2004年8月1日EXPO館
あまりの暑さで目をさました。
起きるなりボサボサ頭のままコンビニに行き、並んでいる全種類のスポーツ新聞を買ってきた。
とりあえず読むのは後回しにして、またまたUSJに出かける準備をする。
「またいくの?今日は何があるの?」さすがの母も呆れ顔だった。
朝9時頃出発、ほぼ昨日と同じ時間、同じ道順をたどってユニバーサルシティ駅に到着。
昨日は駅のホームなどは身動きできないほどの人だったけれど、今日は比較的余裕がある。
もしかして、昨日のことは夢だったのかな?なんて思ってしまう。
ローソンでお茶とおにぎりを買って、エキスポ館に向けて歩き始めた。
昨日会場に入るときに使ったステージ裏の入り口はしまってた。 歩くのを覚悟して炎天下をエッチラオッチラ歩く。 20分ほど歩いたところで、キョロキョロしながら歩いていた親子連れに 「パークに行くにはどっちに行けばいいのか」と声をかけられた。 「えっ、反対です!あっちに行かないとどんどん入り口遠くなりますよ」 どうやら私たちGLAYファンが歩いてる様子をみて、同じ方向に行けばパークにたどり着けると思ったらしい。 「やっぱりー・・・なんか変だと思ったんです・・・」とお父さんが肩をがっくり落とす。 駐車場にいたUSJのスタッフさんは何も教えてくれなかったそうだ。 小さな子供さんづれだったので、タクシーに乗ることをすすめてわかれた。
1時間近く歩いてようやくエキスポ館入場待ちの列の最後尾にたどり着いた。 桜島駅から歩いたほうが近かったやん! 誘導係りのスタッフに待ち時間を聞いても、的を得ないし、もう帰ろうか・・・と思うほど暑かった。 昨日の待ち時間中がこの天気だったら・・・考えただけでもおそろしい。 過去2回のエキスポでは都合で展示をまったく見ることができなかったので、 今回ばかりは何が何でもみる!と意気込んできたのだけれど、その決意さえ崩れてしまいそうな暑さだった。 ところが私が最後尾に並び始めたころから、列は順調に進んで5分ほどでエキスポ館の会場内に入ることができた。
炎天下を大汗かきながら歩き、ヘロヘロになった私を入り口で笑顔で迎えてくれたのは
WOWOWブースの検査着姿のメンバーのパネル。思わずこちらも笑顔になる。
並んで記念撮影できるように5人目の検査着のパネルがおいてあり、長蛇の列ができていた。
横にはメンバーソロラジオ共同企画の似顔絵が並んでいた。
似顔絵の前には「やまだひさしのラジアンリミテッド」で全国を縦断した車が展示されている。
車体全面に大勢の人のメッセージやサインが書かれていた。
もちろんGLAYのメンバーのサインも・・・あるはずなんだけど、
どういうわけかHISASHIのサインだけ見つけられなかった。
順番にブースをのぞいて歩いていたら、TAKUROソロラジオの「GRC DX」ブースに到着。
TAKURO宛のメッセージが書けるコーナーで昨日の感想を書いていたら変な看板をみつけた。
「スタジオ体験できます 体験したい人はスタッフまで」
のぞいてみると男性が簡易ラジオブースの中でヘッドホンをしてマイクを前にしてしゃべっていた。
何だこれは???興味がわいたのでじっと見ていたら、看板そのままラジオのパーソナリティ体験ができるというものだった。
「やる!やってみたい!」と思った・・・でも恥ずかしくてスタッフに声をかけられない。
ブースの前を行ったり来たり・・・サンザン悩んで決心した。
やらないで後悔するより、やって後悔するほうがいい。
「あの〜、これやってみたいんですけど」と恐々暇そうにしていたスタッフに声をかけた。
「あっ、どうぞどうぞ、すぐできますよ」とスタッフのお兄さんはにこやかに案内してくれた。
席についてお兄さんから説明を受ける。
ス:「TAKUROさんのラジオは聞いてくれていますか?」
ら:「はいっ、もちろん」(ごめんなさい、時々しか聞いてません)
ス:「そーですか!では特別にお知らせ。明日のGRC DXでは昨日の音源流します!イェイ!」
ら:「絶対ききます!!!」(二人で拍手。ノリのいいお兄さんだった)
ス:「じゃあ、説明しますね。ここではGRC DXのTAKUROさんの役をあなたにやってもらいます。」
ら:「むっ、むずかしそうですねぇ・・・不安」
ス:「大丈夫です!なぜならここに簡単な原稿があるからです」
ら:「なるほど」
ス:「これにそってやれば大丈夫!ところで昨日のエキスポは参加しました?」
ら:「はいっ!すごく楽しかった」
ス:「そうそう、JIROくん男泣きしてたの知ってる?」
ら:「えっ、JIROくん泣いてたの?いつ?」
ス:「最後のね、アンコールステージからメインのステージに戻るとき」
ら:「マジですか?」
ス:「マジマジ。カメラでアップになったときにポロポロ泣いてたよ」
ら:「えー、意外」
ス:「でしょ?JIROくんって普段はそんなところぜんぜん見せないからさ、
あの涙見て、俺ももらい泣きしたよ〜。俺たち本当にいい人たちと仕事させてもらってるなあって感動した。」
(お兄さん、たいそう熱く語る)
ら:「へぇ〜」
ス:「話を元に戻すけど、この原稿通り読まなくてもいいからね。
まずは簡単にごあいさつ、で次に昨日のライブの感想をしゃべってね。
ただ"よかった"とか"感動した"だけじゃなくて、どこがどんな風によかったかを具体的にフリートーク!」
ら:「ふっ・・・フリートークですか?」
ス:「そう!フリートーク。がんばって!」
ら:「はあ・・・」
ス:「その次にココでしか聞けないTAKUROさんのメッセージが聞けます。
それが終わったら僕がまたキューだすから、締めのコメントと曲紹介して終了、大丈夫そう?」
説明のあと一通り原稿に目を通し、フリートークの部分を頭の中で考えて体験スタート。
ヘッドホンをつけ、マイクの高さをあわせてスタンバイするとGRC DXのオープニングのジングルが聞こえてきて
お兄さんが右手を伸ばしてキュー。
大きく息を吸ってからしゃべりはじめた。
「こんばんはっ、らんです!今週もスタートしたこの番組・・・」出だしは我ながらなかなか好調だ。
「昨日のライブに私も参加しまして・・・」ここからがフリートーク。
言いたいこと、伝えたいことは山ほどある。
でも、それを頭の中で整理して文章にして声に出す作業は想像以上に難しかった。
ここでは多少支離滅裂になってもかまわないけど、
メンバーがやってる本物の番組では、支離滅裂になっては意味がないし、時間的な制限もある。
(ひとり、99年のエキスポ後の番組でCMや曲を無視してしゃべり倒したメンバーがいたけど)
伝えたいこと、伝えなければいけないことを正確にわかりやすく短時間で話すのは至難の技だと思う。
なんとかフリートーク部分を終えるとヘッドホンからTAKUROのメッセージが聞こえてくる。
でも何をしゃべっていたかはほとんど覚えていない。
「いろんなブース回ったと思うけどどうだった?
俺は少なくともとなりのブース(TERU ME)に勝った自信はあるんだけど」
というのだけ、かろうじて覚えていた。
ふと外を見るとギャラリーが増えていた。ちょっといい気分。
メッセージが終わるとお兄さんがまた派手なアクションでキューを出して締めコメント。
「・・・この時間のお相手はらんでした!また来週、ばいばいっ」で終了、ほっと胸をなでおろす。
ス:「どうでした?なかなか上手だったよ」
ら:「やっぱりフリートークが難しいですね。
なかなか頭の中整理しながらしゃべるのってできない、実際には時間的な制限もあるだろうし・・・」
ス:「あはははっ、なんせ時間10分間だからねえ(笑)」
よくしゃべる明るいお兄さんで、普段からこんなに楽しげに放送してるのかなと思った。
ブースから出るときも「いっぱい楽しんできてね〜」と送り出してくれた。
次に行ったのは隣のTERU MEブースの「TERUのシークレットボイス」。
5分ほど待って順番が回ってくると、ヘッドホンを持っているお兄さんが元気よく
「GLAY好き?」と聞いてくる。「うんっ」と答える。
お兄さんはさらにテンション上げて「GLAYめっちゃ好き?」と聞いてくる。
なんだかこちらもテンションあがってきて「GLAYめっちゃ好きやねんっ」と答える。
「おっ、地元の人?じゃ、どうぞ〜」とヘッドホンを手渡してくれた。
TERUのひそひそとあま〜くセクシーな声が耳元から脳神経を直撃してくる。
「口あけて・・・舌出して・・・ペロッとして・・・ご注文は?」
もうノックアウト、脳みそ溶ける寸前だった。
返事は元気よく「TERUさん!」と言いたいところだった。(注文内容は秘密)
よく見たら隣の女の子も腰砕けになっていた。
おまけに昨日のチケット裏側にTERU ME特製スタンプ押してもらって大満足した。
続いて順々に見学する。
HAPPY SWINGブースや各ラジオ局・テレビ局のブースなどを軽くながして
広場?みたいなところにでるとGLAYのペイントがされたトラックがおいてあった。
「BLUE JEAN」のジャケット写真とエキスポのメンバーシルエットの写真。
「GLAY EXPO 2004 大成功ありがとうございました。THANK YOU OSAKA」と書いてあるのを
みんながかわるがわる写真を撮っていた。
ここまでみたところでお昼になったのでメインのメンバーブースに突入する前に
駅で買ったおにぎりとお茶で軽くお昼ごはんを食べた。
会場の隅っこの木陰に座り、行き交う人をみながら食べた。
本当に暑くて、買ったときはよく冷えてたお茶がぬるいお湯のようになっていた。
一休みしていよいよメインイベントのメンバーブースに突入。
一番入り口近くにあったのが私にとってメイン中のメイン、TAKUROの「プチGLAY博物館」
デビュー前のライブチケやチラシ、
「ずっと2人で・・・」「HOWEVER」「pure soul」「Together」など、
数多くの名曲が生まれるまでの過程が、癖のある文字で書きつづられていて、
そのひとつひとつに丁寧にTAKUROのコメントが添えられている。
「手書き原稿」と言うのは非常に生々しい。
きれいにノートに書かれているもの、何度も書き直した後があるもの、
チラシの裏に殴り書きされているもの、飲み物をこぼした跡があるもの。
ここにはいくつかクーラーが置かれていたけれど、人の熱気の方が勝っていてちっとも効いていない。
他のメンバーブースは人が多くても、ある程度流れがあったけれど、TAKUROブースはまったく人が動かない。
みんな、人の隙間を縫って一番前まで行き、食い入るように世界に入り込んでた。
隣の人の足を踏んでしまっても、まったく動けなくても誰も文句言わない。
狭いスペースに押し込まれて身動きができなくて酸素が薄くて息苦しかった。
食い入るように見てしまったこともあるけれど、結局TAKUROブースだけで2時間ぐらい時間が過ぎた。
隣にはHISASHIブース。
HISASHIらしいメタリックなつくりで、HISASHIご自慢のタルボや、
ファンの自慢のタルボがたくさん展示されていた。
ここはサラッと流す・・・というか、隅々まで見てもあんまり時間がかからなかった、
というのがイチAKUROファンの意見。
続いてはTERUブース。
ここは大きなボードで区切られていて、中の様子がよくわからない。
ただ、TAKUROブースに負けない大勢のファンで身動きできないらしいことはわかった。
・・・が、かまわず突入!エキスポ館は見たモン勝ち!なのだ。
他のブースとの区切りになってたボードの裏側にはTERUVISを筆頭に
今までのステージ衣装に身を包んだTERUさんが数人、こちらを見つめている。
四方の壁にも大きなTERUさん、小さなTERUさん、いろーんなTERUさんがいて
みんな携帯電話のカメラやデジカメ、なかにはビデオカメラを回したり撮影に余念がない。
99年エキスポ館TERUブースの入り口においてあった絵や、前回のエキスポのグレンジャー、
Nack5のタイムテーブルの表紙や、腕のタトゥのシルクスクリーンなど、
たくさんの作品が所狭しと展示されていて、アイデアの多彩ぶりを堪能させていただいた。
やっとの思いでTERUブースを抜け出すとJIROブース。
たくさんのポラロイド写真がズラーッと並んでいる様子は壮観だったけど、
周りに人がたくさんいたので、ぜんぜん見えなかったのと、
さすがにバテてきたのと、デジカメ本体が異常な熱をもって悲鳴をあげていたので
クーラーの前に陣取ってJIROブースを眺めながらちょっとだけ休憩した。
人が少しすいてきたのでJIROブースに突入したんだけど、
あまりにたくさんの写真があるのと、暑さとで1枚1枚をゆっくり見ることができず、
ざっくり一番上の段の空の写真を見て、全体の写真をとるだけで終わってしまった。
この先は言ってみれば「GLAY10年の歴史」館。
ライブ風景のパネル写真、10年間の活動の一覧表、愛用の楽器、ライブ衣装が展示されていた。
今までのバンド活動の一覧表の前で、自分がファンになった時期を探してみた。
1998年末頃だったから、この一覧表で言えば真ん中あたりかな〜、なんて感慨深く思った。
半分しか知らないんだ、なんて寂しい気持ちもあった。
それにしても10年間のスケジュールのすごさ!
この一覧表の全体を写真に収めようと思ったら、パネルから6mぐらい離れなければおさまらなかった。
ライブ衣装を見ても、楽器を見ても、そのひとつひとつに当時の思い出がつまっていて、
このライブ楽しかったよな〜なんて瞬間タイムトリップする思いだった。
ついつい熱が入りすぎて、境界線のフェンスを倒してしまう人がいたり、
カメラを構える私の前を、同じようにカメラを構えながら入ってきて、
「あっ、す・・・すみませんっ」とあわててあやまる人がいたり、
かと思えば私が隣の人の足を踏んでしまったり、
あちこちで「あっ、すみません」「いいですよ」なんて声を耳にするたび
ひとりひとり顔も名前も知らないけど、
「GLAYが好き!」という同じ思いを持つ大勢の仲間と貴重な時間をすごしていることを
不思議に感じたり、嬉しく思ったりしながら外にでた。
(実はその足で入り口に戻ってもう1周した・・・汗)
エキスポ館を後にして、駅に向かう途中昨日のライブ会場の横を通りかかった。
すでに撤去作業が始まっていて、大型トラックが何十台も止まっていて、
ステージセットも上の方から順番に姿を消していっていた。
しばらくその場に立ち止まり、昨日の出来事は現実のものだったのか、それとも夢だったのか、
複雑な気分で撤去作業で忙しく動き回る人を眺めながら、
パンパンになった足を引きづりつつ実家に向かった。
実家にたどりつくと、家は近所のおばちゃんたちのサロンと化していた。
シャワーをあびて、後は疲れ果てて部屋の隅で横になった。
「この子(私のことらしい)ももぉ若くないなあ」という母の暴言を遠くに聞きながら、
次に開催されるだろうエキスポの時期とその時の自分の体力との関係について思いをめぐらせていた。