■短編小説終了によせて・・・■

に想う
>>>制作秘話と感謝の気持ちによるあとがき

 案外短編小説というのは難しいもので、自分を追い詰めないとできない状態で書いてました。自分を追い詰める、すなわちアップするはずの水曜日に仕事から帰ってきてから書き始めるというなんともスリリングな連載方式をとっていたのであります(爆)。う〜ん、じつにチャレンジャーですな>自分。
 というのも、短編って長編より起承転結をはっきりさせないと面白味に欠けちゃうんです。だから、かなり集中して書かないとダメでした。集中する為には、自分を追い詰めるしかなかったんで・・・。こういう書き方もありかな?!みたいな(^^;

 さて、初めの頃に言いましたが、このお話は私が見た夢を元にしてるのですけど、やっぱりいくつか付け加えないと話にならなくて大変でした〜(−−; かなりドラマティックな夢だったので、そのまま台詞まわしとか使える所もあったんだけど、さすが夢!時間の概念がなさすぎ(><)私の夢では、ユヅルが死んでからの方が話が長かった・・・。さすがにそこは割愛。あ、もちろん夢の中では私はシノブでした。時々視点がユヅルになることもあったけど・・・。一条さんももっと夢では活躍してたんですけど、話の中ではそれほど重要ではないかと思って出番は減らして、妙子さんとユヅルとシノブの3人をメインにしました。なんとも微妙な関係ですよね。かえって、その方が話もわかりやすくて良かったように思えます。

 それから、実は入れるのに非常に迷ったシーンがあるんです。ここだけの話・・・・・・あの4話冒頭のシノブの夢のシーンです。
 これはね・・・夢見た本人が言うのもなんだけど、わかりづらい!!ってのが大問題だったね。何でノブはこんな夢を見たんだろう?っていう・・・。妙子さんとユヅルの関係に嫉妬したせいか、それともユヅル自体が興味の対象だったのか?!わけわかりませんでしたね(^^; だから本当はあの時、ユヅルの答えがちゃんとあったんです。『俺は・・・・・・―――』なんて、本編じゃそこで切ってますけど。しかも、私の夢の中じゃ、このシーンはユヅルが死んだ後の話で、さらに意味不明なシーンだったわけです。でも敢えて使うことに。ノブの気持ちをよく表している夢だと思ったからね。なんか、ユヅルの存在が『夢』なのか『現実』なのか、それがわからなくて、でも自分ではユヅルの存在は『現実』であると思っているはずなのに、心のどこかでそれを疑ってるんじゃないかと・・・。そういう、思春期の葛藤?みたいなものを描くにはちょうど良かったと思いました(^^)。

 ともかくこの話はモデルがピッタリはまってくれたので、書くときも情景が浮かびやすくて本当に楽でした。今現在は、山Pも斗真も大きくなっちゃって、すこしイメージがずれるかもしれないけど、2〜3年前の・・・山Pがちょっと大人になり始めた頃のふたりが、一番イメージにピッタリなんだよね。ホント、ユヅルは綺麗な子だよね〜。

 あと、西瓜の話。
 これは最後の場面の為に、なくてはならない存在でしたね。てか、こればかりは実体験に基づいてるの!私の亡くなった友達が、お弁当によく薄切りのきゅうりを持って来てたの。それは漬物じゃなくて、ただのきゅうりを薄くスライスして食べやすい大きさになってるものだったんだけど、なぜか決まって彼女はそれを爪楊枝で刺して食べててね。その姿が、妙に小動物(リスとか?)のようでかわいく見えてたんだよね。それがメチャクチャ印象にあってさ〜。ある日、自分がきゅうりの薄切りを食べた時に、ふと彼女のこと思い出しちゃって・・・。『ああ、そういえばよくお弁当にきゅうり持ってきてたっけ』とか考えちゃったら、涙出そうになった。そんな体験があって、この物語はキチンと終わりを迎えられたわけであります。そういう、故人に関する食べ物とか飲み物とかって、ふいにその味に出会うと、じんわりくるものがありませんか?!それがわかってもらえればいいんだけどさ・・・。

 夏のイメージって、元気とか爽やかとかそういう、どちらかと言ったら『+(陽)』のイメージじゃない?だから敢えてその時期に『センチメンタル』を合わせてみたの。夏に感じる切なさも、結構“オツ”なものだと思うけど?!(笑)いかがだったかしら?こんな叙情的な短編はジャニ系じゃ向いてなかったかぁ・・・?でも、こういうやつもあるよってことで・・・!

 では、最後までお付き合いくださりありがとうございました。次回作も頑張っていこうと思います。感謝!!

2001.5.25