Live Report
−GLAY EXPO 2004を思う存分楽しんだレポート−

GLAY EXPO 2004 前夜祭

PM5時頃、ここまでなんとかもちこたえていた雨がとうとう降り出した。 あわてて近くにあったロストワールドレストランに駆け込んで雨宿りさせてもらうことにした。 パークの一番奥に位置しているからか、私たち以外誰もいなかった。 外では雨が降ったりやんだりをくりかえしているようだ。 休憩していても気になるのは明日の天気のこと。 猛暑が心配されたときは曇りだといいなと思うし、 雨が降るかも、と言われれば晴れがいいと思う、「ムシがいい」とはこのことだ。 でも「強風で中止」だけは考えたくもなかった。 このときはもう、台風が大阪からそれてくれることだけをただ考えていた。

前夜祭が始まる15分くらい前にレストランから出てきた。 すると「あ〜っ!虹っ!虹がかかってるよ!」友達が叫んだ。 彼女が指差した方向を見上げると灰色の空に七色の虹がかすかにかかってた。 西の空には雲の隙間から夕焼けがのぞいていた。 「すごいねっ、本当にGLAYマジック起きちゃうかもねっ」期待に胸がはずんでいた。 ラグーン周りはもうすでに人でいっぱいでステージが見えそうにないし、 ライブが終わったらすぐにパークをでなくてはいけなかったので 出口からそれほど遠くない場所に設置されたスクリーンで前夜祭を鑑賞することにした。 (普段はショーが行われるスペースらしく椅子と屋根があったので・・・)

さっきまで灰色が大部分をしめていた空は夕日で赤い部分が多くなり、 ラグーンの水面を黄金色に染めるほどになった。 強風に揺れる樹木や細部にまでこだわって作られたパーク内の建物をみてると ここが日本の大阪で、ましてや台風が近づいているなんて信じられない光景だった。

開始時間の午後7時を少しすぎて、ラグーン中央の噴水が水しぶきをあげた。 メンバーはTAKUROとTERU、JIROとHISASHIの2組に分かれてボートにのって登場。 両手をあげて右に左に手を振っている姿が本当にうれしそう。 みんなライフジャケットを着ているのが笑える(TERUさん泳げないもんね)。 ラグーンを大きく一周して一番奥にある水上ステージの裏側から再登場。 ステージの上で準備に動き回るスタッフさんの日焼けした顔が今日までの苦労をにじませた。

白いタンクトップに白い半そでシャツ、グレーのジーンズをはいてるTERUも日焼けしたのか 胸元や頬骨の一番高い部分が赤くなってるように見える。 「あのね〜、GLAYってやっぱ変だわ〜」なんて意味不明な言葉を発して、しかもなまってる! ほかのメンバーもみんな満面の笑顔。「楽し〜っ」って顔に書いてあるようだ。 今回の前夜祭ライブはメンバー全員椅子に腰掛けた状態でカジュアルな雰囲気。 「航海」「あの夏から一番遠い場所」の2曲は本当にきれいなグラデーションに染まった空をバックに演奏されていた。 次の曲の準備をしている間に少しMC。

TE「せっかくだからメンバーの声を聞いてみようか、うちのリーダーです、TAKURO!」って・・・笑。
TA「うちにはTERUという名前の晴れ男がいますから、明日の天気は大丈夫です!」
JI「実は晴れ男はTERUではなくて、俺です!」

HISASHIは・・・忘れてしまいました。ものすごくあたりさわりないコメントだったもんで・・・。 TOSHIさんにも話をふるけど、マイクが届かなくてTAKUROが通訳?してた。 続いて久しぶりに「とまどい」 TERUの声がかすれていてとても苦しそう。曲が終わるとのどスプレーを数回シュッとしていた。 効果のほどはどうなんだろう?と思っていたら、次の「HOWEVER」はきれいに高音部が出ていて驚いた。 効果あるんだ・・・。 「HOWEVER」が終わるとガラッと曲調が変わってブルースver?、ジャズver?の「Cynical」。 TERUがハーモニカを披露していた。うまいか下手かはわからないけれどよくがんばってました。 曲が終わるとここが一番面白かったMC。

「Cynical」のアレンジがアメリカっぽかったでしょ?という話をHISASHIにふる。 でもHISASHIの声がちょっとぼそぼそと小さくてよく聞こえない。

TE「それじゃ、みんなの好きなアトラクションの話でもしようか。
僕はスパイダーマン、最高だねぇ。あんまり最高すぎてダーダー涙流してました。TAKUROは?」
TA「僕は、E.T。(ちょっと笑いながら)」
TE「あ〜、好きそう・・・はははは」
TA「自転車に乗って飛び立った瞬間、隣のHISASHIに人さし指を突き出してました。
彼はそれにこたえてくれました。こぉ〜んな感じで・・・(両手の人さし指同士をくっつける)はははははっ」
TE「JIROは?」
JI「好きなアトラクションはいっぱいあるんだけど、一番うれしかったのはポパイに会ったことです。
ありがとうございます・・・ワケわかんね〜、あははははっ」

ここまで話して次の曲に行こうとしたら、客席からワーワー声がした。 TERUが「TOSHIにも聞けってよ。わかったよー(呆)」とまたなまりながら、TOSHIにマイクを渡した。

TO「もちろん・・・あれ?・・・スヌーピーですっ!」
TE「あのね〜、自分がスヌーピーに似てるんだって。僕ってスヌーピーに似てるでしょ?似てるでしょ?って聞いてくるの、 はいはい似てます、似てますって言ってるんだけどね、ははははははっ、それじゃ次の曲いっていいですか?」

とさっさと切り上げようとする。 それでも客席のざわめきがとまらないので耳に手をあてて聞いてみるとHISASHIコールが会場から起こった。 するとHISASHIが右手を小さくあげて「はい、HISASHIです、何でしょう?」だって。おちゃめさんだ。

TE「HISASHI?デロリアンっつったじゃん。バックトゥーザフューチャーでしょ?」
HI「そうですね」
TE「俺が忘れたと思ったの?話の流れでわかってくれよぉ〜。 あ〜、もぉグダグダしちゃうから〜!(おばさんみたいに隣の人の肩をたたく仕草)」
全員爆笑。

だって、HISASHIの声が聞き取れなくて、「デロリアン」なんて聞こえなかったもん。 それにライブ中のメンバー紹介でHISASHIを紹介し忘れること数回・・・というエピソードをもつTERUのことだから、 きっとまた忘れたんだと思った人がいても不思議ではないでしょ? グダグダしないように「BEAUTIFUL DREAMER」を演奏し始めると、とうとう雨が強く降り出してきた。 一応ステージ上には屋根があったけれど、強風にあおられて雨が真横から降ってくるので 風上側にいるTAKUROや一歩前にいるTERUはずぶぬれになったかもしれない。

曲がラストの「南東風」になるとますます風と雨がひどくなってきて、 TERUは目の前に置かれた譜面のページを必死でめくり返していたけれどできず、 前髪が風にあおられてうっとおしいらしく、とうとう立ち上がって風上に顔を向けて歌いだした。 TAKUROは風上に背を向けて、ちょうどTERUと向かいあうように演奏していた。 JIROとHISASHIは風下だからぬれないのか、二人とも涼しげな表情だった。

「なんと!野外で雨が降ったのはGLAY史上初めてです!」

TERUが曲の最後に叫んだ。髪はぐちゃぐちゃ、上着のすそはバタバタとはためいていた。 TAKUROもHISASHIもJIROもとてもうれしそうにステージを降りていったけど、 帰り道を急ぐ私たちには台風が刻一刻と近づいてきていることを覚悟せざるをえない風雨だった。 メンバーにとっても、私たちファンにとってもそうだけれど、 連日の猛暑の中、大汗流しながら会場設営をしたスタッフさんにとっては文字通り「眠れない夜」になるんだろう。

メンバーもスタッフもファンも、みんなが待ち望んだ明日のライブ、どうかベストな環境で迎えられますように。

SETLIST

1.航海
2.あの夏から一番遠い場所
3.とまどい
4.HOWEVER
5.Cynical
6.Beautilful Dreamer
7南東風