__Walk_in_the_moonshine,_and_drink_like_a_jellyfish.__

[07.04.23] 

〜海月の放流〜 119


センチメンタルは3センチメーターのゆらぎ。


【海と桜とツリーハウス】
今年の花見は木の上で。
桜の木の上ではない。
広場にどっしりと立っている木に作られたツリーハウスから。
桜の花を横から眺める。
その桜の先には海が見える。

ずっと気になっていた場所だった。
通勤途中にちらちらと様子を見てはいたがなんだがいつも急いでいて
そこに足を向けることができずにいた。

初夏、と言っていい程の陽気の日。
ふと、思い立ってそこに寄ってみた。
ただがらんとした草の広場。
桜をはじめとした樹々がその広場を囲んでいる。
一本、その広場の主のような木がある。
その木の周りから木枠が組まれ梯子をかけてツリーハウスが仕立てられている。
ツリーハウスと言っても小屋が乗っかっているわけではなく。
物見台のようなものか、ログを組んだ床と手摺があるのみ。
それでもその床から主の幹は突き出しさらに空に伸びる。
木に登った感じはちゃんとある。

以前、木に登って月見をしたこともあった。
けれど、それはとても不安定で酒瓶をずっと手に持っていなければならず
酔ってくるとヒトも酒も落下の危険があった。
しかし。
ここは大丈夫。
立っても座っても寝転んでも。落ちることはなかろう。

あぁ、こういうのを望んでいたよ。
屋根がないから空も見える。
キラキラと陽光を照り返す海も見える。
そして。桜。

舞い散る花。そよぐ緑。飛行機雲。船。そして。うまい酒。
みんなゆれている。みんなたゆたっている。
なんだかうれしくて。涙が出る。
うれしくって。うたう。



・・・(つづく)[07.04.23]Mon...Qurax2海月(=)彡
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