天狗 ( てんぐ )


鬼、山姥と並んで民間説話に多く見られる妖怪。
天狗にまつわる話で多いのは、お爺さんが天狗を騙して隠れ蓑と隠れ笠を奪ってしまう話。(対馬「天狗の隠れ蓑」)
他にも鞍馬天狗から鞍馬揚心流の絞め技を習った役人の息子が、村を荒らす悪人を捕まえる話(長与町「たんたん岩の杢太郎」)や、山の神である八天狗様に相撲を奉納する行事の際、月が増えたり色が変わるという話(佐世保市「二十六夜さま」)などがある。
現在広く知られている天狗の姿はもともと仏教でいうところの「天魔」の姿であり、古来天狗は彗星などの天体現象を表していたそうだが、天狗と月という結びつきにその辺りの事情は関係してくるのだろうか。
天狗(歌川国芳筆)

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