WNUWF

(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)

〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜

ディスタバンス(5)

放送日:2004/07/26



 特番『ディスタバンス』をお送りしておりますWNUWF。
 最近の相次ぐ緊急特番や放送設備の故障等によりしばらくお伝え出来ませんで
 視聴者の皆様には大変ご迷惑をお掛けいたしました。m( _ _ )m

キング「俺たちも収録は頑張って行ってはいるがな。まぁ不慮の事故というのは
 たまにあるものだ。迷惑をかけた分は放送の中身で取り返していきたいところだな。」

 ええ、そうですね・・・。試合をする選手を初め、それをお伝えする我々実況と解説、
 そして、設備管理をするスタッフ一同、これまで以上に一丸となって番組を制作して
 参りますので、これからもよろしくお願いします。

キング「それにしても、緊急特番は仕方が無いとしても、放送設備の故障は何とか
 ならなかったのか???」

 う・・・。
 ま、まぁ・・・いわゆる大手の放送会社と違って家のところはかなり小規模ですからね・・・。

 一度設備が故障してしまいますと、復旧までに案外時間がかかってしまうのですよ・・・。

キング「それもそれで何だか不便な話だな。w」

 おっと、放送の裏話はこれぐらいに。
 リング上に戻りましょう。
 リング上には西園寺 達也とマナミの2人がリング下のドラゴンと進藤さんに向けて
 挑発しています。対してドラゴンもそれに応えるかのように挑発。
 進藤さんは俯いたままリングに近づきます。

 次の試合は急遽カードが決まったドラゴン&進藤組VS達也&マナミ組の男女混合タッグ戦です。

 さあ、一瞬の隙を突いてリング下のドラゴンと進藤さんがリングイン、
 そして達也とマナミにそれぞれ襲い掛かります!!!
 ここは素早い動き、プロレスラーの実力を見せ付けるかのようです!!!

キング「だが、不意を突かれた形のはずの達也たちも何とかドラゴンたちの襲撃を受け止めているぞ。
 今のところは五分と五分の戦いだ。」

 キング。そういえば、いきなり乱入してきた達也とマナミについて何か情報は入りましたか?

キング「ああ。達也の方は大学生、マナミは親戚がマンガ喫茶を経営していることもあって
 その店員さんをやっているらしいぞ。で達也がふとしたきっかけでそのマンガ喫茶に行ったのだが、
 色々あってな。達也とマナミで賭けをすることにしたらしいぞ。何でもマンガ喫茶に
『48時間居られるかどうか』って賭けらしい。で、達也がそのマンガ喫茶に居座るわけだが・・・。
 なんと、その賭けの結末は・・・2人はカップルになったらしい。言うなら48時間で
 カップルになった2人らしいぞ!!!」

 そ、それは凄いドラマチックな話かも・・・。(汗)

キング「しかも、その48時間はクリスマスイブとクリスマス当日らしいしな。」

 うわ・・・まさに恋人気分・・・。でも、48時間も私は無理ですよぅ。(^^;;

キング「さすがに俺も無理だと思うがな・・・。マナミの性格は俺は知らんが、
 もし48時間であんなに可愛い彼女が出来るなら俺は挑戦するぞ!!!」

 さすがはキング。そう言うと思ってましたよ。( ´∀`)

 おっと、試合はドラゴンと進藤さんのペース!!!
 進藤さんはマナミとの対決、上手くバックの取り合いを繰り広げるも最後は進藤さんが勝って、
 早くもクロスフェイス オブ 進藤!!!がっちりと得意の関節技が決まりました!!!
 一方のドラゴンも達也を上手く捕らえてのドラゴンスリーパー!!!
 両者関節技に捕らえて乱入組は万事休すか???

キング「2人の必殺の関節技が入ったんだ。もう終わりだろ。」

 おっと、しかし達也の方はまだまだ腕をばたばたさせてもがいています。
 と、ここで達也のエルボー連発。何とかドラゴンスリーパーから逃れて進藤さんに
 カットに入ります。しかしドラゴンに再び捕まってブレンバスターの体勢。
 しかし達也も腰を落として何とか踏ん張ります。

 一方の女性陣は両者立ち上がり今度は打撃の攻防か?
 わっと!!!マナミが背後に隠し持っていたシルバートレイで進藤さんに一撃!!!
 マナミはマンガ喫茶の店員さん、そうかシルバートレイの使い手なのか!!!

キング「さらに倒れている進藤さんに向けて持っていたシルバートレイを投げつけたぞ!!!これは強力だ!!!」

 手元の資料で今の投げつけは「シルバートレイ・クラッシャー」と言うそうです。
 シルバートレイと言えば佐々井亭の朝奈さんが有名ですが、朝奈さんのシルバートレイ・カッターとは違って
 何か力任せにトレイを投げつけて行きましたね!!!

キング「実際にも朝奈よりも力はあるんだろ。それに闇雲に投げているように見えるが、
 シルバートレイのどこの部分が当たるか予測できないから威力としてはこっちのがありそうだぞ!!!
 だが、欠点はシルバートレイ・カッターほど飛ばないがな。」

 進藤さんはたまらずに場外へ。マナミもそれを追いかけます。そしてリング下で進藤さんを取り押さえます。
 どうやら試合の行方はドラゴンと達也の一騎打ちか。

 ブレンバスターの攻防を見せていた2人、おっとドラゴンが一瞬の隙を突いて
 ドラゴンバスター発射の体勢!!!しかし、達也も何とかここを踏ん張って、ドラゴンをロープに振ります。
 返ってきたところでミドルキックを鳩尾へ。ドラゴンが蹲ったところで素早く抱えて
 ツームストーンの体制だ〜〜〜!!!達也は余裕の表情からツームストーン発射!!!
 手元の資料では『ツリー・ストーム・パイルドライバー フォー クリスマス』と言うそうです!!!
 ドラゴンの首がマットに刺さった〜〜〜!!!達也はそのままフォール、1、2、3!!!

 何という衝撃!!!何というパワー!!!
 あのドラゴンを一撃で葬り去るツリーストームパイルドライバー!!!
 リング下からマナミも上がって2人で余裕の勝ち名乗りを受けています!!!
 しかし何という実力、彗星のように現れて、WNUWFマット界を揺るがす存在になりそうです!!!

 一方の負けたドラゴンはまだバタリの状況。それを心配そうに進藤さんと雪希さんが見守ります。

==========WNUWF男子選手控え室==========
 おっとこの様子を真摯にモニタで確認していたのは次にそのドラゴンとの引退試合の相手を
 賭けて戦うケンちゃん。ドラゴンの敗北を見て何を思うのか???

 ゆっくりと部屋を後にします。

==========会場裏廊下==========
 ゆかりさんが警備員と共にルタが居る、という現場に走って向かうところです。
 ゆかりさんは携帯を使って連絡を取りながらのようです。

ゆかり「ルタはどこに居るの???待ってて。今すぐに向かうから・・・。」

 ルタの正体は・・・???

ゆかり「・・・え?見失った???・・・そう・・・。ルタには部下が居るのね?
 ・・・分かったわ、それなら仕方が無いわ・・・。えっ?メモ???
 ・・・『リングにて待つ』って???分かった、ありがとう。あなたたちも今からリングに
 向かって頂戴。私達も今から向かうから。」

 ルタが遂に我々の元に!!!

==========メイン会場======
♪みずいろ

あやめ「・・・今から始まるのは第6試合、男子シングル戦。
 最初に入場は、ケンちゃん。」

 みずいろのテーマソングに乗って入場はケンちゃん!!!傍には日和、清香、麻美先輩の3人も
 駆けつけましたが、入場口付近で3人を止めて「今日は一人で行くんだ。」と言っているようです。
 さすがに今回は男と男の1対1の勝負を望むようです。
 3人もそれを承知したのかすぐさま裏に下がります。それを見届けてゆっくりとケンちゃん入場。

キング「それにしても、あのあやめが『ケンちゃん』って言うとは思わなかったぞ!!!
 意外とキュートなところもあるんだな!!!」

 いや、ケンちゃんは立派にリングネームですから、そう呼ばないといけないでしょう。
 「ねーちん」と同様ですよ。

キング「まぁそうなんだがな。この放送を途中から見た奴には『片瀬 健二』じゃないのか?
 とか思ってる奴もいるんじゃないのか???」

 それは本名ですよ。でもやたらに日和さんが「健ちゃん」って呼ぶから周囲の人にも
 「健ちゃん」で通っちゃったんですよね・・・。それで、漢字をカタカナにして
 リングネームにしたらしいですよ。

♪銀色

あやめ「対するは・・・タイガーさん。」

 相対するはドラゴンの長年のライバル、タイガーです!!!
 こちらは単独での入場。すでにやる気満々、勝った方が次回特番での
 ドラゴンの引退試合での最後の決着戦に挑むことが出来ます。

 タイガーは素早く入場口からリングまで走ると、さっとリングイン、
 そして間髪入れずにケンちゃんの足を取りに行きます!!!
 一気の短期決戦に挑むようです!!!

キング「タイガーはケンちゃんの得意の蹴りを警戒しているんだろう。
 足に集中して攻撃を仕掛けているぞ。」

 しかし一方のケンちゃんも簡単にはさせないと上手くタイガーから逃れていきます。
 しかし、逆にケンちゃんとしても簡単には仕掛けにいけません。
 タイガーとしてもケンちゃんが蹴って来ようものなら何がなんでも足を掴んで
 足攻めに移行しようと考えているからです。

 さあ、早くもこの試合は2人の世界が形成されているようですね。
 他の試合では見られないような独特の雰囲気が出てきています。
 相変わらずタイガーはケンちゃんの足を取ろうと体勢を思いっきり低くして相手に
 対峙していますし、一方のケンちゃんとしても隙あらばいつでも蹴りをお見舞い出来るような
 構えに入ってはいるものの、タイガーのあまりの低い体勢に、逆に後ずさり気味になっております。

キング「試合が開始してから間も無く5分だが、まだ1回もお互いに体を触れてすらいないぞ。
 相手の出方を慎重に見極めているんだ。」

 それだけ両者のこの試合に賭ける意気込みが違うってことでしょうか?
 下手な入り方をしたら一気にこっちが不利になりますからね。
 ただ、見合っているだけでは負けないですが勝てもしないですよ。

 おっと、急にタイガーが起き上がって今度は正対します。
 ケンちゃんもその動きを見て蹴りの体勢から正対。今度は互いに睨みあっています。
 そこから一気に互いに組み合っての力比べ!!!ここはタイガーが一気に押して相手をロープまで追い詰めます。
 しかし、ケンちゃんはすぐにロープを掴んでロープブレイク。しばらく押していたタイガーですが、
 ここは素直にクリーンにブレイク。会場からも拍手が起きます。

 再びリング中央で力比べ。今度はケンちゃんが相手をロープまで追い詰めましたよ!!!
 しかし先ほど同様にタイガーもすぐにロープを掴んでロープブレイクに入ります。さあ、ケンちゃんはどうする?

 ケンちゃんもここはクリーンに別れた〜〜〜!!!
 再び両者リング中央に戻っておっと、今度はケンちゃんが手を差し出してきましたよ!!!
 ここで握手を求めますか???
 タイガーは当然警戒。差し出したケンちゃんの手をじっと凝視しておりますが・・・。

 おっと、すっと自らも手を伸ばして軽く握手!!!
 握手を解くと互いに軽いステップから時計回りにリングを回って相手の様子を伺います!!!

 どうやら本格的な試合はここから始まるようです!!!

(続)