならタダですよね。(-_-;)

キング「・・・。( ´∀`)」

浩平「と、これだけなら唯の俺の予言、いや、未来の予定を話したに過ぎないが、
 今日ここに来たのは1つはっきりさせておきたいことがあって来た。
 ・・・観客の皆も今までずっと疑問に思ってきたことだと思うが、ブラックネスと
 ドラゴンとしこうについてだ。今までこの2人は同一人物ではないか?と言われ、
 当人はそれを否定、決定的な証拠も無いままうやむやにされた。
 だが、俺はここに宣言するぞ!!!奴らは同一人物だ!!!俺はその決定的な証拠を握った!!!」

 え、えええええええええっ!!!!

キング「でかい声を出すなっ!!!」

 いや、でも、今まで誰もがその証拠を握ろうとして握れなかったものですよっ!!!
 それに、この観客のざわめきが事の大きさを証明してますよ!!!

キング「ちょっと待て、その証拠って何なんだ???」

 さ、さぁ・・・。今から説明されるんじゃないですかね。

浩平「俺は奴らが同一人物である、という証拠が写っている映像を撮影することに成功した!!!
 これがその証拠のビデオだ。」

 !!!浩平が今てに持っているビデオに本当に写っているのでしょうかっ???

浩平「これを今すぐに流しても良いが、ブラックネスに弁明の機会を与えよう。
 どうだ???言い訳があるならここに出てきて何か言ってみろ!!!」

 浩平がブラックネスをリング上に呼んでいますが・・・ブラックネスは一向に出てくる気配がありません・・・。

浩平「どうした???出て来れないのか???そうだろうな!!!
 だって、今はドラゴンとしこうなんだもんな!!!今から試合だもんな!!!」

 ああっ、ブラックネス!!!もし違う人物だと言うならここは出てくるべきです!!!
 どうして出てこないんですかっ!!!

キング「いや、浩平の言うとおりなんだろ、きっと・・・。」

 いや、そんな馬鹿な!!!

 この後もしばらく待ちましたがブラックネスは現れず!!!浩平は満足した顔でリングを後にします!!!
 これでブラックネスの立場が・・・どうなるんですかっ???

==========WNUWF選手控え室==========
 一方、その当事者のドラゴンとしこうと進藤さん。
 今日の試合に向けて作戦の練りあいです。

コーチマン「お忙しいところ、ちょっと良いですか???
 先程、浩平さんがリング上であなたとブラックネスは同一人物であるという決定的な証拠を
 握った、と発表されたのですが、お二人は同一人物なのですか???」

ドラゴン「・・・そんな感じで今日の試合は乗り切ろう。んじゃ、進藤さん。ちょっと
 あっち行ってウォーミングアップしててね。」

 おっと・・・・・・。あまりにもストレートに質問をしてしまったがために、ドラゴンは機嫌を損ねたか。
 不機嫌そうにインタビューに答えます。

ドラゴン「決定的な証拠???どんな証拠なんだよ。俺とブラックネスが同一人物か???
 確かに俺もブラックネスも同じ龍のマスクを被っていてそのムーブメントも似たようなもの、
 体格もかなり似通っているし同一人物って思われても仕方がないが、俺とブラックネスは
 同じ門下生だしムーブメントは当然同じ、それにその決定的な証拠ってどんな中身なんだ???」

コーチマン「あ、ビデオでしたから映像だと思います。どんな映像かはまだ明らかにされてませんが・・・。」

ドラゴン「ふん、くだらん。もしそんなのがあるなら俺も見てみたいわ!!!
 どうせ、俺達の動揺を誘おうって作戦なんだろ。そうはいくか!!!」

 ドラゴンはああ言ってましたが、近くのロッカーに置いてあった鉄製のバケツを持って
 思いっきり投げつけていました。(^^;;

==========メイン会場==========
♪鳥の詩

長森「ただ今より、初代男女混合タッグ最強決定戦1回戦第1試合を行います!!!
 まず最初の入場は、往人さんと観鈴さんのタッグチームだよっ♪」

 長森のリングアナも2週目に突入して大分なれたのかかなりらしさが出てきましたね。(汗)

キング「あ〜、『だよもん』か。(-_-;)」

 最初に入場は往人&観鈴組のAIR勢です。

♪いっしょに

長森「対するは、ドラゴンとしこうさんと進藤さんのタッグチームだよっ♪」

 相対するは先程揺さぶりをかけられたドラゴンと進藤さんのチーム。
 ドラゴンは相変わらず不機嫌そうな様子ですが、進藤さんのテーマソング、進藤さんの歌声のお陰で
 幾分落ち着いてきているようですね。

キング「何気に入場曲の選曲は重要だからな・・・。」

 勝ち上がるのは一体どっちだ???

 先発はドラゴンと往人の男子。
 まずはお互い様子見の攻防。互いにバックの取り合いから投げを敢行しますが互いに上手く回避。
 今度は腕の取り合いで間接を決めにかかりますが、これも上手い切り替えし。

 一旦両者離れて様子を見ます。と、往人が観鈴とタッチ交代。
 自動的にドラゴンも進藤さんと交代です。・・・進藤さん大丈夫ですかね・・・。

キング「まぁ、弱いわけじゃないから何とかするだろ。」

 観鈴ちんは勢いをつけて進藤さんに突撃。
 しかし、進藤さんはこれを回避、観鈴はロープと激突してふらふらのところで
 進藤さんがスクールボーイで丸め込み!!!
 いきなり決着か?フォール、1、2・・・危ない危ない。タイミングが良かったら
 一気に決まってしまいますよ!!!ここは何とか2で返した観鈴ですが、
 進藤さんにマウントで上に乗られて不利な状態。しかし、進藤さんは攻め手を欠いているのか
 観鈴の顔にただ張り手を連打するだけです。効いている様子はあんまりないのですが、
 それでも観鈴の動きを止めることには成功しているみたいです。

 あっとしかし、観鈴の足が自由に動くので進藤さんの背中に蹴りの連打で脱出!!!
 隙を見て往人がレフェリーにドラゴンに注意するように喚起して、その間にツープラトンの攻撃!!!
 往人が進藤さんを持ち上げて、リング上に叩きつけます。その間に観鈴はTOPロープに上がり、
 強烈なフットスタンプ!!!続けざまに往人のエルボーが入ります!!!
 さらに往人が進藤さんをキャメルクラッチに捕らえ、観鈴ちんがロープの反動を思いっきり利用して
 進藤さんの顔面に向かってスライディングキック〜〜〜!!!この一撃も強烈!!!

 やがてレフェリーの注意が終わったと見るや往人は自コーナーに撤退。何事もなかったかのように振舞います。

キング「まぁ、タッグ戦の基本だな。」

 進藤さんは交代したいところですが、観鈴ちんがさせません。
 この後も必要に進藤さんを攻めてはフォールしに行きますが3カウントが取れません!!!
 案外進藤さんは打たれ強いですね。(^^;;

キング「それはきっとやかまの・・・。」

 ああ〜っと、進藤さん、一瞬の隙を突いて観鈴ちんの顔面にエルボー入った〜〜〜!!!
 観鈴ちん悶絶!!!その間に進藤さんは這って這って自陣のドラゴンとタッチ交代っ!!!
 自動的に相手も往人と交代ですが、勢いがついたのはドラゴン!!!
 リングインと共に往人にラリアット、そしてすぐに立ち上がらせてもう1発!!!
 そして相手を持ち上げての垂直落下式ブレンバスター!!!ここでフォール、
 1、2・・・ここは往人返しますが、ドラゴンの勢いは止まらずにここでいよいよ
 ドラゴンバスターの体制に入った〜〜〜!!!担ぎ上げてドラゴンバスター発射!!!
 そのままフォール、1、2・・・ああっと、リング下には浩平が居た〜〜〜!!!
 リング内にあったデッキブラシを持って外に出てそれでドラゴンに一撃〜〜〜!!!

 これで決まったと思っていたら形勢逆転!!!両者リング上で大の字です!!!
 しかし、なおも立ち上がろうとするドラゴンに背後から再びデッキブラシの一撃!!!
 これで完全にドラゴンは伸びたようです!!!

 その様子にニンマリとする浩平に近づくはケンちゃん!!!
 ドラゴンの様子を見て一瞬ニヤリ、犯人である浩平に握手(?)まさかこの2人が組んでいた???

キング「そんな話は初耳だぞ!!!」

 あ!!!いや違うようです!!!握手はフェイク、直後に浩平に膝を1発、うずくまったところで、
 かかと落とし!!!そしてそのまま浩平ごと連れ去ります!!!しかし、何故???

 と、試合に戻りましょう!!!立ち上がったのは往人。うつ伏せに倒れているドラゴンを見て、
 鎌固めから、法術固めに移行!!!がっちりと入りました〜〜〜!!!
 慌てて進藤さんがカットに入ろうとしますが、観鈴ちんが更に迎撃、体当たりで阻止して
 進藤さんの動きを封じます!!!こうなるとドラゴンはギブアップしかないか〜〜〜・・・。

キング「いくら実力派のドラゴンでもこの技が決まってしまうと逃げようが無いぞ・・・。」

 あとは、ドラゴンがギブアップするのを待つばかりのようです・・・。

 ・・・・・・!!!
 今度入ってきたのはタイガー!!!小走りにリングサイドまで走り下に隠れます。
 一方レフェリーはドラゴンの様子を見るのに必死でタイガーの存在に気づきません!!!
 タイガーは、なにやら鉄の棒みたいなのをリング上に放り投げます。スパナですね。

 何か物が投げ入れられる音にレフェリーは反応してそのスパナを怪訝そうに取り上げます。
 と、その隙を突いてタイガーがリングイン!!!往人の法術固めにカットに入り、
 観鈴ちんにもストンピング攻撃!!!進藤さんには何か指示を出すとそのままリングサイドに退避しました!!!

 進藤さんは逆に観鈴ちんを押さえにかかります!!!
 そして、ドラゴンは倒れている往人の背後を取ってのドラゴンスリーパー!!!
 これもリング中央でがっちり入った〜〜〜!!!
 あっと、往人これにはたまらずにギブアップ〜〜〜!!!
 ドラゴン&進藤組の勝ち〜〜〜!!!

 おっと、勝ち上がったドラゴンに相対してタイガーが何か言ってますよ!!!
 口調を見る限りでは「貴様を倒すのはこの俺だ」と言っているようです。
 ドラゴンはこれにうんうん頷いて応えます!!!
 来週の第2試合でタイガーが勝ち上がればそれも実現します!!!

 男女混合タッグベルトを巡るこの戦い、結末は何が待っているのか???

(続)