キセキノヨルタチ・・・ ■ ARENA TOUR 2004 "THE FRUSTRATED -extreme- ■
= 2004.11.17 in よこすか芸術劇場 =
今日のチケットを手にしたときから、指折り数えてこの日を待ってた。
ハヤる気持ちをぐっとこらえて自宅最寄駅に向かった。
暖かい1日で、夕焼けがとてもキレイだった。
今日はどんなライブになるかな〜、なんて心の中でスキップしてた。
チケット代を捻出するために残業もしたし、
交通手段もだんなへのフォローも事前の準備は万全だった・・・はずだったのに。
まさかこんなことになるなんて・・・。
乗った電車が茅ヶ崎駅で止まってしまった。
人身事故だった。
友達は別ルートで会場に向かうとメールが来た。
でも、私がいる茅ヶ崎駅では他の路線に乗り換えることもできない。
どうしよう・・・こんなときに限って、相方のチケットも私が持ってる。
私が行かないことには時間通り出発した相方まで会場を前に足止めだ。
現地集合のときはいつも「万一」に備えて前もってチケットを届けていたのに、今回に限って届けていなかった。
昨日の夜そのことに気がついたけど、「寒いし、夜も遅いし、明日は仕事休みだし、遅れるわけないし」と思って届けなかった。
相方の家まで自転車で5分もあればいけるのに!後悔の言葉ばかり浮かんできた。
しばらく待ってみたが、動き出しそうになかったので茅ヶ崎駅を飛び出した。
途中駅員さんに現場の様子を聞くと、それは悲惨で耳を覆いたくなるような状況がうかがえた。
タクシーにとびのると私の形相が怖かったらしく、運転手さんは「何かあるの?」と聞いてきた。
事情を説明すると運転手さんは「道細いけど、裏道行くね。昔この辺に住んでたから詳しいんだよ」と言ってくれた。
その瞬間、運転手さんがスーパーマンに見えた。
時間は帰宅ラッシュの真っ最中。渋滞中の国道1号を避けて運転手さんが裏道を走ってくれるけど
その裏道までもが混雑してて、私は終始イライラオロオロしてた。
タクシーが信号で停止するたびため息をつく私を気遣って、運転手さんはいろいろ声をかけてくれた。
料金メーターはガシガシ上がるし、ちっとも前に進まないし、時間は刻々と近づくし、
友達には申し訳ないし、運転手さんはやさしいし、悔しいし、腹立つし・・・、
後部座席で携帯にぎりしめながら、じっと唇をかんでた。
大船駅まであと少しのところで、また渋滞にはまったので
運転手さんにお礼を言って(200円まけてくれた)ドラマのワンシーンみたいに駅までダッシュした。
でも大船駅のホームに到着したときには時計はちょうど開演時間をさしていた。
電車の中でも走りたい気持ちだったのに、電車は途中の逗子駅でまさかの車両切り離しのため5分停車。
横須賀駅までやっとの思いでたどりつき、会場までタクシーに乗ろうとしたら
あとちょっとのところで唯一止まっていたタクシーをタッチの差で別の人が乗っていってしまう始末。
「会場まで歩く!こんなときこそ、EZナビウォーク!」と思ったら、使い方がわからないし。
自分のアホさ加減に涙がでそうになり、思わずその場に座り込んだ。
どうしようか悩んでるうちにやっとタクシーが来て、ようやく相方と合流できた。
エスカレーターを駆け上がり、席にたどり着いたときにはもうライブは中盤に差し掛かっていた。
駆け込んできた私たちを一瞬ステージのTAKUROが見たような気がしたのはうれしかったけど、
どうしても「遅れた分、取り戻すぞ!」という気持ちになれなかった。
ライブハウスのように盛り上がってる1F席を、まるでテレビでも見てるような気持ちで眺めるしかなかった。
5F席でもステージとの距離は近かったんだけど、心の中はすごく距離があった気がした。
なんだか自分だけ取り残されたような、右も左もわからない世界に一人ぼっちにされたような気分だった。
ところがその反面、今日はステージも客席もよく見える。
(小さいホールだから距離が近いからよく見えるっていうのもある)
思い思いの服装やスタイルの人がひしめきあってて、最前列の人は手を伸ばせば本当にTERUに手がとどく。
「都忘れが」終わるといつものように
「よく手紙をもらうと、"初めてGLAYを聞いたときは小学生だったんですけど、今は20歳です"みたいなことが書いてあって・・・」
とTERUがMC。
10年間の重みを感じながら「SPECIAL THANKS」から「Missing you」へ。
その後一気にテンポのいい曲になって会場がまた盛り上がり始める。
TERUが煽れば煽るほど・・・いや、煽らなくても客席はどんどんヒートアップ。
ステージと客席の間でロープをもって踏ん張っている警備員さんも今にも押しつぶされそうだった。
そんなときにTERUがステージ一番最前で客席に向かって手をのばしてしゃがみこもうとしたら
最前列の人に危うく手をとられ客席に引きづりこまれそうになり、
あわてて体重を後ろにかけたらあわやシリモチ寸前。
よっぽど恐怖を覚えたのか、それからはいつも最前から一歩下がったところで歌ってた。
「STLEET LIFE」前のTAKUROは
「今日は久しぶりの横須賀ってことで早めに来てどぶ板通りなんかをウロウロしてました。
そこで見つけたCDショップにDVDボックスのポスターが貼ってあったので
"ヨシヨシ"なんて思ってました。」と話してくれた。
その後「軌跡の果て」へ。
曲明けTERUが「この曲はデビュー当時、つらい事があってTAKUROが悩んでいるときに、
"TAKUROのために歌うよ"って、初めて誰かのために歌うってことを教えてくれた曲でした」と話してた。
小さなホールに響くTERUの声を聞いてるとさっきまでのイライラしてた気持ちが嘘みたいに軽くなってきた。
あの事故さえなければ・・・どっかのバカのせいで!と怒り心頭だったのに、
あの事故の本人さん、どうしてあんなことしちゃったんだろうとか考えてた。
友達とか、話だけでも聞いてくれる人いなかったのかな。
ひとりぼっちだったのかな?かわいそうな人だ・・・。
楽しみにしてたライブに大遅刻なんて、たいへんな迷惑こうむったけど、
友達のありがたさと、姿は見えないけどいつも傍らで支えてくれるものの存在を確認できた。
私はこの先どんな絶望の淵に立たされても、あの人と同じことはしない。
音楽じゃ何事も解決されないかもしれないし、
友達に助けてもらうにも限度があると思うけれど、、
辛くて膝をつきそうになったときにはツッカエ棒にぐらいなってくれると思ってる。
あの人が私の友達だったら、この場につれてきてあげたかったのに・・・。
そう思うと、とても残念だった。
会場が暗転してTERUの「今日もこの会場に来てくれてると思います」というMCの後「MISERY」
このあたりから私自身も曲にノルことができるようになってたので
最後の「BEAUTIFUL DREAMER」まで嫌なことなんか忘れて楽しむことができた。
ある曲でTERUがモニタースピーカーに片足を乗せて、2F席より上の階の席を煽っていると
目の前のいた最前列の女性がTERUのその足の甲の部分にタッチ!していた。
まるでカルタの札を取るときの「ハイッ!」って声が聞こえてきそうなほどかる〜くタッチすると
会場の上の階を見ながら歌っていたTERUが「やったな〜」みたいな顔をしながら足元を見て固まってた。
いいな〜、ホールライブの最前列。
いつかそんな席が私にもめぐってくる日がくるのかな。
アンコール明けのミニセッションは「彼女の"Modern・・・"」
サビの部分を引いて盛り上げるだけ盛り上げたのに突然終了。
JIROがスカジャンを羽織って登場し、みせびらかしていた。
「ホワイトロード」「口唇」「誘惑」と演奏してラストナンバー「南東風」
いつのライブからか、曲の前にTERU先生の振り付け講座が始まってた。
「じゃあ最初に俺は左手を上げるから、みんなは右手をあげてくださーい。
お茶碗持つほうの手ね〜。・・・はい、恥ずかしがらないでね〜・・・
あ〜、そこのマダム!そう!マダムです!お願いします!」
どのあたりにいた人かわからないけれど、TERUが腕をあげていなかった女性に向かってお願いした。
「そう、そうです!いいですか〜、♪楽園よりもっ・・・」とスローテンポでレッスン後ダンススタート。
曲が間奏に入るとみんなあちこちからタオルを取り出し、いっせいにぐるぐる回す様は圧巻。
上から見てると本当に色とりどりで、赤・白・黄・黒・緑・青etc、
ぱっと思いつく色はすべてそろっていたと言ってもいいぐらいだった。
「今日はマダムが頑張ってくれたから120点満点!」
最後の締めはいつもの仮面ライダーポーズ!と思ったら、TERUがなかなか締めない。
みんなが変身ポーズのまま、体ごと左右に揺らしてるTERUのまねをしてた。
ようやくTERUが締めようとすると、HISASHIだかJIROだかがまた引き伸ばし・・・といった具合で
私が参加したすべてのライブの中で一番長い時間、変身ポーズのまま停止状態でした。
楽しかったライブが終わり会場の外にでた。
今日は平日ということもあり、他の人は明日の仕事に備えてか駅に向かっていたが、
私は昼ごはん以来、何も食べたり飲んだりしていなかったのでおなかがペコペコで仕方なかった。
相方と近くのファミレスに入り、ごはんを食べながらまずは今日の大失態を謝罪した。
相方は「いいよいいよ、また一緒に行こうね」と言ったきり、すぐに他の話題に切り替えてくれた。
私もそれ以上は何も言わなかった。
本当にごめんね、この借りはいつか絶対返すから!
でも・・・本当に大変だったのはこの後だった。
なぜなら汐入から乗った電車が途中駅で終わってしまったからだ。
この先まだまだ自宅まで距離があるのに、電車がなくなってしまった。
なんとかJR逗子駅までは電車で移動できたが、そこから先の電車がまったくなかった。
とりあえず終電車が遅いJR東海道線には乗れるだろうと、大船駅へタクシーで向かった。
ところが・・・大船駅でもすでに終電車は出た後。
同じ神奈川県内にライブを見に行ったのに、終電車に乗り遅れるという大失態をしでかしてしまった。
どどどどど・・・どうしよ〜(泣)
お互いのダンナ様にさりげなく「迎えに来て欲しい」とTELをしてみた・・・
相方のダンナ様は爆「睡」中で、私のダンナ様は爆「酔」中だった・・・とほほほ。
始発電車がでるまで後4時間、どうやって過ごすか二人で相談したけれど
やはりたった1時間でも家のベッドで休みたい、という意見に落ち着き大船駅から自宅までまたタクシー移動。
カードが使えるかどうかをちゃんとチェックした後、後部座席に身を沈めた。
同じようなタクシーの後部座席に座っていても、来るときとのこの気持ちの差はいったい何?
「ひとりじゃないってイイネ、行きはすごく不安だったのに、今は楽しいぐらいだよ」と話すと
相方も「いえてる!この状態でひとりだったら不安で仕方ないよね」と笑っていた。
先に相方を自宅前で降ろしたときには、料金は笑っていられないぐらいの金額になっていたんだけど
コレもハンブンコなら、まあ仕方なし。
思えば今日のライブ、自宅から会場まで電車で行けば片道1000円でじゅうぶんお釣りがもらえたのに、
まともに電車移動したのは大船→横須賀のみ。
あとはほぼ全部タクシー移動という、メンバー以上にある意味VIPな体験で、
今日と言う日は私にとって良くも悪くも一生忘れられない1日となった。
週末からはお待ちかねの代々木のライブ、次からは絶対遅刻はしない!
THE FRUSTRATED
ALL I WANT
MERMAID
天使のわけまえ
BLAST
Blue Jean
May Fair
都忘れ
SPECIAL THANKS
Missing You
WET DREAM
coyote,colored darkness
FATSOUNDS
STREET LIFE
軌跡の果て
MISERY
Runaway Runaway
Billionaire Champagne Miles Away
ピーク果てしなく ソウル限りなく
BUGS IN MY HEAD
BEAUTIFUL DREAMER
ホワイトロード
口唇
誘惑
南東風
so far yet and so close
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