紙切れ。

まえがき  原型  成型

ひかり


雲海のようなぬかる道
潮汐になびくコーラルリーフ
路草をする陽気な月
それらはおよそ
おまえの甘美な嘶きの燐光から
おれの矮小な金剛石へと降り注ぎ
あの星星の足を遮り
すべての永久に感光していく

奔放なひかりと稜線の瞬きに闇は消え
正座たちは正視できず
街灯たちも泣くばかり

本当におれは
気の遠くなる旅路を得ても
おまえの翳を知らないようだ

(2007.06.20)
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