キセキノヨルタチ・・・ ■ DOME TOUR 2001-2002 "ONE LOVE" ■
= 2002.01.11 in 東京ドーム =
お正月にひいてしまった風邪が治らないままライブの初日を迎えた。
とまらないひどい咳と「もんたよしのり」のような声に我ながら苦笑い。
「そんなに無理していかんでも、GLAYもライブも逃げヘンやろ?」とだんなにいわれるが、
甘いっ、あまいな、だんなさんよ・・・。
ライブは逃げなくても、チケットは逃げるのよ。
ましてやこんないい席・・・今日あきらめたら二度とこないのよっ。
午後いちばんに友達とまちあわせ、まだ時間があったのでドーム近くのカフェで軽く休憩。
水道橋の駅から続々とつづく人の列を眺めながらこれから始まる夢の数時間を思う。
携帯電話にメールがきた。
subject「TAKUROさんまで、あと6時間」
・・・名古屋に住む友人から。内容を読んでますます熱が上がる思いがした。
会場に入る。係りの男性に誘導されながら、ひとつ、またひとつ・・・ととおりぬけるブロック。
大きな大きなスピーカーみたいなセットを見上げてた。
通された席はうわさに聞くところの「プチ花道」の先端から約10メートル。
「ま・・・まじ?」さっきのメールをくれた友人に返事を返す指が震える。
このチケットをもぎ取ってくれた隣のいつもの相棒が女神様にみえた。
いつも通り?10分遅れで開演。客電がおちるとざわざわしていた会場から拍手と歓声がわいた。コートを脱ぎ捨て半そでのTシャツ1枚になる。足元から両腕にかけあがってくる感覚は会場の寒さのせいか、武者震いか・・・。
正面のセットの真ん中のプレートが上下にわれると中から風船があらわれる。
風船をスクリーン代わりに、投影される世界各国の人がそれぞれの言葉で「ONE LOVE」と叫ぶと
どんどん風船が大きく膨らんでいって、轟音とともに破裂!
それを合図に会場中央に伸びるメインの花道の先端にTERUの影が浮かび上がってきた。
ざわざわしていた会場が一瞬に静かになり、TERUのアカペラが聞こえてきた。
ここからだとちょうど背中が見えるだけで表情とかはつかめない。
「ALL STANDARD IS YOU」の最初のワンフレーズをアカペラで歌いおえると
「LOOK AT ME」のところから残りのメンバーがメインのステージで演奏をはじめ、
会場後方の天井にきれいなブルーの花のような模様がはいった照明がクルクルとまわりだした。
「あなたの幸せ願わない日はない」と歌いきったTERUは客席に背を向けると
ややうつむき加減で長い花道をメインのステージに向かって歩き出した。
TERUがメインステージにたどりつき、会場が暗転、
しばらく時間があってギターの細かい音が聞こえてきた。
一瞬にして会場が明るくなりそこから激しい曲が続いていった。
なんだかしんみりしてた気持ちが大爆発。
「WET DREAM」が終わるころには、わずかに背中が汗ばんでいた。
MCが終わると「Prize」間奏の間にTAKUROがHISA側のステージ端のちょっと高くなった部分にやってきて観客をあおるあおる!
その位置がちょうど私のいた場所の真正面になったため、やや記憶が飛びそうになる。
肉眼でもほぼ等身大で見えるのに、わざわざオペラグラスをだしてきてTAKUROの姿をみている私をみて、
となりにいる相棒は苦笑いしていたようだ。
歌が2番に入ったところでTERUがTAKUROを追いかけてこようとしたが、
「愛猫の怨念で〜サンドバッグになってくれよな」のところで歌詞を飛ばしてしまい、
あえなく追いかけるのを中断、曲が終わったところでJIROに突っ込まれていた。
今回のツアーでも相変わらず歌詞を飛ばしまくっているらしいTERU。
「毎回ちゃんと歌えるかヒヤヒヤするわ」と笑うとなりの相棒が、今度はTERUの母親に見える。
そして「君がみつめた海」今度は私がヒヤヒヤする番だ。
「ONE LOVE」発売時のプロモーション期間中に、私の地元のFM局にやってきたGLAY。
その番組のワンコーナー、ファンのみんなに「○○します!」と宣言するコーナーで TAKUROは「歌います!」と宣言した。
「アルバムの中の一番好きな曲で、いちばんいい曲の、一番いいところを、俺がソロで歌います!」と。
そのとき私が小躍りして喜んだのは言うまでもないけれど、同時に胃が痛くなる思いがした。
「TERUみたいに歌詞をとばしてしまったらどうしよう・・・」
「緊張して声がでなかったらどうしよう・・・」
曲がはじまると胃がキリキリしてくる。
東京の前の名古屋のライブでTAKUROが風邪をひいたらしい。
かすれる声で、それでも一生懸命発声練習をしている姿を TERUがオフィシャルページで紹介していてくれたけれど、
まだ調子が悪かったらどうしよう・・・。
まるでデキの悪い子供の授業参観を見にきたら、なんと子供が先生に差されてしまって、
今まさにほかの保護者の前で発表しようとしている・・・そんな母親の気分。
この世に神が存在するならば、どこのどんな神様でもいいから、
「お願いしますっ、お願いしますっ」という気持ちだった。
そして緊張の第一声。声はわずかにかすれていた。
首を傾け眉間にしわを寄せ、のど元に手をやる姿にどきどきしながらも、
無事にすべてを歌いきるのを見届け、
心の中の小さなTAKUROをぎゅ〜っと抱きしめ、頭を1000回なでてあげた。
再び会場は暗転し、しばらく時間がすぎた。
ちょっと会場がざわつきはじめたころ、きれいな映像とともにSEが流れアコギを抱いたTERUが登場。
「Fighting Sprit」とMCをはさんで「ひとひらの自由」と続いた。
静かな曲から激しい曲へ、またその反対に激しい曲から静かな曲へ・・・
暗転やMC、SEなどを駆使した場面の展開が、1冊の本のページをめくるようで、
何の音もしないわずかな時間さえも楽しかった。
「HIGHWAY NO5」で突然メンバーの姿が見えなくなったかと思うと、
棒状の風船が横から伸びてきて、私の横っ面を殴っていった。イテッ。
JIROがメインの花道の上をベルトコンベアで移動したかと思えば、
「THUNDER ZOMB」とかいう、えらくパンクなバンドが登場。
オフィシャルページに「ネタバレ禁止令」が出ていたのもうなづける楽しい展開となっていた。
まだまだ続くJIROのコーナー。
JIRO vs TOSHIのだまし討ち(?)対決、微妙に合わずにwinner JIRO!?
続くはJIRO vs SHIGEのフレーズ対決。
JIROのアドリブを元にSHIGEさんが即興で応える・・・というものらしいが、
SHIGEさんのすごさがイマイチよくわからなくて、ドローか?
そしてJIRO vs TAKUROの・・・何対決だろ?
ドラムセットの前からツアーグッズのIDキーホルダーをとってきて、中に入ってる紙を披露。
「本日のお題」・・・と書かれている。
まずは手始めにJIROがベースをうならせつつ、体をクネッ。
それを受けてTAKUROがギターをうならせつつ、体をクネックネッ。
「何やってんだ?この人たち・・・」意味がわからなかった私の正直な感想。
私の席からは「尻文字対決」にしか見えなかった。
気分を入れ替えて対決再開。
JIROがある曲のベースラインをひくと、その曲のメロディをTAKUROが弾く・・・というもの。
1曲目はビートルズ「DAY TRIPPER」これは私にもわかったぐらいだから、TAKUROも何なくクリア。
2曲目も同じくビートルズ「COME TOGETHER」。
JIROの「これ、どう?」という表情にTAKUROは一瞬、「ん?」という顔をするものの2回目のチャレンジでクリア。
3曲目には首をかしげて考え込むTAKUROに、「してやったり」顔のJIRO。
ちょっと間があってギターをポロっと爪弾いたあと、いきなりギターをローディさんに預けてしまった。
「降参か?」と思ったら、おもむろにアップライトのピアノに向かって「LET IT BE」のイントロをサラッとひと弾き。
客席から「おお〜」と感嘆の声があがると、JIROが悔しそうな顔をしながら大きくうなづく。
TAKUROの圧勝かな。
続いてJIRO vs HISASHIの対決か?と思えば、HISASHIまでTOSHIにドン♪とかますも、
TOSHIがバッチリあわせて1勝1敗?
またIDキーホルダーから「本日のお題」とかかれたメモをだしてきて今回もフレーズ対決。
ちなみに私はまったくわからなかった派・・・。
それでもHISASHIは全問正解し、JIROはくやしまぎれのTOSHIへのドン♪
最後はTERUがドラムセットの後ろにいたカメラクルーのカメラを奪いとって、
JIROのベースにあわせて会場のファンと掛け合い対決。
「やめて〜〜、TERUさんっ。その業務用カメラ、1台いくらすると思ってるんだぁ〜〜〜っ」
というスタッフの悲鳴が聞こえたような気がする中、対決コーナーは終了。
JIRO作の「mister popcorn」で対決コーナーをしめて、
HISASHI作の「電気イルカ奇妙ナ嗜好」でHISASHIのソロコーナーへつなぐ。
この席からだとHISASHIの様子はほとんどわからず、異様に盛り上がる客席の歓声をうらやましく思う。
会場が暗転して、しばらく時間があった。
今回のツアーは今日が初の私は何がなんだかわからないまま、必死で暗闇に目を凝らしていた。
さらにしばらく待って、ようやくSEが流れてきた。
前のほうから「わぁ!」と歓声が押し寄せてくると同時に、
今までセットの一部になっていたはしごみたいなものが TAKURO側とHISASHI側の客席に向かって火を吹き上げながらおりてきた。
「これが、噂のプチ花道か〜〜」と喜んだが、
なんと私の席の方のプチ花道の花火がひとつもつかない・・・というハプニングもあり。
SEが「VIVA VIVA VIVA」のイントロに変わったところで私の記憶は吹っ飛んだ。
目の前の「プチ花道」の先端にTAKUROがぁっ!
曲もリズムもまわりの迷惑も全部無視してまさしく前後不覚なまでに狂喜乱舞。
あんなに胃をキリキリさせた「君が見つめた海」も、
はじめてフルサイズで聞く「Way Of Difference」も、
生で聞くのをあんなに楽しみにしていた「夢遊病」も「Christmas Ring」もぜ〜んぶ吹っ飛んでしまった。
この後、メンバーが入れ替わり立ちかわり、
ここにやってきてそのたびにとなりの相棒と「JIROって、顔ちっちゃ〜い、肌きれ〜〜〜」だの、
「HISASHIって足ほっそーい、体うす〜〜い」だのあーでもないこーでもないと言って大騒ぎしていた気がするけれど、
ほとんどが記憶の彼方に流されていって、目に見えているのはHISASHIだったり、JIROだったり、TERUだったりするんだけど、
その映像が私の目の網膜を通って脳に届くころには、TAKUROの姿に変換されてしまっていた。
ここから「SHUTTER SPEEDSのテーマ」まで、記憶は本当に断片的にしか残っていない。
覚えていること・・・ TERUが・・・本編ラストの「GLOBAL COMMUNICATION」の間奏のときにこの「プチ花道」にやってきて
「Woo YEAH!」と客席がバッチリ声をそろえたところで右手の親指をたて客席にむかって「Good!」とウィンクを飛ばしたことと、
そのときに隣の相棒が崩壊していたことと、
メンバー紹介のTERUの番になったときJIROがTERUのマイクをぶんどったことと、
そのあと、TERUが片手倒立をしてみせてくれたことぐらい。
あれ?HISASHIは・・・?ましてやMCなんて・・・。
網膜にも鼓膜にもTAKUROが焼き付いてしまったようで、
気がついたらラストの「誘惑」の間奏部分で、再びTAKUROが「プチ花道」の先端で長い足を左右に広げて、
赤いジャーニーマンを振り回していた。
「VIVA VIVA VIVA」から「SUTTER SPEEDSのテーマ」までの間、
バラードも激しい曲も合わせて10曲以上あったのに、その間ずーっと私は何をしていたんだろう。
それでもしっかりセットリストのメモが残っているから、習慣って恐ろしい。
メンバーがステージを去った後も、しばらく呆然と「プチ花道」に残るTAKUROの残像を眺めていたけれど、
早めに外にでたかったので、手早く荷物をまとめ泣く泣く席をたった。
会場の外で友達としばしライブの感想を話しあい、いつも通り早々に帰途についた。
帰宅途中の電車の中でも、相棒と別れた後ひとりになってからも、
自宅に戻ってお風呂に入っているときも、頭の中では赤いジャーニーマンをもったTAKUROがクルクルクルクル・・・。
我ながら・・・「ホントに好きなんだなあ、どうしようもなく・・・好きなんだなあ」と再確認したライブだったのでした。
ALL STANDARD IS YOU
嫉妬
WET DREAM
Prize
君がみつめた海
Fighting Spirit
ひとひらの自由
HIGHWAY NO.5〜JIROソロ
mister popcorn
電気イルカ奇妙ナ嗜好〜HISASHIソロ
VIVA VIVA VIVA
Way Of Difference
夢遊病
Christmas Ring
STAY TUNED
MERMAID
THINK ABOUT MY DAUGHTER
GLOBAL COMMUNICATION
Winter, again
Young oh! oh!
口唇
サバイバル
ビリビリクラッシュメン
SHUTTER SPEEDSのテーマ
誘惑
ALL STANDARD IS YOU 〜reprize
<< Back