__Walk_in_the_moonshine,_and_drink_like_a_jellyfish.__

[03.11.15] 

〜海月の放流〜 047

□前回までのあらすじ:
東北は仙台まで南下したところで。一気に夜行バスで東京に戻る。
そして再び神奈川県で居候生活。
徒歩の旅はここで一応一段落。
しばし休養とリハビリ。


●『ひきこもってみたり』

新しい靴を買うとわくわくするね。で。早速。
部屋の中で箱から出して履いてみる。
どこへでも行けそうな気がするね。どこまでも行けそうな気がするね。

新しい自転車を買うとわくわくするね。で。早速。
部屋の中でダンボールの梱包を解いて組み立てる。
サドルの位置を合わせるためにまたがってみる。
折りたたみ自転車だから電車にだって乗せられる。
どこへでも行けそうな気がするね。どこまでも行けそうな気がするね。

でも。
どこへも行かない。
部屋の中で新しい靴履いて新しい自転車にまたがって。どこへも行かない。
どうせ外は見慣れた古い世界。

まさか、そう思ってないかい?まさか!

ぢつはひそかに電柱の本数が減ってるのだよ。
歩道の幅が変わっているのだよ。

新しい靴は知ってた。新しい自転車は知ってた。


●『奇跡』

奇跡を起こすために。
まず用意するものは。手近にあるコーヒーコップでもいいか。
好きな飲み物でも入れるとよい。
準備ができたらスプーンですくってコップの真中めがけて一滴落とす。
波紋が綺麗に同心円に広がるのが確認できたら。終了。
はい、奇跡が起きました。

コップの水面に住む2次元人にとってそれは。
奇跡としかいいようのないことだったのだ。

突然。目の前に点が出現し。どんどん大きく広がり。
やがてまた収縮して。消える。

突然現れたこの現象は一体なんだったのくぁ?
2次元人には知る由もないことだった。
説明されても納得いかんだろうな。

3次元の人にも「どこが奇跡なんだよっ」とつっこまれそうだが。
まぁ奇跡なんてそんなものなのですわん。


●『鳥のように』

もし。仮に。羽根が生えたら何したい?
とりあえず・・・。毛づくろい。


・・・(つづく)[03.11.15] 海月
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