突如、大通りに響き渡った地響きのような怒号。歩道橋の袂(たもと)にいたミキたちが、一斉にその声の方に振り返る。
「うおおおぉぉぉぉ!!!」
「あっ、あの人・・・!!」 通りを挟んだ向かいにいた男の姿に、ミキがさっと顔色を変える。 「あの人よ!ずっと私のことツケてた人―――!」 「ええっ?!」 マサルと女友達が驚愕の声を上げた。その瞬間―――
「うおおおおぉぉぉぉおおおおお!!!!」
男は奇声を発したままガードレールを乗り越え、手に荷物を抱えながら、こちらに向かって猛烈な勢いで走り出してきた。
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