セキノヨルタチ・・・ ■ GLORIOUS NIGHT CLUISE -Limited FC- ■


= 2002.08.25 in 横浜アリーナ =

「HEAVY GAUGE」ツアーから2年たち、久しぶりにやってきた横浜アリーナ。 いつものように友達とワイワイ騒ぎながら待つ開場時間、 席についてからもワイワイガヤガヤ賑やかに客電が落ちるのを待つ・・・はずが今回は違う。 今日は限定ライブ、チケットは「おひとり様1枚限り」隣に座る人はもれなく「知らない人」・・・ でも、同じ「GLAYが大好きな人」。 いつもとは明らかに違うドキドキ感の中席についた。 先に左隣に座っていた学生さん風の女性に「こんにちはっ!今日はよろしくお願いしますね」と思い切って声をかけた。 「は・・・はい」と小さな声でそう返事した彼女は、それっきりうつむいてしまった。 反対側の隣の席にも女性がきた。どうしよう・・・声かけようか・・・迷っているうちにその彼女は席につき、 ケイタイ電話で友達にメールを送りはじめた。 とても「こんにちは〜、誰ファン?」なんて聞ける雰囲気じゃない。 なんだか気まずい雰囲気の中時間が過ぎる。結局、それ以上声をかけられないままだった。


今日はステージを360度グルリと客席が囲む変則スタイル。 真ん中に花道が1本、そして両端に真ん中よりもやや短い花道が2本、ステージ裏の客席の人のためにも裏側にもグルリと通路がある。 そして私の席は、ステージ真正面のスタンド席の前から4列目。 「うわ〜、TERUが真正面!こんなに正面じゃ・・・ハズカシッ(照)」ひそかに喜ぶ。そのうちに客電が落ちた。 メンバーがでてくる場所を探して暗闇に目を凝らす。 短めのSEの後、ステージをはさんで正反対にある通路にメンバーの姿が見える。 通路をはさんだ両隣の席の人たちは席から身を乗り出し、必死でメンバーにさわろうとしていた。 先頭をきって歩いていたのはTOSHIさんかな? SHIGEさん・JIRO・HISASHI・TAKURO、そして最後にTERU。 メンバーが一列に並び、たくさんの手が差し出される中を歩いてくる姿は、 まるでプロレスの入場シーンのようで、少しおかしかった。


TOSHIの乾いたドラムでライブが始まった。 1曲目は「More than Love」。2階から見渡す恒例の手振りは、今までみたことがないぐらいビシッとそろっていて、 今ここにいる人たち、みんな・・・そう、誰一人例外なくGLAYが大好きなんだな、とうれしくなった。 一番最初にステージ裏にごあいさつに行ったのはTAKUROだった。 一斉に激しくふられる手と一段と大きくなる歓声。 ステージ裏でも最前列の人なんて、手をのばせばTAKUROに届きそうだった。 2曲目は「嫉妬」。間奏部分にきたとき、TAKUROとTERUが花道に一緒に並んでやってきた。 ステージに向かって左側の角にTAKURO、右側にの角にTERU。 二人は背を向け合って演奏しているのに、しゃがみこむタイミングと立ち上がるタイミングが全く同じだった。 曲が終わると一瞬場内が暗転、すぐさまTERUにピンスポットがあてられて「生きてく強さ〜!」とシャウト。 今日もまたライブに参加できたことを実感した。


MCをはさんで(何をしゃべったか忘れました)、「彼女の"Modern・・・」「Cynical」と続く。 思わず「pure soul」ドームツアーで「Cynical」の頭の歌詞がでてこなかったTERUを思いだし息を呑む。 さらに「君がみつめた海」につづく。 ドームツアーのときよりも若干うまくなった?ような気がするTAKUROのソロ。 今回もしっかり歌えたようでホッと一安心。 しばらく時間がたって会場が明るくなってTERUのMC。あちこちからメンバーを呼ぶ声がする。


「Yeah!横浜〜!めーっちゃくちゃ楽しいね。 今回のライブは限定ライブということでね、キャパも大きかったり小さかったりで、 これは本当に俺たちのワガママなんだけど、 その結果、チケットがとれなくて寂しい思いをしている人がたくさんいるってことはわかってる。 ワガママ聞いてくれて、ほんとにありがとう。 これからも1年に1回くらいはこうやってHAPPY SWINGERのみんなと盛り上がりたいな」


TERUのMCに拍手を送って喜ぶファンに向かって TERUは「でも、今回以上にすごい倍率になると思うけどね」とお茶目に笑ってMCをしめくくった。 TERUのMCの間にHISASHIとJIROが用意された椅子に腰掛けている。 TAKUROとTERUは立ったまま。 TERUが短く「summer FM」の紹介をした後、演奏再開。 ところが座って演奏しているHISASHIとJIROは体全体でリズムをとっているのか、 不自然に上半身がピョコピョコピョコピョコ・・・かなりかわいらしい。 JIROに至っては今にも立ち上がりそうな勢いなので、 真正面からステージを見渡せる席にいた私から見ると、 なんだかステージの左半分が「モグラたたき」のようでひとり必死で笑いをこらえていたのでした。 曲が終わると再び場内は真っ暗に。 少し長い時間がたってSHIGEさんのキレイなピアノの音が聞こえてきた。 「Together」のオーケストラバージョンのピアノ。 水をうったように静まりかえる客席に、控えめに響くTERUのボーカル。 ひとりピンスポットライトに照らされてステージ上で歌うTERU。 いつものように両手でマイクスタンドを包みこむようにもち、わずかに首をかしげてる。


「別々の道を選んだあなたを忘れない」


たとえ別々の道を歩くことになっても忘れられないワンシーンだった そして今回の限定ライブ恒例カバーコーナー。


「えーっとですね、今回のツアーではメンバーそれぞれがかっこいい!って思う曲をね、 カバーしてるんだけどね、 HISASHIがアンセムの「BOUND TO BREAK」っていうかっこいい曲で、 JIROはピローズの「RUSH」、TAKUROはU2の「KITE」って言う曲なんだけど、 今日はようやくオレの番になりました。 オレはね、奥田民生さんの「THE STANDARD」って曲なんだけどね・・・(続くけど略)」


とひとしきりしゃべり終えて熱唱。 知らない人が聞いたら「これってGLAYの曲?」って思うぐらい歌いなれている感じだった。 曲が終わるとHISASHIのギターのネックがにわかに赤く光りだす。 短いソロを披露するHISASHIのギターはかっこいいけど、 なんだか「誘導灯」」(通整理の人が持ってる棒状のライト)みたい(笑) そのまま「WET DREAM」「BROTHEL CREEPERS」「Believe in fate」と激しい曲がつづくと汗だくだく。 いや、「Believe in fate」・・・何の曲か一瞬思い出せなかった派(^^j)


MCをはじめようとTERUがマイクを口元にもっていくと、 客席から「てるー!て・るーっ!」とファンの叫び声。 出だしをくじかれた形のTERUが苦笑いしながら右手を耳元にもっていくと、 会場からメンバーを呼ぶ声がひときわ大きくなる。 ひとしきり歓声に包まれた後「気持ちいいねっ」


MCの合間に今度はTERU以外、全員着席。 アコギver.の「Way Of Difference」はJIROが鉄琴?を担当。 合間合間にポツン・・・ポツン・・・と響く音と、バチ?を握り締めるJIROがめちゃくちゃかわいらしいっ(失敬) オリジナルより、かなり音数の多いアレンジは「マンドリン部」のようだけど、 正面から見ていると、一段高いところでどっしり構えるTOSHIさん、 その横で優しげな目をしているSHIGEさん、そしてJIROもHISASHIもTAKUROも、 みんな一歩前にいるTERUの背中をじっと見つめて演奏しているスタイルがとてもバランスが良くて、 安心できて、心の中が温かくなる。


ライブに参加する回数が増えていく中、「参加できること」が当たり前になりつつあって、 気がつけばいつもいつもGLAYを横や斜めから見ていた気がする。(物理的にも、気持ち的にも) 今回、こうして(物理的に)真正面からみることができて、 斜め向いていた気持ちがまっすぐになった気がする。 なんてバランスのいい安定したバンドなんだろう。 そのまま曲は「逢いたい気持ち」へと続いた。 続いてのMC。


「えー、昨日ですね思わず"トーキョー!"って叫んじゃって、帰りの車の中で"東京じゃないよ"って叱られてしまいました・・・ それで今日は確かめたいんだけど、そこってアリーナなの?」


とアリーナ席を不安げに指さした。 (横浜アリーナは席種の呼び方が独特で、いわゆる「スタンド1階席」を「アリーナ」と呼ぶ)


TE 「スタンドじゃないの????」
客 (アリーナの人たちがうなづいてる)
TE (不思議そうな顔しながら)「それじゃあ・・・アリーナァッ!(←いつもの調子であおる)」
反応鈍いアリーナ席のみなさん。 元気なく「いえーい」と返事するとパラパラ手をあげる。


TE 「じゃあ上はスタンドでいいの??・・・スタンド〜ぉ?」(自信なさそうにスタンドをあおる)
同じく反応鈍いスタンド席(この場合は一般にいう「スタンド2階席」)
TE 「ええっ、じゃあ、ここは??ここはなんていうの?」(←びっくりしたようにセンター席を指さす)
ざわめく会場。
TE 「ええーっ?!下???下なの???ほんとにぃ???」(←頭の上に?マークとびまくり、笑)
TE 「ジャ・・・じゃぁ、下ぁぁぁぁっ!」(←かなりかっこつけてあおる)
さらに反応が鈍い・・・ってゆーか、呆れ顔?のセンター席のみなさん・・・。
TE 「いや・・・どーでもいいんだけどね・・・」(←負け惜しみ?)


どこの世界に座席に「下」なんて名前をつける会場があるんでしょう? まったく〜ぅ、相変わらず天然なんだからっ!(あっ、失礼) ちなみに友達情報によると、「平成の歌姫」浜崎あゆみさんも、 先に行われたライブでまったく同じことを会場のファンに聞いていたそうです。


TERUさんの「天然」っぷりが程よく発揮された後、 「YOU MAY DREAM」でTERUは足元のモニタースピーカは軽く飛び越え花道へ猛ダッシュ。 今度は運動神経の良さをはりきってアピールしていた。 一方TAKUROは一人中央の花道までやってきて、先端のステージに腰かけ、 ギターも弾かずに(いや、お休みのパートだったのでしょう)右手を耳元にやったり、 両手で会場をあおったり、足を組んだり、組替えたり、片足だけステージに上げたり・・・ 赤いライトに照られるその姿は、なんだかストリップの踊り子さんのように悩ましげでした(笑)


そして続くは今回のライブのメインイベント?「VIVA VIVA VIVA」。 途中、恒例の「オイデオイデ」ポーズでみんなで遊ぶ。 「まず最初は"ワンビバ"だっ〜」と客席をあおりまくるTERU。 「次は"ツービバッ"!」「だんだん難しくなるぜ〜っ!次は"スリービバ"だ」と言っていたのに、 その後「そして最後は"ヨンビバ"でいくぜ〜っ!」とここでも「天然」っぷり炸裂。 友達の「古株ナイト(失敬)」レポにも同じことが書いてあったので、きっとあっちこっちの会場で「フォービバ」ではなく、 「ヨンビバ〜!」とシャウトしていたのでしょう。憎めない人だ。


「SHUTTER SPEEDSのテーマ」が終わると、TERUが拳をつきあげ「グロリアース!!」とシャウト。 軽快なギターの音とともに天井から無数の白い風船がゆっくりゆっくり落ちてきた。 センター席では曲も聞かずに風船争奪戦がくりひろげられていた。 サビ前にはひとしきり争奪戦もおちつきをみせ、 サビに入ると一斉に振られる風船がなんとも不思議な雰囲気をかもしだしていた。 一方で、白いゴミ袋をもった「ディスクガレージ風船集め部隊」さん(←勝手に命名)たちが、 曲中ず〜っと誰にも拾われなかったり、誰もいないところに落ちた風船を回収しに走り回っていた。 ライブ終了後の帰り道、すれちがった男の子がひとりで風船を5個ぐらい抱えていたのには驚いた。 「グロリアス」以後のライブ、とくに「BURST」なんて彼はどうやって参加したんだろう?


本編ラストの曲は「航海」。 「僕たちはどこからきて、この先どこに向かうべきか・・・そんなことを考えさせれらるようなアルバムになりました」 というTERUのMCの後に続く曲は残念ながら、ほとんど何を歌っているのか聞き取れなかった。


「アンコール」の声の代わりにどこからか「I'm in LOVE」が聞こえてきた。 けれどもそれはあまり大きくならず、いつのまにか普通の「アンコールッ!」という声にかき消された。 私が真っ暗になった席にすわってなんとかメモを見直そうとしていると、 左隣の女の子が「全部メモしてるんですか?」と声をかけてくれた。うれしかった。 これをきっかけに彼女と私はGLAY話に華を咲かせた。 彼女はTERUファンの茨城に住む学生さんで沖縄にも行くらしい。 「さっきの曲でTERUがあーした、こーした」と彼女は楽しげに話してくれたけど、 どうやらTAKU組の私とは、見ているところが違うらしい(苦笑)


アンコールがはじまって、1曲目は「またここであいましょう」。 TERUが「みんなっ!でっかい声で頼むぜ〜っ」とマイクを客席にむけた。 一生懸命大きな声を張り上げる客席だけれど、 「曇りがち瞳抱え〜・・・」になると、急に声が小さくなり全体的に「モゴモゴモゴ・・・」となる。 するとTERUがマイクを自分に向けて続きを歌ってくれた。すみませんでした・・・不勉強で。 ここから後はテンポのいい曲ばかり。 「HAPPY SWING」「誘惑」そして私にとっては99年「ミレニアムライブ」以来になった「BURST」。 あのイントロが聞こえてきたときにはもぉ、鳥肌モノ! 途中でTERUがTAKURO側センター席へおりていったり、 TAKUROがステージ裏の最前列の人とハイタッチしながら駆け抜けていったり大盛り上がり。 客席オンリーの「BURST」、一旦終わるとみせかけた後の「高速BURST」、 そして恒例のTERUと客席の大ジャンプ&特効でしめくくった。 特効の煙が落ち着いてきたとき、「もう1曲歌っていい?」とTERUの声がした。 拍手と歓声で盛り上がる会場。


「もっともっとみんなの声を聞いていたぁ〜いっ!」


TERUの絶叫とファンの歓声。 「I'm in LOVE」をみんなで歌う。 曲が終わるとメンバーそれぞれ思い思いのスタイルで客席に挨拶し、 最初にきた花道を多くの手に囲まれて降りていった。 最後までステージに残っていたのはやはりTAKURO。 泣いているのか、汗をぬぐっていただけなのかわからないけど左腕で顔をゴシゴシしている。 いつもの通り、両手を真横よりやや下へ広げるポーズをみせて、 すっかり暗くなったステージを降りていくTAKUROの背中を唯一、 最後までライトが追いかけていたのが印象的で、 心地良い疲労感と充実感の中ライブは幕を閉じました。

■ セットリスト ■

More than Love
嫉妬
生きてく強さ
彼女の"Modern・・・"
Cynical
君がみつめた海
summer FM
Together
THE STANDARD(by 奥田民生)
WET DREAM
BROTHEL CREEPERS
Believe in fate
Way Of Difference
逢いたい気持ち
YOU MAY DREAM
VIVA VIVA VIVA
SHUTTER SPEEDSのテーマ
グロリアス
航海

■ アンコール ■

またここであいましょう
HAPPY SWING
誘惑
BURST
I'm in LOVE


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