キセキノヨルタチ・・・ ■ ARENA TOUR 2000 "HEAVY GAUGE" ■
= 2000.09.07 in 日本武道館 =
ちょっと昔の話になるけれど、「大きなたまねぎの下で」(爆風スランプ)というタイトルの曲があったのを
覚えている人はどれぐらいいるんだろうか。
九段下の駅を降りて坂道を 人の流れ追い越して行けば・・・
というサビにつづいて、詳しい歌詞はわすれてしまったけれど、
一番最後に「光るたまねぎ」という歌詞で終わる歌。
この「大きなたまねぎ」とか「光るたまねぎ」というのは日本武道館の屋根の上の金色のぎぼしのことである。
私ははじめてこの曲を聞いたときから、「いつかは日本武道館に行ってみたい」と思っていた。
多くのアーティストが「目標は日本武道館」というのを聞いて、
本来、コンサート向けに作られていないはずの日本武道館が、
どうしてそんなにたくさんのアーティストの心をつかんで離さないのか気になってしかたなかった。
今回のライブはそんな疑問を解決できるようやくめぐってきたチャンスなのだ。
友達と渋谷でいろいろショッピングをして、午後5時30分ごろ九段下の駅についた。
地下鉄だったのがちょっと予想外だったけれど、出口をでるとあの歌詞のとおり緩やかな「坂道」があった。
開場時間を過ぎてもなかなか進まない人をちょっとイライラしながら追い越しつつ、
九段下の駅をおりて〜、坂道を〜、人の流れ〜、追い越して行けば〜と歌って歩いていくと、
大きな城門があった。
「さすが日本武道館!」と変なことに感動しながら、上を見上げると確かに屋根の上に「光るたまねぎ」が見えた。
なんだかそれだけで、うれしかった。
早速、建物の中に入る。狭い!こんなに狭いなんて思ってなかった。
外から見るともっと広いものだとばかり思っていた。
私の席は南側2階スタンド。席につくとHISAHSIのマイクスタンドが手をのばせば届きそうなほど近くに見えた。
席についてライブが始まるまでの30分間、
ずっと隣に座っている友達としゃべりつづけていた。
黙ってしまうと、口から心臓が飛び出してきそうなほど緊張していた。
いくら水を飲んでも喉が乾いて仕方ない。
会場にながれるBGMはまるで私の心臓の音を聴診器で聞いてるみたいなものだった。
いよいよ、開演時間。
今回もまた体中にビリビリと電流が走るような、あの客電が落ちる瞬間がやってくる。
開演したのはいつも通り(?)予定より10分ほどおくれた頃だった。
HISASHI作のSEにあわせて背後の巨大モニターにさまざまな映像が映し出されている。
前半戦ではステージ下からポップアップしてメンバーが登場したけれど、
今回は舞台そでからぞろぞろ歩いてくるのが、暗くなった客席からも見える。
鼓膜が破れそうな歓声の中、そのうちのひとりが右手を天井に突き上げながら前にでてくるのが見える。
HISASHIだ。真っ暗な客席を数回あおって、所定に位置につく。
後半もやはりツアータイトルの「HEAVY GAUGE」からのスタートだ。
明るくなったステージの上に、まぎれもなくGLAYの4人が帰ってきた。
本当に近い。
私の席からでもオペラグラスをしないでメンバーの衣装がはっきりみえる。
TERUは黒のワッペンシャツに黒のパンツ、バッファローも黒、腰にウォレットチェーンをつけている。
驚いたことに髪の毛も黒くそめられ、とても男らしいオールバックだった。
「pure soulスタジアムツアー」の時のイメージに近いかもしれない。
TAKUROは背中にフリンジのついた皮の上着、恐らくブルーと思われるちょっと光る素材のパンツ。
前半と同じくゆるいパーマのかかった髪と、テンガロンハットでちょっとウェスタン風。
恐ろしくセクシーだ。
JIROはグレー地に黒のタータンチェックの入った上下。パンツの上にエプロンというかミニスカートというか・・・
なんだか某バンドの衣装のようなちょっとかわいらしい衣装と金髪。
ちょっと他のメンバーとあってないな・・・と感じたのは私だけだろうか。
HISASHIは「pure soul」のホールツアーの時のような体の線のはっきりでるワンピース(?)。
いつも通りすそが4つにわかれていて、クルッと回るたびにスリットの隙間から細い足が見える。
おまけにフードまでついていてそれを脱いだりかぶったり・・・。
HISASHIファンの友達は「赤ずきんちゃん」とよんでいたが、
ごめんなさい・・・どーみても「白雪姫」に毒りんごをたべさせた「魔女」にみえてしかたなかった。
でも、びっくりするぐらい細いし、かわいい。
フードとスリットの裾の部分に暗闇で光る素材が使われいて、真っ暗になるとぼんやり光って綺麗だった。
重い重いギターのリフではじまった武道館のライブ。
前半戦の代々木の時のように、メンバー全員、口唇を真一文字にかみ締めたものになるのかと思っていた。
つづく「FATSOUNDS」。
ピンスポットが当たる中、足を左右に大きく広げ、体をたおして、ギターを低い位置で構えて
HISASHIがギターをかき鳴らす。
TERUもTAKUROもJIROも思いっきりヘドバンしながら一気に武道館は巨大ライブハウスになった。
「だいたいオマエ気にいらねー!」の前にTERUが叫ぶ。
「オマエラも一緒に叫ぼうぜ!」
武道館の壁を小さく振動させるかもしれないぐらいの歓声の中、
TERUの大開脚ジャンプで終わった。
最初のMCで、「HEAVY GAUGE」ツアーは変わった・・・と思った。
TERUが満面の笑みで会場を見上げる。
「帰ってきたぜ!東京〜!」と声を出すと一斉に歓声が上がる。
「今日の武道館は元気がいいな〜」とまるで子供向けの体操番組のお兄さんのようだ。
「東京でやるのは、4月の代々木以来だよね?」と問い掛けたあと
「あってるよね?ね?」と不安げに後ろを振り返ったり、客席に同意を求めたりする。
どこからともなく笑い声が聞こえてきて、楽しい雰囲気がよく伝わってきた。
振りかえれば4月に代々木で見たライブは今とぜんぜん雰囲気がちがった。
客席も緊張していたし、メンバーだって無理に客席を盛り上げようとしたりはしていなかった。
MCなんてほとんどなかったし、怖いぐらいの気迫を感じた。
それが、「MERMAID」「とまどい」「SPECIAL THANKS」をへて成長したのかもしれない。
「昨日もいいライブだったけど、今日はもっともっとすげーライブにしようぜ〜!」と叫んだ後、
「MERMAID」「I'm yours」と続いた。
「I'm yours」の選曲は客席のファンにとってはかなり意外だったようで、
私を含めて「おお〜」と声がもれていた。
いったんステージが暗くなって、しばらく時間が過ぎる。
ステージの上を数人のスタッフが行ったり来たりしてるのが見える。
やわらかなギターとピアノの音が聞こえてきた。
5曲目は「SPECIAL THANKS」。
TERUの置くようなやさしい声に堅く握り締めていた拳の力がぬけていく気がした。
背後のモニターには海中に指しこむ太陽の光のようなイメージの映像がうつっていて、
ステージから客席にのびる照明は海底から湧き上がる泡のような色だった。
もし、これを読んでいるあなたがライブに行くまでに少し時間があるようならば
映画版「未来日記」を見てからライブにでかけてほしい。
映画の詳しいストーリーはここでは言えないが、隠岐の島の美しい風景をバックに展開する物語には
しばしば海の風景が描かれる。
GLAYの演奏の向こうにあの美しい海が広がっているような、そんな気がした。
つづくMC。
「とてもいい冬の歌ができました。俺の中で"Winter,again"を超えたかもしれない」・・・、
以前オフィシャルHPのダイアリーでTAKUROが「冬の歌が聞きたくなったから、自分で作った」と書いていたことがあったが、
そのときに作られた曲が今回、新曲として披露された。
タイトルはまた日替わりらしく、この日は「思い出のクロス」だった。
「Winter,again」とは正反対にアップテンポな曲だった。
「HEAVY GAUGE」と「生きがい」のギターの音に「とまどい」の展開を足したような曲って言っても伝わらないかもしれないけど、
「GLAYはギターバンド」というのを再確認させられた。
いったん「SPECIAL THANKS」でクールダウンした会場をこの新曲と
つづく「月に祈る」「彼女の"Modern・・・"」でまたまたヒートアップさせる。
やはり「彼女の"Modern・・・"」はメンバーも好きな曲なのだろう。
TERUが「彼女のModern!」と叫んだあとの歓声は会場の外まで聞こえそうな勢いだし、
TAKUROとHISASHIがお互いのギターを絡ませるように演奏する間奏は何度見てもかっこいい。
きっとこれから何年たってもライブといえば「彼女の"Medern・・・"」が演奏され続けることだろう。
少し長い暗闇の時間があって、アゴから汗をぽたぽた流しながらTERUがMCをする。
始めの方はちょと忘れてしまったけれども、なんだか心から今のこの瞬間を楽しんでるようだった。
喉の調子もいいのかもしれない。
他の日がどんな感じだったのかわからなけれども、ほんとによく喋る。
TE 「GLAYのライブ、はじめての人いますか?」
客席 「は〜い!」(かなり多くの人が元気よく手を上げる)
TE 「(客席をぐるっと見渡しながら)じゃあね、わからないことがあったら、隣の人に聞いてください」
このMCにはTERU以外みんな大爆笑だった。
客席のファンは手をたたいて喜び、他のメンバーもおなかを抱えて笑っていた。
でもTERUはどうしてみんなが笑うのかわからないらしく、
「え?なんで??なんでそんなに笑うの??」とキョロキョロしていた。
新テルゴロクが生まれた瞬間かもしれない。
会場中が笑顔に満たされた後、TERUは続ける。
「もう夏も終わりだけど、みんないい想い出できましたか?
次の曲はとてもせつないけどいい曲だから、みんなの今年の夏の想い出の曲にしてほしいです」
ギターを抱えてマイクスタンドの前に立つTERU。
ニコッと笑って「とまどい」を歌う。
途中のメンバー全員によるコーラスはホントに楽しそうで、
去年の「summer FM」と同じく、強烈に夏のにおいのする曲だった。
続いて「HAPPINESS」。
今回も前半戦と同じくTAKUROがピアノで短いメロディを弾く。
毎回違う曲を弾いていると聞いている。
いったいいつ練習してるのだろう。
TAKUROの大きな手が鍵盤の上をあの頃より軽やかに跳ねる。
ここでまた会場が暗くなる。TAKUROのピアノを二人がかりで移動させるスタッフの姿が見えた。
今日もまたステージの上で機材の影に隠れて楽器の手入れをするスタッフの姿がよく見える。
この日は異常に湿度が高く、メンバーもすぐに汗びっしょりになってしまうのだろう。
楽器を変えるたびに一生懸命、布でふいている姿が見えた。
ステージが明るくなるとあの金属音が聞こえてくる。
どこからかヒタヒタとしのび寄って来るような不気味なイントロが長くつづいた後、
一気にHISASHIの見せ場になる。
「キュイ〜〜〜〜〜ン」となんとも言えないHISASHIならではの音をだす。
背後の巨大にモニターの映像と同じように伸びたり縮んだりするギターの音。
世にギタリストは数有れど、あんな音を出せるのはHISASHIだけかもしれない。
TAKUROも負けじと頑張るが、やはりHISASHIの方が一枚上手だったかも。
最後のTERUの絶叫の後、あのTOSHIのキョーレツなドラムの音がマシンガンのように聞こえる。
「FATSOUNDS」の「ひゃー!」に負けないぐらいの歓声が上がった後、
「ROCK ICON」でTERUのシャウトが響き渡る。
CDで聞く「ROCK ICON」もカッコイイがやはりコレは生で聞きたい。
できれば、めちゃくちゃ狭いライブハウスなんかで。
それこそ酸欠になりそうなぐらい、隣の人を殴っちゃっても気にしない!っていうぐらい。
ライブハウスよりは遥かに大きい武道館なのに、TERUと一緒にシャウトしていると本当に酸欠状態になりそうだった。
間奏中、TERUはセンターの定位置であるカメラマンに合図を送った。
そのカメラマンはそのとき構えていた広角レンズのついたカメラから、
瞬時に望遠レンズのついた大きな一眼レフカメラに持ち替える。
まるでそれが合図かのように、TERUはそのカメラにむかってサービスショットを連発する。
足を大きく前後に開いて、上半身を前に倒す。
鋭い視線でレンズをにらみつけたり、手を伸ばしたり・・・。
カメラマンもTERUにあわせて、立ち上がったりしゃがんだりしてシャッターを切りまくっていた。
いずれこれらの写真が各音楽雑誌の紙面を飾ることだろう。
「ROCK ICON」が終わると客席まで明るくなる。
ふと周りを見ると、みんな汗だくになっている。
化粧もボロボロ、髪の毛もぐちゃぐちゃ・・・なのに、どうしてこんなに楽しいの?っていう顔をしている。
楽しい!ホントに楽しい!
体中に音のシャワーを浴びてるようで気持ちいい!
ここで前半戦ですっかりおなじみになったVJ紹介。
「GLAY自慢のVJスタッフ紹介するぜ〜!
今日の担当はチームEメール〜!」
TERUが叫ぶとPAブースにむかって右側から順番にひとりひとり紹介される。
紹介されたスタッフはガッツポーズをみせる。
「VJタイムスタート!」というTERUの声のあと、
ステージの背後の巨大モニターに葛飾北斎の絵をいじったような画像と
「大江戸魂」という文字が踊っていておかしかった。
TERUが「武道館はいうなれば大きなクラブです!ちょっと練習しよう」というと
ステージをゆっくり右から左に歩きながら、「Yeah〜!」と叫び客席にレスポンスを求める。
少し前にTERUが「GLAYのライブはじめての人」と聞いたとき、結構たくさんの人が手を上げていたのだが、
そんなことがちょっと信じられないぐらい、客席みんなの息があっていて、
早くなったり遅くなったり、短くなったり長くなったりするTERUのシャウトにあわせてレスが返ってくる。
「じゃあ、こんな感じでいこうかな?」と続けた後、
「ちなみに俺は過去に一度もクラブにいったことがありません。なので想像で・・・」と笑いをとっていた。
先ほど練習したステージと客席との掛け合いを何度も繰り返しながら、
TAKUROがすーっと前にでてきて、ギターのネックをたてて構える。
これもすっかりライブの定番となりつつある「COME ON!」だ。
さきほどの「LEVEL DEVIL」はHISASHIの見せ場だったけれど、今度はTAKUROの見せ場だ。
あのイントロをじらすように弾くと、ギターのネックにChuと軽くキスをする。
私がたまらなく好きなTAKUROのしぐさのひとつ。
全力疾走で駆け抜けるような勢いで客席もステージもブチ壊れる。
日頃たまったストレスやウップンをここで発散して新しく生まれ変わろうとしているような感じだった。
「COME ON!」の後奏でTERUが前にでてきて、客席をあおりまくる。
これでもかー!というぐらい。
煽って煽って煽りまくったあと、モニタースピーカーに片足をのせて
左手を天井を突き刺すような勢いで突き上げ「MERMAID───→!」と叫んだ。
地響きのような歓声がしたあと、客席のみんなの動きがとまった。
文字にすると「きゃ─────────→・・・・・・え????」という感じかな。
TERUもすぐに気付いたらしいが、「MERMAID」は3曲目に歌ったよ。
客席のみんなはウデを天井に突き上げた格好のまま止まってしまったが、演奏はとまらなかった。
すぐさま即席の短いセッションに切り替え、TERUのフォローをする。
サスガだと思う。
客席は大爆笑。TERUも照れくさそうに笑っている。
「pure soul」のドームツアーのビデオで「Cynical」の頭の歌詞がわからずにテレ笑いしているTERUがおさめられているが
ちょうどあんな笑顔だった。
気を取り直して演奏されたのは「サバイバル」。
前橋の初日のライブでもTERUは歌詞を飛ばしてしまったそうだ。
ファンに続きの歌詞を歌ってもらい、JIROからは「練習不足」と鋭く突っ込まれたそうだが、
こういったアクシデントもライブを見に行く楽しみのひとつ。
またしても「テルゴロク」の誕生かもしれない。
いったん照明がおとされ、再び明るくなったとき、TERUの前にはマイクスタンドが用意されていた。
「次の曲が最後です」・・・もちろん客席からは大ブーイングの嵐だ。
TE 「前橋からまたツアーが始まったわけですが、こうしてステージに立てることをとても幸せに感じます。
皆から見れば、ステージの上の俺たちが一番輝いて見えるかもね。
でも、みんなもGLAYのライブをみて、いっぱい元気とかをもらって、
それぞれが一番輝ける場所をみつけてください」
ラストの「Will Be King」を聞きながら、「自分の一番輝ける場所ってどこだろう」と考える。
もちろんライブに参加しているとき・・・だと信じたい。
曲が終わっても、TERUの伸びやかな声がいつまでも会場中に余韻を残している。
JIROがとても満足気にウンウンとうなづきながら会場を見渡している。
ほかのメンバーもそれぞれ思い思いのスタイルで歓声に応えながらステージ裏に消えて行った。
すぐさまアンコールの声があがった。
武道館は会場が思ったより狭いうえ、ステージを中心に半円を描くように客席が作られているため、
アンコールの声がはじめからよく声がそろっていた。
しばらく時間があって、再びステージに照明がともる。
メンバーがツアーグッズの黄色いバスタオルを肩にかけてでてきた。
歓声に応えながらバスタオルをとると、お行儀よくたたむものあり、機材の上に無造作に置くものあり、
たったそれだけのことなのに、メンバーの個性がにじみでているようで笑えた。
TERUとJIROが黄色のツアーTシャツ、HISASHIとTAKUROは黒のツアーTシャツだった。
タンバリンを右手にもったTERUがマイクに向かう。
TE 「えー、盛大なアンコールありがとう!今日はすごいね。すごいいいライブだね」
「いいライブだね」って言われた客席はますますヒートアップする。
TE 「・・・ってさっき、脇からでてくるときに横にいたスタッフのオジサンが言ってました」
また会場が笑い声に包まれた。
アンコールの1曲目は「Savile Row」だった。
タンバリンを右足の付け根のあたりで軽くうちながら歌う。
客席もゆったりとリラックスした雰囲気で体を軽くスイングさせながら声を合わせて歌う。
You're my precious Everything must pass oh・・・
TERUの声が控えめになったからだろうか、客席の歌声が大きく聞こえてきた。
「もっと、もっとー!」とTERUが叫ぶと客席の声はますます大きくなる。
それにともなって、TERUが歌うのをやめる。
TAKUROが・・・つづいてHISASHI・・・さらにJIROと演奏される楽器が減ってゆき、
最後は客席のファンの歌声とリズムをとるTOSHIの軽いシンバルの音だけになった。
ちょうど「I'm in LOVE」をみんなで歌っているときのように、
メンバーは耳をすまして客席の歌声に体をゆだねる。
TERUの「もっともっとー!」という声がマイクを通さなくても聞こえるぐらい、近かった。
You're my precious Everything must pass oh・・・
何度も何度も繰りかえす。
「precious」という単語には「貴重な」「高価な」という意味の他に「最愛の人」という意味があるそうだ。
歌いながら歌詞の意味をかみ締める。
「帰ってきたんだな・・・」と感じる。
どこから「帰ってきた」のかはわからないけれど、柔らかくて暖かい何かに包まれているようなゆったりとした気持ちになった。
「HEAVY GAUGE」という重いテーマをもつアルバムの中にも、「pure soul」のような「愛情」は受け継がれいる。
どんなに表現方法が変わっても、その根底にあるものは変わらない。
変化しつづけるのもGLAY、変わらないのもGLAYだ。
ライブハウスのように客席の反応がすぐにわかって、できるだけたくさんのファンが入れる会場・・・。
それが武道館なのかもしれない。
大きすぎず、小さすぎず、バランスがとれていて、歴史がある。
今、ステージにたつアーティストが音楽を生きる糧として選ぶきっかけを与えた「憧れの人」が、かつて立っていた武道館のステージ。
それが今でも「目標は武道館」と多くのアーティストに言わしめる理由かもしれない。
天井から降り注ぐような音のシャワーを浴びながら、
日本武道館はこれからも多くの若手アーティストの目標でありつづけるだろうし、
ここから飛び立っていったアーティストの「初心に返る場所」として存在しつづけるだろうと感じた。
HEAVY GAUGE
FATSOUNDS
MERMAID
I'm yours
SPECIAL THANKS
新曲(Missing You)
月に祈る
彼女の"Modern・・・"
HAPPINESS
LEVEL DEVIL
ROCK ICON
VJタイム
COME ON!
サバイバル
Will Be King
Savile Row〜サヴィルロウ3番地〜
口唇
SHUTTER SPEEDSのテーマ
ACID HEAD
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