WNUWF
(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)
〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜
エイム アット ザ トップ(6)
 WNUWF特番「エイム アット ザ トップ」をお伝えしております。
 現在、初代男子王座決定トーナメントも残るは準決勝の1試合と決勝のみとなりました!!!
 その準決勝のカードはブラックネスドラゴンVS頼人。その勝者が決勝で往人と対戦し、
 その勝者が初代男子王座に就くことが出来ます!!!
キング「往人にとっては早めに準決勝を決着させることが出来て何よりだぞ!!!
 ゆっくりと相手を待つことが出来るからな!!!あのハードな試合の連続からつかぬまの休息を
 得ることが出来るからな!!!あ、逆に準決勝の試合に加わってどちらを残すかを
 自分で『選ぶ』ことも出来るぞ!!!」
 どっちにしても往人有利には変わりありません。
 一方の女子王座戦は香里がどうやらユンファンから逃げ切りが出来たのかどうなのか・・・?
 こちらも気になるところです。
==========客席裏廊下==========
 その香里が一生懸命走って逃げてますね。あっと、後ろからユンファンの姿はありません。
 どうやら上手く巻いたみたいですね。
 香里は後ろを確認するとホッと一息。
 しかし、油断はせずに辺りをきょろきょろ警戒しながらゆっくり歩いていきます。
==========メイン会場==========
 こんな感じの女子王座戦ですけれども・・・。
キング「さすがは香里といったところだな。マダムの例があるから相手を巻いた後でも
 手は抜いていないぞ!!!これは香里に挑む側としては並大抵の意気込みでは難しそうだな。」
 初代男子王座決定時点までの女子王座戦ハード・コア戦。
 終了の時まで残りも少なくなってきましたので、あるいは香里が逃げ切りの可能性もあるかも・・・。
 一方の男子王座戦準決勝はリング上。ブラックネスと頼人の2人はしばらく倒れていたのですが、
 今現在は両者立ち上がり、攻防開始ですが、ブラックネスの手元に鉄パイプに対し頼人には刀。
 リーチでは刀のが勝りますが、技量ではブラックネスか。
 しかし、頼人はそのリーチを生かして相手を牽制。素早くリング下に降りて逃げの体勢!!!ですが、
 すかさずブラックネスはコーナーに登り、逃げようとする頼人を凝視します。
 自ら飛んで阻止せんとしているのでしょうか?
 これを見て頼人はやれやれのポーズ。どうやら逃げることを諦めたのか。
 おおっと!!!何と直後に刀でブラックネスを支えていたロープを切った〜!!!
 たまらずにブラックネスは転落!!!なんとリング外のマットに頭から落ちました!!!
 だ、大丈夫でしょうか・・・?(汗)ブラックネスはピクリとも動きませんよ・・・?
キング「これは酷い落ち方をしたぞ!!!ブラックネスは試合続行不可能だろう。」
 キングの言うことも分かります。現にブラックネスは全く動きません!!!
 試合は一旦中断されて、レフェリーがブラックネスの確認をしているところです。
 担架もすぐそばまで運ばれました・・・。これは酷い事故になってしまいました・・・。
 頼人はレフェリーと話をしています。口を見る限りはとりあえず3カウント取れ、
 と言っているように聞こえます。
キング「ここは頼人の言うとおり頼人が押さえて3カウント取って試合を終わらせた方が早いと思うぞ!!!」
 レフェリーもここはしぶしぶ承諾したようです。本来ならばハード・コア戦に
 レフェリーの介入は認められていませんからね。
 倒れているブラックネスを頼人はゆっくりと押さえてフォール、1、2、3。
 なんと!!!予期せぬ形ですが頼人が決勝進出です!!!
♪雪の少女
 あれ???ここでいたる連合軍側コミッショナーの秋子さんが登場ですよ!!!
 一体何の用なんでしょうか???
秋子「ちょっとちょっとちょっと!!!その裁定は頂けないわ!!!
 プロレスのルールブックにこうあるわ。『リングの破壊は試合以前に「失格」。』とね。
 だから、ロープ切った時点で頼人さんは失格!!!それから・・・」
♪砂のモチーフ〜「坂道と交差点から」〜
 おっと、秋子さんの話の途中で今度はWNUWF側コミッショナーのゆかりさんの登場です!!!
ゆかり「秋子さん。大事なことを忘れていますよ。」
秋子「私の話を遮らないで頂けます?」
ゆかり「いえ。大事なことですよ。今回の試合は『ハード・コア戦』です。
 反則裁定はあり得ないわ。」
 ゆかりさんのおっしゃる通りです!!!
 今回の試合はハード・コア戦なので反則裁定はありません!!!
秋子「・・・ゆかりさん。私の話を聞いてなかったんですか???
 『反則』ではなくて『失格』です。故意のリング破壊は試合以前で失格になります。」
 しかし秋子さんも引き下がりません!!!ですが何故そんなにこだわるのでしょう???
 このまま頼人の勝ちにすれば決勝では往人が楽に試合を進められるはずなのに!!!
キング「さあな。こればっかりは読めん。」
 ゆかりさんもルールブックを確認しているところです。
秋子「いいですか?このことはルールブックにもしっかりと書かれていることです。
 ですから今回の試合は頼人さんの『失格』でブラックネスドラゴンさんの勝ち。
 でも、ブラックネスさんはご覧の通り怪我で負傷しています。私としても
 このまま戦わせるのは選手生命に関わるので認めるわけにはいきません。
 従って決勝戦はブラックネスさんの負傷欠場で初代男子王座は往人さんに決定です!!!」
 なんと!!!秋子さんは戦わせずして往人に男子王座をもたらそうという魂胆ですよ!!!
 いくらなんでも虫が良すぎます!!!
キング「だが、ルールが本当だとするとそういう結果にせざるを得ないところだぞ!!!」
 そうすると、女子王座もこのまま終了ですか???
キング「・・・とすると、今は香里が持っているからいたる連合軍がベルト独占出来そうだぞ!!!
 そこまで考えていたか!!!」
 しかし、ゆかりさんは納得行っていないのかまだリング上でもめ合っています!!!
 この試合の結果は一体どうなる???
==========客席裏廊下==========
 一方の現女子王座に就いている香里は余裕の表情で歩いています。
 おっと!!!ねーちんがすかさず走ってきて香里に襲い掛かります!!!が、しかし、
 香里は冷静にねーちんの前で『待った』のポーズ。
香里「先程の裁定を見なかったの???男子王座は国崎さんに決定。その時点で女子王座戦も終了なの。
 今はまだもめているようだけど。でも、今私を襲っても女子王座は奪えないわよ。
 残念だけどね。」
 そこまで言うと香里はねーちんの肩をポンポンと叩いてゆっくりと去っていきます。
 あ、と。ねーちんは物凄い悔しがりようですよ!!!辺りにある物に当たっています。(汗)
==========選手控え室側廊下==========
清香「う〜ん・・・なかなか見つからないわね。隅から隅まで探しているはずなんだけど・・・。」
日和「清香ちゃ〜ん・・・疲れたよぉ。休もうよぉ・・・。」
清香「馬鹿!!!まだ探し出して間もないじゃないの。」
日和「う゛〜〜っ。かれこれ3時間・・・。」
清香「そんなに経っているわけ無いでしょう!!!既にこの番組が終わっているわよ!!!」
 た、確かに。w
麻美「・・・あ。」
清香「どうしたの?麻美先輩。」
麻美「あそこ・・・。」
 麻美先輩が指差した先にはなんと、往人にやられたケンちゃんがそのままバッタリと倒れています!!!
キング「というか、誰か運んでやれよ。w」
 あ、でも、襲撃された場所とは違う場所ですから
 一旦ケンちゃんは自力で立ち上がって移動したんじゃないですかね・・・。
 3人は慌ててケンちゃんの元に駆けつけます!!!
日和「け、健ちゃん〜!!!おろおろ・・・。」
清香「一体誰にやられたのかしら。」
麻美「しくしく・・・。」
清香「とりあえず、何とか起こさないと。」
日和「あたふた・・・。」
麻美「ぐっすん。」
清香「あ、あんたたちねぇ・・・。(-_-;)」
 そんなこんなでどうやらケンちゃんも気がついた様子。
ケンちゃん「ぅ・・・ここは。」
清香「あんた廊下で倒れてたんだよ。危うく踏んづけるところだったわ。」
ケンちゃん「・・・は!!!そうだ、雪希と進藤さんは???」
清香「は?今私たちが探しているところよ。」
ケンちゃん「いや、さっき見たんだ!!!」
清香「なんですって???で、どこに行ったの???」
ケンちゃん「いや、見つけたのは良いがその後に頭殴られて意識失ったから分からん。」
清香「・・・・・・。」
麻美「仕方、ないです。誰かに殴られたから・・・。」
清香「うん・・・それはそうだけど・・・。」
日和「また振り出しに戻っちゃったけど、健ちゃんも無事に見つかったことだし、
 これからまた探し出せばなんとかなるよ〜。」
ケンちゃん「・・・無事ではないがな。」
一同「・・・・・・。」
==========メイン会場==========
 ただ今男子王座戦準決勝ブラックネスドラゴンVS頼人の裁定について協議が行われております。
 VTRの間に秋子さんとゆかりさんの間で話し合われてどうやら問題のシーンをビデオで再生して
 チェックして採決が下されることになりました。
キング「問題のポイントは頼人がリングのロープを切ったことだが・・・、
 俺も秋子さんの言う『ルールブック』を読んだが秋子さんの言うとおり『故意による
 リングの破壊は「失格」とする』って書いてあるのを見つけたぞ!!!」
 先程キングが見つけた箇所を私も見ましたが確かにそのように書いてありました。
キング「だが、問題なのはあの行為が「故意」だったかどうかだよな。」
 ええそうです。ビデオでのチェックのポイントはそこであると思われます。
 しかし、そのチェックの模様に2人のコミッショナーは立会いが許されませんでした。
キング「それは当然だろう。今のあの2人に「公平」な裁定は出来ないからな。」
 この試合の裁定は審判団が責任をもって決着を付けるそうです。
 ちなみにブラックネスは既に担架で運ばれました。頼人も控え室に戻った模様。
 会場内は異様な雰囲気、思わぬ展開にざわついています。
キング「このまま行ったら男子王座戦が終わってもう試合が見られないかもしれないからな。」
 この試合の裁定が下るまではどうやら特番も中断ということになりそうですね・・・。
 我々はじっくり待つことにしましょう。
 ブラックネスドラゴンVS頼人の試合の結末はいかに???
(続)
