WNUWF

(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)

〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜

エイム アット ザ トップ(5)


==========会場裏==========
清香「・・・日和、麻美先輩。いい?絶対に雪希ちゃんと進藤さんを見つけだして、
 私たちの元に取り返すのよ。絶対にあのドラゴンの催眠術にかかっているだけなんだから。」

日和「う゛〜〜〜っ、でもでも〜、そうすると、女子王座はどうなっちゃうの〜???」

清香「・・・あんたがあっさり取れるわけないじゃないの。(-_-;)
 麻美先輩には悪いと思うけど・・・。」

麻美「・・・進藤さん、雪希さん、絶対に取り返しますっ。こくこく。」

清香「麻美先輩、その意気よ♪あ、地域限定の『たぢからお』じゃないけど、
 おいしい力うどん知ってるからこれで力蓄えてね。」

麻美「こくこく。」

日和「私には何かないの〜〜〜???」

清香「・・・・・・私たちだけで取り返してごらんなさい。
 健二からべたべたに褒められるわよ。とくにあんたとは近いから何かあるかもね。」

日和「健ちゃ〜〜〜〜ん。わくわく。」

清香「・・・わくわくするのは良いけど、今はやることをするのよ。」

==========メイン会場==========
 さあ、本日も始まりましたWNUWFは特番「エイム アット ザ トップ」!!!
 男子王座戦は2回戦、バトルロイヤル戦がリング上では進行中であります!!!
 2回戦はすでに往人、ケンちゃん、そしてブラックネスドラゴンと勝者が決定!!!
 往人とケンちゃんは既に次の準決勝ハード・コア戦開始でただ今会場外での攻防に
 移っております!!!一方、ブラックネスドラゴンは対戦相手待ちでリングサイドに居座っております!!!

キング「そのブラックネスの対戦相手はリング上の頼人VS祐一の勝者となるわけだな!!!」

 その通り!!!今のリング上は頼人VS祐一のシングル戦の模様となっております。
 現在では、両者何とか立ち上がり殴り合いの攻防に発展していたのですが、やはり
 祐一が徐々にペースを掴もうとしているところであります。

 それにしても、番組冒頭ではみずいろ勢の清香、日和、麻美先輩の3人が何やら結託して
 雪希ちゃん、進藤さんを探そうとしていましたね。

キング「ケンちゃんはまだ男子王座の可能性を残しているからな。独自に動くしかないだろう。」

 しかし、そうすると、日和も言っていた通り、女子王座を取るチャンスが減ってしまうことになってしまいます。

キング「そこは、大切な仲間を取り戻す方を優先しただけだろう。お前も仲間とベルト、
 どっちを優先するかと言われたら仲間を優先するだろ?」

 それは、まぁ確かに・・・。

 おっと、リング上ついに頼人がダウン、そして追い討ちをかけるかのように祐一が上に乗って
 相手の顔面を張り手で殴りまくります。対する頼人は無抵抗!!!
 それを見てすかさず祐一はフォール、しかしカウントは2。まだ致命傷ではないようです。
 これを見て祐一は一旦攻撃ストップ。おっと・・・。立ち上がってリングエプロンに一旦出ます!!!
 そして、相手が立つのを待ちます。これは必殺技で一撃で勝負を付ける気です!!!

 そして、頼人が立ち上がったところで祐一はスワンダイブから自らの必殺技のウルトラウラカン・ラナ!!!
 そのままフォール、1、2・・・。

 おおっと、リングサイドで見ていたブラックネスがさらにスワンダイブからのドロップキックでカット〜!!!
 すかさず祐一を立たせてのドラゴン・カッター!!!

 しかしすかさずレフェリーが入ってブラックネスは一旦会場外に退場させます。

 リング上再び両者ダウン!!!準決勝に残るのは一体どちらか?

==========会場裏廊下==========
 女子王座に輝いたマダム美凪は悠然と歩いています。
 女子王座戦は男子王座が決定するまでは続くために王者はそれまでは会場外から
 出ることは許されません。なので、普通はどこかに身を潜めてその時を待つものなのですが、

キング「マダムは凄い自信だぞ!!!だがそれでこそか王者らしいがな!!!」

 バシッッッッ!!!

 なんと、直後にマダムの顔面に竹刀が思いっきり振られました〜!!!
 しかし、竹刀を持っている人は居ませんよ!!!

 マダムはバッタリ!!!おっと、そこに登場は不敵な笑みを浮かべた香里!!!
 今回の女子王座戦はハード・コア戦!!!いたる連合軍同士でも油断は大敵です!!!
 ゆっくりフォール、カウント3で香里が王座奪回!!!

 あっとしかしそんな香里をすぐに狙うはWNUWFの些 愈氾(ササイ ユンファン)!!!
 香里は体制が悪いと判断したかすぐに逃げます!!!

==========会場裏某所==========
 『佐々井亭−臨時出店所−』

 おや?こんなところに佐々井亭が開店していますが・・・、中に入ってみると朝奈が一人でお店をやっていますよ?

キング「だが客は居ないな。まぁ、男子王座戦、女子王座戦開催中だから当然といえば当然だがな。」

 確かに開店休業状態・・・おっと、入ってきたのは、鍋島 志郎ですねぇ。
 2人だけの世界になるんでしょうかね。w

鍋島「・・・あれ?朝奈ちゃん。こんなところで何やってるの?」

朝奈「あ、志郎さん。見ての通りこんな日でもお店開かないと。」

鍋島「感心だね。でも・・・。」

朝奈「ええ・・・開店休業状態ですね・・・。」

鍋島「あ、じゃあ僕が第1号の客だね。いつもの梅定食出来る?」

朝奈「あ、はい。やってみます。」

 チリンチリン・・・。

 おや、そこに入ってきたのはタイガーと篠崎 あやめですよ。
 タイガーが篠崎 あやめをおんぶしながら入ってきました。

朝奈「いらっしゃいませ〜。ってあやめさん、大丈夫ですか???」

タイガー「ん、ああ。偶然そこを通っていたらあやめちゃんが倒れていたから。
 何とかここまで運んできたんだけど一体誰がこんなことを・・・。許せないな。」

 と、タイガーたちが席に着いたところでようやく篠崎 あやめは気がついた様子です。

タイガー「あやめちゃん!大丈夫か?あ、とりあえず水でも飲んで。一体誰にやられたの?」

 篠崎 あやめは頷きながら水を一口。そして、ホワイトボードに書き始めます。

篠崎 あやめ『美坂 栞、水瀬 名雪』

 2人の名前だけ書いて見せます。

朝奈「まぁ・・・ひどい。」

鍋島「でも、訳も無く襲われるわけ無いでしょう。何があったんですか?」

篠崎 あやめ『女子王座戦に挑んだらやられちゃった。』

タイガー「あ・・・なるほどね。ハード・コア戦だからね。あやめちゃんにはさすがに厳しいよ。」

 確かに関節技主体の篠崎 あやめには不利な試合形式ではあります。

鍋島「ところで、朝奈ちゃんは女子王座戦には参加しないの?」

朝奈「私も怖いですから・・・。」

鍋島「まぁね。」

タイガー「でも、どんな形でも黙って見過ごせないな!!!必ず報復しないとな!!!」

 篠崎 あやめもうんうん、と頷いています。

==========メイン会場==========
 女子王座戦は香里が奪回!!!しかし再び動きが見られますね!!!

キング「マダムの一瞬の隙を突いての竹刀での攻撃だ!!!
 後々でVTRで確認したがインテリな香里が巧妙に仕掛けた罠だったぞ!!!
 美凪があの廊下を通過すると発動するしかけになっていたんだ。」

 自信満々だっただけにこれは痛い一撃でした〜。しかし、次に狙うは名探偵のユンファン。

キング「こっちも強敵だ。インテリな香里も油断は出来ないぞ!!!」

 一方、朝奈は佐々井亭を開店していましたねぇ。試合に疲れた選手たちのオアシスになりそうです。

キング「女子王座戦がありながらも健気に開店するその姿に涙モノだぞ!!!
 俺もちょっと行ってくるわ!!!」

 って、おいっ!!!ダメですよ!!!特番が終わってからにしてください・・・。

 リング上はようやく立ち上がった両人。しかし、既にその足はふらふらでまともに戦えそうにありません!!!
 頼人は刀を持っている分それを構えて一見有利に見えますが、果たして振り下ろすことが出来るかどうか・・・。

 それでも、祐一を牽制するは充分で祐一もふらふらの状態の中相手の懐に飛び込むことが出来ずに
 立ち往生しています!!!

 両者のお見合いの中・・・。

“わぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!”

 おっと、会場内が一気に沸きます!!!っと、入場口から登場は女子王座に就いたばかりの香里!!!
 そして、その後ろから追いかけるユンファン!!!

キング「女子王座戦もリング内に入っての攻防になってきたぞ!!!」

 逃げる香里がリングイン!!!ベルトを使って頼人の背後からの襲撃!!!
 さりげに祐一への援護射撃!!!しかし、ユンファンに掴まってロープに振られ
 返ってきた勢いを利用して担ぎ上げ、逆に祐一に向かって放り投げた〜!!!
 しかし、香里は上手く転がってリング外に降り、客席から逃げていきます!!!
 ユンファンも追いかけていきますが、香里が逃げ切りそう!!!

 一方リング上は頼人が残った力を振り絞って倒れている祐一の下に這っていきます。
 そして、何とかかんとかフォール!!!1、2、3!!!

 頼人の勝ち!!!頼人の勝ち!!!頼人の勝ちっ!!!
 弱々と言われた頼人が初代男子王座の夢を繋ぎました〜!!!

 あっとすかさず入場口から入ってきたはブラックネス!!!そうです。今度の頼人の相手は
 このブラックネスドラゴン!!!手には鉄パイプ。しかし弱っている頼人には
 それは必要ないでしょう!!!悠然とリングインでぐったりの頼人を無理やり立たせて
 手に持った鉄パイプを振り上げます!!!やめて・・・ブラックネスやめてあげて!!!
 相手は無抵抗じゃないか!!!

キング「言っても無駄だぞ・・・。奴は『破壊』が好きなんだ・・・。」

 !!!おおっと、そこに割って入るは先程までの頼人の相手の祐一!!!
 ふらふらながら立ち上がってブラックネスの鉄パイプを取り上げました!!!
 そして、逆にブラックネスに鉄パイプの一撃!!!
 思いっきり振り下ろした一撃は強烈!!!ブラックネスはK.O.!!!
 しかし、頼人も余力無くその場に倒れてしまいました!!!

 先程ブラックネスに邪魔された祐一の執念!!!
 勝負に関係なくここで恨みを晴らしました!!!

==========男子王座戦準決勝(ケンちゃんVS往人)==========
 会場裏廊下、先程美凪が女子王座を奪った地点付近をケンちゃんが逃げ、往人が追いかける形で通り過ぎます。

「・・・一体どこに居るの・・・?」

「う〜ん、これだけ探しているのに居ないなんて。」

 お、すると向こうから誰かが来る、ってあ゛・・・。

ケンちゃん「・・・あ!!!」

進藤「え・・・。」

雪希「お兄ちゃん・・・。」

 なんと、向こうから来たのは雪希ちゃんに進藤さん!!!2人にとっては一番見つかりたくない相手に
 見つかってしまった形です!!!2人は固まってしまいました。
 ケンちゃんも思わず立ち止まります!!!

キング「おい、ケンちゃん。今は試合中・・・。」

 あっと!!!すぐ背後まで来ていた往人が手元にあった鉄製のバケツを持って
 思いっきりケンちゃんの後頭部めがけて振り下ろした〜!!!

 当然ケンちゃんはその場でダウン!!!
 往人は悠然とフォール、1、2、3!!!

 男子王座戦決勝進出者一人目は往人に決定!!!
 ケンちゃんは不覚〜!!!雪希ちゃん、進藤さんを気にしていた結果、
 初代男子王座の可能性をも失ってしまいました〜!!!

(続)