薄鈍の午後 陽は黒子 風にかげろう若草の声 鳥の笛は鮮鋭な影をひき 灰色鼠は黄金の針を咀嚼する
(カコカタ カコカタ)
まるで液状の蝋の中 剪定された光の蛹室 漆で染めた夢幻の顔で いがみあい わらいあう
聡明な憧れに毒された 残酷になりたがる夜光レンズの 明滅するあのきれいな眼に ただ正気を失うばかり
(カコカタ カコ)