WNUWF

(World Nekoneko Underground Wrestling Federation)

〜世界ねこねこ地下格闘技団体〜

エイム アット ザ トップ(10)


 WNUWFの『エイム アット ザ トップ』も遂に終盤、男子王座戦の決勝戦も
 終盤に差し掛かろうとしているのでしょう!!!
 序盤は往人の圧倒的なペース。頼人を力差で圧倒してペースを握ります。
 頼人も何とかペースを握ろうとしますが、その都度往人のセコンド陣の祐一と北川に
 ことごとく阻まれていきます。試合の途中には場外での攻防にも発展!!!
 往人、祐一、北川のいた連メンバーが結託して頼人を痛めつけていきますが、
 頼人も何とか反撃!!!往人をテーブルに叩きつけ、北川には祐一の誤爆の椅子、
 そして祐一に刀でのみね打ちの一撃と形勢逆転を試みます!!!

 そして、頼人は往人を連れて何とかリングイン。試合の決着をリング内で計ろうとしますが、
 再び祐一と北川の両セコンド陣に阻まれ、試合のペースは再び往人に傾きます!!!

キング「さすがに3対1では頼人には分が悪すぎる!!!
 頼人側も援軍を連れてきたいところだが、さすがにな・・・。」

 しかし、頼人にとっては幸いなことには、今現在往人も先程のテーブルへの一撃のお陰で
 完全に倒れた状態であることです!!!確かに今現在は祐一と北川に滅多打ちにされているものの、
 あくまでも試合の決着は往人によるフォール、しかし、往人自身も動けないでは、そうすぐの
 試合決着は無さそう!!!

キング「そうでもないぞ。祐一と北川は猛攻は見せていない。お互いに交互に頼人を殴ってはいるが、
 痛めつけようと思えばもっと出来るはずだぞ!!!だが、そうしないのは、往人の回復を
 待っているんだ。」

 なるほど・・・。最後は3人で勝負を決める・・・。余計にあくどい感じがします。

 さあ、やがて往人も回復したのか立ち上がり始めます!!!
 それを見て祐一と北川も攻撃の手を休め、頼人を2人がかりで立ち上がらせます!!!

 2人で頼人を押さえつけ、往人が相手のみぞおち辺りにめがけて殴る、殴る、殴る!!!
 さすがに頼人の目もうつろになってきた!!!そして、往人は思いっきり腕を振り上げて、
 頼人の頬を張った!!!タイミングよく祐一たちも手を離したために、頼人は思いっきり
 吹っ飛びました〜!!!

 そして、往人は頼人をリング中央に引きずりうつ伏せに。
 自らは鎌固めの体制から、おおっ、ついに法術固めを狙います!!!
 頼人の腕も法術によって決められてついに完全版の法術固めが決まった〜〜〜!!!

キング「こうなると、頼人の負けは確実だ。何と言っても、かけられた方は
 手足が動かせないから、ロープまでエスケープ出来ないんだ。あとは往人に締め付けられて
 頼人がギブアップをするのを待つばかりだぞ・・・。」

 しかし、頼人はギブアップしません!!!なんという精神力、なんという粘り!!!
 これが『最弱』と呼ばれた男の実力か!!!
 初代男子王座への執念が彼を駆り立てているのかもしれません!!!

 しかし、リング上には頼人を助ける者はおらず、むしろかけている往人のセコンドの
 祐一と北川が頼人に向かって「早くギブアップをしろ」と怒鳴っています!!!

キング「頼人には悪いが、彼の選手生命のためにもここは潔くギブアップをした方が
 良いと思うぞ・・・。でないと、とんでもない怪我をする!!!」

 会場の誰もが恐らくはそう思っているでしょう!!!しかし、頼人の執念は
 それを凌駕するもののようであります!!!

“うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!”

 あっと、入場口付近の観客の方から大歓声が・・・。
 ああっと!!!入場口から乱入してくる選手が!!!

 タイガーと鍋島!!!タイガーと鍋島が颯爽とリングイン!!!往人のセコンド2人を
 突き飛ばすと、往人にもカットのストンピング!!!
 北川がタイガーにスピアーを敢行しますが、タイガーはこれを上手くかわし、祐一に誤爆の
 一撃を誘います!!!食らって倒れた祐一の足を取って鍋島が、ナベシマ・ロック2!!!
 タイガーは、北川の背後を取ってのタイガースープレックスホールド!!!

 これは頼人に頼もしい助っ人が!!!いや、セコンドでしょうか!!!
 鍋島は自ら技を解くと祐一をTOPロープから場外に蹴散らします!!!
 タイガーもダウンしている北川を持ち上げると、場外に向けて放り投げます!!!

 そして、今までセコンド陣にやられたお返しと言わんばかりに往人に対してタイガーと鍋島の
 猛攻開始!!!タイガーが往人をロープに振ると、帰ってきたところで鍋島のサーベルによる
 一打!!!一打と表現したのは刀でいうところのみね打ちに当たる攻撃でしたからです。

 往人が倒れたところですぐにタイガーが往人を抱え上げ逆さまに滞空時間の長い垂直落下式ブレンバスターを
 狙います!!!その間に鍋島はコーナーのTOPロープに登ります。

 タイガーがブレンバスター発射!!!
 倒れた往人に向かって鍋島はTOPロープからのダイビングエルボー!!!

 しかし、場外に出た祐一と北川も黙ってはいません。
 両者対面のリングエプロンに立つと、北川は更に往人に技を狙おうとしていたタイガーと鍋島に
 スピアーの一撃!!!タイガーは上手くかわしたものの、鍋島は思いっきり食らった!!!
 しかし、鍋島も食らいながらも北川ごと場外に雪崩落ちることには成功。

 一方の祐一は一連の流れで徐々に回復を見せ立ち上がった頼人に対してスワンダイブからの
 ウルトラウラカン・ラナ!!!と、同時に、残されたタイガーは往人を担ぎ上げてのタイガードライバー!!!
 両者の必殺技が錯綜します!!!
 そして、残ったタイガーと祐一で再び攻防開始。殴り合いに発展からタイガーが祐一を場外に蹴落としました!!!
 タイガー自らも場外に出て、祐一を連れ出します!!!
 一方、一足先に場外に出た鍋島と北川も鍋島が北川を連れ出す形で会場を引き上げていきます!!!

キング「何とも意外な乱入だった!!!だがこれで計らずとも1対1だ!!!
 ダメージ的にも往人にもタイガーと鍋島の必殺技が決まったから五分と言えそうだぞ。
 ここから根性を見せた奴が初代男子王座だな!!!」

 今権利のある両者はそれぞれ祐一とタイガーにしてやられダウン。
 しかし、試合はここからが本当の勝負のようです!!!

==========WNUWFコミッショナー控え室==========
秋子「ん〜〜〜、タイガーさんと鍋島さん、やってくれますね・・・。」

ゆかり「そうじゃないでしょ。大体権威あるタイトル戦にセコンド陣を乱入させる
 あなた方のやり方がおかしいのよ!!!」

秋子「あら、そうですか???ルール上は許されているんですから、それを利用するのは
 勝利への鉄則ですよ。」

ゆかり「それは、確かに間違いではありませんけれど・・・。
 でも、これでこれからが男子王座の本当の勝負。あの3対1の猛攻に耐えた
 頼人さんなら必ず勝てるわ。」

秋子「往人さんもやられそうになった流れを何とか耐えましたよ。
 ・・・でも、1つだけ確実なのは、歴史に残る名勝負になりそうね。」

ゆかり「・・・ええ。それについては同意しますわ。」

秋子「その歴史に残る名勝負に名前を残すことが出来る人物は、果たしてどちらかしら・・・?」

==========WNUWF選手控え室前廊下==========
 男子も熱ければ女子も熱い!!!
 WNUWF女子王座戦のハード・コア戦も当然佳境に入ったと言えそう!!!
 現在、ベルトを保持しているのはWNUWFの朝奈。
 しかし、それを知ってからいたる連合軍の選手がこぞって狙いに行きます!!!

 先程からも必死で走って逃げている朝奈に対して、追いかけてくるは
 美汐、真琴、名雪、美凪、佳乃の5人。
 そして、いたる連合軍は何と言うか連携をしているかのように先程から携帯電話を使って連携を見せながらの
 チェイスを展開しております!!!

 おっと・・・。
 逃げる朝奈の前に立ちはだかるように現れたのはあゆ!!!
 白い羽リュックが目立つ彼女も今回ばかりはベルト取りに執念を燃やしている様子。
 ただならぬ表情をしております。

 朝奈はそれでも後ろの5人のことを考えると立ち止まるわけにも行かなくて
 何とかあゆの傍をすり抜けようと勢い落とさずに走り抜けようとします。
 しかし、あゆも朝奈が射程内に入ってからダッシュをかけ、左腕に力を込めて
 駆け抜けようとする朝奈の喉元に強烈な左腕でのラリアット!!!
 通称『ゴールデンレフト』炸裂〜〜〜!!!これは強烈に決まった〜〜〜!!!

 朝奈は勢い余って吹っ飛び倒れながらも何とかあゆの傍をすり抜け、
 目の前に止まったドアを開けると命からがら中に入って逃げていきます!!!

 後ろからあゆも含めた、いた連の面々がドアを開けようとしますが、鍵がかかっているのか
 開きません!!!

==========狭霧の控え室==========
 相変わらず狭霧は頼人へのお祈りの真っ最中。
 何もしゃべることなく、先程からずっと同じ体勢で一心にお祈りを続けています・・・。

 ドッタン、バッタン!!!

 んんん???
 外の方から騒がしい音がしていますよ。さすがの狭霧もこのただならぬ物音に
 何が起こったのか、怪訝な表情を浮かべます。

 と、いきなりドアが開いた〜〜〜!!!
 入ってきたのは・・・朝奈???と、レフェリー。w
 そういえば、朝奈はWNUWFの現女子王座。

 朝奈は急いで狭霧の部屋に入るとドアの鍵を閉めます。が、力尽きたのか
 その場でダウン。

狭霧「え!!!あ、朝奈さんっ!!!どうしたのですか???
 大丈夫ですかっ???朝奈さんっ、朝奈さんっ!!!」

 狭霧が仰向けに倒れた朝奈の両肩を抑え揺らして必死に呼びかけます。
 その様子を見ていたレフェリーは・・・、1、2、3!!!

 ・・・あ゛!!!
 狭霧が朝奈の肩を抑えていたから計らずともフォールに!!!
 そして、カウント3で再びベルトは狭霧の元に戻ってきた〜〜〜!!!
 レフェリーが狭霧にベルトを渡そうとしています!!!

狭霧「え・・・、ええっ???」

 さすがの狭霧もこれは驚いた〜〜〜!!!
 WNUWF女子王座のベルトは再び狭霧の元に!!!

==========メイン会場==========
 何という展開ですかっ!!!女子王座は倒れている朝奈に必死で声をかけた狭霧が
 計らずともベルトを手にしましたよ!!!

キング「こんなハプニングもあるのがハード・コア戦の醍醐味であり、怖いところでもあるよな。(汗)」

 しかし、彼女にはやはり何かついているのでしょうか???
 初代女子王座として今特番を迎えた狭霧ですが、当初、特番が終わっても彼女の元に
 ベルトがあることを予想した人間は誰も居ません!!!
 しかし、しかしっ!!!今現実として、このまま行けばですが、何と女子王座は
 今特番が終わっても彼女ということになります!!!

キング「人気No.1の彼女が再びベルトを取ってくれるのは個人的には嬉しいことだぞ!!!
 だが、確かに出来すぎな感はあるな!!!」

 しかし、それもこれもこの男子王座戦が決着付かないと終わりません!!!
 その男子王座戦。先程までダウンし続けていた両者ではありますが、
 再び立ち上がっての攻防開始。しかし、もはや力はほとんど残されていないのか、
 奇襲を使うでもなく、大技を使うでもなくただ単にプライドを賭けての殴り合いのみです。
 頼人が2発殴れば往人も2発返す。頼人が3発蹴れば、往人も3発蹴る、といった展開です。

 しびれを切らしたのか、往人は一旦リング外に下がると、リング下を物色。
 頼人もリング外に出て同じように物色し始めます。おっと・・・。

 往人が手にしたのは鋼鉄製のハンマー。これははっきり言って危ないですよ!!!
 一方、頼人が取り出したのはスチール製のはしご!!!
 はしごは使い方の難しい武器。リングサイドで設置し始めますが、設置し終わったところで
 往人がハンマーを持って頼人に殴りに襲います!!!
 これはさすがに分が悪いと判断したのか頼人は必死で往人から逃げます!!!

キング「はっきり言って頼人は取った武器が悪かったな。はしごは玄人が使うウェポンだ。
 使いこなすのはかなり難しいぞ!!!」

 おおっ、往人がハンマーを振り下ろした〜〜〜!!!
 しかし、当たったのは頼人ではなくて鉄製のコーナーポスト!!!
 あ〜、これは腕がしびれた〜〜〜!!!思わず往人はハンマーを落としてしまいました〜。

キング「しかし、往人も武器を使い慣れていなかったのか???
 あまりにも大振りだったぞ!!!」

 この隙を突いて頼人は往人を捉えるとコーナーポストにぶつけます!!!
 倒れそうになる往人を更に捉えてリングサイドを連れて行き、次のコーナーポストにも
 ぶつけます!!!さらに歩いて次のコーナー。
 やがてリングサイドを一周して先ほど設置したはしご付近まで戻ります!!!
 最後のコーナーには思い切って往人をぶつけた〜〜〜!!!

 往人はその場で仰向けにダウン!!!
 それを見て頼人ははしごを昇ります!!!

キング「頼人はあのまま押さえつけても3カウントだと思ったが、ダメを押す気だ!!!
 これが吉と出るか凶と出るか・・・。」

 頼人ははしごの最上段まで昇りつめると、狭霧も信仰する神へお祈りするのか
 手を合わせてから、真下に倒れている往人に向かってのダイビングセントーン!!!

 この強烈な一撃が見事に決まった〜〜〜!!!
 頼人はそのまま倒れこむように往人をフォール、1、2、3!!!

♪木々の声と日々のざわめき

 初代男子王座はWNUWFの頼人が就きました〜〜〜!!!
 何という試合、何という勝負!!!
 観客からは見事に勝利して男子王座に就いた頼人に対しての大歓声!!!
 敗れはしましたが名勝負を演じてくれた往人に対しても大きな拍手と大喝采!!!

 敗れた往人はもちろんぐったりですが、勝利した頼人もさすがに観客からの大歓声に
 応える余裕すら無さそうに目はうつろ!!!
 しかし、その様子がこの決勝戦の壮絶さ、そして男子王座決定トーナメントの
 過酷さを物語っています!!!

 あっと、今やっと援護に入ったタイガーと鍋島が入ってきて頼人を立たせリング内に
 入ります!!!そして、2人が頼人を担いで初代男子王座に就いた頼人を共に祝福しています!!!
 頼人も何とか何とか観客への大歓声に応えるようにガッツポーズ!!!

 WNUWFの男子王座戦線はまずは頼人を中心に回っていくことになりそうです!!!