__Walk_in_the_moonshine,_and_drink_like_a_jellyfish.__

[05.05.28] 

〜海月の放流〜 081

出遭いはいつも突然だが。
別離は最初からわかっていて。
だからって何も手出しすることはできず。
ただ風に翻弄されるのみ。
それでもそこにはいつも感謝がある。
感涙。
涙はうれしい時にこそ流そう。
ほらまたうれしがらせに奇蹟がやってきた。
泣き笑い。

クールベは言った。
「私は正しかったのだ。私はあなたに出会えたのだ。
互いに出会えたことが我々の解だったのだ。
我々の出会いは当然起こるべきして起きたことなのだ。」


●『やせがまんの王様』
素直じゃない。それだけが素直。


●『泣けない男』
近しい友たちや敬愛する人々や身内の死に際しても
わしは泣きはしなかった。涙など出なかった。

死というものに鈍感なのか。馬鹿なのか。薄情なのか。

男子たるもの人前で泣くべからず、と言っていた人々が去ったいまは、
やたらに涙もろくなっている。
酒でも入ればもう泣き上戸の域に達するのも近い。
けれど。悲しくて泣くんじゃない。ココロがふるえて水があふれるだけだ。
それでも。死に際して泣くことは、ない。

笑って見送る。では、さらば。
残された者ができることはそれくらいなもので。

・・・たまに夢に出てくるくらいの事はしてくれてもいいんだがなぁ。


●『CHERRY』
自己陶酔と言わば言え。
センチメンタルというよりはナルシシズムに近い。

・・・
4/17日曜。頭の中ではずっと同じうたが反復されている。
サクラも見納め。呑み仲間達と井の頭公園で宴。
寝転がって空を見下ろせば木々を渡る風。
名残の花が小魚の群れのように舞う。

日中はTシャツ一枚でも快適な陽気。
友人のこどもらと裸足で木々の間を駆け回る。
夕暮れ迫ればボートがぐるぐるかき回した池も静まる。
宴がお開きになれば酔いの回りと全力疾走のけだるいカラダ。

池は花びらの帯。
月がやってくる。
橋の上でひとり月を仰ぐ。

ふと懐かしい顔が浮かび。呼び出してみる。
こんな唐突さは迷惑かと思い直しワンコールで切る。
間髪置かずコールバック。いまからすぐ行くよ。

夜風の冷たさにふるえながら座り込んでチェリーをくゆらし月を観てる。
と。やってきた。「やぁ」

あたたかな店はその名も旅人食堂。
再会を祝して乾杯。とは言え。久しぶり感を感じない友の笑顔。

日付の変わるのを合図に再び公園で別れる。

アルコホル漬けの脳みそ持て余しながら光の届かぬ闇にまぎれ
土と葉にまみれて靴を枕に寝る。

外気と土の寒さにふるえ冷たくなったカラダの位置を何度も変える。
早く朝が来ないものか。
何百回寝返りをうったことか。ようやく朝がくる。
寝返りをうつ夢だったのかも知れぬ。

ポケットでしわくちゃになったチェリーをつまみ出し
ぼやぼやと明けきらぬ朝を眺めている。
一本分の灰にさらば。

また歩き出す。前へ。


●『ハルノココロ』
笑ってたかとおもえば泣いて怒って。
季節の変わり目の情緒不安定。

「時間がない」とか「忙しい」を土壇場で言い訳にするな。
それは外への怒りからやがて内への自己暗示に変わる。
その怒りは思い通りにならぬことに対するただのわがままだったのだ。
ものわかりのいい男のフリ。やせがまん。落胆。ふて寝。

寝ちゃえば平気。
目覚めればまた気分は変わってる。

照る日もあれば降る日もある

一日60万回ココロは揺れる。


●『先のことなど誰が知るか』
憎まれたって惜しまれたって死ぬときゃあっけないもんだ。
いざという時に備えて、何ができるってんだ。
備えの品集めに奔走した先で交通事故、はいおしまい。
そんな場合は何を備えておけばいいんだ。

先の事なんか知るか。
誰かに教えてもらいたくもねえ。

絵空事だろうが妄想だろうが、甘かろうが常識なかろうが
わしは考え、想いをぶちまけ、歩く。
いままではそれで何も問題はなかった。
否、課題はいつだって山積みだが、一片の悔いもない。
わしは老後のために生きてるんじゃねえ。
これから先の事なんか知らん。
わしは生きたいように行く。

先の事なんか知るか。
ダメならそこで、はいおしまい。

野ざらしで死ねるほどの自由


●『歩道橋』
昨夜の雨のおかげで。
空気が花が草が木々がぴかぴかで。
うれしくなって歩道橋に上がる。
空に近いところ。

上空から下界を見下ろし。
こう言うのだ。
「いろいろあろうが、皆の者、しあわせになるがいい。わしが、許す」
何様のつもりかといえば、やせがまんの王様でしかないが。
なーに知ったこっちゃないフリで下界はぐるぐる今日がはじまる。


・・・(つづく)[05.05.12]...Qurax2海月(=)彡
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