__Walk_in_the_moonshine,_and_drink_like_a_jellyfish.__

[06.07.05] 

〜海月の放流〜 105

何をするでもなく。社会生産的なことは一切せず。
いつまでも起きている。いつまでも寝ている。
暇に飽かせて野狐禅。晴雨に左右される心身。
日々怠け者として在る。
されど。
世界は瞬き一つの間に流転。

留まろうと進もうと。
寝ても醒めても。
同じ事か。
瞬きは止められぬ。


●『ツメキリ日和』
梅雨の晴れ間の五月晴れ。
洗濯して掃除して一段落したら缶ビールと本をかかえて海まで散歩。
風が流れる屋外の方が部屋にこもってるよりずっと涼しい。
木陰のベンチに陣取りおもむろにプルタブを引く。

爪を切るなら外に限る。
ピチンパチン。跳ね飛ぶ三日月。
横で野良猫もベンチをガリガリ。
ふふ。オマエも爪研ぎか。
うれしくなってくる。ビールがますますうまくなる。



●『離陸』
天気がよければ缶ビール片手に海へ。

本も持ってはゆくのだけれど。
数行読むごとに思考の連鎖が始まり意識は浮游してしまう。

どこにも焦点が合うことなく空を海を眺めている。
船は視界の外から唐突に現れ消える。
釣り人は海にアンテナを振りかざし聞き耳を立てる。

時折、海が光る。銀色の機影が三次元空間を滑空する。
海を飛び立ち、空を泳ぎ、海へ着水する魚たち。
数えていられるのも最初のうちだけ。あまりに多いものだから。
まるで流れ星のようだ。



・・・(つづく)[06.07.05]...Qurax2海月(=)彡
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