おと女の火 (   じょ ひ )


南島原に伝わる怪異。
大雨の降る前の晩に、大崎の松林のから海へ向けて飛んでいく火の玉がたびたび目撃されている。それはこの地方に伝わる伝承によると、大蛸によって海中へと引き込まれた、オトという名の一人の老婆の変わり果てた姿だという。
海上の火の怪としては有明海の不知火が有名であるが、南島原市も有明海に面した町。おそらく不知火とおと女の火は同一のものであったに違いない。
無粋な話であるが、科学的には不知火は蜃気楼の一種だと考えられている。
不知火(鳥山石燕『画図百鬼夜行』)

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