個々の点同士は必ずしも線で繋がってはいない。
臓器と血管のような繋がりばかりではない。
脳内のニューロンの触手のように
隣り合うもの同士が連結していない場合もある。
点を線で結んでしまうと、繋ぎ換えが難しい。

点と点がある。
人と人、街と街、国と国、星と星、物と物、事と事、時と時、場と場、・・・
それらが繋がってゆく。それらを結んでゆく。
それが旅だと思う。実際に出かけなくてもココに居ても旅をする。
いままではそれを線で繋げるように想像した。
でも、いま想うのは。
個々の島同士は必ずしも橋で繋がってはいない。
飛び石のようにポツポツポツと散らばっていて。
その時々の気分や状況や重力！でどの石に跳ぶかはわからない。

誰かと会話する。
話題はテーマに沿ったものではないし、
むしろどこにもたどり着かず発散してゆく。
わかったような瞬間があっても、
次の瞬間にはもう違う石に跳んで、またわからなくなる。

誰かに出遭う。
どこからどのようにやってきたのか、知らない。
これからどこへゆくのか、知らない。
ただ、いま、この同じ飛び石の上に同じ時に居る。

同じ石の上にずっと座ってる者もあれば
次々と飛び跳ねてゆく者もある。

ひとりの頭の中にもたくさんの飛び石があって
その頭を乗っけて、さらに飛び石を跳んでゆく。

この頃はコトバを論理的に並べてわかりやすく説明するのが
なんだか面倒くさい。酒を呑めばなおさら。
記憶力はますます低下し、世間話に興味はなく、世事には疎く。
ただただ怠惰。

ただひとりぼんやりと、酒を呑みうたいながら、取り留めなきこと考え、
月を観て過ごせば、もうそれでいいような気もして。
のんべんだらり。座って居る。