WNUWF

(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)

〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜

ラブ フォース(9)


==========いたる連合軍コミッショナー控え室==========
秋子「・・・いい。いよいよ、今大会のメインの試合よ。この試合の重要性は
 分かっているわね?」

北川「ええ。ここで勝てば初代男女混合タッグ王座に就くことが出来る、
 オレ達の愛の強さも証明されるし、いたる連合軍としても団体での発言力が
 大きくなるんですよね?」

香里「ちょっと、北川クン。いつ私たちが愛し合ったのよ。」

北川「え?いや、それもこれも次の試合で勝てば全国公認だぞ。(爽)」

香里「はぁ・・・。・・・ねえ、秋子さん。わざと負けるのは無し?」

秋子「ええ。無しね。(爽)」

香里「・・・・・・ひょっとして、もしかすると、秋子さんも公認なの?」

秋子「ん〜、そうね。あなたたちが王座に就いたら大概のことは公認できるわよ。」

北川「よっしゃ!!!秋子さんの公認も得られたぞ!!!」

 しかし、香里は逆に不敵な笑み。

香里「ううん、違うわよ北川クン。」

北川「なんでだ?(爽)」

香里「だって・・・あたしの意見も公認だから・・・。(爽)」

北川「ぅ・・・。」

==========WNUWF選手休憩所==========
ドラゴン「いよいよメインの試合だな。進藤さん。緊張してる?」

進藤「・・・はい・・・。私こんな大事な試合、戦えるでしょうか・・・。」

ドラゴン「大丈夫大丈夫。だって、準決勝でも進藤さんは見事に1本取ったじゃないの。」

進藤「ですけど、あの時は必死で・・・!」

ドラゴン「自分を信じて。あの技ががっちり入ったら大概逃げられないから。
 ね、雪希ちゃんもそう思うよね?」

 しかし、雪希ちゃんはどこか上の空。

ドラゴン「どうしたの?雪希ちゃん。」

雪希「え?あ、いえ・・・。ちょっと・・・。」

ドラゴン「???」

雪希「ねぇ、ドラゴンさん。あの、私もリングサイドまで行っても良いですか?」

ドラゴン「ん?ああ、良いよ。というか、そのつもりだったし。でも、どうしたの?
 何か心配事でもあるの?」

雪希「・・・ちょっと、胸騒ぎが・・・。」

ドラゴン「・・・・・・。」

==========メイン会場==========
 WNUWFは特番『ラブ フォース』もいよいよ残すカードはメインのみとなりました!!!
 メインのカードは団体の中でも一番の権威のあるタイトルとなるでしょう、
 男女混合タッグ王座、それも、今大会からその歴史が始まる名誉ある初代の座に
 就くことが出来ます!!!今後もタイトル戦が行われて王座が入れ替わるかもしれません。
 しかし、初代王座には今しか就くことが出来ません!!!

キング「おい、いよいよ待ちに待ったカードだな!!!お前はドキドキしないか???」

 ええ、当然私も緊張していますよ。
 この名誉ある試合の実況をすることが出来るんです。平静を保つ方が難しいですよ。

 さあ、いよいよ、試合の準備が整ったようです!!!

長森「ただ今より、今夜のメイン、初代男女混合タッグ最強決定戦決勝戦を行いたいと思います!!!」

“わ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!”

 会場からは待ってましたの大歓声!!!歴史的な瞬間を目の当たりに出来る幸運な機会が
 与えられた観客達からはその喜びを表しているかのようです!!!

長森「まず最初に入場は・・・。」

♪砂のモチーフ〜「坂道と交差点から」〜

 あ、あれ?何か違う入場曲が・・・。っと、ここで登場はWNUWFコミッショナーの
 ゆかりさんです。一体何の用でしょうか???

ゆかり「長森さん、はい、ご苦労様でした。正直、この大事な試合で家の
 立派な選手の紹介をあなたに任せるわけにはいきませんよ。
 今まで見ていてあなたのリングアナのあり方は目に余るものがありました。
 ですので、この試合に限っては私が紹介させていただきます。」

長森「え、ちょっと・・・。」

ゆかり「最初に入場は、WNUWFの中でも随一のタッグチーム、愛の強さでも
 団体TOPクラスの自信がありますよ、ドラゴン&進藤組入場〜♪」

♪いっしょに

 なんと、長森のリングアナをゆかりさん自ら遮りましたよ!!!w
 コミッショナーならではの特権。w

キング「おい、いくらコミッショナーでもやって良いことと悪いことがあるだろ!!!」

 しかし、ああ言われても仕方の無い内容でしたよね・・・。w

ゆかり「続いての入場は・・・。」

「ちょっとちょっとちょっと・・・。」

 おおっ、どこからとも無く声が、って秋子さんが入場口に入ってくるや今度はゆかりさんを遮ります。

秋子「不公平不公平って、逆にあなたも不公平をしようとしていたわね。
 だから、ここは当然私が紹介すべきですね。」

ゆかり「・・・・・・え、ええ。どうぞ。」

 ゆかりさんは言葉とは裏腹に渋い表情。

秋子「続いての登場は、いたる連合軍随一のサブキャラタッグ。
 愛の強さは・・・・・・、正直ちょっと心配だけど、個々の強さは申し分無し、
 連携も申し分無しの最強タッグ。北川&香里組の入場ですよ。」

♪彼女たちの見解

 何ともこの試合は、コミッショナー自らが選手紹介という豪華な入場となりました!!!
 ドラゴン&進藤組に相対するは北川&香里組。
 どちらも強豪であることは間違いありませんが、果たしてどちらに軍配が上がるのか???

 ドラゴン&進藤組には雪希ちゃんもセコンドとしてリングサイドに来ております。

 試合の先発はどうやらドラゴンと北川の男子。ドラゴンと進藤さんは試合開始直前に
 何やら作戦を話しているようでしたが・・・。

キング「注目すべきは前にも何度も言っているが試合開始直後の立ち上がりだぞ。」

 さあ、キングも注目する、その立ち上がり、ああっとやはりドラゴンの動きは
 香里の冷たい視線によって封じられている!!!北川は人形と化したドラゴンに
 向かってのスピアー!!!

 あっとしかし、同時に進藤さんがリングインしようとしていますよ!!!
 慌ててレフェリーが止めに入っています。
 北川は勝ちを確信したかのようにドラゴンをフォールしに行きますが、
 当のレフェリーは進藤さんに気を取られてカウント出来ません!!!
 と、香里の冷たい視線の対象は進藤さんに移ったらしく今度は進藤さんの
 動きが止まります。これでレフェリーが無事に進藤さんを自軍のコーナーに
 戻したところでようやく北川のフォールに気づきカウント。1・・・、

 っとしかし、実際のフォールからの時間が長かった分ドラゴンは1で返していきます。
 と、素早くドラゴンは相手のコーナーまで前転で移動し、香里の顔面に強烈な張り手!!!
 さらにサミング!!!香里の目を潰して冷たい視線を封じてきました!!!

キング「今立ち上がりを見ていたが、ドラゴンたちの素晴らしい連携が
 見えたぞ!!!まず、試合開始直後はドラゴンは敢えて仁王立ちをしていたんだ。
 そして進藤さんはそのドラゴンの影に隠れて香里の冷たい視線から逃れたんだ。」

 え、そうなんですか???

キング「ああ。こうすると、ドラゴンは最初の北川のスピアーは食らうが、進藤さんは
 自由に動けるからわざとリングインしようとしてレフェリーの注意を引き付けた。
 正直こんな頭脳プレーが出るとは思わなかったぞ。」

 確かに今までとは違う立ち上がりになりましたね。

 しかし、ドラゴンは香里に手を出して北川に背後を見せる格好となってしまったため、
 現在は北川のペース。北川の持ち前の強烈なタックルで相手を倒す。
 更に進藤さんに一撃加えて、自らはTOPロープに上がってダイビングセントーン!!!

 しかし、ドラゴンここは読んでた。回避して逆に北川の足を取っての
 スピニング・トゥホールド!!!北川の足を攻める作戦!!!
 しかし、ここは香里がカット。そして、おおっ。香里がドラゴンを持ち上げるのか???
 垂直落下式・・・ああっと、さすがに無理か。逆にドラゴンが持ち上げて
 ブレンバスター。そして、香里を場外に蹴落として行きます。

 おっとしかし、その間に北川は復活して準備万端といった感じで待ち構えています。
 ドラゴンが振り返ったところで勢いをつけての強烈なスピアー!!!
 なんとこの一撃はドラゴンの頭をコーナーにぶつけたぞ!!!
 北川はそのままフォール、1、2・・・あっとしかしロープ際が幸いしたか、
 ドラゴンはとっさにロープを掴んでカウントを止めます。

キング「北川は慌てずにリング中央に引きずってからフォールすべきだったな。
 今の一撃はドラゴンには強烈だったはずだ。」

 キングの言うとおり、この一撃でドラゴンの動きが止まったようです。
 北川はドラゴンに殴る蹴るの打撃の連打からロープに振ってパワースラムでそのままフォール。
 1、2・・・カウント2でドラゴンは返す。
 なおも北川は打撃で攻めるもドラゴンも必死でエルボーで反撃を試みます。

 おっと、ここで北川はロープの反動を利用して・・・しかし、ドラゴンは前蹴りで
 相手の動きを止めて、逆に相手の首を取ってのドラゴン・カッター!!!

 タイミング良く決まりました〜〜〜!!!
 しかし、ドラゴンもこれまでのダメージが残っているのかフォールに行けずに
 両者ダウン!!!レフェリーがダウンカウントを取ります。
 が、両者は自軍のコーナーに向かってタッチを試みるようです。

 北川がタッチ、ドラゴンもタッチで試合権利は進藤さんと香里に移った!!!

 勢い良く入った2人はリング中央で激突。若干パワーに勝る香里が
 進藤さんを倒しますが、すぐに進藤さんも起き上がり逆に今度は
 体勢を低くして香里にタックル。これが功を奏して香里を倒すことに成功、
 そして、進藤さんが上を取ることが出来ましたよ!!!

キング「進藤さんとしては攻め続けないといけないぞ!!!香里は頭が良いからな。
 隙を見て体勢を入れ替えようと考えているはずだぞ。」

 キングの言うとおり進藤さんは必死の攻めで香里の顔をはたいていきます。
 が、しかし香里もここはよく見て隙を見て体位を入れ替えに来た。
 ですが、今回の進藤さんはただではやられませんね。相手の背後は取らせません。

 それにしても、私は先程から気になっていることがあるのですが、
 雪希ちゃんのあの一言・・・キングはどう思います?

キング「あの一言って胸騒ぎがする、って奴か?」

 ええ・・・。勘の良い雪希ちゃんですから、何か悪い予感がするのですが・・・。

キング「幾らなんでも考えすぎだろ。それとも何か?その胸騒ぎのお陰で
 ドラゴンたちはあっさり負けるとでも言うのか?」

 いや、そこまでは言いませんけれど・・・、というか胸騒ぎの原因が
 この試合の敗北とは限りませんし・・・。

 おっと、そうでもないのか。一瞬の隙を突いて香里の裏DDTが鮮やかに決まった〜。
 そのままフォール、1、2・・・カウントは2。なおも香里は進藤さんを担ぎ上げて
 垂直落下式ブレンバスターを狙う!!!あっとしかしここは進藤さんが上手く香里の背後に
 不時着、そして逆に丸め込んでのフォール、1、2・・・。

 カウントは2.9!!!一瞬の隙を突いたカウンター、危うく取られるところでした!!!
 しかし、すぐに進藤さんは体勢を整えるとクロスフェイス!!!
 リング中央でガッチリと決まりましたよ!!!

 慌てて北川がカットに入ろうとしますが、ドラゴンが迎撃。
 逆に足を払って足4の字に仕留めた〜〜〜!!!

“わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!”

 おや、急に会場から大歓声ですが・・・。

キング「おいっ!!!入場口を見ろ!!!ケンちゃんがいきなり入ってきたぞ!!!」

 なんと!!!一方の観客席からは日和が入ってきました!!!狙いは・・・、
 やはりリングサイドの雪希ちゃんのようです!!!
 2人で挟み撃ちにして捕まえる作戦。雪希ちゃんは慌てて逃げようとしますが、
 ケンちゃんに腕を掴まれてしまいました!!!

ケンちゃん「雪希っ!!!やっと捕まえたっ!!!さあ、帰るぞっ!!!」

雪希「嫌っ!!!お兄ちゃん、離してっ!!!」

 こんな大事な試合に何てことをするのですかケンちゃんはっ!!!
 雪希ちゃんは必死で空いている手でコーナーを掴んで嫌々をしています。

キング「だが、試合の邪魔はしていないから『乱入』ではないな。」

 リング下の騒ぎを聞いてかドラゴンは足4の字を解いて雪希ちゃんの救出に。
 ケンちゃんに殴りかかりに行って雪希ちゃんを助けに入ります。
 ここでドラゴンとケンちゃんの殴り合いに発展。

キング「だが、これでフリーになった北川は・・・。」

 ええ。進藤さんのクロスフェイスのカットに入ってそのままリング上で進藤さんに対しての
 2対1での連携攻撃に入ります。

 一方の雪希ちゃんは日和に追いかけられる展開。リングサイドをぐるぐる回っています。
 リング上に戻ると、北川が進藤さんをコーナーに振って、香里が勢いつけての
 ジャンピングエルボー!!!

 北川も勢いをつけて・・・、あっと、雪希ちゃんがリングイン!!!
 スピアーに来た北川をするっとかわして・・・。

キング「うわ、何てことだ・・・。追いかけてきた日和と正面衝突だ・・・。w
 まだ北川が体勢を低くする前だったから完全なスピアーではないが、
 交通事故を起こしたかのように2人はその場でバッタリだ。w」

 わ、リング下ではケンちゃんがドラゴンに強烈な右ハイキックが入った〜〜〜!!!
 ドラゴンの動きが止まりました!!!

 と、同時にリング上では香里が進藤さんを担ぎ上げての垂直落下式ブレンバスター!!!
 そのままフォール、1、2、3!!!

♪風を待った日

 波乱含みの初代男女混合タッグ王座にはサブキャラタッグの北川&香里組が
 戴冠!!!ケンちゃんとしては図らずもいたる連合軍側の援護の形になってしまいましたが、
 大丈夫なんですか???

キング「見てみろよ。今のケンちゃんにそんなことを考えている余裕は無いだろ。」

 確かに・・・。再びリング上ではケンちゃんが雪希ちゃんを捕まえて連れて帰ろうとしています・・・。
 しかし雪希ちゃんは今度はロープを掴んで必死で耐えてます。

 おっと・・・。ゆっくりとドラゴンが起き上がりましたよ・・・。
 ケンちゃんの気づかない背後にゆっくりと近づいて・・・、な、何か目が怖いのですがっ!!!

キング「・・・ああ。あんなドラゴンは初めて見た・・・あのブラックネスを
 凌駕する目じゃないか???」

 ケンちゃんの背中に思いっきりミドルキック!!!
 そして、素早く担ぎ上げてのドラゴンバスター!!!ケンちゃん轟沈!!!

 ドラゴンもふらふらですが、何とか雪希ちゃんと進藤さんを連れ帰って行きます。

 今大会の4大タイトルに見事に輝いた王者達を筆頭に、ドラゴンとケンちゃんの
 関係は、今後も見逃せません!!!

(続)