ゆりかごの温室の中からけむる 灰色猫の彩層は 青い窒素の嘲笑で つめたく結晶するでしょう
それは鉱物の湖の それは蛍の水槽の はれあがるひかりの氷柱 はれあがるよぞらの花弁
魂の彩度があがるにつれて 水素の果実はおおきく育ち 凍結した猫舌も 銀の水面をすするでしょう
それは獣の水胞の それは化石の森林の ふりつづく永久の産声 ふりつづく銀河のけむり
化学工場の黒煙のように 空へととけてゆくのです