キセキノヨルタチ・・・ ■ CONCERT TOUR 2004 "X-RATED ■
= 2004.03.15 in 東京ベイN.K.ホール =
前回のライブは昨年の「ハイコミビデオシューティング」だったから、かれこれ10ヶ月ぶりのライブとなった。
会場内に入るとそこは前回のハイコミツアーほどでもないけれど薄暗く、非常灯だけが明るいグリーンの影を落としている。
ステージには真っ白な緞帳が下がっていて中の様子はうかがいしれなかった。
「うーん・・・久しぶりにパッと客電が落ちて始まるライブを見たかったね。」
「あの瞬間が鳥肌がたつほど好きなんだけどね」相方と話ながら席についた。
客席が埋まり開演予定時刻を過ぎた頃、ぞろぞろと黒のお揃いのジャンパーに身を固めたスタッフが7〜8人やってきて、
ステージの端から端まで等間隔に座り込み、ステージにかかっている白い緞帳の端を持っていた。
非常灯の明かりが消えオープニングのSEが流れると、客席から拍手が沸きあがり合図とともに緞帳が引き下ろされてステージにたつメンバーの姿が現れた。
私がいた席はかなりステージよりの高い場所だったから、天井から大きなシャンデリアがぶら下がっているのは確認できるけど、ステージの後方はTOSHIのドラムセットすら見えなかった。、
JIROの後ろから舞台袖に向かってわずかに白いジョーゼットがかけられているのがかろうじて見えた。ホテルのパーティ会場みたいなセットなのかな?
メンバーは全員黒を基調とした服装。シックでかっこいい。JIROが黒のノースリーブのあちこちにファスナーみたいなものがついてる皮(?)のトップスと黒のパンツ。
HISASHIはジャケットの腰のポケットに赤いクロス?がついてるスーツ、腰に長いフリンジがついたストールみたいなものを巻いている。赤い靴がとても印象的だった。
TAKUROも(いつもの)皮のジャケットと細長ーい脚を強調するようなぴったりフィットのパンツ。あとでジャケットを脱いだらインナーにまた体のラインがぴったりフィットのノースリーブシャツ。
深いVネックから胸の筋肉がぱっくり割れてるのが見えました。(こんなの確認するのは私だけかな)
トランプのジョーカーか、サーカスのピエロみたいなつま先がとがって上にむいている変な形の白い靴をはいていたのが浮いていた。
そしてTERU。「pure soul」のドームツアーを彷彿とさせるよな長めのTERU頭。セットされた前髪で横顔が見えないぐらい長かった。色は黒。
お尻まで隠れる丈のジャケットの襟と腰ポケットのかぶせ部分とパンツの両サイドにラメが入ってている。
それだけでも豪華なのに、首からカラスの羽みたいな黒い羽毛がついたマフラー(?)をしていてる。
豪華って言うか・・・「ジュリアナ」(←知ってる人はどのくらいいるのかな)みたい・・・
「HIGHCOMMUNICATIONS」ではおなじみの腕をクロスにして右腕を引き下げるポーズを要所要所に取り込んでさらにパワーアップしていた。
相変わらず客席も同じように腕をクロスさせたり、ジャンプしたりしてたけれど2曲目の「THE FRUSTRATED」のイントロになるとピタッと動きが止まる。
今回のツアーばかりは何度も会場に足を運べた人も少なかったのか、今ひとつ乗りきれない。
FCの会報かなんかで誰かが「音楽を頭で理解するんじゃなくて、体で感じてほしい」 と言っていたのを思い出し、とりあえずメロディに体を任せてみる。
確かこのあたりで最初のMC。
「東京ベイN.K.ホール!よくMステなんかで来たことはあるけど、ライブでは初登場です!
次のアルバムのタイトルの”THE FRUSTRATED"ってね、"18禁"みたいな意味もあるんでね、今日はみんなを○○(←函館名物の足10本の動物の名前を入れる)せてやるぜ─っ!!」
これが噂のTERUの「18禁」トークなのかな。でもちょっと照れながら言うもんだから少しもいやらしさがなく、むしろ爽やか。
いや、今日のライブは後に某有料放送でOAされる予定なので、わざと軽めにしておいたのかな?
TERUがパーソナリティをしているラジオ「TERU ME NIGHT GLAY」じゃ一時、聞いてるこちらが赤面してしまうようなきわどいトークがあったのに・・・。
「幻なんて誰もいらない。目の前にある裸がみたい」と「ALL I WANT」を歌ってジャケットの肩をはだけてみせるTERUに客席が沸く。
「Billionaire〜」はフルサイズで聞いたことがあったし、「誘惑」風にサビ始まりの「いかにも」GLAYって感じの曲だったので、例の手フリで会場は満遍なく盛り上がっていた。
一瞬暗転のあと、「そして、これからも」。続いてMC(たぶんここだった)
「みんなスゲーいい笑顔だねぇ。そんないい笑顔って普段しないでしょ?・・・なんて決め付けてみたりして。あははっ」
「みんなの笑顔がまぶしい」みたいな話をして「あの夏から〜」に流れるんだけど、TERUさん、自分がギターを持っていないことに気がついて、「あ、ギター用意しなくちゃね」と。
「これこそGLAY王道」的なミディアムテンポの曲、海で聞きたいかな。曲が終わるとステージ暗転。椅子に腰掛けるTAKUROがライトに照らされる。
「ほんっとにいい笑顔だねえ・・・(略)次に演奏する"無限のdeja vuから"ってゆう曲は、実は俺が10代の頃に作った曲でね。
あの頃は・・・俺とTERUがGLAYを始めた頃は、みんなの家の近くにある貸しボートみたいな小さな舟でね、それからHISASHIと知り合って、
JIROと知り合った頃にはちょっとて手狭になったから、改築っていうか改装って言うか、もうちょっと立派な船になってね、
それからはいろんな人が乗り込んできたり、去って行ったり・・・とは言っても"俺、ちょっとここらで降りるわ"みたいなノリなんだけどね・・・。(以下、不明)」
TAKUROさん、長すぎっ。ハイコミツアーからはライブ中メモをとっていないので、今書いてるレポは全部自分の記憶の中の出来事。
到底覚えきれるわけがなく・・・。でもGLAYをひとつの船にたとえてメンバーもスタッフもそしてファンも、"「GLAY号」のメンバーなんだよ"という内容のMCで
アリーナでは目元を抑えている人もいた。うれしかったのは「ファンのみんなは俺にとって宝物」というフレーズ。相変わらずファン泣かせなTAKUROの説教でした。
それにしても「無限のdeja vu」という言葉が10代の頃のTAKUROの胸の中にすでに存在していたというのが驚きだった。
ステージの中央では小さな椅子に腰掛けたTERUが左手に古びた本を持っている。日記帳か詩集か・・・そんなところかな。
足を組んで右手でその本をパラパラとめくりながらTERUがポツリポツリとささやくように歌っていた。
続く「天使の分け前」というのはこのツアーが始まってから演奏された本当に「初だし」の曲。
勝手に「バラード」だと思い込んでいたのに、結構アップテンポな曲だった・・・ということぐらしか覚えていない。
その次が「coyote〜」。これがかっこよかった。一瞬ステージ前に4本の火柱が上がって
ステージの左右からバチバチバチッと白いライトがストロボのように光る。席の都合で正面から見えないのが辛い。
曲がかっこいいのに、サビの部分しか聞いたことがないから半分ぐらい曲が進まないとタイトルがわからないのが辛い。
次の「BUGS〜」も半分以上聞かないと「それ」だとわからないのが辛い。
JIROが前に出てきてジャンプを繰り返して、一生懸命客席を引っ張っていこうとするんだけれど、
何分、初聞きなモンでいまひとつ乗り切れないのが辛い・・・ノリのいい曲、かっこいい曲・・・
めちゃくちゃに盛り上がりたいのにもうひとつ乗りきれないっ!もう1回演奏して欲しい。もう1回聞きたいっ!
なんともフラストレーションのたまるライブだ。だから"FRUSTRATED"なのか?その分、「Runaway〜」で燃えてみる。
他の人たちも同じみたいでした。
ステージが暗転する間、TERUがドラムセットの前にマイクスタンドを取りにいく。
「STLEET LIFE」・・・良かった。地味な曲かもしれないけど、TERUの声がすごくよく出てた。
ファンになってからというもの、ライブはたくさん見てきたけれど、
その中から「TERUの声がよかった曲を選べ」といわれれば今日のこの曲。
マイクスタンドからちょっと離れて立ち、少し前かがみになりながら一方の手でマイクを握って、もう一方の手でマイクスタンドの中程をぎゅっと持ち、
片方の足でリズムを取りながら歌ってる。
泣いた 笑った 確かに愛した
僕はこの歌を歌う いつか声がかれても
額に汗を浮かべ、眉間にしわを寄せ、体をよじるようにして声を張り上げる姿を見ていると、
言葉では表せない、表現しきれない強い思いが伝わってくるような気持ちになる。
「TERU、かっこいいね。惚れ直しちゃった」と相棒に耳打ちすると「何を今更。前からよ」と笑っていた。
曲が変わってみんなで合唱。何度か繰り返したあと「ラストナンバーになります」とTERUが言って「南東風」のイントロへ。
TERUのタンバリンに合わせてみんなで手拍子。曲の終わりにメンバー紹介。
「いつも○○○○です、ベースJIRO〜!」みたいに一言づつ名前の前に付け足していた。
メンバー紹介が終わるとサビの部分をみんなで大きな声で繰り返し歌い、わりとあっさり目に舞台を降りていった。
ステージ上が暗くなると、一斉にスタッフが飛び出してくる。
大きな箱状の物体をTAKUROの立ち位置あたりに3つ並べ、マイクスタンドも3本並べる。
TERUの立ち位置の後ろあたりでも数人が何かをセッティングしてるのが目を凝らすと見えた。
10分ぐらいしてようやくステージ上に明かりがともり、HISASHIが一人だけアンコールの声にはじかれるようにマイク片手に飛び出してきた。
ぎゃー!とかワーッ!とか奇声を発してるみたいだけど、何を叫んでいたかは不明。
「とっ・・・と・・・とととと・・・(←かんでる)」
「こんなに大勢の前でしゃべるのは小学校以来だー!」
「とっ・・・と・・・とととと・・・とぉ〜? 東京ベイNKホール!千葉だろがぁっ!」
「とっ・・・と・・・ととととぉ〜?東京ディズニーランド!千葉だろうがぁ!」
「今日は千葉と東京の日付変更線を踏んできたぜ〜っ!」
「ちば〜ベイ〜エヌケイ〜ホール!千葉にもっと誇りを持てぇ!」
「お前もな〜っ!(HISASHI側スタンド2Fを指さしながら。どうやら外にあるディズニーランドを指さしていたらしい)」
「JIROのベース漫談が聞きたいかーっ!」
「TAKURO塾に入りたいかー!受講生募集中!外でチラシをもらえ〜!」
「テル語録コンプリートDVD発売!・・・するわけないダロッ!」
「TOSHIが10時に花火をあげるぞ〜!」
「ミニーちゃんを奪いに行くぞ〜!」
「リーダー、呼んでもいいかー?」
見事なキレキャラぶりでした。ものすごい勢いで叫ぶだけ叫んで、TAKUROがでてきたら自分はサッサとギターを持って定位置へ。
TAKUROは両手をあげながらHISASHIの前を横切って自分の場所へ。
「せっかくHISASHIが座れって言ってるんだから、座ってあげればいいのに・・・もういいんだけどね」
この辺まで話をしたときに舞台袖からトランペットの音が一瞬聞こえた。湧き上がる会場。
「去年はツアーの後、アルバム作りとかで地下活動が続いちゃって、こうしてみんなに会う機会がなくて、
もし、みんなにさみしい思いをさせていたならここで謝ります、ごめんなさい。でも・・・俺たちは絶対みんなを裏切らないから・・・(略)・・・
それじゃあ・・・(TOSHIを呼ぶ)」
TOSHI登場。ステージ中央でTAKUROとガッシリ抱き合う。先日まで氷室さんのツアーに参加していたから「お帰り」の意味だったのかも。
興奮気味に「GLAYのサポートしてて良かった。これからもずっとずっと応援していきます!
それではいつも俺の右横でかっこいいリズムを刻んでくれているベース、JIRO!」とJIROを呼びよせる。
TOSHIさんの声って久しぶりに聞いた気がします。
そういえばJIROの声も久しぶりに聞いた気がする。何をしゃべったかは忘れちゃったけど、「今回チケット取れなかった人に次はとれるぜってJIROが言ってたって言っといて」
いつものちょっとだけぶっきらぼうな口ぶりで話をしていた。最後にTERUを呼ぶ。TERUはジャケットの代わりにまたまた黒のシャツのようなものを羽織っていた。
「え〜、いよいよ俺の夢がかなうときがきました〜!さっきちょっと聞こえてきたけど」とものすごく嬉しそうにスカパラのメンバーを一人一人招き入れる。
名前はわからないけど、トランペットとトロンボーンとサックスとドラムの人。噂には聞いていたけど、本物がきちゃうなんて!すごい!
会場からも拍手と歓声がわきあがっている。
「今回スカパラとコラボレートするきっかけはと言うとね、
去年のヘビーゲージツアー・・・あっ、ハイコミツアーね・・・そのときにたまたま同じ地方でライブをしてて
ライブを見に行ったのね。そしたらすごくかっこよくって、ぜひ一緒にやりたいって思って曲をつくりました」
目をキラキラさせながら話をしているTERUが本当にうれしそう。曲はもちろん「BLAST」。「カッコイイ」なんて言葉では足りないぐらいカッコよかった(なんてボキャブラリーが少ないんだ、悲)
ドラムの人はこの曲のみ参加、残りの管楽器隊3人は次の曲にも参加。タイトルが「ピンク」がドーノコーノとしか聞こえなくて、
もちろん歌詞も聞き取れなくて、スカパラに夢中だったのでどんな曲だったのかさっぱり覚えておらず、
あれが「It's My Life」という新曲だったと後からきいて非常にがっかりしたのでした。
「GLAYとは違ったノリもいいねえ、でもここからはGLAY独自のノリでガンガン行こうぜ!生きてく強さ〜!」
間髪いれず「SHUTTER〜」「誘惑」と続いて足はつりそう、息は上がるで、おまけに「誘惑」の一部分をTERUが会場に歌わせるんだけど思い出せない。
まさしく運動不足と準備不足を痛感した時間帯でした。今回のようなライブでは「初聞きの衝動」も大切だけど、
やはり普段のライブでは「予習・復習」は必要ですね。
アンコールの1回目は締めの特効もなく、名残惜しそうにメンバーが手をふるでもなく、
「次」があることを容易に想像させるものでした。
ほどなくステージの明かりがついて、メンバーが再登場。
ピックを投げるJIROとHISASHI、TAKUROは何か投げてたかな?
最後にTERUがお水の入ったペットボトルを投げる。
TERUとTAKUROがさっきは脱いでいた上着を再びきていた。
「うん・・・ちょっとフォーマルな感じでねっ・・・」
TERUが曲紹介をして「BEAUTIFUL DREAMER」のイントロの弦の音が聞こえてきた。
アリーナあたりがざわざわしている。でもステージの上は別に変わったことはない。
初めて生で聞いた「BEAUTIFUL〜」はもうずっと前から演奏されてたのかと見間違えるほど
みんなの手フリがそろっていてとても気持ちいい1曲でした。
曲が終わるとステージ後方を指さしながらTERUが話はじめた。
「今日はね、弦が入ってます!指揮をしてくれるのはアレンジしてくれた島健さんです」
席の都合でTOSHIのドラムセットより後ろが全く見えない私たちの周辺は大騒ぎ。
「え?弦??生オケ入ってんの??」「見えな〜い」そんなのはお構い無しにTERUのMCは続いて
「次が本当にラストの曲になります」と「時の雫」が始まった。
シーンと静まり返る場内に柔らかい弦の音が響いてくると、自然に拍手がわきあがった。
弦の生演奏なんて小学校の時以来だ。
控えめなTERUの声、間奏のHISASHIのギター・・・そして圧巻はアウトロの弦楽器隊。
演奏している姿を見たかった・・・。
TERUが客席に向かってお礼を言っている間、メンバー全員がステージの中央に集まってきた。
「せっかくだからね・・・やりますか?」両手をあげてみせる。「それじゃみなさん、隣の人と手をつないでください」。
5000人で埋め尽くされた場内に幾重もの輪ができる。つないだ手を高くあげて準備完了。
「それじゃ、JIROさんよろしく!」
「え?俺?・・・せーのっ、い〜ち、に〜い、さんっ!」
一斉にジャンプの後、拍手。「夏に会いましょう!」とTERUが叫んでステージを降りていった。
ステージにメンバーの姿が見えなくなったので「終わっちゃったね」「うん、帰ろうか」と座席においてあった荷物に手をかけたとき、
聞き覚えのある曲が聞こえてきた。ハイコミツアーのオープンニングSEだった「またここであいましょう」のオーケストラバージョン。
みんな慌ててステージを見る。
「わぁ・・・」誰もがため息にもならないような声を出し立ち尽くしていた。
繊細で重厚で暖かくて・・・。目の前にメンバーはいないのに、弦楽器の音を聞いてるだけで目頭がツーンとなってきて、
帰ろうと思って手にとった水のペットボトルとかばんを握り締めたまま立ち尽くしていた。
曲が終わりに近づくとともにゆっくり緞帳が下りていくようすが、JIROの後ろあたりでわずかに見えた。
今日のライブはこうして幕を閉じたけれど、最後のオーケストラがGLAYデビュー10周年の幕開けを告げていた気がした。
HIGHCOMMUNICATIONS
THE FRUSTRATED
ALL I WANT
Billionaire Champagne Miles Away
そして、これからも
あの夏から一番遠い場所
無限のdeja vuから
天使の分け前(新曲)
coyote, colored darkness
BUGS IN MY HEAD
Runaway Runaway
STLEET LIFE
南東風
BLAST
曲名がよく聞き取れなかった新曲=It's My Life
生きてく強さ
SHUTTER SPEEDSのテーマ
誘惑
BEAUTIFUL DREAMER
時の雫
またここであいましょう(オーケストラver)
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