__Walk_in_the_moonshine,_and_drink_like_a_jellyfish.__

[07.01.19] 

〜海月の放流〜 114


世界にはドラマがある。
世界とはドラマである。
けれど決してストーリーは明かされない。


【マフユの海あるいは穏やかなるユウワク】
echo求め歩き誘われるように海に出る。
紙パック酒ストローですすりながら
寒風に地団駄踏んでるわしのことなんぞは放っぱらかしで
影だけ水に呼ばれて先に行ってしまう。
ぢつのところ海水は数ヶ月前の水温を記憶していたことだし。



【世界の均衡 -Ain't No Mountain High Enough-】
雲を突くそのあまりにも巨大な構造物が再び海上に現れる。
山を吊っているのか?
海を引き抜いているのか?
空を支えているのか?

果たしてそれは、その巨大さを以ってして、
世界をここで均衡させている。



【広角望遠 -Camera! Camera! Camera!-】
近付いて見る。離れて見る。

目というシステムは。眼球のレンズ・網膜、視神経、脳。から構成される。

目に映るものがすべてあるがままに認識されることは、ない。
最終的には脳による取捨選択の結果、見えてくる。

そして。その脳は。
過去の経験/記憶から、連想、連結、投影、想像、思考、把握、判断し
傾向、癖、予断を以って勝手に辻褄を合わせようと
錯誤もいとわず像を描写する。

いっそ、目をつぶってしまってさえも鮮明な画像を浮かべることができよう。
また、目に見えぬ音や匂いや感触からも映像を想起できる。
もうこうなると目のシステムをすっかりショートカットしてしまっている。
我々は一体何を見ているのだろうか?

(脳が)見たいものしか見えない。

(誰かが)見せたいものしか(我々は)見せられていない。
傾向や癖がつくよう大量に同じ景色を見せ続け、
予断を抱かせるよう風景を加工する。
そうして見たいものを固定すれば見える[仮]ものも固定される。

そんな(誰かの)思惑にも盲点はきっとある。

近付いて見る。離れて見る。

気付かなかっただけで
それ[実]は、すでに、そこに、あった。



・・・(つづく)[07.01.19]Fri...Qurax2海月(=)彡
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