__Walk_in_the_moonshine,_and_drink_like_a_jellyfish.__

[04.02.29] 

〜海月の放流〜 053


2/29。4年に一度しか巡ってこない日付。
その稀少性から特別に注意が向く。
けれど。日々一日たりとも同じ日はない。のだから。
本来毎日が稀少価値があるはず。

閏年。閏ふ(うるう)とは、うるおう、うるおすの意。


●『Never』

起きねば。喰わねば。仕事行かねば。働かねば。やらねば。がんばらねば。
ねばねばねば。なんとも粘着質な「ネバランド」。

起きよー。喰おー。仕事行こー。働こー。やろー。がんばろー。
おー!という鬨の声で士気を鼓舞する「おー国」の方がまだいいな。


●『366歩のマーチ』

「一日一歩。三日で三歩。三歩進んで二歩下がる。」
の謎がついに解けた!

おそらく小学生の時からこの問題に取り組んできた。
友人達と白熱した議論がぶたれ、眠れぬ夜を過ごすこともあった。
その都度、暫定的なアイディアでその場をしのいできたが。

「じゃあさ、結局一年で何歩進める訳?」
と問われると小学生の計算能力をはるかに凌駕しているような気がして
まともに計算する気にもなれなかった。

しかし!
正しい問いには既に正しい答えが含まれているのだ。
もう一度、問題を読み返してみる。
なるほど、そうか!なんとそのままじゃないか!
答えはそのままそっくり問いの中に語られていたのだ。
「一日一歩。三日で三歩。三歩進んで二歩下がる。」

解説しよう。
一日一歩。とはまさに一日の終わりの総歩行数。
三日で三歩。は三日間の累計総歩行数。
そして。
三歩進んで二歩下がる。とは。(これが難解だったのだが)
一日当たりの歩行方法を示していたのだ!
つまり一日の間に紆余曲折一進一退のような動きを
三歩進んでは二歩下がるという形で示しているのだ。

さらに。
タイトルに立ち返ってみる。
「365歩のマーチ」
もう既にここでもうたわれていたのだ。
一年では365歩となるということが。(閏年なら366歩)


●『秒速』

速度=距離/時間
一秒当たりにどれだけの距離を進むか。それを表すのが“秒速”。
(時速なら一時間当たりの移動距離となる)

地球は自転してる、らしい。
つまりぐるぐるとある速度をもって独楽のように回転している。
その速度は地球の大きさ(円周の長さ=距離)と
一回転するのに要する時間(=一日=24時間)から
計算できる。

地球は公転してる、らしい。
太陽の周りをぐるりと巡る。
この公転軌道の距離と要する時間(=一年=365日)から
地球の移動速度が計算できる。

日はまた昇り季節は移ろふ。

一日、とは地球の自転が呼び起こす風景。
一年、とは地球の公転が呼び起こす景色。

誰も地球が動いている実感がない。
動いている地球の上に住まうという感覚がない。

けれども。
アサは、秒速380mでやってくる。
ハルは、秒速30kmでやってくる。

しあわせは、歩いてこない、かもしれんが。
地球は、音よりも速く(音の速さ=秒速340m)
マッハで回転しながらマッハで移動している。
ぐるぐるぐるぐるぐる・・・。

超高速で変化する風景。
一日たりとも同じ日はない。

僕はこの頃、仕事に出かける時、
こんな独り言をつぶやいてから
自転車のペダルを踏み込む。
「今日も新しい一日!」

回転する世界  そして  今日も生きてる。


・・・(つづく)[04.02.29] 海月
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