■中編小説終了によせて・・・■

暫定ヒーロー 〜ブレーンダーセブン外伝〜

>>あとがきと感謝の言葉

 リハビリ作品と言いながら恐る恐る書き進め、最終的に全15話という中途半端な長さの小説になりました、この作品。これはやはり『中編小説』と記すべきでしょうか(苦笑)。できれば短編として、さくっと書きたかったのですが・・・まだまだ修行不足ですね。

 タイトルからおわかりの通り、これは長編小説となるべく作品の外伝的小説であります。と言っても、その本編はまだどこにも存在しておりません。私の頭の中では、イロイロと展開している作品ではあるのですがね。
 ぶっちゃけた話、元々は『ブレーンダーセブン』の方を新作として書こうと思っていたのです。ところが、登場人物が多すぎて(トニセン+トキオ+少年隊がメインで出てくる話と想定してました)、その中で主役を誰にするかで迷いに迷ってしまった為、すべてを白紙に戻してしまいました。そこで新たに、【大野が主演の作品】というのを考えはじめ、どうせなら『ブレーンダーセブン』のネタを織り交ぜたらどうだろうかという考えが浮かんだのです。それで生まれたのが、この『暫定ヒーロー』でした。

 弱々しい智と、白黒ハッキリさせるのが好きな江戸っ子タイプの井ノ原。書いていて本当に楽しかったです。しかし根本的な所は似ているというふたりだったので、途中からそのコントラストが曖昧になってきてしまいましたね。ああ、せっかくカッコイイ井ノ原を目指していたのに・・・!でも、じつはそれも狙いだったので、これで良かったのでしょう。カッコ悪い智が、徐々にカッコ良くなってきたのだという風に解釈していただければ幸いです。あくまでメインテーマは『智の成長物語』ですからね。

 ブレーンダーセブンの描写は、本当はもっと細かく書いてみたかったのですが、特撮モノを小説にするのは初めてだったし、今回は彼らが主役というわけではないのであまり取り上げても無駄に話が長くなるだけだと思い、おもいきって割愛させてもらいました。それでも智の目線から見た程度には書いておかなければならないので、文章を削りながら描いたアクションシーンは予想以上に書きにくかったです。けれど、良いリハビリにはなったと思います。
 毎度のことですが、私の作品は登場人物がどんどん増えていきますよね・・・。自粛してるつもりでこれなんだから、実際に『ブレーンダーセブン』を書いたら大変なことになりそうですね!恐ろしい(震)。しかし個性の強いキャラクターを書くのは本当に楽しいです。勝手に動いていっちゃうのをまとめるのが、大変といえば大変ですがね。あまりに個性が強いと、智と同じ気持ちで戸惑っている自分がいたりして、それまた楽しい経験でした。

 さて、そんな物語の舞台となった海上都市フロンティア。イメージは、晴海埠頭やお台場などのウォーターフロントです。真四角に整地された土地が海を埋め立てて造られていると考えていただければよろしいかと。そこを環境問題に取り組んでいる大富豪が買い上げ、未来の都市機能の実験的地区にしたという、ものすごく『非現実的』な設定です。この辺はやはり特撮モノを意識してのことですね。適度な非現実空間は、小説の舞台としては最高ですね!
 そのフロンティアに建つ、私立海晴学園。『海』という名前を付けたくて、適当に明るい文字を選んで付けてみました。明るくて朗らかで、ちょっと大雑把な校長先生のイメージが先に決まっていたので、それに合わせて考えたのでした。ちなみに今までの小説に出てきた学校も私立ばかりですが、それは私立の学校は公立より規制が少ないという勝手なイメージがあるからなのです。あくまで私の勝手なイメージですけどね。事務局制度というのも私のオリジナルですが、世の中には似たような制度のある学校も存在するんでしょうね。教師も生徒も恵まれた環境・・・羨ましいものです。
 話の中にたくさん出てくる工場などについては、小説内で説明がある程度されているので今回は割愛させて頂きます。(この工場も、本編として『ブレーンダーセブン』を書く場合に必要になるとは思いますがね・・・)

 今回の作品は『仕事』というものが鍵となっていましたが、社会人の方だけでなく学生さんにも「がむしゃらに頑張ってみよう!」という応援メッセージめいたものを込めてみました。まず第一にそれが伝われば幸いです。カッコ良く生きる為には、カッコ悪くもがくことも必要なんだとわかっていただければ嬉しく思います。・・・みんなで頑張りましょう!

 ちなみにタイトルの『暫定ヒーロー』は、智が偶然ブレーンダーホワイトになってしまったというところからきています。考えてみたら、前回の作品『怪傑狐草紙』と同じ【ヒーローもの】ですよね。・・・これは・・・ただ単に私がヒーローものが好きだからってことなのかしら。いやはや、結局は自分が楽しむ為に書いてるってことですかね!(笑)
 そんなわけで、今回も楽しくかけて満足しています。本当に良いリハビリになりましたし。改めて文章を綴る大変さを思い知りました。小説を簡単に書こうなんて無理な話ですよね。また次の作品を書く時は、資料集めから念入りにやり、気持ちも新たに頑張りたいと思います。

 最後に。
 この作品を読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。「リハビリを兼ねた短編に〜」とか言っておきながら、結局は中編になってしまったこの体たらくぶりに呆れずついてきてくださって、大変嬉しく思っています。感想を下さった皆様も本当にありがとうございました。感謝感激です。反応があると言うのは、ありがたいことですね。
 拙い文章でお見苦しい点も多かったとは思いますが、最後まで目を通してくださいまして誠にありがとうございました!ここに感謝の意を記し、あとがきとさせて頂きます。

>>登場人物と裏設定話

 さて、またまたやってきたこのコーナー(?)。個性的な登場人物のおかげで、物語に深みが増したり、話が面白く進行していったわけでありますが、それぞれにイメージしている役者さんたちがいるので、そちらをご紹介させて頂きます。

 なお、ネタバレも含みますので、物語を最後までお読みになってからご覧下さいますよう、ヨロシクお願い致します。



◆大野智
―――今回は、ちょっとダメダメな大学生役。『ピカ☆ンチ』のハルみたいなイメージで見て頂けるとわかりやすいかと思います。ちょっとだけタイミングの悪い男。おかげで大変なことに巻き込まれちゃいましたが、そのことがきっかけでちゃんと社会人への第一歩を間違いなく踏み出せたことでしょう。今後は海晴学園の事務局で、Yクラスの教師と井ノ原に監視されつつ頑張っていって欲しいですね(笑)。

◆井ノ原快彦
―――海晴学園の保健室のお兄さん・・・もとい、養護教諭。実際に保健室の先生って女の人が大半ですが、彼は自分から「男の先生って珍しいから」という理由で養護教諭を選んだ、という裏設定がありました。特攻隊のブレーンダーホワイト。ちょっと短気だけど、どこか憎めない男です。あまり崩さぬようにするのが大変でした(笑)。

◆草間事務局長
―――長塚京三さん。上司にしたい俳優さんのランキングに上位入賞してらしたので、いつかそういう役で起用してみたいと思っていたのです。スーツが良く似合うカッコイイ中年男という見た目が、完璧でちょっと怖い事務局長のイメージにピッタリでした。校長と教頭との間に挟まれるのではなく、教師と生徒の間を取り持つ『中立精神』を守りつつ、事務局を切り盛りしていって欲しいです。

◆柳川晴郎
―――事務局長の腰巾着というキャラクターだったので、なんとなく悪役っぽい顔立ちのベンガルさんをイメージしました。ちなみに晴郎さんは、ベンガルさんの本名から借用。最後の方は全然出てきませんでしたが、けして忘れていたわけではありません。・・・多分。(ご、ごめんなさい!)

◆光瀬靖子
―――光浦靖子さん。最初は事務局の女性と言うことで、もたいまさこさん辺りを想像していたんですが、智との年齢差が開きすぎてしまうので、もう少し若くて微妙な年齢の女性を・・・と思って起用させてもらいました。個性が強かった分、書きやすくて楽しかったです。もっとたくさん出したかったなぁ。

◆加藤茶太郎教頭、英語教師ミキ先生
―――今回の悪役。加藤茶さんと、真矢みきさん。加藤茶さんは悪役で使ってみたいという思いがだいぶ前からありまして、今回思い切って起用させてもらいました。悪役らしからぬ人が悪という構図が楽しかったです。そしてその加藤教頭を操っていたのが、美貌の英語教師ミキ先生。ミキ先生の名前が唯一カタカナ表記なのは、ちょっとした理由がありまして・・・まあそれは今回は出す必要がないからと割愛していたのですが、チラリと書くとすれば、ミキ先生の本名が「Shinya Miki」という設定だからです。つまり、ミキは名前ではなく苗字・・・じつは海晴学園のOB・・・おっと、これ以上はミキ先生の為にも言えません(笑)。

◆天野欽一校長
―――欽ちゃんこと萩本欽一さん。最初から、この突拍子もない学園のトップはお笑いの人にしようと心に決めていたので、すんなりイメージにはまってくれました。Yクラスを作った人であり、じつは何でも知っている謎の人です。ちょっと体調を崩して入院していましたが、その間もイロイロ学園の為になることを考えていました。きっとSクラスの問題も、今後ミキや教頭と話し合っていくことでしょう。教師同士が生徒の為になることを検討し合うのは大切なことですからね!最後に出てきていい所だけもっていく・・・じつにオイシイ人でした。

◆植草博士、財閥御曹司・錦織、会計士東山
―――言わずと知れた少年隊のみなさん。フロンティアの開発事業は彼らの手にかかっております。ブレーンダーセブンというバイオジーン処理班を作ったのも彼らです。彼らの詳細については、今はまだ本決定していませんが、ブレーンダーセブンの正体になっているトニセン&トキオたちとは、イロイロあったに違いありません(笑)。

◆Yクラス生徒
―――KAT-TUN。もうこれは生徒役として使いたくてしょうがなかったのです!個性がバラバラのおかげで、特別書き分ける必要もなかったので助かりました。上田くんが少々大袈裟なくらい?智に対する説明役は、元気な亀ちゃんやインテリおたく風な田口くんで。・・・これは個人的なこだわりですが(笑)。ちなみに彼らはブレーンダーセブンの正体にまったく気付いていません。正体を暴こうとしましたが、やんわりと城島先生にたしなめられたという裏設定付き。

◆Yクラス教師
―――井ノ原を除くトニセン、トキオメンバー。それぞれの授業風景も描きたかったですが、智のことに直接関わらなかったので割愛。みんな普段とブレーンダーセブンになった時のギャップがあるという設定です。ちなみに城島先生は、『ブレーンダーゴールド』として過去に一度だけバイオジーンと戦ったことがありますが、すこぶる不評で即封印されたのでした。指揮官(リーダー)としての手腕はかなりのもので、ケンカには長けている井ノ原ですらも、城島先生には頭が上がりません。

◆ブレーンダーセブン
―――バイオジーンと戦う7人の戦士たち。喧嘩っ早くて素早い動きを得意とするグリーン、普段はおとなしくて冷静だが切れると怖いブルー、人の和を大切にしバランスの取れた身体を持つイエロー、細部まで神経を行き届かせることができる知性派のパープル、体力は少ないが射撃の腕が誰よりも優れているブラック、何事に関しても大雑把だが腕力だけはピカイチのレッド、そして、まっすぐな江戸っ子気質のホワイト。どれも今までの戦隊モノとはちょっと違う個性派です。誰がどれかは・・・どうぞ、みなさんでお考え下さい。


 他、智の両親や事務局の面々、瀬尾をはじめとする教師たち・・・それぞれイメージする役者さんはいますが、これ以上は読んでいる方の想像に任せると言うことで。自分の頭に思い描いた人たちのイメージでお楽しみくださいませ。

 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました☆

 

2005.9.9