WNUWF

(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)

〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜

ディスタバンス(9)

放送日:2004/10/04



==========WNUWF男子選手控え室==========
 控え室には1人頼人が精神を集中しているところのようです。
 いよいよ今特番でも残された試合はメインの男女混合タッグ王座戦のみ。
 挑戦者の頼人の出番ももうすぐです。

 ガチャ・・・。

頼人「誰だ?」

 入ってきたのは先ほど男子王座戦を行ったばかりの儀助。

頼人「儀助、か・・・。」

 しかし、儀助は頼人の横を通り抜けると、

 ドッタンバッタンッッッ!!!

 控え室にあるロッカーに当たっていますよっ!!!
 こうなった儀助は怖いですっ!!!恐らく誰も止められないでしょう!!!

頼人「確かにな・・・。あんな結末を迎えれば誰だって怒れるよな・・・。
 俺は・・・。」

 おっと・・・・・・独り言のようにつぶやいている頼人のところに儀助は近づいていきます。
 ぎろっと目を合わせて・・・こ、怖いですね。何か言うんでしょうか・・・。

儀助「・・・・・・。頼人。お前は・・・、
 俺のようになるなよ。」

 それだけ言うと控え室の奥に下がっていきました〜・・・。

頼人「・・・・・・。」

==========いたる連合軍側コミッショナー控え室==========
 一方のチャンピオンチームの北川&香里のサブキャラタッグチームは
 コミッショナーの部屋に招集されているようです。何か秘策でも練っているのでしょうか?

秋子「北川君に香里さん。この試合、このベルトの重み、分かっていますね?」

北川「おう。このベルトは団体一権威のあるベルトだろ?今夜は女子タッグ王座、
 男子王座とオレ達いた連が防衛してきたんだ。このベルトも必ず防衛して、
 あとは女子王座も頂いて、オレ達がベルト独占。全てシナリオ通りに行くさ。」

秋子「だけど、相手もさるものよ。初代男子王座の頼人さんに初代女子王座の狭霧さん。
 タッグとしてのチームワークはラブ フォースで出場していないから未知数だけど、
 逆にその未知数な部分が怖いところだわ。油断していると足元を救われるわよ。」

香里「人気の面でもNo.1のカップルだからね・・・。ファンはあっちを応援するわ、きっと。」

北川「なに、愛の強さならオレ達も遅れは取らないさ。な、美坂♪」

香里「あのね、北川クン。確かに今はあたしたちはチャンピオンとしてタッグを組んでいるけど、
 だからと言ってあたしたちが相思相愛って訳じゃありませんからね・・・。そこのところは勘違いしないで。」

北川「連れないなぁ・・・。」

==========佐々井亭−WNUWF支店−==========
 一方こちらでは相変わらず狭霧が厨房に入って料理を作っているようです。ですが・・・。
 試合の時間が近づいているんですけど・・・お店は大繁盛しちゃってますやね。(汗)

朝奈「あ!!!狭霧さんっ!!!もうすぐ試合の時間ですよっ!!!早く会場に向かわないと!!!」

狭霧「えっ?もうそんな時間ですか???でも・・・、まだやることは沢山ありますし・・・。」

朝奈「そんなことはこっちで何とかしますから早く向かって下さい。でないと、頼人さんが
 1人になっちゃいますよ。」

狭霧「ん〜〜〜、でも、『これ』を作ってからでないと・・・。」

朝奈「『これ』って、松懐石ですかっ???時間がかかっちゃいますよぅ。」

狭霧「でも途中でやめるわけにもいかないですから・・・。」

朝奈「うう・・・どうしよう・・・。」

==========メイン会場==========
 WNUWFは特番『ディスタバンス』をお送りしております。
 いよいよディスタバンスも残すところメインの戦いを残すのみとなりました!!!
 WNUWF男女混合タッグ王座戦北川&香里VS頼人&狭霧戦!!!
 キング。いよいよメインのカードがやってきましたね!!!

キング「ああ。ラブ フォースでは戦前の下馬評を思いっきり覆してのまさかの大勝利の
 サブキャラタッグのチャンピオンチームの実力もさることながら、挑戦者は初代男子王座の
 頼人に初代女子王座で現女子王座の狭霧のタッグだ。恐らく実績の面から考えても現状で考えられる最強の
 挑戦者だろう。と、共に、秋子さんも言っていたが頼人と狭霧のカップルはラブ フォースでの
 初代男女混合タッグ王座決定戦には出場していなかったからな。北川&香里にとっては
 真の意味での男女混合タッグ王座となれるかどうかの王座戦と言えそうだぞ。」

 しかし、心配なことも1つ。何やら狭霧さんは王座戦に間に合いそうな気配ではありませんでしたね・・・。

キング「いや、狭霧はちゃんと間に合わせてくる!!!料理を作ったら一目散に来るはずだぞ!!!」

 ですが・・・。

♪木々の声と日々のざわめき

 ああっ、入場曲が流れてしまったということは・・・。

あやめ「今から始まるのは・・・『男女混合タッグ王座戦』。
 挑戦者は・・・頼人さんと狭霧さん。」

 入場口から出てきたのは頼人・・・だけですね・・・。(汗)
 当の頼人もパートナーの狭霧が出てこなくて付近をきょろきょろしていますが、やっぱり出てくる
 気配はありません。この場合、どうしたもんでしょうか・・・。

♪風を待った日

長森「対するは偉大なる初代男女混合タッグ王座の北川さんに香里さんだよっ。」

 ああっと、まだ入場口できょろきょろしていた頼人の背後から北川がスピアーで撃沈!!!
 一方の香里は観客席の方に入っていき椅子を取り出していきます!!!
 試合はいきなり場外戦で始まるようです!!!

キング「頼人もアホだな!!!あんなところでうろうろしていたらすぐに相手から
 襲撃されるのに決まってるだろ。やっぱり奴は弱々じゃないのか???」

 初代男子王座の頼人を「弱々」発言するのは最早キングぐらいですよ・・・。

 あっと!!!香里からの椅子攻撃!!!頼人の背中を見事に捕らえた〜。
 思わず地面に倒れ伏す頼人。ですが、このまま場外カウントアウトとなりますと、
 王座こそ防衛は出来ますが、次回特番でもまた同じ相手と戦わないといけません。
 レフェリーはもちろんリングアウトのカウントを開始。10カウントになりますと、
 リングアウトとなってしまいます。

 あっと、カウントは早くも7!!!しかし、両者気付いていない!!!
 8!!!香里が慌てて戻ろうと北川を促してしていますが、北川はお構いなし!!!
 9!!!ようやくレフェリーの声が聞こえたのか香里と北川の2人はリングに向かおうとしますが、
 倒れてぐったりの頼人が両者の足を掴んで2人を倒した〜〜〜!!!

 10!!!
 なんと、両者リングアウト!!!しかも、3選手ともリングに入る事無くリングアウトに
 終わりました〜〜〜!!!なんという結末だっ!!!!!!

キング「って、おいちょっと待て!!!いくらルールとは言ってもメインの試合がこんなので
 観客が納得できるかよ!!!」

“Booooooooooooo!!!!”

 確かにキングの言う通り観客からは大ブーイングが起こっています。
 ですが・・・こればっかりはどうしようもないですよね・・・。

「ちょっとちょっとちょっと!!!」

 おっと、入場口から大きな声を出しながら入場はWNUWF側コミッショナーのゆかりさん。

ゆかり「いくらルールとは言ってもメインの試合がこんな形じゃ観客の皆さんも
 納得がいかないでしょ!!!ここは是非再戦を!!!」

「何を言ってるんですかっ!!!」

 おっと、また大声と共に入ってきたのはいたる連合軍側コミッショナーの秋子さん。

秋子「確かに納得できない気持ちも分からないではないですけど、ルール上両者
 リングアウトとなってしまったのですからこの試合はこれでおしまいよ。」

“Booooooooooooo!!!!”

 秋子さんの発言に観客からは再びブーイングが起こります。しかし、ゆかりさんは、
 むしろ笑みを浮かべていますね・・・。

ゆかり「秋子さん。ここまでして観客の皆さんを敵に回すメリットはあなたにはありませんわ。
 だって、ここで両者リングアウトに終わらせても次の特番ではまた同じ相手と戦わなくては
 なりませんよ。それはここのルールにもちゃんと記載されています。」

 確かにゆかりさんのおっしゃる通り、WNUWFローカルルールに王座戦に関する協定として
 そのように書かれております。

秋子「それでも構いませんよ。重要なのは王座が防衛出来る事ですから。」

 秋子さんからの自己中心的な発言に観客からは再びブーイングが起こります。
 ですが、ゆかりさんはまたまた不敵な笑みを浮かべてますね・・・。どういうことでしょうか?

ゆかり「それは残念ですね。今回の挑戦者は初代男子王座の頼人さんに初代女子王座の狭霧さん。
 その実力はあなたも認めますよね?あなた方にとっては今特番でそのチームの挑戦を退ける
 最大のチャンスでしたのに・・・。」

 ・・・どういうこと?

秋子「どういうことですか???」

 秋子さんが食いついてきたのを見てさらに不敵な笑顔を浮かべるゆかりさん。
 何か企んでいるんでしょうか・・・。

ゆかり「まだ分かりませんか???今のリングには誰が居るのかということ。
 チャンピオンチームは揃っていて挑戦者チームは・・・。」

 !!!ゆかりさんは一体何を考えているんだっ!!!
 自チームの不利さをわざわざアピールしなくてもっ!!!

キング「俺もよく分からん。チャンピオンチームは2人揃っているが、挑戦者チームは
 頼人だけだろ。だから2VS1で戦えるからチャンピオン有利だってことだろ。
 そんなことアピールして秋子さんが再戦を「了承」したら・・・。」

 う〜〜〜む・・・・・・。

秋子「了承・・・と言いたいところですけど、でも良いのですかそんなことして。
 次回特番で再試合って形にした方があなた方にとっても悪い話ではないと思いますのに。」

ゆかり「でも、だからと言って今特番でのメインのカードをこんな形で落としたくは無いわね。
 勝っても負けても・・・。勝っても負けても!!!この特番の成功が私たちの最大の
 テーマよ!!!!!!」

 ゆかりさんの熱弁に観客からは大歓声!!!
 しかし、あんな声の大きいゆかりさん初めて見ました。(汗)

キング「あ、ああ・・・。俺も初めて見たぞ・・・。」

ゆかり「それで、どうしますか???もう一度聞きますよ。
 メインの再戦、認めてくれますよね?」

秋子「了承っ♪」

 わわっ、出ましたよっ!!!秋子さんの伝家の宝刀の1秒の了承っ!!!
 私も生で見ましたがこんなに早いとは・・・。(^^;;


キング「ああ・・・これも生では初めて見たな。まぁ、だけど、
 メインは終わったわけじゃないんだ。俺たちも楽しまないとな!!!」

 ええ、もちろんそうですね。ですが、挑戦者チームにとっては1VS2は辛いところ・・・。

 先ほどの椅子でのダメージが残っている頼人と北川が先発、香里はコーナーに下がって
 再戦が開始されました。頼人は以前狭霧の行方が気になって落ち着かない様子です。

♪こころのゆくさき

 って!!!!!!
 この入場曲は狭霧ですよっ!!!やっと入ってきた〜〜〜!!!
 何とか佐々井亭の松懐石が完成してようやく会場に姿を現しました!!!
 これで試合は2VS2の五分五分になりましたよっ!!!

 ゆかりさんは狭霧に向かって手を振ってお出迎え!!!
 一方の秋子さんは呆然としています!!!

(続)