紙切れ。

まえがき  原型  成型

名付け親


あの星星は
読書にふける魂を憩う
木漏れ日のベンチのように
琥珀をくわえ
清涼な影絵を注ぐ鳥たちと
赤味をなでる
清楚な石英の風と
わずかな唄の種を蒔く日々の
健やかな居心地でした

遠い宇宙で輪廻する
寄り添う塵が
あの日の熱を放つなら
晩鐘の粉が吹きたつ海でも
鯨のように回遊しながら
細胞へと埋葬した命を紡ぎ
化石となった名付け親へと帆翔する
旅人となりましょう

(2007.06.21)
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